旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

旅にしあれば(2023.01-2)~柿喰う鳥編②

2023-01-31 23:59:59 | 旅にしあれば



すだれ状にたくさんの実が垂れ下がる熟柿

それを目当てに訪れるメジロ




たいていつがいでやってくるメジロだが
少し離れて行動し、ちょこまか動き回るので
同時に写し込むのは容易ではない

これなどは両方にうまくピントが
合っているほうだろう




いい光が入って、浮かび上がったメジロの浅黄色と
熟した柿の実色との取り合わせが素敵


【柿喰う鳥・メジロ編~和歌山市郊外にて 2022.02撮影】

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雪割草

2023-01-31 17:25:55 | 図書館はどこですか



今回図書館でお借りしたのは、「雪割草/横溝正史著」です。近年発掘された
横溝さんの探偵小説でない純文学風新聞連載作品で、発見に至る一連の経緯は
当時新聞紙上をにぎわせたので、ご存知の方も多いことでしょう。一足先に
単行本化されていたものが相当にボリューミーで尻込みしてしまい、文庫本版で
発売されたのを機に、読んでみることにしました。それにしてもボリューム
たっぷりで、上下巻に分冊するかどうか瀬戸際の分厚さなんですね。

この作品が新聞連載された太平洋戦争直前は、時局にそぐわないとの理由で
探偵小説が敬遠され、どうにか続けられた時代劇ものでも氏の「人形佐七」は
艶聞的な要素が強いため主人公を代えなければならないなど、表現の自由が
狭まる中、作品発表の機会を得たのがこの新聞小説だったようです。しかし、
殺人を扱う探偵ものは避けなければならず、必然的に選択されたのが現代家族
小説であったとのことです。それが結果的に、長きに渡る横溝さんの作家歴
における唯一貴重な純文学的作品として残されたわけですね。


たびたびこの欄でも述べてきたように、横溝さんの作品全般、殺人事件などの
刺激的な場面を描いていながらも、基本格調高い滑らかな文章、達者な筆さばき
であることから、探偵ものでないこの小説が、おそらく優れたものであることは、
読む前から想像はできました。持ち前のストーリーテラーぶりを発揮されると、
筋書きも面白いものであることは疑いようなく、やはりそれも思った通りで、
かなりの長編であるにもかかわらず、大きなプロットの崩れもなく、大団円まで
きちっと完結させているのがさすがです。引きの展開の巧みさ加減、鮮やかさも
見事で、当時連載を楽しみにしていた新聞読者の方々は、ヒロインらの行く末に、
毎回その続きが気になって仕方なかったことでしょう。

しかも、連載中時局がさらに悪化の一途をたどり、制限がますます厳しさを増し、
内容修正を余儀なくされ、主人公・有為子(ういこ)をあれほど苦しめた敵役の
皆々も、最後はほとんどが改心、好人物と化し、「ニッポン人に悪い人なし!」
的思想を植え付けようとのマインドコントロールがけっこう怖いです。しかし
その上層部の思惑を、絶妙の筆使いでコントロールし、物語を軟着陸させる、
横溝さんの臨機応変な対応力は見事なんですよね。

襲う度重なる不幸にもめげず、力強く前向きに生きていくヒロインの女性像は、
朝ドラはちょっと無理でも、昼ドラなら今でもそのまま原作として通じるかも
しれません。昼ドラって今でもやってるのかな?もう長いこと見ていないので、
それすらわかんないんだけども。


ヒロインの相手役が、長身であることを除けば金田一耕助そっくりな風貌で、
吃音気味なところまで一緒(頭を搔いてフケこそ飛ばしませんが)、戦前すでに
金田一風のシルエットができていたのは大変興味深く、金田一はけっして
思い付きで生まれた人物ではなくて、長い年月をかけて温めていた横溝さんの
秘蔵っ子であったことが伺い知れます。のちに、国民的な人気を得る土壌は、
早やこの頃、育まれていたのです。

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コマツナ最終形態に

2023-01-30 17:18:00 | 案山子と人と烏



コマツナ(小松菜)の間引きを行って、最終形態にしました。数日前には出来ていた
だろうこの作業、メチャ寒くて野外で仕事をする気にはとてもなれなくて、先延ばし
していたのです。今日も日中晴れ間が広がったものの風は依然冷たく、プランターを
陽だまりへ移動させて、直射日光を背中に浴びながら作業しました。


