立春搾りというお酒をご存知だろうか?
2月4日 立春の日に搾った日本酒をその日のうちに瓶詰めし、配送。
飲むことが出来るというとても贅沢なお酒なのである。
この立春搾りは、日本名酒会が主催して行っており、今年は37の蔵元で製作され、
計13万本以上が出荷されたとのことである。
こう書くと、大量生産品っぽいイメージがあるが、実はこれがなかなかに大変な
お酒なのだ。
どのようにしてこのお酒が造られるのかについては、同会のホームページに
詳しい記述があるので、そちらをご参照していただければと思う。
ここでは、このお酒がどのようなものなのかを中心に、ご紹介したい。
(同会のHPで紹介されている内容と、結構被っちゃうけどね)
まず、なぜ立春なのか?
立春は、旧暦でいうところのお正月であり、非常におめでたい日である。
この日にもろみから搾られ、神社でお払いを受けたお酒(勿論加熱処理を
されない生酒である!)を飲むことで、体内から清涼にするとともに、
美味しいお酒を今年も飲める幸せを感謝するという営みのためである。
どうやって造られるのか?
この日に焦点を当てて、杜氏がもろみの発酵状況を入念に管理する。
その上で、節分で厄払いが終わった後、夜半からもろみを搾り出す。
※ ちなみに、僕が飲んだ春鹿の立春絞りは、昨年だと約6000本を
製造したそうだ。
早朝から、契約している酒店から人が蔵元に集まりだす。
皆も協力して、せっせとラベル張りや梱包作業に精を出す。
やっと準備が整ったら、お疲れ様&おめでとうをこめて試飲会。
その後に、春日大社へ奉納とお払いを受けに、皆で参内。
そうしてようやく諸準備が整ったお酒は、それぞれのお店は配送される。
お店に到着後、酒屋さんは注文先に配って回る。
(これはお店によってスタイルは違うだろうな。
僕が毎年頼んでいる酒屋さんは、夕方までにきちんと配達してくれる)
後は、色んな人の手を経て美味しいお酒が飲める幸せに感謝しつつ、
ひたすら飲む。
どんな味?
非常に澄んだ、清涼感ある味わいである。
毎年、色々なファクターにより少しずつ味は変るが、今年はすっきりした
中にも仄かな甘みを感じることが出来る、でもべたついた感じは一切無い、
とてもきりりとしたいいお酒に仕上げていただいた。
うーん、満足。
どうやって手に入れるの?
予約制なので、ふらりと酒屋さんに行っても、よほどの幸運が無い限りは
入手不能。
では、どんな方法があるのか?
主な入手ルートは三つ。
1) 酒屋さんで事前に注文する。
僕のスタイルはこれ。
近所にある馴染みの酒屋さんでたまさか扱ってくれているので、
いつもそこにお願いする。
この酒屋さんは、とても研究熱心で、色々な蔵元を回っては
新しいお酒や焼酎を仕込んできてくれる。
それをホームページなどではなく、昔ながらのチラシ(それも
新聞折込でなく、各戸のポストへの投げ込み)と店頭の告知版
(これもふるっていて、模造紙に手書きである!味があるなあ)
にて募集が告知される。
エントリーした人は、順次名前が書いていかれる。
この個人情報保護で喧しい世の中に、なんと大らかなことか!
