梅雨の晴れ間を利用して、植木の手入れをする。
三坪ほどの、庭とも呼べない空間の、植木の剪定と、草むしりである。
後片付けも含めて40分ほどで終わったが、両腕は、パンパン。日ごろ、如何に力仕事をしていないか、我ながら情けなくなる。
“三坪の庭”というと、作家の吉川英治が、長女に縁談が持ち上がったとき書いたという詩がある。
ときは六月、ジューンブライドの季節で、変人も大好きな詩なので、つぎに紹介しよう。記憶のままに書くので、文言はあっていると思うが、漢字、かなの使い分けは違うかもしれない。あらかじめ、お許し願いたい。
幸せ何と ひと問はば
娘は何と 答ふらん
珠になれとは 祈らねど
芥(あくた)となるな 街中の
よしや三坪の 庭とても
楽しみ持てば 草々に
人生植うる ものは多かり
これまで、「楽しく、一所懸命」と言い続けてきたが、知らず知らず、この詩に感化されていたものと思う。
昼食後、「第16回日本テディーベアコンベンション」を見るために、浜松町の東京都立産業貿易センターに行く。途中、iPodに入れた「江戸囃子」を聴きながら。
ベア作家のKさんから招待状を頂いたからやって来たが、誰からも来なかったら、間違いなく、出かけてこなかった。
以前は、初日のオープンを待って入場するほどの熱の入れようだったが、物を持つ空しさを感じてからは、よほどの作品でない限り購入しなくなった。
こういう人が増えたのだろうか、最盛期には、このセンターの3フロアを借り切ってのイヴェントであったが、今は、やっと2フロアを埋めた、という感じである。
と、書いている今、下から突き上げるような地震だ。おそらく内陸部の直下型地震であろう、震度1くらいに感じた。
さて、最終日のそれも閉場2時間前のせいか、ベアを抱えたり、大きな紙袋を下げた人が、あまりいない。
このコンベンションに限らず、デパートの「物産展」・「伝統工芸展」・「職人展」などの催し物も、年々さびれ、ついには廃止されてしまう。売上げが少ないのが、最大の原因であろう。なぜ売上げが少ないのかは、わからない。
今回、招待状を送ってくれたKさんに、挨拶がてら作品を見せてもらう。
ほとんどの作品は、初日の、昨日の午前中に売れてしまった、と言う。
Kさんは、世界的な賞も受賞している、人気のベア作家であるから当然で、ひとごとながら喜ばしいことである。
変人は、Kさんがこの賞を受賞する前からのファンで、すでに数点の作品を持っていた。数年前のコンベンションで、非売品の札をつけて、受賞作品が飾られていた。これまでのKさんのイメージが、くつがえされそうな斬新なベアであった。
そこで受賞作品と同じものが作れるか尋ねた。付属品の籐椅子が、もうひとつあるので作れると言う。
そうして苦労して入手したベアは、いま、母の部屋に鎮座している。
帰り際、気に入ったベアの写真を1枚くれる、とのことであったが、今回は、貰わずに帰って来た。
実は2年前、このコンベンションで、Kさんの作品を購入した。上着がまだ完成していなく、間に合わせにTシャツが着せてあった。上着を後日、送ってくれるということで、代金を支払い、そのベアを連れ帰った。
昨年のコンベンションでは、ミシンが故障して、まだ上着ができていない、ということで、お詫びのしるし?に、ベアの写真を一枚貰った。
そして今回は、上着のことは一切、何も言わないのだ。
「まだミシンが故障しているのであろう」と、超内気な変人は何も言えず、ささやかな抵抗として、ベアの写真を貰わなかったのだ。今後、Kさんの作品は絶対に買うまい、ブースにも寄るまい、と固く心に誓って。
梅雨夕焼みちのくのひと思はれて 季 己
三坪ほどの、庭とも呼べない空間の、植木の剪定と、草むしりである。
後片付けも含めて40分ほどで終わったが、両腕は、パンパン。日ごろ、如何に力仕事をしていないか、我ながら情けなくなる。
“三坪の庭”というと、作家の吉川英治が、長女に縁談が持ち上がったとき書いたという詩がある。
ときは六月、ジューンブライドの季節で、変人も大好きな詩なので、つぎに紹介しよう。記憶のままに書くので、文言はあっていると思うが、漢字、かなの使い分けは違うかもしれない。あらかじめ、お許し願いたい。
幸せ何と ひと問はば
娘は何と 答ふらん
珠になれとは 祈らねど
芥(あくた)となるな 街中の
よしや三坪の 庭とても
楽しみ持てば 草々に
人生植うる ものは多かり
これまで、「楽しく、一所懸命」と言い続けてきたが、知らず知らず、この詩に感化されていたものと思う。
昼食後、「第16回日本テディーベアコンベンション」を見るために、浜松町の東京都立産業貿易センターに行く。途中、iPodに入れた「江戸囃子」を聴きながら。
ベア作家のKさんから招待状を頂いたからやって来たが、誰からも来なかったら、間違いなく、出かけてこなかった。
以前は、初日のオープンを待って入場するほどの熱の入れようだったが、物を持つ空しさを感じてからは、よほどの作品でない限り購入しなくなった。
こういう人が増えたのだろうか、最盛期には、このセンターの3フロアを借り切ってのイヴェントであったが、今は、やっと2フロアを埋めた、という感じである。
と、書いている今、下から突き上げるような地震だ。おそらく内陸部の直下型地震であろう、震度1くらいに感じた。
さて、最終日のそれも閉場2時間前のせいか、ベアを抱えたり、大きな紙袋を下げた人が、あまりいない。
このコンベンションに限らず、デパートの「物産展」・「伝統工芸展」・「職人展」などの催し物も、年々さびれ、ついには廃止されてしまう。売上げが少ないのが、最大の原因であろう。なぜ売上げが少ないのかは、わからない。
今回、招待状を送ってくれたKさんに、挨拶がてら作品を見せてもらう。
ほとんどの作品は、初日の、昨日の午前中に売れてしまった、と言う。
Kさんは、世界的な賞も受賞している、人気のベア作家であるから当然で、ひとごとながら喜ばしいことである。
変人は、Kさんがこの賞を受賞する前からのファンで、すでに数点の作品を持っていた。数年前のコンベンションで、非売品の札をつけて、受賞作品が飾られていた。これまでのKさんのイメージが、くつがえされそうな斬新なベアであった。
そこで受賞作品と同じものが作れるか尋ねた。付属品の籐椅子が、もうひとつあるので作れると言う。
そうして苦労して入手したベアは、いま、母の部屋に鎮座している。
帰り際、気に入ったベアの写真を1枚くれる、とのことであったが、今回は、貰わずに帰って来た。
実は2年前、このコンベンションで、Kさんの作品を購入した。上着がまだ完成していなく、間に合わせにTシャツが着せてあった。上着を後日、送ってくれるということで、代金を支払い、そのベアを連れ帰った。
昨年のコンベンションでは、ミシンが故障して、まだ上着ができていない、ということで、お詫びのしるし?に、ベアの写真を一枚貰った。
そして今回は、上着のことは一切、何も言わないのだ。
「まだミシンが故障しているのであろう」と、超内気な変人は何も言えず、ささやかな抵抗として、ベアの写真を貰わなかったのだ。今後、Kさんの作品は絶対に買うまい、ブースにも寄るまい、と固く心に誓って。
梅雨夕焼みちのくのひと思はれて 季 己