医大生・たきいです。

医大生的独言。

男性医師はアップグレード、女性医師はダウングレード

2014-12-17 20:56:19 | 人気記事

授業がちょっと早く終わったのでラーメン屋にでもいくかなと思った。授業が終わったとつい先ほど宣言したくせに先生はマイクを置かない。マイナー科の女性医師である。推定年齢を書こうか迷ったけど、やめておく。笑

「男の子はもう教室出て行ってくれて構いません。女の子だけ残って少し話を聞いていってください。いいですか、男性医師はアップグレード、女性医師はダウングレードなのです…」

なんだかおもしろそうな話が始まったので、ラーメンのことなど忘れて教室に残った。医大生・たきいです。





一般的に、女性医師の「成功」って二つの尺度があるでしょう。ひとつは、医師としての成功。もうひとつは、女性としての成功。後者を得るのが非常に難しいというのがここでの論点であります。成功というのも抽象的な言葉ですので、「医師としての成功」とは自分の目指す医師像に向ってキャリアパスを歩むこと、また、「女性としての成功」とは愛する旦那と結婚し、幸せな家庭を築くこととでもここでは定義しておきましょう。


男は医者になると7倍モテるという話は有名です。もともと常人の5分の1程度しかないモテ度でも、医者になった瞬間普通の人以上にモテ始めてしまうという理屈。昔、とある文系の女の子と話をしていて、

「おれ?将来はお医者さんだよー」

と言ってみたら途端に目の色が変わり始めてしまって焦ったという経験がありましたが、そういうことです。怖いですね。「医者はモテるとか嘘じゃん」とか言っている田舎の男子医学生をよく聞きますが、田んぼの中に閉じこもっているからそう思うだけなはず。君たちネオン街に行かなさすぎです。それに、自分の先輩たちを見てみればなんとなく事情が掴めるでしょう。これが、男性医師はアップグレードたる所以。「俺と結婚したいんじゃなくて、俺の医師免許と結婚したいんじゃないの」とかいう複雑怪奇な話もあるようですが、ここでは本線と逸れるので割愛させていただきます。笑





対して女医さん。女医さんは結婚相手を選べないというのもまた、この業界では有名な話。まさにダウングレードです。3分の1の法則というのも昔から語り継がれている話らしく、3分の1は幸せな夫婦生活、もう3分の1は独身貴族、あとの3分の1は離婚というもの。このブログ、医学部受験生も結構見てくれているらしいのですが、こうやって女医さんのネガキャンしないほうがいいんだろうかと真剣に悩んでしまうほどのヤバイ数値です(笑)。女医さんは3人に1人しか幸せに結婚できないだなんて。。。



この辺で、こういう話嫌いなんだと言っている男が教室を出て行きました。話の大切さはわかるけど、そもそも金切声のオバサンがフェミニストを称して声高に語るのが腹が立つ、と。ババアうるせぇと思っちゃうのは正直よく分かるよ(笑)。健全な男子は皆、うるさいオバサンの話なんて嫌いだもの。だけどせめて、悩める少女がいるなら彼女たちの声に耳を傾けてあげようじゃないか。

それに、これって女だけの問題ではなかろう。女子の医学部の学生は昔と比べて激増する昨今。中では学年の半数近くが女子という学年の存在する医学部もあるようです。女性医師が健康に幸せに働ける環境を今以上に整えなければ、我々男性医師が必要以上に労働しなければならないことになり、最後には疲弊してしまうに違いありません。女医さんを大切にできないようでは医療は回らないのです。




「とにかく、早く、いい伴侶を見つけなさい」
授業に来た先生が、女子医学生に対して一番イイタイコトはこれのようでした。




ちょっと目線を変えて。海外ではどうなっているのでしょう。今年の3月にイギリスに観光に行ったのですが、そのときケンブリッジ大学で買った本にこう書いてありました。

*ロンドンで医者になりたい人はこれを読む
医大生・たきいです。2014/3/23

Learning medicine(Cambridge University Press)

イギリスで医学部進学を目指している人に向けて書かれた本。

Learning Medicine: How to Become and Remain a Good Doctor
Peter Richards,Simon Stockill,Rosalind Foster,Elizabeth Ingall
Cambridge University Press


“Opportunities for women”と題されて次のようなことが。
“In 1991,for the first time, more women than men were admitted to medical school in the UK.”

…え、これまじ?


“The conflict between career and personal interests is not confined to women and to bringing up a family.”