2) 立春搾りを販売している小料理屋さんで飲む
ホームページを検索すると、結構そうしたお店は発見できる。
そうしたところで仲間とわいわい飲むのも、また楽しかろう。
僕としては、やはり自宅でじっくりと味わいたいが…
3) 通信販売を利用する
近所に1)も2)も無いよ~とお嘆きの諸兄のために、何軒かの
蔵元、あるいは酒屋さんでは通信販売をしてくれる。
但し、当然当日に飲めないことは致し方ない。
とまあこうしたお酒が、立春搾りの特徴である。
機会があれば、是非他の蔵元の立春搾りも飲んでみたいが、まずは地元でこの
春鹿を味わえる幸せに酔いつつ、日本酒の懐の深さをじっくりと味わうとしよう。
後日談
今年は、2本を注文した。
義父も日本酒のファンなので、当日お招きして一緒に飲みたい。
でも、二人で飲めば6合なんて「あっ!」という間に無くなってしまう。
なら、後から呑むキープ用に追加注文だぁ!と思ったためである。
2月4日。
残っている仕事も蹴散らし、今日は僕は帰るもんねオーラを出しまくり、
何とか定時で退社。
どうしても外せない所用があり、少し寄り道をしたものの、午後8時前には
帰宅。
既に義父は来ていてて、子供達は食事も終わっている。
遅れたお詫びをしながら、いそいそとまずはビールで乾杯。
喉を潤した後は、さて!と、春鹿に移る。
感想は、上記のとおり。
嫁さんも加わり、しばし馥郁とした香りと五臓六腑に染み渡るような味わいを
楽しむ。
やはりというか、当然というか、あっという間に1本は終了。
2本目は我慢して、またビールへ復帰。
最後の一本は、十分に味わって飲むぞ~と心に誓う。
2月某日
あれから飲み続けた春鹿も、もうずいぶん減ってきたある日。
その日は、とても寒かった。
残業を終え、10時前に帰宅後、晩御飯の支度をしてくれている嫁さんが
「何飲む~?」
「寒いから熱燗で!」
※ ヌル燗から熱燗用には、越の誉を仕込んでいるのだ。
暫くして出てきた徳利からお銚子に注いで…グビ。
「く~、あったまる~。でも…なに?このツンケンした味わい?
越の誉の味じゃないよな~?」
更に二杯目をグビ!ここで、疑念は確信に変る。
「違う!これは断じて越の誉ではない!とすれば・・・?」
恐る恐る嫁さんに、質問する。
「ねえ?これって何を燗してくれたの?」
「ああ、この前から飲んでる奴、もう残りちょっとやったから、
それを入れて燗したよ」
ひょえ~!やっぱりかい!俺の、俺の生酒、俺の春鹿がぁ~!
結論:やっぱり生酒は冷えに限りますです。はい。
2月4日 立春の日に搾った日本酒をその日のうちに瓶詰めし、配送。
飲むことが出来るというとても贅沢なお酒なのである。
この立春搾りは、日本名酒会が主催して行っており、今年は37の蔵元で製作され、
計13万本以上が出荷されたとのことである。
こう書くと、大量生産品っぽいイメージがあるが、実はこれがなかなかに大変な
お酒なのだ。
どのようにしてこのお酒が造られるのかについては、同会のホームページに
詳しい記述があるので、そちらをご参照していただければと思う。
ここでは、このお酒がどのようなものなのかを中心に、ご紹介したい。
(同会のHPで紹介されている内容と、結構被っちゃうけどね)
まず、なぜ立春なのか?
立春は、旧暦でいうところのお正月であり、非常におめでたい日である。
この日にもろみから搾られ、神社でお払いを受けたお酒(勿論加熱処理を
されない生酒である!)を飲むことで、体内から清涼にするとともに、
美味しいお酒を今年も飲める幸せを感謝するという営みのためである。
どうやって造られるのか?
この日に焦点を当てて、杜氏がもろみの発酵状況を入念に管理する。
その上で、節分で厄払いが終わった後、夜半からもろみを搾り出す。
※ ちなみに、僕が飲んだ春鹿の立春絞りは、昨年だと約6000本を
製造したそうだ。
早朝から、契約している酒店から人が蔵元に集まりだす。
皆も協力して、せっせとラベル張りや梱包作業に精を出す。
やっと準備が整ったら、お疲れ様&おめでとうをこめて試飲会。
その後に、春日大社へ奉納とお払いを受けに、皆で参内。
そうしてようやく諸準備が整ったお酒は、それぞれのお店は配送される。
お店に到着後、酒屋さんは注文先に配って回る。
(これはお店によってスタイルは違うだろうな。
僕が毎年頼んでいる酒屋さんは、夕方までにきちんと配達してくれる)
後は、色んな人の手を経て美味しいお酒が飲める幸せに感謝しつつ、
ひたすら飲む。
どんな味?
