C.W.ニコルさんとは四十代に岩手県のシカの調査をしていたときにシカについてのテレビ番組を作ることでご一緒したことがある。そのあとご無沙汰していたが、学生がアファンの森で調査をすることになり、麻布大学と学術交流協定を締結して、協同研究を始めることになった。
ニコルさんと話す(岩手県五葉山にて, 41歳, 1991年)

アファンの森では丁寧に森林管理をしているので、その効果を動植物を通じて評価するという視点から動植物の調査に取り組んだ。そのとき、生き物のつながりという視点をとり、これを「リンク」と呼ぶことにした。代表的な例は森林の管理のしかたによって下生えの草本類の開花状態が違い、それに応じて訪花昆虫が大きく変化することを示したことだった。また動物の糞を分解する糞虫、死体を分解するシデムシ類を調査した。分解昆虫はふつうは「鼻つまみ者」であるが、実際に調べてみると、森林におけるその働きに驚かされた。成果発表を聞いたニコルさんはこうした研究を大いに喜んでくれた。
つづく

ニコルさんと話す(岩手県五葉山にて, 41歳, 1991年)

アファンの森では丁寧に森林管理をしているので、その効果を動植物を通じて評価するという視点から動植物の調査に取り組んだ。そのとき、生き物のつながりという視点をとり、これを「リンク」と呼ぶことにした。代表的な例は森林の管理のしかたによって下生えの草本類の開花状態が違い、それに応じて訪花昆虫が大きく変化することを示したことだった。また動物の糞を分解する糞虫、死体を分解するシデムシ類を調査した。分解昆虫はふつうは「鼻つまみ者」であるが、実際に調べてみると、森林におけるその働きに驚かされた。成果発表を聞いたニコルさんはこうした研究を大いに喜んでくれた。
つづく