ちょっぴり腐女子な、つれづれ愚痴日記

 ぐだぐたな日々を愚痴りつつ、のんびり綴っています。気が向いたときに更新。

ひな祭り(小ネタ)

2012年02月26日 | 腐女子ネタ

 速水家にやたら大きな荷物が届いた。差出人は、速水の母から。そして、受け取った速水は中身を確認しないまま、倉庫と化している部屋に放置。

 そんなある日、田口が珍しく家事に勤しんでいるときに、家の固定電話が鳴った。
「はい。速水です」
「公平君? 晃一の母だけど、お雛さまどうだった?」
「お雛さま?」
 田口は焦った。お雛さまって何だ? あられ? 甘酒? どこに女の子が生まれたっけ? 必死で記憶を探るが、何も出てこない。

「そうよ。この前、デパートからありすちゃん宛に送ったのだけど、届いていない?」
 沈黙する田口に焦れたような口調で、速水の母が言った。
「はぁ…」

 ありすにお雛さま? それは藁ですか? ペレットですか? ケーキですか?とは、聞けない雰囲気に田口は気づいた。どうやら、高価な何かが送られて来たようだ。
「私は受け取りをしていないので分かりませんが、速水が受け取っているかもしれません。どちらに発送されたのですか?」
 丁寧な口調で、何を送ったのかと聞けないまま、田口はそっと尋ねた。
「そこ宛にデパートから送ったのよ」
 何やら、空恐ろしいものを感じつつ、田口は一番怪しいのは速水だと気づいた。ここしばらくインフルエンザでオレンジの医者が交代でダウンしているらしい。そのため、速水は喜々として前線で走り回り、へろへろの毎日を送っていた。一昨日は、ついに佐藤から強制帰宅させられたという履歴があるのだ。

 いい加減、自分の年を考えろと、田口は言いたいのだが、死ぬまであれは治らないというのも分かっていた。なので、もしかしたら、へろへろの速水が寝ぼけて受け取っている可能性があるかもと思った。専門馬鹿の速水は田口に届いた荷物は毎回、そのまま、その辺に放置している。それでも、食べ物のときは田口が文句を言うので、目に付くところに置いていた。
「…えっと、速水に確認してみますので、しばらく待ってくれますか?」
「ええ。でも、あの晃一が直ぐに捕まるとは思えないから、届いていないときだけに連絡してもらっていいかしら」
 息子の状態をよく知っている母である。田口は、
「分かりました」
と、冷や汗たらたらで、電話を切った。そして、即、速水に連絡を入れた。

「行灯、どうした? 差し入れに来るのか?」
 相変わらず、脳天気な速水に、どっと疲れが出る田口。
「おまっ! そんな場合じゃない。お雛さまなんて受け取ったのか?」
「あ?」
「だから、お雛さまだ!」
 田口の叫びがその辺りに響き渡る。
「お雛さま? ひなあられ? ひな祭り? そんなのが、何で俺んちに来るんだ? まさか…  お前が買ったのか? …なら、今度、休みを取ってバンコクにでも行くか?」
「何で、バンコク?」
 速水が言う意味が分からず、、田口は聞き返す。
「今の日本じゃ、性同一性障害と認められない限り、性転換できないからな。そんなに、お前が女になりたいなんて…」
 ジーンという言葉が続きそうな速水に、田口は絶句。
「違う! 俺は男のままで十分だ。 そうじゃなくて、お前のお母さんがありすに何か送ったみたいなんだけど。さっき電話が入って、お雛さまどうだったって聞かれて、俺は言い訳に冷や汗だったんだぞ」
 田口は電話口で叫んだ。今すぐにでも、脳天気な速水を一発殴りたくなる。
「あー。そりゃあ、悪かったな」
「で、荷物の心当たりはないんだな? 俺は受け取った記憶がないから、残りはお前だけだ」
「……」
 速水が沈黙する。どうやら、記憶の海を探っているらしい。
「そういや、一週間ぐらい前に、でっかい荷物がお袋から届いたけど、食べ物じゃないから倉庫に放り込んだ…ような」
「それだ!」
 そう叫ぶと、田口は電話を放り投げて、倉庫となっている部屋に走った。

