日本では絶対に報道されない モンサントの嘘 ―遺伝子組み換えテクノロジー企業の悪事
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紹介
「TPP妥結で本格上陸のモンスター食品を知る決定版。食べる前に読んでください!(読んだら食べられなくなりますが)」-船瀬俊介
[モンサントの社員食堂は、遺伝子組み換え食品を使わない。]
モンサントは贈賄と政治汚職、資金10億ドルを投じた嘘で世界帝国を築き上げた。政治家、規制当局、消費者、さらには自社の従業員にさえ日常的に嘘をつく。モンサントが成功・成長を続けられるのは一般市民が無知で騙されやすいからだ。
[本書は日本に警鐘を鳴らす。]
立証された事実、実例と写真でモンサント流の嘘を徹底的に暴く告発書
バイテク企業モンサントは…
不自然な生命体を作り出す
倫理に反する「科学的」研究を行う
「科学的」発見を操作する
メディアに圧力をかける
嫌がらせや脅しで記事や報道をコントロールする
ライバル会社を買収する
遺伝子組み換え食品の表示義務に反対する
抵抗する農民を告訴する
政治家や官僚に賄賂を贈る
アメリカ政府と共謀して農民に自社製種子を強制使用させる
世界の最貧困層に「無料の」種子を無理やり提供する
自社製品の導入に積極的な国の政府と共謀する
乗り気でない政府には強硬手段をとるか脅迫する
株主に高い配当を支払う
全世界を汚染する
そしてそのすべてについて……モンサントは嘘をつく!
内容(「BOOK」データベースより)
モンサントの社員食堂は、遺伝子組み換え食品を使わない。モンサントは贈賄と政治汚職、資金10億ドルを投じた嘘で世界帝国を築き上げた。政治家、規制当局、消費者、さらには自社の従業員にさえ日常的に嘘をつく。立証された事実、実例と写真でモンサント流の嘘を徹底的に暴く告発書。
2018年8月15日
売られている食材、食物がどのような農作物や成分や材料から出来たものなのか、その表示を分かりやすく厳格化してくれれば、消費者はYES/NOを判断することもできるのですが、問題はその表示義務が厳格化されていないという点だと思いました。
本書によると、「表示義務を厳格化」することになったヨーロッパ市場で結局モンサントは大敗したという経緯があるようです。それだけが理由ではなさそうですが。……でもその結果、表示をあやふやにしたり隠したりすることで、例えばアジアなどの巨大市場をキープしようとしているようです。現状、消費者に対してじゅうぶんな情報表示が行なわれていないという著者の主張は、そのとおりだと思います。
モンサントのリリースによると「遺伝子組み換え作物に関連があると実証された病気や被害の例は、これまでひとつもありません」ということなので、勿論安全なのかもしれません。食べ物は、それがなんであれ、いずれ全てが毒とも言えます。でも読み進めると、やっぱりモンサントの言っていることは信用ならない部分が多いのではないかと感じてしまいます。
各章のタイトルに「モンサントの嘘①」「~②」「~③」と振られているのですが、並べると面白いのでいくつかピックアップ。
「モンサントは飢えた世界に食料を提供します」
「モンサントは環境を改善します」
「モンサントは食品表示を全面的に支持しています」
「遺伝子組み換え作物は安全です」
「遺伝子組み換え作物は農薬の使用量を減らします」
「モンサントは農業者の生活の質を向上させます」
「遺伝子組み換え食品は動物にとって安全です」
「モンサントには透明性があります」
「遺伝子組み換え小麦は何の問題も引き起こしていません」
「遺伝子組み換え食品の表示は消費者を混乱させるだけです」
「遺伝子組み換え食品の表示は消費者の選択肢を制限するだけです」
「遺伝子組み換え食品の表示に賛成している人々は、医学や化学に反対しているのです」
「バイオテクノロジー食品の安全性はモンサントが責任を負うべきものではありません」
「枯葉剤は深刻な健康被害など起しません」
「人間を対象とした遺伝子組み換え食品の安全性試験など必要ありません」
「モンサントは建設的に政治に参加します」
「与えることはモンサントにとって当然の行為です」
「モンサントは持続可能な農業の実現に全力を注いでいます」
「モンサントは信頼できる企業です」
……エトセトラエトセトラ
それぞれ短く端的に、著者がそれを嘘と断じる理由や根拠が書かれていて、ぱっぱと読めます。
本書は、先に書いたように特定のポジションから書かれているものですが、実際に自分たちが口に運ぶもの選ぶ際のYES/NOを考えるためにも、あって良い本だと思います。
ところでモンサントはベトナム戦争で使われた「枯葉剤(エージェント・オレンジ)」を作っていた会社でもあるんですね。なるほどぉ。
枯葉剤(オレンジエージェント)やPCBにより、ベトナムを始め多くの国々(日本も含む)で人々の健康や環境を破壊してきたモンサントは、数々の科学的エビデンスも無視して、現在も除草剤ラウンドアップを売り続けている。除草剤ラウンドアップ(グリホサート)については、2015年5月、がん研究について世界で最も権威があるとされる国際がん研究機関(IARC)が、2番目にリスクの高いグループ2Aに分類したことが話題になった。グリホサートはDNAや人の細胞、染色体に損傷を与える可能性があると正式に認定されたのである。しかし、モンサント自身は発がん性を一切認めていない。
本書では、モンサントが遺伝子組み換え(GM)植物を開発して種を特許化し、世界を支配しようとしていることも告発している。25万人ものインド農民が、モンサントの高価なGM種子を購入するための借金苦で自殺に追い込まれたとのことである。GM植物と農薬の組合せで、環境が徹底的に破壊され、人々は危険な食べ物以外に選択の余地が無くなりつつある。静かに、実に恐るべき事態が進んでいるのだ。
冷静に考えれば、決して許されないモンサントの企業活動がなぜほとんど野放しなのか。本書も言及しているように、モンサントに代表されるアメリカの大企業は、政治資金やロビー活動で政治家を買収したり、政府機関に人を送り込むこと(「回転ドア」人事)で、自社に都合のよい法律を作ったり、規制を骨抜きにしているからである。アメリカはとうの昔に民主主義国家ではなく、大企業が政治を支配する国家なのである。TPPとは、アメリカ国民をほぼしゃぶり尽くしたこれら大企業が日本を始めとする他国を支配下に置こうとする動きに他ならない。2015年7月末の時点では、TPP交渉は合意に至らなかったが、まだまだ油断は出来ない。TPPに日本が参加すれば、農業や食糧はもちろん、医療に至るまで、悲惨なアメリカに続くことになりかねない。本書はその悪夢の未来図でもある。