活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

アサヒビール吹田工場見学ツアー

2009-05-17 01:15:55 | アルコールの海
今日(16日)は、仲間内で集まってのアサヒビール 吹田工場への
見学ツアーを催行。

自分はビールといえば、どちらかといえばキリン党なのだが、
手近だったことと(笑)、工場の傍に美味しいお店を発見。
工場見学の後はそこに流れ込むツアーが組めるとなった
時点で、今回のツアーの骨子はほぼ確定したと、言ってよい(笑)。


昼食を考えて、午前11時からのツアーに事前に申し込み。
当日は、朝10時半過ぎにJR吹田駅に集合。

人数も8名と大勢なので、タクシー2台に分乗して、いざ工場へ。

#徒歩だと、15分掛かります。
 時間さえ問題でなければ、ぜんぜん歩ける距離ですが。
 ちなみに、阪急吹田駅からは、徒歩8分で行けるそうです。

工場入り口は、近代的なゲストハウスがお出迎え。
周囲には、よく手入れされた植え込みもあり、とても清清しい
雰囲気だ。

甲子園球場の約4倍という広大な敷地に、従業員は僅か500名強。
コンピュータ制御により、ラインの無人化が進んでいることが
よく分かる。

到着が11時を少しだけ回りこんだこともあり、既にゲスト
ハウス1Fにある映画ルームでは、簡単なアサヒビールの
CI啓蒙映画が上映中。

麦の生産から始まり、工場でのビール作り。
時間との戦いの配送を経て店頭へ。
そして、ようやく最後、僕たちの手元に届くビール。

その全工程には、「全てはお客様の 『うまい!』のために」の
精神が貫通している。

そうした主張の15分程度の映像である。

最後の方、スーパーの店頭で、きちんとラベルを見えるように
一缶ずつ並べなおしながら笑顔を浮かべている営業マンを見て、
「営業の牧田です」かわすみひろし著 モーニングコミックス
を、思わず思い出してしまった。

#少し前に連載は終わったが、ビール会社の新人営業マンとして
 自分の扱う商品とは何なのか?ものを売るということは、
 どういうことなのか?という職業上の悩みを縦軸に、
 なかなか上手くいかない恋の悩みを横軸に、
 不器用なりに精一杯悩み、生きている牧田君の姿は、
 とても共感でき、連載中から好きな作品だった。
 恋に仕事に悩める営業マンに、お勧めの全3巻。


見学ツアーは、おねえさんの後をついて回っていく方式。
要所要所で、おねえさんがマイクを持って説明をしてくれる。
順路も、
 
 ① 原料展示
 ② 仕込み室
 ③ ろ過工程
 ④ 発酵・熟成工程
 ⑤ びん詰工程
 ⑥ 缶詰工程
 ⑦ 省資源化コーナー

と、実際のビール製造の流れに沿って行われるため、分かり良い。

土曜日で工場がお休みのため、ラインが実際には流れていなかった
のが残念。
その分、ビデオで見ることはできるが、やはり目の前を轟々と
ビール瓶が流れ、ビールが詰められ、ラベルを貼られ、箱詰め
が進んでいく様を眺めたかったなぁ。

ちなみに、年に数回(GW前、お盆前、年末)は、ビールの製造が
需要に追いつかなくなるため、土曜日の午前操業等もあるらしい。
そういう時に当たればラッキーなのだが。

ライン見学の中で、一番印象に残ったのが官能検査。
ビール作りの様々な工程での生産物の出来具合をチェックするのは、
結局人間の舌であり、鼻なのである。
人の感覚がどれほど優れた器官なのかが、よく分かるエピソード
だった。
それも、個人の体調等により結果が左右されないように、
複数名による実施体制も確立されているとのこと。

機械による製造能力と、それを補完する人間の知覚能力。
更に、両者を統率して遂行できる人間の管理能力。
三つがお互いにきちんと組み合わさって、年間で大瓶5.6億本
という、途轍もない生産量を可能としている。


なるほどなぁと納得しつつ、見学は終了。

最後の総仕上げは、待ってましたのビール試飲。
ここでは、ジョッキ3杯までの試飲ができるのだ。
(アサヒスーパードライ、黒生、ハーフ&ハーフの三種)