    

間引き菜。


          

庭の早咲きのスイセンとツバキ(つぼみ)のコラボレーション。白梅
(つぼみ)の枝は、ご近所さんからいただいたもの。

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銀色の世界

2023-01-25 17:08:00 | 老人のつぶやき



昨夜から今朝方までの降雪で、目覚めて外を見たら銀色の世界に変わっていました。
和歌山市の積雪量が3~4cmとのことで、近年ここまで積もったのはほとんど
記憶になく、十数年ぶりのことでしょうか。

和歌山の場合、これでパニックを引き起こすには十分な積雪量で、交通機関がマヒし、
写真撮影時の7時台に、まだ朝刊が届けられていませんでした。


    

    

タマネギ畑を覆った雪。


    

花壇もすっぽり雪に覆われてしまってます。


    

雪化粧したストック。


    

         

真っ赤なゼラニウムに白い雪。


         

アジサイやツバキにも。


         

名残りの花を咲かせるサザンカも雪をまといました。


結局、朝刊は届かずじまいでした(夕刊は来たのですが)。気象条件の
影響で、新聞が届かなかったのって、たぶん初めてなんじゃあないかな?
明日、二誌同時に届けてくれたらいいのだけど…

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悪霊島

2023-01-24 19:32:00 | 図書館はどこですか



私が読み損ねていた金田一もの一番の大物が、この「悪霊島(上下巻)/横溝正史著」
でした。この本は『金田一事件ファイル』と称された角川文庫版として販売が継続され、
それはまた、各図書館で所蔵されている場合が多いようなので、いつでも読めると
高をくくってしまい、つい後回しにしていたのを、このところの一連の流れに従って、
遅ればせながらようやく着手できることになりました。

今度こそ、これで金田一ものをすべて読み終えたと宣言したいところなのですが、
実はもう一冊だけ抜け落ちている本がありそうなのと、ファイル・シリーズとして
再編され発売されるに際し、旧文庫版とは一部別の編成となったものがあることで、
そのどさくさで読み漏れた短編がいくつかある可能性もあります。なので、これで
95%くらいは網羅できたはず…との控えめな表現にとどめておきますね。


さてこの悪霊島は、ご存じのとおり横溝さんが最後に発表した金田一ものかつ長編
推理小説であり、映画化もされたので、著名な作品のひとつでしょう。それを今まで
読めていなかったのは、当時、横溝作品はその前に発表された「病院坂の首縊りの家
(金田一耕助最後の事件)」でひと段落し、森村誠一、太宰治作品やその他純文学もの
へと嗜好がシフトしていた時期でもあり、興味を失いつつあったことが挙げられます。
もしかしたら、病院坂~が、期待に反し、あまりお気に召さなかったことも
原因なのかもしれません。病院坂~の中身をほとんど忘れてしまっているので、
いずれ読み返さなければ、これははっきりと断定はできないのですが…


    

横溝さんが最晩年に書かれたこの作品、それを感じさせない、全盛期とほぼ変わらない
熱量溢れる創作姿勢に、まずは驚かされます。しかし、いかんせん説明が過ぎ、文章が
長すぎるきらいはあり、悪く言うと、全般くどすぎるのが欠点でしょうか。もしかして、
脂の乗り切った頃であれば、この半分とは言いませんが、少なくとも四分の三程度の
分量(つまり、上下巻に分けるほどでない範囲)で、収まっていたのでは思われます。
本格的な殺人が上巻の最後でやっと描かれるなど、あまりに焦らせすぎですよねえ。

その前に書かれた「仮面舞踏会」だったかでのご自身の評価で、「書いても書いても
物語が終わらない」との言葉があり、予定していた枚数を大幅に上回ったとのことで、
その頃すでに、余計な注釈などが増えるような傾向があったのかもしれません。文章が
長い割に内容がない、お前が言うかって話なのですが…


しかも中身は、本格推理からは程遠い初期の冒険怪奇ロマンものに近いテイストで、
これにも少々期待を削がれました。手の込んだトリックはほぼ皆無、犯人なども
途中でなんとなく特定できるので、これはいったい横溝さん、何を狙った作品なの
だろうかと、ちょっといぶかしく思ったりもしました。作中金田一は夢にうなされ、
その中で犯人とみなされる顔を見てしまうくだりともなれば、これはすでに論理的な
本格推理とはみなせない、神がかり的な解決で幕を下ろしてしまってオーケーな、
単なるミステリーなのだと思い知らされました。

