旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

火祭りの巫女

2023-10-15 18:23:30 | 図書館はどこですか



図書館でお借りした「火祭りの巫女(みこ)/月原渉(つきはら わたる)著」は、
月原さんの最新刊の紹介を新聞記事で読んだのがきっかけで、その新刊がなかなか
図書館に入りそうになく、ひとつ前に発表されたものを先に読んでみたのです。

舞台は敗戦後の傷跡がまだ完全には癒えていない昭和で、土着の風習が残る
山間の辺鄙な村で執り行われる神事「ヒマツリ」の最中事件が起こります。
アニメでいうと、「ひぐらしのなく頃に」に近い世界観でしょうか。
おどろおどろしいムードの中、「異形」のもののけが暗躍するなどするので、
異次元の出来事なのかと思わせつつ、探偵は、数少ない証拠から、鋭い推理で
事件の顛末を論理的に解き明かします。しかし、事実は奇なり、事件現場で
起こったことは、彼の想像を超えた凄まじいものでした。このところ読む
サスペンスものは、二重三重に結末が用意されている念の入れようで、
私のようなへっぽこ探偵には、とても真実にたどり着きそうにありません。

端的に事件が解明される一方で、ミステリアスに展開されるホラータッチな
描写はけっこう扇情的、それはいいとして、物語前半に「お使い様」と称される
バケモノが登場するのですが雲散霧消、正体が判明しないまま終了となるし、
また、ヒロイン(の一人)が熱い煙を吸い込んだせいで一時的に声が出なく
なっているはずなのに、次の場面(最終局面)では朗々と長話を続けていたり、
とある女性の年齢設定に無理があるなど、大雑把な箇所が目につき、ツッコミ
どころがけっこう多いのも事実です。怪奇ミステリみたいな類をあまり
読んでいない私なので正直よくわからないのですが、この程度のゆるさは
問題ない範疇なのでしょうか?

ホラー要素はあれど、私のような怖がりでも問題なく読める範囲だし、
サスペンスに本格推理的なものがごちゃ混ぜなせいか、筋書きが散漫気味、
八方美人的に薄っぺらで、その点多少物足りない気がするのを横に置くと、
私としてはのめり込み続きが気になって、あっという間に読み終えましたよ。


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