 ドアを開けると、目の前にでんと大きな箱が無造作に置いてあった。配達伝票を確認すると、確かに送り主は速水の母だ。
 これだ。と田口は確信して、急いで、どでかい箱の包みを解いた…。中から、出てきたのは、ガラスケースに入ったりっぱな親王雛だった。
「こんなのありすに貰ってもなぁ」
と、田口は呟いた。しかも、どんな安く見積もっても、この飾りは5万円はくだらないと思った。いや、田口のいい加減な見積もりの予想なので、実際ははるかに高いかもしれないのだ。
 田口は豪華なひな飾りを眺めつつ、自分の親も時々ぶっ飛ぶが、速水の親も時々突飛もないことをしでかすとため息。とは言っても、今更、送り返すわけにもいかず、田口は一人で運べない大きさのガラスケースをそのままに、リビングへと戻った。

「…速水。なんか高そうなひな飾りが届いているぞ。俺一人ではとても運べないから、早く帰って来いよな?」
「…おっおおっ。なるべく早く帰るから、無理するなよ。行灯」
 相変わらず、単純な奴。
 語尾に付いた田口の?に超ご機嫌になった速水の単純さに、田口はにんまり。自分だけで、こんな事件に対応しろなんてあんまりだろう。が、田口の本音だ。自分の親に関しては、ぶっとんだ行動があっても、ある程度、仕方がないと割り切っている。しかし、それが速水の親まで絡んでくるとなると、プレッシャーが…。
 などと、速水が帰ってくるのを待っていたら、いつになるか分からないので、田口は早々に速水母に丁寧なお礼の電話を入れた。
 それだけで、どっと疲れた。

 ところが、放してあったありすが自分からドアが開いていた倉庫に入ってしまい、探す田口を尻目に、かくれんぼを状態になり、さらに、疲れが倍増した。なので、ついでに、ありすとひな飾りを並べて写メして、速水母に送った。

 速水母はその写真がいたく気に入ったらしく、待ち受けにするとメールしてきた。それを見て、田口はようやくほっとした。
「かわいいんじゃん。ありす」

 田口に事の顛末を愚痴られ、母親に送った写真を見せられた速水はにんまり。田口に撮れたかわいい写真が自分に撮れないはずはないと、ライバル心に燃え、愛用のデジカメを取り出した。
「せっかくだから、こっちに並べて撮ろうぜ」
と言いつつ、ひな飾りを田口と共にリビングに運んで、ありすとの撮影会を始めた。

 田口は、速水の親ばかは今に始まったことではないので、勝手にしろと放っておいた。それにしても、こんな立派なひな人形があっても邪魔になるばかりだ。来年、田口が忘れずにひな飾りを出すかと考えると…。このまま、二度と出されない確率の方が高い。
 だったら、自分の実家に持って行くという手もあるが、出所がばれたら、叱られそうだし…。何かいい方法はないかと考える。そして、閃いた。
「なあ。このひな人形。小児科のナースステーションに置いたら、いいんじゃないか? お見舞いに来る人たちも、子どもたちも眺められるだろう」
 病院に寄付したのなら、速水母にも言い訳がきくに違いない。
「まあ、うちに置いていても、基本、誰も見ないしな」
「だろ? ひな祭りまで、日にちがないから、早速、明日持って行けよ。看護師さんたちも喜ぶんじゃないのか?」
 と、言いきった田口は出したばかりのひな飾りを再梱包して、速水の車に乗せた。内心では、これで厄介なものをリサイクルできたと喜ぶ。

 だが、速水がひな人形を運んだ先は、オレンジ2階の小児科病棟ではなく、道向かいにある獣医学部付属病院の救急センターだった。そこの受付には、ありすそっくりの手作りぬいぐるみのうさぎが飾ってある。

 速水はこの前、自分が撮ったありすの写真と共に、ひな人形を堂々と飾った。彼の将軍ぶりは、医学部だけでなく、獣医学部にも及んでいた。(最も、獣医学部は速水とありすを使って、自分たちをPRしている)


面倒くさい将軍(小ネタ)

2012年02月19日 | 腐女子ネタ

「…あの、お茶です…」
「ああ」

 若い女性が頬を少し赤らめながら、はにかみつつ湯飲みを男の前に置いた。大会本部の一画に目立つオレンジ色のジャケットを着た男がいる。背中には『東城大学医学部付属病院救命救急センター』と書かれている。胸の刺繍は『救命救急センター長 速水』とあった。 
 なぜ速水がここにいるのか。簡単に説明しよう。