…日本の女性医師特有の悩みはもはや昔話のような勢いになっています。



イギリスって女医さんがめちゃくちゃいるんですね。知りませんでした。では、日本もイギリスに前ならえすればいいかといっても、そうは問屋が卸さないでしょう。諸外国では、いったん他の学部を卒業してから、medical schoolに入学という流れが一般的です。蓋し、最初の大学生活を送る中で、女性としての成功を勝ち獲って、それから医者を目指す女性がほとんどなのではないでしょうか。対して日本で医者を目指すには、18歳で医学部に入るという人生の選択をせねばなりません。するとベルトコンベアのように忙しい医大生生活を送らされて、卒業したときには若くて御年24。ただでさえモテない女医さんは年齢的にますますモテなくなってきます。正直に書くけど、男に生まれてよかった。日本の女の子は、医師への道に足を踏み入れてしまうと恐ろしい現実が待っているのが現状なのです。




では、解決策とは一体。

育児・保育の環境を整えるとか、仕事との両立を円滑にとか、そういう話もごもっとも。だけど、女子医学生の人生戦略が甘いという点も見逃せないでしょう。女子医学生諸君。教室を見渡せば、童貞っぽくて冴えないブサイクな男がたくさんいるはず。だけど、今現在君たちに見下されているであろう彼らも医師免許を手にいれてしまった瞬間、手の届かない存在になり得ます。

医学部に通う男というのは、幼少のときからペンばかり握ってきたような人種です。女の子の握り方など知りません。奥手。でも、ツラい勉強を耐え抜いてまで「人の為になろう」という信念を貫いてきた男たちばかりですから、優しい人がほとんどなはず。捕まえるなら今が最後のチャンスかもしれません。お姫様のように、「誰か私を捕まえてくれないかしら」と妄想していても時間の無駄だし、現に医学部男子にはそこまで度胸がありません。無理な話です。捕まえてくれないのなら、捕まえに行くしかないのです。彼氏ができないとか嘆く前に周りの男どもを手玉に取りましょう。「32歳までにこどもが2人欲しいからー、初産は29歳までが最低目標でー」とか逆算しながら指折りしたって無駄なのですから、周りの男どもを手玉に取りましょう。






自分の話も最後に。将来結婚するなら、はあちゅうさんみたいな女性がタイプ。はあちゅうさん、新刊予約させていただきましたので結婚してください。

半径5メートルの野望
はあちゅう
講談社


はあちゅうさんみたいな異業種のバリキャリ女性と互いを高め合う人生を送りたいものです。仕事の話なら、仕事場で同僚とすればいいのです。医者になるということは、視野が狭まることもでもあるでしょう。だからこそ他の立場からの視点が欲しい。他の世界が見てみたい。自分じゃ見えない景色を一緒に見せてほしい。できることなら同じ畑の女性とは結婚したくないと贅沢にも思ってしまうかもしれません。

でもね、悩めるうら若き女子医学生がこれだけたくさんいるのかと思うと胸が痛みます。

きっといい伴侶になり得るこのわたくしに目を向けない同学年の女性陣の将来を案じます




あ、来週クリスマス・イヴじゃん…と気がついたたきいがお送りしました。









(楽しくなって筆がノリ過ぎた人(笑))

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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2014-12-18 00:01:01
そんな事を書いてしまったら女性医師達からの避難を浴びるのではないかと手をプルプルさせて心配している。
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人生設計問題 (ELLA)
2014-12-20 22:04:44
女医の人生設計問題は切実な問題ですね~
本当に病院の近くに保育園作っちゃえ!と思います。

でも、もう一つの問題は多くの女性が「一人」で子育てしようとしてることなんじゃないかな。女性が自立している国の多くでは、子供が一歳になったら保育園に子供をあずけて、女性は1日に6-7時間シフトで仕事に復帰するのに、日本では育児休暇3年!なんて言ってるんじゃ、全然自立できないと思う…。基本的に過保護過ぎる… と思います(笑)
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ELLAさんへ (たきい)
2014-12-21 01:33:57
女性が一人で子育てをしようとしている…なるほど。

逆に言うと、女医さんを口説く時には、男の自分も育児に積極的に参加するから、「二人で」力を合わせようと言えばポイント高いんですかね(笑)

男性も女性も子育て中に自立できるような仕組みが整えられるといいですね
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Unknown (さとこ)
2016-11-07 23:46:32
女です。こんなハードモードだと知ってたら1年浪人して医学部なんて目指してなかったわ。まじでやめてえ。でも死んでもやめられねえ。って100億万回くらい思ってます。学費すごいから。3年目で1000万稼げると聞いたのでがんばってます。共にがんばりましょう。荒らしじゃないです。たまに読んでます。おもしろいです。がんばってください。
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さとこさんへ (たきい)
2016-11-09 21:28:23
コメントありがとうございます。

古い記事までお読みいただいて感謝です。勉強の妨げになってしまったのではないかと心配しております。

だいぶアクセス数を稼いだこの記事ですが、書いた当時とは自分も考え方が少し変わって、プライベートも充実している女性医師もたくさんおられることを知りました。男であろうと女であろうと、自分磨きをしないと輝けない時代なことは少なくとも確かです。

残念ながら、医者の数も増えてきて、「力のない医師でも稼げた時代」はもうじき終わるかもしれません。
医学部は、「医者にしかなれなくなる道」でもあるともいえます。老婆心ながら、「どんな医者になりたいか」を自分なりに考え、自分自身と向き合う時間も大切にしていただきたいと願います。もがいた時間は、このいばらの道に進む将来のあなたを支えてくれるはずです。
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