非常に澄んだ、清涼感ある味わいである。
毎年、色々なファクターにより少しずつ味は変るが、今年はすっきりした
中にも仄かな甘みを感じることが出来る、でもべたついた感じは一切無い、
とてもきりりとしたいいお酒に仕上げていただいた。
うーん、満足。
どうやって手に入れるの?
予約制なので、ふらりと酒屋さんに行っても、よほどの幸運が無い限りは
入手不能。
では、どんな方法があるのか?
主な入手ルートは三つ。
1) 酒屋さんで事前に注文する。
僕のスタイルはこれ。
近所にある馴染みの酒屋さんでたまさか扱ってくれているので、
いつもそこにお願いする。
この酒屋さんは、とても研究熱心で、色々な蔵元を回っては
新しいお酒や焼酎を仕込んできてくれる。
それをホームページなどではなく、昔ながらのチラシ(それも
新聞折込でなく、各戸のポストへの投げ込み)と店頭の告知版
(これもふるっていて、模造紙に手書きである!味があるなあ)
にて募集が告知される。
エントリーした人は、順次名前が書いていかれる。
この個人情報保護で喧しい世の中に、なんと大らかなことか!
2) 立春搾りを販売している小料理屋さんで飲む
ホームページを検索すると、結構そうしたお店は発見できる。
そうしたところで仲間とわいわい飲むのも、また楽しかろう。
僕としては、やはり自宅でじっくりと味わいたいが…
3) 通信販売を利用する
近所に1)も2)も無いよ~とお嘆きの諸兄のために、何軒かの
蔵元、あるいは酒屋さんでは通信販売をしてくれる。
但し、当然当日に飲めないことは致し方ない。
とまあこうしたお酒が、立春搾りの特徴である。
機会があれば、是非他の蔵元の立春搾りも飲んでみたいが、まずは地元でこの
春鹿を味わえる幸せに酔いつつ、日本酒の懐の深さをじっくりと味わうとしよう。
後日談
今年は、2本を注文した。
義父も日本酒のファンなので、当日お招きして一緒に飲みたい。
でも、二人で飲めば6合なんて「あっ!」という間に無くなってしまう。
なら、後から呑むキープ用に追加注文だぁ!と思ったためである。
2月4日。
残っている仕事も蹴散らし、今日は僕は帰るもんねオーラを出しまくり、
何とか定時で退社。
どうしても外せない所用があり、少し寄り道をしたものの、午後8時前には
帰宅。
既に義父は来ていてて、子供達は食事も終わっている。
遅れたお詫びをしながら、いそいそとまずはビールで乾杯。
喉を潤した後は、さて!と、春鹿に移る。
感想は、上記のとおり。
嫁さんも加わり、しばし馥郁とした香りと五臓六腑に染み渡るような味わいを
楽しむ。
やはりというか、当然というか、あっという間に1本は終了。
2本目は我慢して、またビールへ復帰。
最後の一本は、十分に味わって飲むぞ~と心に誓う。
2月某日
あれから飲み続けた春鹿も、もうずいぶん減ってきたある日。
その日は、とても寒かった。
残業を終え、10時前に帰宅後、晩御飯の支度をしてくれている嫁さんが
「何飲む~?」
「寒いから熱燗で!」
※ ヌル燗から熱燗用には、越の誉を仕込んでいるのだ。
暫くして出てきた徳利からお銚子に注いで…グビ。
「く~、あったまる~。でも…なに?このツンケンした味わい?
越の誉の味じゃないよな~?」
更に二杯目をグビ!ここで、疑念は確信に変る。
「違う!これは断じて越の誉ではない!とすれば・・・?」
恐る恐る嫁さんに、質問する。
「ねえ?これって何を燗してくれたの?」
「ああ、この前から飲んでる奴、もう残りちょっとやったから、
それを入れて燗したよ」
ひょえ~!やっぱりかい!俺の、俺の生酒、俺の春鹿がぁ~!
結論:やっぱり生酒は冷えに限りますです。はい。