 桜宮市が市民マラソンを実施するに当たって、医療スタッフとして多くの医療機関に協力を要請した。当然、東城大学にも。でもって、東城大が誇る救命救急センターは緊急の場合の即戦力として配属されることになった。
 そのため、センター長の速水は大会本部に待機。というのは、表向き。市長が日頃の功績をたたえて、速水を招待したというわけだ。
 速水にしてみれば、こんなときに招待するな。と断って、オレンジで待機するつもりだった。が、腹黒狸に『政治家には恩を売りまくるのが得なんです』と言い込められ、今に至る。狸は利用できるものなら、何でも使う。さすがに、病院長には速水も逆らえない。
 めんどくせぇ。誰か倒れないかな。

 不謹慎にも、速水はオレンジに帰る口実を探していたりする。なので、極限まで不機嫌オーラを放出し、近寄るなモードだった。が、速水は見た目とっても鑑賞に値する男だ。大会本部にいる女性たちは、ちらちらと視線を向ける。いくらやる気がなくても、格好だけは災害現場での戦闘モードなのだ。しかも、参加者の速水の顔見知りの救命救急士などは、手を振って、目の前を走っていく。もちろん、緊急に備えたAEDを積んだ自転車部隊などは、速水を見て、にっこりしていく。現場からの絶対の信頼を受ける速水は、田口的に言わせれば、普段より2割増しいい男になるそうだ。

 今日の労働は八時間きっちりかよ。オレンジにいたら、こんな暇、あるわけない。このままだと、俺の腕が鈍るぞぉ。何か来ないか。この際、犬でもネコでもモモンガでも、何でもいい。ケガして来いよ。
 この茶もいい加減飽きた。コーヒー飲みてぇ。行灯のコーヒーはないのかよぉ。あーあ。行灯。昼飯、差し入れに来ないかなぁ。
 どうでもいいことを、うだうだ考えつつ、速水はオレンジへのホットラインの携帯電話を首から提げて、ぼうと走るランナーを眺める。

 さくらマラソンと銘打っているが、桜は咲いていない。もっとも、桜が咲く時期に開催するのは、気温が高すぎるし、転勤などで参加が難しくなる人がいるので難しくなる。
 こんなんなら、参加した方が面白いんじゃないか?
 アウトドア派の速水らしい思いつき。田口なら、絶対に考えないことだ。
 一番短いのは5キロか? これぐらいなら、何とかなるかもしれないな。体力には少し自信あるしな。

 自画自賛の将軍だ。しかし、彼は練習時間をいつ捻出するのまでは考えていない。もっとも、真剣に参加しようとは思っていないので、こんなものだろう。
 それより、ここに居るのは寒いし、めんどくせぇ。今から、自転車で走ったら、暖かくなるし、気分転換にもなるし、一石二鳥じゃ?

 一カ所にじっとしているのが、苦手な将軍だ。しかも、ここは屋外。近くにストーブはあるが、けっこう寒い。もちろん、背中には使い捨てカイロがしっかり貼ってある。田口が、「外での待機なんだろ。もう年なんだから、無理するなよ。でもって、寒さは大敵だから、これ貼っとけよ」と背中に二個貼ってくれた。
 行灯、来ないかなぁ。いや、行灯じゃなくて、ありすでもいい。そうだ。行灯よりありすのほうが小さいし、暖かいから、湯たんぽ替わりにできるよな。
 ひたすら、現実逃避をする速水だった。それを遠巻きに眺める桜宮市の職員たちは、“速水先生はとっても気難しい”と認識したのだった。


今日は熊本城マラソン。

2012年02月19日 | 日記

  タイトルは単なる宣伝です。ローカルテレビではリアル中継をしていますが、私は今回は関係ないので、がんばれーっと心の中で応援です。とりあえず、AEDの出番がなければ、OKです。

 

 さて、私のパソコン君のバッテリーランプが点滅してくれるので、デルのサポートに相談したところ、ランプにトラブルとらしいとのこと。ランプかよー。です。バッテリーを使わないなら、外してもいいよ。と言われたので、気になるようなら、外しちゃおうかなぁと考えています。

 バッテリーがないだけで、かなり本体が軽くなるので、運ぶときはいいかも…です。というのも、耐震工事のための仮設建物に移動するとき、5キロ近いパソコンを持って、階段を上り下りは辛いので、13インチか14インチぐらいのパソコンの購入を考えていました。でも、13インチだとDVDが付いていなかったりするので…。14インチだと、私の15インチとほとんど変わらないし…。しかも、値段は15.6インチと変わらないし…