島、洞窟内の彷徨、シャム双生児等々、江戸川乱歩の「孤島の鬼」へのオマージュ
なのは明らかですし、金田一が全作品中で唯一思いを寄せることになる女性・
早苗さん(「獄門島」のヒロイン)への回想場面、磯川警部が準主役となる役割を
与えられている展開といい、横溝さんが金田一ものの総集編的な位置づけとして
この作品をまとめ上げたのだと仮定すれば、一応の納得をするしかないでしょう。

多くの作品が文庫版として再出版、販売され、それが一大ブームを呼び起こし、
次々映像化されるなどした当時、横溝さんご自身で自作に触れる契機、読み直す
機会が多かったのだと推察されます。作中、私がこの前再読したばかりの短編
「蜃気楼島の情熱」の関連人物が登場することをみても、相当自作を読み込んで
いたことが伺われます。そして、自身と金田一との記憶を重ねるうちに、気に
なってしまった、欠落している部分を補い、決着させるために書き上げたのが
この作品だったのなら、愛読者としてそれを確認する意味はあったと思います。

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富良野生ビール

2023-01-23 18:35:30 | Uncle あるちゅうの唄



お酒の調達を主な目的に、イオン和歌山店へ行ってきました。

現在私が一杯目にご指名のウィスキー「鵃(ミサゴ)5年樽熟成」が値上げされて
いたのでめげました。以前ご紹介した二年前ほど前の登場時には1480円(税別)
だったものが、今回500円も高い1980円になっていたのです。今後さらなる
値上げもあり得るとか…つらいですよねえ。本日はマイナポイントがWAONに
チャージされたことで財布のひもが緩くなり、2本買っちゃいましたけど。

ビールはイオンのプライベートブランド・トップバリュ扱いの「富良野生ビール」が
お値打ちだったので、2ケース買いました。同じイオン系では、「プレミアム」を
これまでしばしば愛飲していました。正直あまりおいしくないのだけど、安いので
つい…。サッポロビールのOEMでの生産なのに、どうしてクラシックみたいな味に
仕上げられないんだろうかと、それが不思議なのです。値段が値段ですし、仕方
ないのかな。


    

今回のも富良野産ホップは50%ほどしか使われていないようだし、北海道でなく、
千葉、静岡県内の工場で製造されているなど、同社の「サッポロクラシック・
富良野ヴィンテージ」みたいな味を決して期待してはいけないでしょう。まあでも、
1ケースあたり3580円(税別)と安さが最大の魅力なので、限定生産品とのこと、
興味ある方は早めに買い求められたほうがいいでしょう。
    

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久々&初のフダンソウ収穫

2023-01-22 19:37:00 | 案山子と人と烏



明日以降数日は、野外作業に適さない厳しい気象状況となりそうなので、帰宅後
大慌てでフダンソウ(うまい菜)の収穫作業を行いました。

フダンソウの収穫は、実に丸一か月ぶりとなりまして、その割にはボウル(右奥の
オレンジ色)に一杯のみと、旺盛でない生育にがっかりです。

さらに深刻なのはあとから種まきしたほうで、プランター×2個ぶんでボウルに
2杯のみの初収穫量、最終形態にしてから一か月半以上経過してこれですから、
期待外れもはなはだしい限りです。

一年で一番日照時間が少ないという悪条件を差し引いても明らかに事態は予想以上に
悪く、このあと日差しが力強さを増したとしても、改善に向かうかどうかはかなり
微妙な感じです。


    

花数が増え始めたビオラ。


    

ストック。


         

早咲きのスイセンが咲き始めました。

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刺青殺人事件

2023-01-16 17:22:00 | 図書館はどこですか



横溝正史さんのエッセイなどにしばしば登場、話題に上る「刺青(いれずみ)殺人事件
/高木彬光著」を読んでみたくなり、図書館に蔵書があることがわかったのでお借り
できました。高木氏の作品に触れるのは、「白昼の死角」に次いでとなります。

