日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

多糖類(分子模型)

2007-04-10 | 分子模型図鑑

元に戻って糖質の話
単糖類、二糖類ときて
今日は多糖類
(紅白幕が戻ってきた)
糖がだらだらと長く繋がった化合物だが
 

植物の細胞壁:セルロースだったり
動物の貯蔵エネルギ:グリコーゲンだったり
節足動物の外骨格:キチンだったり
生物のかなり重要な構成物質である
 

さらには
タンパク質や脂質にもつながって
糖鎖というアンテナのような形を取り
生体内の相互作用でも
重要な役割を果たしている
(所詮デンプンでしょ等とバカにできないのだ) 

 

アミロース(デンプン)
アミロース

植物が光合成で作ったブドウ糖を貯蔵しておく形
ブドウ糖が無数に繋がっている
∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩∩
繋げていくうちに
分子模型がぐにゃりと曲がり
曲線を形作っていく
実際のアミロースも
螺旋状になっている
こういうとき
分子模型を作ってよかったと思うのだ
この螺旋の中にヨウ素がはまると
青紫に色づく実験を小学校で行なった
アミラーゼという酵素で
二糖類の麦芽糖単位で切り離すことができる
ご飯は口の中で
甘くなるまで噛みましょうと言われたものだ

 

セルロース

セルロース
ブドウ糖が無数につながっている
∩∪∩∪∩∪∩∪∩∪∩∪∩∪∩∪∩
こんなふうに表・裏・表・裏と交互に繋がっている
アミロースと違って真っ直ぐな分子であり
綺麗に整列することができるため
とても硬い構造をとることができる
植物の骨格を作る物質であり
その辺の雑草もセルロースでできている
セルロースも切り離してしまえば
ブドウ糖になるので
消化できれば食糧問題は解決なのだが
あいにく
人間はセルロース分解酵素を持っていない
ウシやヤギは酵素を持っているのかというと
そうではなく
腸内細菌の酵素の助けを借りているのだった

 

グルコマンナン(こんにゃく)
グルコマンナン

コンニャクイモに含まれるほか
針葉樹を形作る物質
グルコースとマンノース
マンノース多めに繋がっていったものだ
セルロース同様
消化することができない
消化できないものを
皆なぜありがたがって食うのかというと
胃の中で水分をすって膨らむかららしい

 

アガロース(寒天)

アガロース
ガラクトースと
水酸基の足りないガラクトース

交互に繋がったもの
これも人間の持つ酵素では
消化することができない
消化できないものを
皆なぜありがたがって食うのかというと
「あるある」で紹介されたかららしい

 

ペクチン
ペクチン

植物の細胞壁に含まれる
ガラクツロン酸という
糖の仲間が繋がっている
これも消化できない
ジャムやゼリー
ヨーグルト、フルーチェ
などのゲル化させる必要のある食品に使用される

 

ヒアルロン酸
ヒアルロン酸

Nアセチルグルコサミンとグルクロン酸
という二糖が交互に繋がっている
動物の関節・皮膚・脳等の場所で
細胞と細胞の間を埋めるような物質
植物細胞がセルロースに埋まっているように
動物細胞はヒアルロン酸に埋まっている
とイメージする
保水性が高く
化粧品の保湿成分として使用される
整形の皺取り注射の成分

 

キチン
キチン

構造はセルロースと似ている
しかし構成単位が
アセチルグルコサミンという
窒素を含む物質なので
とても糖類には見えない
さすがは
無脊椎動物である

異形の者たちなのだ
カブトムシの外骨格
カニ・エビの甲羅などが
キチン質でできている

 

キトサン
キトサン

キチン質を濃アルカリ中で
煮沸処理などして合成される
合成物質
人工皮膚や繊維などへの利用が薦められているが
よく話題になるのは
健康食品の分野だ
だが
こちらは例によって
眉に唾をつけておいた方がよさそう

 

ニトロセルロース

ニトロセルロース
セルロースを硝酸で処理したもの
ここまでくると
糖類の面影がなくなる
ショウノウと合わせて
セルロイドとして利用されていた
セルロイドはプラスチックの登場と共に
消え去ってゆくが
その理由は
燃えやすいため事故が頻発したからだ
それもそのはず
ニトロセルロースのニトロは
ニトログリセリンのニトロなのだった

というわけで
次回は突然だが
爆発物を紹介しよう

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