 昨日、デルのページで悩みました。で、よく考えたら、このパソコン。まだ、製造されて3年半しかたっていませんでした。大事に使わなくてはと思ったものの、私用を職場に持って行って使うのもなぁ。です。

 私はエクセルは使えるけれど、ワードが苦手。でもって、普段は「一太郎」を使っているので、職場のパソコンには入っていない。せめて、ATOKだけは入れて欲しいなぁと思います。

 


伴奏は疲れる。(小ネタ)

2012年02月11日 | 腐女子ネタ

 速水が定時に家に帰っていたのに、田口は驚いた。しかも、田口を無視して、ひたすら鍵盤を叩いている。その曲は何やら田口にも聞き覚えがある。
「…速水。それ何ていう曲?」
「ああん? 君を乗せて。ジブリの曲」
 つっけんどんな声で答えた速水は、くそっと言うと、また、鍵盤に目を向けた。こんなとき、田口は黙っている。というか、口など挟める雰囲気はどこにもなかった。

 鍵盤に向かう速水は、近寄るなオーラをまき散らして、自分だけの世界に没頭している。その鬼気迫った様子から、田口は、また、小児科か何かのボランティアを引き受けてきたなと思った。速水のピアノの腕はセミプロ並みだが、普段は滅多に弾くことがないため、こんなときにはそれこそコンクールに出場するのかと言わんばかりの練習量だ。しかも、その集中力は半端でない。
 初見で弾いているのだろうが、何度も繰り返される曲は弾くたびに滑らかになっていく。そして、ようやく、納得のいくぐらいになったのだろう。
「今日の目標終了」
と、速水がパタンとピアノのふたを閉めた。
「お疲れ」
 田口が言うと、
「何で、毎回こんなのが俺の所に来るんだよ。面倒くせ~」
と、ぼやく。
「でも、弾くたびに曲になっていくから、凄いと思うぞ」
「まあな。けど、テンポがばらばらだから、まだまだだな。後で、お前歌えよな」
「え?」
「伴奏なんだから、歌がないと、どう弾くのかわからないだろうが…」
「それはそうだけど…。お前、自分で歌えないのか?」
 世の中には弾き語りをするシンガーも多いではないか。と、田口は思う。
「ばぁーか。俺はそんなに器用じゃない。だから、歌担当は行灯」
 そう断言した速水は楽譜を田口に押しつけた。それを見た田口は、おたまじゃくしの羅列にがっくりと肩を落とした。自慢じゃないが、楽譜を読むのは苦手だ。速水のように、楽譜だけでメロディを口にできるなんて、ほど遠い。呆然としている田口に、
「何度も弾いていると、嫌いになる曲って多いんだけど、これはそうならないところが凄いよな。歌詞も何度見てもジーンってくるしな。恐るべし、ジブリ」
と、速水は言い放つと、アカペラで『君を乗せて』を歌い始めた。

 これは私個人の今の体験です。ちなみに、私の伴奏は小学生80人ほどが相手です。でもって、指揮者がグランドピアノの位置からは見えないので、横にカウントを取って貰う後輩を配置してあります。じゃないと、お互いに暴走してしまうので…


冬眠も冬眠状態です。

2012年02月11日 | 日記

 明けまして…もとっくに過ぎ去り、節分も終わり、まもなくバレンタインデー。

 何をしていたのかと言いますと、年明け早々、突如、ジブリ映画の「天空の城ラピュタ」の主題歌。『君を乗せて』を歌う子どもたちの伴奏を依頼されて、必死でこの三週間、ピアノに取り組んでいました。

 実は明日、その発表があるわけで、汗の今日です。他に弾く人間はいないのか~と叫んだのですが、みんな拒否

 二週間の練習の後、子どもたちと音合わせ。しかも、お互いに時間を合わせるのが難しくて…。一緒に練習したのは、数えるほど。

 正直、明日がです。と言いつつ、今日はまだ鍵盤に触れていません。弾けば弾くほど、ストレスになるんですよねぇ。けれど、弾かないのもストレス。

 なので、明日は早朝から会場のグランド・ピアノの練習に行こうと思っています。でも、寒いんですよねぇ。暖房が入らない場所での発表なので…。

 でもって、腐女子ネタは冬休み期間も作れず、冬眠が続いています。バレンタインも思いつかないし…。せめて、自分の辛い『君を乗せて』がネタにできればいいけれど…。