道の駅・遠野風の丘に立ち寄り、観光案内所で尋ねてみたが、ここの桜はまだほとんど未開
のようだった。たぶんほぼ同じ緯度で、せいぜい60キロ程度の距離しかない北上~遠野~釜石間。
それで、北上が満開、遠野は未開で、釜石はほぼ終わりってんだから、桜を巡る旅の難しさがこれで
お解かりいただけようか。
標高や地形による影響で、単純に緯度に沿ってだけでは上昇しない桜前線。直線距離が近いところをまとめて
見学できないもどかしさがあり、どうしても無茶な移動を強いられる。
しかしここの駅はすごい集客力だなあ、「遠野」ブランド効果だろうか、平日とは思えない混雑振りで、
併設のレストランも大賑わいだ。「ミックスフライ定食 1040円」のメインの揚げ物はたいしたことないが、
サイドメニューは手作り感いっぱいでとてもおいしかった。
サラダバー・スタイルで、写真奥の皿はすでに二杯目。10日分くらい食べ込むぜ!
唐丹の桜並木 晴れ ほぼ終焉
釜石市に入って、周辺の道路に大型ダンプカーが多いことに目を見張った。
特に最後唐丹地区へ抜ける長いトンネルは、排気ガスに煙り、煙幕の中を
通行しているようだった。
釜石は桜の花がまばらで、まだ咲いていないのかと思ったら、すでにほぼ
散ってしまったあとだった。
唐丹の桜並木もかなり花が散ってしまっていた。背景に海が見えるような
ロケーションを期待したがそうでもないし、桜の木々もあまり手入れされていない
ようだったので、最盛期に来ていたとしてもあまり感激しなかったかもしれない。
でもやっぱり北上から遠路足を伸ばして良かったと思った。たまたま車をとめて
写真を撮ったこの地点が津波の到達点だったようで、それを示す石碑が立っていた。
すなわち、ここから先(下)の桜はすべて海水に浸かったってことなんだ。
小さな子供を連れたお母さんが散歩していた。やっぱり今年の桜はずいぶん早かったと
おっしゃっていた。震災のことで何か気の利いたお見舞いでも述べようかと一瞬頭をよぎったが
結局何も言えず仕舞いだった。
でもやっぱり来て良かったと思う。