竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

浜昼顔瓦礫のなかの二三輪

2016-07-11 | 
浜昼顔瓦礫のなかの二三輪



あの震災と津波そして原発事故からもう5年
被災地の報道はめっきりと少なくなった

三陸を車で走ったおり
砂浜に浜昼顔をみた
夏の強い日差しにも負けずに花を開いている
水分も少ないはずなのにその色合いは可憐なのだが
強くたくましい花だ
被災地の頑張っている不屈の人々のようだ
コメント

青葉沁む無人駅舎の時計音

2016-07-10 | 
青葉沁む無人駅舎の時計音




標高の低い夏山によく登った

最近では過疎地での鉄道は廃線が多く

新めて尋ねるすべがなくなった

青葉の沁みるこの季節

無人駅で長時間待

ひとりで時計の音ばかりを聞いていたこともあった
コメント

どしゃ降りに佇つ隊列の日車草

2016-07-09 | 
どしゃ降りに佇つ隊列の日車草



向日葵は太陽の花
その大輪は夏の日差しによく似合う
町興しのイベントで向日葵の迷路を毎年作っている
あいにくの雨はそれも土砂降り
向日葵は隊列を組んでじっと耐えているようだ
コメント

ひねくれて淡くピンクに捩り花

2016-07-08 | 
ひねくれて淡くピンクに捩り花



手入れを怠った芝生の中に淡いピンクの小さな花が咲きだした

その茎は見事に捻じれていて妙なる形だ

自己主張には薄い色合いなのだが

その姿は抗議のようにも見えてくる
コメント

二人居の一合を炊く今年米

2016-07-07 | 
二人居の一合を炊く今年米




9人もの家族で食事をしていたこともあったが

子がそれぞれ家をもったりして

今はワイフとの二人暮らしだ

子や孫とはいってもそこそこの気遣いもなくてはならず

二人暮らしは快適だ

新米を炊いても1合でも余るほど

たくさん炊いてわいわい食べる美味には及ばない
コメント

少年の海いつまでもラムネ色

2016-07-06 | 入選句
少年の海いつまでもラムネ色



フルサトはヨコハマ
私の少年時代の海はラムネ色
泳いだり サンパンに潜り込んだり
赤灯台での釣りもあった
みなとみらいの人工の景色はいらない
記憶に残る海は変わらない


入選 2016/7/6 朝日新聞 石倉夏生選
コメント

進軍か大挙避難か赤蜻蛉

2016-07-05 | 
進軍か大挙避難か赤蜻蛉




空を埋めつくすように赤蜻蛉が西から東へと移動する

我家の西側には刈入間近の水田が続いている

暑い盛りは赤蜻蛉は草原にいて

涼しくなると移動するのだという

同じ方向へ隊列を組んでの進軍にみえる

避難のための大移動にもみえる
コメント

生けるものこぞって多弁風薫る

2016-07-04 | 
生けるものこぞって多弁風薫る





薫風は夏の季語だそうだ

風薫る五月 そうか五月は夏だった

近頃の風は熱波のようで薫る風とは云い難い

夏草は元気で衰えを知らず

小鳥たちは子育ての盛りであち

田や森には小動物の動きが昼夜を問わず忙しい

人も含めてこの季節、多弁であると観察できる


入選 2016/7/4 下野新聞 速水峰邨選
コメント

シンギングザレイン気分は青蛙

2016-07-03 | 入選句
シンギングザレイン気分は青蛙



「雨に歌えば」懐かしい楽曲
青梅雨にぬれて歩いていると
心は軽く身も軽く
あたりを見回してスキップしたり
ステップを試みたり
私は青蛙の転生か


入選 2016/6/6 読売俳壇 正木ゆう子選
コメント

炎昼の銀座氷像はヴィーナス

2016-07-01 | 入選句
炎昼の銀座氷像はヴィーナス



夏の盛り
銀座の交差点に氷像が現れる
氷像の形はさまざまだが
見事な彫刻で涼やかな一瞬を演出する
炎帝の僕のように膝まづく
ヴィーナスをみたことがある


入選 2016/6/22 朝日新聞 栃木俳壇 石倉夏生選
コメント