以前、船橋にいた頃に、一度キリンビール工場に行ったことが
ある。
そのときは、ビール祭りのようなイベントで、今回のような
ライン見学はできなかったのだが、そのときに飲んだビールの
味が忘れられなかった。

どれだけ迅速に流通ラインに乗せても。
どれだけ揺れないように運んでも。
また、どれだけ輸送時の温度管理に気を使っても。

製造直後から、ゆるゆるとビールの品質は低下していく。
勿論、賞味期限の中で、その低下は(条件にもよるが)ゆっくりと
起こっていくのだが、それでも、工場で完成直後の、そうした
味に一切の濁りがまだ生じていない段階でのビールが、どれほど
美味しいものか!


その記憶を、ぜひ追確認したかったのだ。

そして、その夢は、今回も達成された。

その薫りは豊かに鼻腔をくすぐり、体内を満たす。
その味わいは、ホップの苦味をほどよく利かせながらも、
どこかワインのような甘さを奥に隠し持つことで、重層を
成している。
そして、最適に温度管理されたそのビールを、熟達の手付きで
ジョッキにサーブしてくれる係りの方の手腕。
これらが混然となって、この何とも言えない馥郁たる味を
生み出している。

この黄金の液体が、喉から胃に流れ込むことの至福。

ビール嫌いの人にも、いや、そういう人にこそ、是非飲んで
ほしい。

これは、そうしたビールだ。

このビールを生み出してれた人に。
そして、このビールを日々製造してくれている人に。

乾杯。

(この稿、了)


(付記)
帰りに、売店を少し物色。
仕込んだものは、以下のとおり。

 ・Tシャツ×2
 ・ネクタイ
 ・手拭
   ⇒どれもデザインが秀逸。
     身に着けるのが、楽しみだ。

 ・スタウトビール
   ⇒アルコール度数8%。高い比率にも関わらず、
    その味わいは甘く、別次元だという。
    そう言われれば、買わない訳にはいかないではないか!(笑)





たかがビールされどビール―アサヒスーパードライ、18年目の真実 (B&Tブックス)
松井 康雄
日刊工業新聞社

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アサヒビール大逆転 男たちの決断 (講談社プラスアルファ文庫)
大下 英治
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営業の牧田です。 1 (1) (モーニングKC)
かわすみ ひろし
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4 コメント

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Unknown (宇宙ハンター55)
2009-05-17 18:29:08
吹田工場は就職活動の時、会社説明会の会場でした。工場見学の後、席に戻ると、ご自由にお飲みくださいとビールが並べてありました。周りの人は就職活動中なので、あまり飲んでいませんでしたが、私はせっかくなので、ご馳走になりました。(当時はまだスーパードライはありませんでした。)ほどなく、パーテーションが取り除かれ、グループごとの面接が始まったのでした。今思えば、工場見学ができ、ビールも飲めるという楽しい就活でした。
返信する
う~ん (MOLTA)
2009-05-18 00:22:36
おお。
あそこに就活されていたのですね?
知りませんでした。
で、その状況で、ビールは飲んだ方がよかったのでしょうか?
直後に面接というシチュエーションを考えると微妙ですね。
飲んでも飲まれない人なら、飲んでもOKといったところでしょうか?

いずれにせよ、新歓コンパの帰途、阪急電車で○○されていた方が就活先にアサヒビールを選んでいたとは…。
隔世の感があります(笑)。
返信する
Unknown (宇宙ハンター55)
2009-05-18 08:48:59
ちゃんぽんでなければ大丈夫。
あの場では、飲んでも面接を受けられるというところをアピールすべきでしょう。(会社関係者は裏から見ていたと思います。)
後日、ちゃんとお呼びがかかりました。(他社が決まってしまってたので、行けませんでしたが。)
酒と阪急といえば、梅田でMOLTA氏と飲んでいて、MOLTA氏が終電の時間を間違え、梅田についたら、シャッターが閉じていたことを思い出しました。
返信する
Unknown (MOLTA)
2009-05-18 21:32:35
何もかも、皆懐かしい…。

ごめんね~。
まあいい運動をしたということで(笑)。

でも、人生判らないものですね。
その時、アサヒに行っていたら、宇宙ハンター55さんの人生は全く違ったものになっていたでしょうから…。
返信する

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