ちょっぴり腐女子な、つれづれ愚痴日記

 ぐだぐたな日々を愚痴りつつ、のんびり綴っています。気が向いたときに更新。

それは蛍?(小ネタ)

2012年08月26日 | 腐女子ネタ

 速水が裏の方で蛍が飛んでいると行ったので、田口は帰宅前にひとりで大学の裏の方へ向かった。深夜に近い時間なので、病棟の明かりも微かで、赤煉瓦棟などは真っ暗で窓から漏れる非常灯の微かな明かりが不気味だった。

 空に月はない。代わりに星が瞬いていた。
「あれがオリオン座で、こっちが北斗七星…」
 ひとり空を見上げながら、田口は呟く。速水も来られたらよかったのに…、などと思えたのは、この時点までだった。
「あっ、あれかな?」
 田口の目にふわりと舞う光が見えた。思わず、足早になった。
「今頃、蛍っていまいち信じられなかったけど、こんな身近にいるもんだなぁ」
 独り言を呟きつつ、田口は光のもとへと…。

 次の瞬間、彼の全身が膠着した。ふわふわと飛んでいる光。それは蛍よりはるかに大きかった。しかも、近くで見ると色が黄色ではなく、青白い…
(これって、もしかして、蛍じゃない? 考えたくないけど、『ひ』がつくお墓に出る奴?)
 呆然となった田口。この場をどう回避すればいいのか、わからず、立ちすくんだ。
(誰だよ。蛍がいるって言った奴は! 速水だ!)
 と、声に出せないまま、叫ぶ。体を動かそうとしても、ぴたりと足が地面に張り付いたようになって、動けない。だけでなく、ふわふわと奴らは楽しそうに田口の周りを飛び回った。目の前を通り過ぎるとき、田口は顔が見える気がして、背筋にぞっと寒気が走った。
 こんな所で、しかも自分が怪奇現象に遭遇するとは、絶対に信じたくない。ので、目をつぶってみた。100数えて、そっと目を開けた。
 が、状況に変化無し。仕方なく、田口はこのまま朝まで待てば、やつらも消えるだろうと腹をくくった。

 そのとき、ピピピっと音がした。その音で我に返った田口は、とっさにそれを握って、耳に当てた。
「…行灯。何してるんだ? 帰るから迎えにに行くぞ」
「速水…。裏! 裏! 裏!」
「裏、裏、うるさい! どこの裏だよ!」
 田口が喚くので、自然と速水も叫ぶ。
「お前が蛍が出るっていうから! 来たら!」
 田口は半泣きだ。
「出たか?」
「出た! 赤煉瓦棟の裏!」
 田口の慌てようから、何かを感じたのだろう。速水はくっくっと笑いを隠しながら、言葉をつないだ。
「…わかった。取りあえず、お前は目をつぶって、フリーズしていろ。直ぐに回収してやる。取りあえず、これはこのままにしておくから、お前はメリーさんの羊でも歌ってろ」
 速水は力強く田口に指示を出した。
「…わかった」
 田口は素直に速水の言うがまま、メリーさんの羊を歌い始めた。意識を電話に集中して、自分の周りを飛ぶ『ひ』を見ないよう目をつぶって…。

「行灯!」
 田口がメリーさんの羊を五回歌ったところで、速水が到着した。
「速水! 怖かったよー」
 田口は半泣きで、速水に抱きついた。そして、
「あれっ、あれって、蛍じゃなくて、『ひ』『ひ』『ひ』っ」
 指で指すのも怖くて、目で速水に訴える。
「あん? 珍しいな、青い色の蛍っているんだな?」
 速水は田口を腕に抱いたまま、珍しそうにふわふわと飛ぶものを見た。
「速水、違うって、あれは『ひ』…」
「ひ? 何言ってるんだ? 蛍以外に何だって言うんだ。それにしても、綺麗だな」
 超現実主義者の速水には、田口には『ひとだま』しかみえないものも蛍になるらしい。田口は速水の神経の図太さに、くらくらとなりつつ、速水に必死でしがみついた。

 後日、速水が藤原に、
「田口はぼんやりしているくせに、ひとだまだけは分かったみたいで面白かったです。それにしても、彦根の奴、どうやったら、ひとだまと蛍を間違えるかなぁ」
と惚気たそうだ。


ご無沙汰しています。

2012年08月26日 | 日記

 ご無沙汰しています。取りあえず、元気でいたのですが、夏休みモードも私には関係なく、研修と書類作成と、健康診断に追われていました。

 しかも、せっかく確保した盆休みという名の夏休みは、本州から弟一家がやって来て、実家でおさんどんの日々で、ものすごく疲れました。しかも、帰宅してから、翌日に提出する書類を作成と。相変わらずの日を送っていました。

 そんなわけで、ネットにつなぐ元気も、パソコンを起動する元気もありませんでした。その間に、『ケルベロスの…』は発売になるし…。

 ちょっとだけ、立ち読みをしました。うーん。ハードな終わり? それにしても、これで本編完結というのは寂しいです。まあ、桜宮サーガは続きそうなので、ぼつぼつ期待はしていますが…。

 そんなこんなで、私の腐女子ネタは停滞しています。やっぱりエアコンを使わないで、この夏を乗り越えようとしているのが無謀なチャレンジ?

 でも、エアコン無くても、昼間は仕事に行っているし、帰宅してからは窓を開けて空気の入れ換えをすると、33℃ぐらいになるので、私には扇風機で平気な温度だし…。いざとなれば、冷たい水でも飲めばいいし…。

 なので、このまま、この夏は乗り切れそうです。それにしても、汗が一杯出て、気持ちがいいです。

 と言うような日を過ごしていました。