旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

これぞ元祖乙女チックまんが?~つらいぜ!ボクちゃんを久しぶりに読み直す

2019-08-24 18:50:50 | 図書館はどこですか




近年アニメを多数視聴する中で、年齢的に「これはさすがについていけんわ」と思われるような中高生主演の
学園もの初恋胸キュンアニメ~たとえば『月がきれい』とか『色づく世界の明日から』などなど~でも、どうにかこうにか
ついていけているのは、「三つ子の魂百まで」とでも申しますか、私は元来この手の胸キュンものにハマりやすい
タチだったのかもしれません。今回紹介する『つらいぜ!ボクちゃん』という少女マンガを、小学生の時リアルタイムで
キュンキュンしながら読んでいて、それがどうにもいまだ深層心理に引っかかり、すり込まれているのかもと
最近思うようになったのです。

それでこのたび、おそらく四半世紀ぶりくらいの眠りを覚まし、コミックス(全3巻)を引っ張り出してきて、
すんごく久しぶりに読み返してみたんですね。


   

週刊少女コミックに連載されていた当時、私はクラスの女子に借りて読んでいまして、写真のフラワーコミックス
ワイド版は、ずいぶんあと、最初に勤めていたサラリーマン時代に購入したものです。退職間際、すっかりやる気を
なくしていた私は本屋さんに入り浸りよくサボっていて、そこでたまたま見かけ、小躍りして買った記憶があります。
さらにしばらくして、この作品は文庫本サイズでも再発売され、それも購入して手元にあり、本箱をひっくり返したら
出てくると思います。

ワイド版では、同じく高橋亮子さんの『坂道のぼれ!』や上原きみこさんの『ロリィの青春』なども同時期に購入、
持っているのですが、話が長くなるばかりなので、このあたりのお話は今回すべて省略します。


   

3巻の巻頭カラーページで主だった登場人物たちが勢ぞろいしているので、その部分をご紹介。


   

名物の「ボクちゃんぽーず!」が出てくるページを紹介したいと繰っていたら、当時も今も一番キュンとくる名場面と
同じページ内で登場するので一挙両得、この部分をクローズアップしました。本作品では気持ちがすれ違い傷ついたり、
シリアスで重い場面が多数出てくる一方、ギャグマンガ的なコミカルな要素がふんだんで、その代表格が主人公・
ボーイッシュな演劇女子ボクちゃんこと田島望(たじまのぞみ)のこの決めポーズ(写真右上のコマ)なんですね。

このページは、望が片思いだった先生に、意を決しついに積年の思いを告白する、作品中でも白眉な名シーンです。
その直前、望の姉と先生が相思相愛ながらある事件をきっかけにお互いの気持ちを伝えられないのを知ってしまい、
自分の思いが決して相手に届かないことがわかっていながらですからせつないですよねえ。やっぱりボクちゃんは
つらいのだ! このあと怒涛の展開で、望に後押しされた先生は望の姉との結婚を決意、望は彼女を慕い続ける
年下の渡くん(わたるくん・モテモテのサッカー少年)への思いを深めていく…というところで第一部は終了。

私の記憶違いでなければ連載当時ここから第二部がスタート。帰国子女のハンサム・プレイボーイくんが望を気に入り、
一方渡くんの前には彼との結婚を熱望するいとこのカワイコちゃんが現れ、ダブル三角関係のような展開に。
今読み直すと、かなり奇をてらった設定やとってつけたような場面展開がやや気にはなるものの、作者はこれでもかと
あの手この手で主演ふたりの仲を引き離し、気持ちをすれ違わせ、お互い好きなのがわかっていながら離れたほうがいいと、
望は役者を目指し東京へ… くっつきそうでくっつかないふたりのもどかしい様子に、当時の主に女性ファンらは
胸キュンキュンでハラハラさせられたことでしょう。

ワイド版の帯には「乙女チックまんがの元祖的存在」と紹介されていて、この作品が実際元祖なのかどうかは
ともかく、当時少女マンガファンから大々的に支持された作品であることには違いないと思います。一般的には
高橋亮子さんの作品では坂道~のほうが有名かもですが、私としてはこのボクちゃんを推したいですねえ。


発表から軽く40年以上経っている少女マンガながら、今改めて読み直してみても色あせていないというか、
初恋胸キュンものとしてのテーマ、甘酸っぱい内容はほとんど現在も変わってはおらず、根本的な部分では今時の
アニメと差異がないことがよくわかりました。大部分は失ってしまったかもしれないけれど、ほんのわずかでもピュアな
ハートが残っているとしたら、すっかりおじさん、おばさんの世代となっても、帯のキャッチコピーではないけれど
「あの感動をもう一度!」ではないのかな。

今更ながらアニメ化してくれませんかねえ。「魔法」とか「異世界」とか「転生」とか出てこないし、携帯電話どころか
カード式電話もない時代の作品(先生の部屋には電話すらなく、アパートの管理人が取り次いでいる!)ですが、
少し設定を変え、現代風にアレンジし直すことは可能だと思うんです。

無理かなあ。ボクちゃんが「ぽ~ず!」しているところをアニメーションで見てみたいですよねえ、それって私だけ?
東洋動画に企画を持ち込んでみるか。





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2 コメント

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Unknown (矢口ナリ)
2023-10-14 10:08:17
私はずっと映像化、特に実写化されないかと思ってますが、一見少年ぽくってその実女の子らしい主人公を演じる事ができる人はいないでしょうね。
ボクちゃんを演じるには… (季更月)
2023-10-14 14:01:19
一見ボーイッシュながら実はナイーブで、劇中劇で周囲を唸らせることのできる高い演技力を持ち合わせ、
「ボクちゃんポーズ」をバッチリ決められる明朗快活でフレッシュな方がいいかな?
…ハードルが高いかもしれませんね。

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