横溝さんの文章から、相当完成度の高いトリックが用いられた本格推理小説である
ことが予見されたので、楽しみに読み進めたところ、期待に違わぬ力作であることが
わかりました。これがデビュー作であることにも驚きです。同時収録されている本人に
よるエッセイで、作品発表に至るまでの劇的な経緯が綴られていて、それがまたさらに
輪をかけ興味を惹かれます。窮鼠な状況で江戸川乱歩に本作を直接送りつけたところ、
これが氏に認められ、奇跡的に発表にこぎ着けたとのことです。

今回読めたのは、その後改訂版として手を入れられ、大幅に増量されたバージョン
のようです。それでも多少、文章に硬さ、ぎこちなさを感じるのは、横溝さんの
軽やかで流れるようなよどみない文章と比べてしまうからかもしれません(どんより
よどんでいるお前が言うなって感じですけどねえ)。

また、バラバラにされ発見された被害者の謎について、その一部は私にも途中看破
できました。これはけっして私の頭の回転数が名探偵・神津恭介並に優れているから
ではなく、横溝さんが好んで用いるような、首と胴体が分離されたモチーフに、
金田一耕助の傍らで何度も繰り返し立ち会った経験値の高さ故でしょう。
 

    


こうした歴史的な名作と言っていい著作で、まだまだ読めていないものが多数あります。
今現在も脳裏に数冊浮かんでいますし、図書館にあるようなら、機会を見てまた
お借りしたいと考えています。

    

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旅にしあれば(2023.01-1)~柿喰う鳥編①

2023-01-15 23:59:59 | 旅にしあれば



熟柿(じゅくし)に群がる野鳥に気がつき、四日連続撮影に訪れた

当初はまだ枝にたくさんの実がぶら下がっていて
16:9でトリミングしたバージョンで、それを強調してみる




日が経ち、如実に柿の実が少なくなると
背に腹代えられず
アクロバットな姿勢でどうにか実にありつこうと
必死の形相の鳥たち




身近な鳥なのに、警戒心が強く、じっくり観察できる機会が
実はあまり多くないヒヨドリ

完熟した甘い柿の実の誘惑には勝てず
群れなして飛来してくれたおかげで
そのカッコよさを再認識できた
四日間の撮影セッションだった

【柿喰う鳥・ヒヨドリ編~和歌山市郊外にて 2022.02 撮影】

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テレビ和歌山のおかげで「チェンソーマン」が見られます

2023-01-15 17:19:30 | NHKに捧げる歌

東京キー局が衛星放送を併設した現在、地方における立地的な不利はずいぶん
解消され、見たくても見られないアニメ番組は大幅に減りました。BS11,12ら
後発局が大量のアニメを無料放映し、貢献してくれているのも大きいですよね。

しかし今でも稀にその放送網から漏れてしまう新番組があって、それがたまたま
話題作など、気になっていた作品だとショックが大きくて、昨秋アニメの場合、
「チェンソーマン」がまさにそうでした。原作漫画作品が人気があることを
私も以前から存じ上げていて(ただし、一度も読んだことはないのですが)、
それが満を持してアニメ化されるとのこと、とても楽しみにしていたのに、
和歌山では見られないことがわかったときの衝撃は相当なものでした。これは、
テレビ大阪が放映権を持ってしまった場合に往々にして起こり得る事象で、
今回は不測の事態に手を差し伸べてくれるBS局もなかったのです。

もしかして、この窮地を救ってくれるのは、地元テレビ和歌山でないかと、
密かに期待していました。というのも、この前まで「SPY×FAMILY」を
放送するなど、このところ良質のアニメ作品が編成されることに気づいていて、
どうやら取り仕切る責任者に、私と同じような嗜好、嗅覚を持つアニメ好きが
いるのではと、勝手に勘繰っていたのです。SPY~はBSテレ東が放映してくれ、
和歌山でも視聴できましたが、万一の放送トラブルに備え、地上局でも
放映してくれているととても心強いんですよね。

そしたら今回の冬アニメで、遅ればせながらチェンソーマンを始めてくれた
のがやはりテレビ和歌山で、感謝感激雨あられ、期待通りの救済措置に心から
お礼申し上げる次第です。我々世代のバイブル的存在「デビルマン」を現代風に
蘇らせるとこうなるってのがチェンソーマンなんですかね、第一話を見る限り、
私好みの作風であることに間違いなく、今後の展開がとても楽しみです。

地元民でありながら、滅多に見ることのないのがテレビ和歌山ってのも、
大変恐縮なお話なのですが、こういう出会いが重なると、今後は付き合いが
深まるかもしれません。


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