壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

天王台ニュータウン

2009年08月04日 17時35分11秒 | Weblog
 「ただより高い物はない」と言われるが、福島県泉崎村が主催する『無料招待会』に参加してきた。先月25日(土)のことである。
 東京から新白河までの新幹線代が往復タダ。十割そば昼食がタダ。さつき温泉の入浴がタダ。新白河から泉崎村までの送迎と村の案内も、もちろんタダ。そうして帰りには、13品目の野菜と果物のお土産までもいただいて……。

 この様子は、昨日の夕方、TBSテレビで放映されたので、ご覧になった方がおられるかも知れない。どアップで、見るに堪えない顔が映ったが、あれが変人である。
 もちろん、台本無しのヤラセ無し。事前に、顔を撮してもよいか尋ねられ、承諾したのは変人ただ一人。中には後ろ姿もダメという方も。そんな次第で、さつき温泉での入浴シーンまでも撮られてしまった。
 それにしてもテレビの仕事は、なんと大変なのだろうと、つくづく思う。今回の放映はほんの5~6分。撮影時間はというと、新白河駅に到着した午前10時頃から午後4時頃までの密着取材。カメラは回しっぱなしではないので、実際の撮影時間は2時間ぐらいだろうか。
 これはまさに、変人の「20倍主義」に一致する。たとえば、こうだ。
 観光ボランティアガイドの依頼を受けた場合、2時間のコースならその20倍の40時間をかけて、下準備をするということだ。

 さて、本題に戻ろう。
 福島県泉崎村は、JR泉崎駅から徒歩7分の村営分譲住宅地、「天王台ニュータウン」をあの手この手で売り込んでいるのだが、まだ50区画ほどが売れ残っているという。
 村は、毎年1億2千万円を造成業者に返済しなくてはならない。売れ残れば村の一般会計から補填するしかない。ならば全部売り切るよりしようがない。
 といことで、「天王台ニュータウン無料招待会」が催されたのだった。

 では、なぜ参加したのか。無料だからか、それとも冷やかしか?
 目下の悩みは、若い頃から集めてきた絵画・彫刻・陶磁器など、美術品の保存・保管である。数年以内に起こる確率が高いといわれる大地震。これが来たら、我が家もろとも作品は全滅すること必定。それでは作品・作者に対してたいへん申し訳ない。
 聞けば、泉崎村は、地震をはじめ自然災害が非常に少ないところとのこと。こちらに移住して、保管庫とちょっとしたギャラリーを持つ家を建てれば、問題は解決する。そうして、月替わりで展示替えをすれば、村の方々の目の保養にもなるのではないか。
 また、希望があれば、俳句も教えよう。古典の講読会もやろう。子供たちには国語・算数・数学・ソロバンを教えてあげよう。もちろん無料で、だ。
 山好きで伏見稲荷の講員としては、烏峠稲荷神社のある烏峠がよく見えるところがいい。
 ――ということで、非常に真面目な気持で参加したのだ。
 気に入った区画が一つあったが、あと2~3回訪れることにしよう。なにせ「三度のTさん」と言われた身なので……。
 田舎暮らしを希望され、車をお持ちなら、この「天王台ニュータウン」を強くおすすめしたい。
 

      泉鳴る稲荷は山の頂に     季 己

 ※ 泉崎村の小林日出夫村長のブログ(7月27日)に、「希望を感じ!」と題して、この日のことが書かれています。
 当日、村長さんより「ホタル舞うあぜ道歩く癒しかな」という句を詠んだ、というお話を伺いました。
 また、そのブログに、Tさんならどう詠むだろうか、とありましたので……。
      魂をぬかれ畦ゆく蛍狩り     季 己