
【ネタバレあります :-)】
各種企業におけるエヴァコラボ企画や街中にあふれるエヴァグッズを見るにつけ、ああこのアニメはもう日本のひとつの文化になっちまったのだなと感じます。その反面こんな訳のわからないカルトアニメが一般に受け入れられている様子をいまだにいぶかしがっている自分も同時に存在していたりします。一連のジブリ作品のように“誰もが楽しめるアニメ”ではないはずのオタク(ロボット)アニメであるこの『エヴァンゲリオン』は一体誰が支持しているのでしょうか。うちの嫁を今回の新作に誘ってみても「そんなオタクアニメ観ないわよ」と一笑に付されてしまうこの悲しさw。支持している側のオジサンであるボクはあいかわらず頭を抱えていますw。
さて、なんにせよ再びエヴァが観られる喜びを噛み締めながら、嫁に振られたボクはもう一人のオタクのオッサンと共に観に行く事としました。
「リビルド(最新技術での焼き直し)」を標榜して制作が始められたヱヴァンゲリオン新劇場版シリーズですが、『序』『破』は原作アニメを少しいじった程度でしたので安心して観ていられましたが、なぜかこの『Q』は冒頭から完全新作になりました。しかも本シリーズのお家芸である「細かいことは説明しないので行間は勝手に想像で埋めてください」が大炸裂です。いや逆に今回は「行間だけ見せて本編は観せません」ぐらいのレベル。こりゃあ唖然、スゴイ。なので冒頭から「さあまた始まりやがった」と思い、ストーリーの理解は放棄し日本最高峰のアニメをカラダで感じて鑑賞することとしようと決めたのですが、ワケワカラないながらも結局あれこれ考えたりこねくり回したりしてしまう悲しい性。しかし判らないながらも迫力は充分。緻密な作画で次々と繰り広げられる新しい映像世界の数々に最初の戦闘シーンからすっかり引きずり込まれてしまいました。この無限地獄を楽しいと思ってしまう人たちがこの作品を支えているのでしょうなぁと納得。
まあそんな状況でも朧気ながら話の全貌が分かってきます。今回観客にもシンジくんにも一番やさしいwカオルくんがこの14年間で何が起こったのかを少しだけ説明してくれます。『破』のラストではやはりサードインパクトに近いことが起こり地球はさらにハチャメチャに崩壊しています。さらにネルフ(ゲンドウ)が地球を守る組織でもなんでもないことに気がついた人々が、旧ネルフメンバを中心にヴィレという組織を作り反旗を翻したらしいということと、分かったのはそれぐらいですかね。最初のシンジ救出作戦と最後のほうのリリス(だったもの)とかカシウスの槍とかの辺のやりとりはポカーン (|| ゜Д゜) ハァ?です。あとは頭のいい人達のブログが解明していってくれるでしょうからしばらくはそれで楽しめそうです。
ところでこのヱヴァンゲリオン劇場版ですが「序破急」ということもあり、もともと三部構成と言われていました。つまり結局エヴァってのは自と他、個と全体について描かれた物語であった訳です(よね?)。それが人(リリン)とL.C.L.(生命のスープ)の境界線(ATフィールド)であり、ゼーレの描く人類補完計画とはその境界線をリセットし、すべての人類(リリン)が一つ(リリス)に戻るということを目指していました。それをシンジくんの心情風景に照らしながらお話を紡いでいった訳です。つまりこれはいわゆるワンネス思想であり、2012年12月22日に起こると言われているアセンション(次元上昇)に関係してきます。そのため最終話と期待していた本作をわざわざ2012年末を狙って完結させるのであろうと思っていたのです。ところがエヴァという作品は私の想像できる範囲で終わる作品ではなかったようです。
結局4部作になり次作 は『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』が題名とのこと。でこの『:||』ですが、映画の最後のいつものミサトさんの予告で見てナンジャラホイと思っていましたが、楽譜の繰り返し記号であるというのが正解のようです。神の領域に踏み込んで次元も超越したお話が描く先と言えばもうタイムリープですよねやっぱり。カオルくんが「同じ事を何度も繰り返せば良い。自分がいいと思えるまで」って言っていたのがとても気になります。しかも題名の記述も『シン・エヴァンゲリオン』に変わっていますし。まああちこちのブログでも似たような考察が出てきてますが、あのエヴァがそんな簡単に観客の予想通りのことをしてくるのかってのも無いような気もしますので、さらにさらに裏をかいてきて欲しかったりします。つまりは次回作がとても楽しみだってことですよ。ところで最終回は逆にメチャクチャ親切で分かりやすいエヴァを作ってみるってのはどでしょうか、庵野監督さま。
あとマリの「グランプリの鷹」がストライクで笑いました。当時は「マシーン飛竜」のが好きだったのですがw
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