活字の海で、アップップ

目の前を通り過ぎる膨大な量の活字の中から、心に引っかかった言葉をチョイス。
その他、音楽編、自然編も有り。

アサヒ スタウトビール

2009-05-20 00:49:52 | アルコールの海
先日、アサヒビール工場見学に行った際に、アサヒスタウトビール
なるものを買ってきた。

このビール、知っている方は、かなりのビール通だろう。

製造本数も殆どなく、かつ大阪吹田工場でしか製造されていないと
いう、かなりなレアものなのである。

種類としては、黒ビール。

ちなみに、黒ビールとは、麦芽を炒って作るんだということは、
不肖、今回の工場見学の際のお姉さんの説明で、初めて知った。


さて。
先日の日記でも書いたが、工場で飲む、出来立てのビールは実に
美味しかった。

そんなビールと比べて、更に割高な価格設定が為されているこの
スタウトビール。
アルコール度数は8%と高め。
苦味よりも甘さを感じるその味わいは、およそビールというよりは
ワインに
近い風合いを持つという。

でも、どちらかといえば、流通に乗せるのが目的というよりも、
こうしたビールの製造技術をきちんと社内で継承していくための
営みとして製造している。

そんなビールなのだとか。

こう聞いて、飲みたいと思わない人は、そうはいないのではないか?

僕はといえば、勿論飲みたい情動120%で、いそいそと売店で
買いこんで、今日おもむろに栓を開けた次第。

家で飲むのは専ら缶ビールばかりなので、久しぶりに瓶を栓抜きで
開ける。
なんとなくアナクロなその所作が、嬉しい。

栓を抜いた瓶を、家にある陶製のビアジョッキに注ぐ。

① 最初はグラスを立てて、一気に流し込み、炭酸の幕を作る。

② 続いてグラスを斜めにして、静かに注ぎ込む。

③ 最後にもう一度グラスを立てて、泡の量を調整してフィニッシュ。

これが、昨日教わった美味しいビールの注ぎ方である。

早速、それに習って注いでみる。
陶製のジョッキのため、美しいビールの色を堪能することは出来ないが、
それでも何ともいえないアロマがジョッキから匂い立ってくる。

#「神の雫」のように、目の前に乙女とか泉とかは現れて
 くれないけれど(笑)。

しっかりと炒られた麦芽からのこの芳香は、なんといえばいいんだろう。
スモーキーでいて、それでいて露ほどもえぐみを感じさせない。
すうっと体内をすり抜けていくような、そんな香りである。

ジョッキの中の泡は、勿論黒ビールのために、琥珀色と白がない交ぜに
なったもの。

その色のグラディエーションを愛でながら、ジョッキを口へと運ぶ。

口の中に含んだ瞬間。

ビールの苦味を、麦芽そのものの甘味が覆い尽くしている。
そんな多層を織り成す味わいの広がりが、飲み手を至福のコスモへと
運び去る。

飲み終えた後も、喉(そう、舌や口腔ではなく喉)に、独特の
味わい感を残していく。

これは、そういったビールである。

楽天等のネット通販でも、ごく少量ではあるが、取り扱っているらしい。

未飲の方は、是非お試しあれ。

桃源郷への誘いを、約束しよう。

(この稿、了)

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2 コメント

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ビールの注ぎ方 (宇宙ハンター55)
2009-05-24 08:48:44
何年か前に「アサヒ樽生クオリティセミナー」を受けたことがあります。セミナーの教習のひとつに注ぎ方がありました。
ビールサーバーはコックレバーを手前に引くと普通に注がれ、押すと泡だけが出る(逆かも)という構造になっており、7~8割普通に注いで、あとで泡のふたをすると教わりました。
先生がこの注ぎ方とMOLTAさんがしたような注ぎ方をしてくださり、飲み比べをしたのですが、素人の私でもはっきり味の違いがわかりました。
好みによりますが、家庭で飲む時、泡にこだわらなければ、普通にゆっくり注ぐほうがそのビール本来の味を味わえるのではないかと思うようになりました。
一度、注ぎ方もお試しください。
返信する
ありがとうございます (MOLTA)
2009-05-24 19:33:41
両方並べて呑み比べが出来たとは、いいですね~。
違いは何なんでしょうね。
要は、
 ・炭酸ガスを気泡にしない
 ・それでも発生するガスに蓋をして閉じ込める
この二つが大事なことなんでしょうけれど。

写真にあるような陶製のグラスの場合、内壁とビールとの摩擦によって、本当に肌理の細かい泡が出てくれるので、僕が書いたような最初にあわ立てをする方法は不要なのかもしれません。

ともあれ、色々な楽しみ方をして、ビールを少しでも楽しんで行きたいですよね。

また今度、久しぶりに呑みに行きましょう。
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