さて通常の炭化水素を前回紹介した
炭素が4本の手で鎖状につながっていた
ところが
炭素の手が3本に減ることがある
それが芳香族と呼ばれる炭化水素だ
まず通常の炭化水素を見ていただこう
炭素6個が輪になったシクロヘキサンだ
シクロヘキサン
2つ並んでいるがどちらもシクロヘキサン
ルービックキューブのようにグニャッとまわることで
2種類の形を取るのだ(上を向いた水素の数で区別できる)
左が「イス型」右が「フネ型」と呼ばれている
次に同じ炭素6つの環状炭化水素だが
芳香族のベンゼンを紹介する
ベンゼン
シクロヘキサンでは水素2個ずつ抱えていた炭素が
ベンゼンでは水素を1個ずつしか抱えていない
残った1本の手はどうしているのかというと
となりの炭素とより強力につながっているのだ
この状態が炭素には居心地が良いらしく
非常に安定な分子となる
化学とは切っても切れない あの六角形は
この構造を示しているのだ
トルエン
ベンゼンにメタンがくっついたような形をしている
「シンナー遊び」の主役として悪名が高い
昔の私の部屋もこの臭いで一杯だった
ラッカー系の塗料でプラモデルを塗っていたから
キシレン
ベンゼンにメタンが2個ついたような形
付き方によって3種類の構造を持つ
写真左から
オルトキシレン→メタキシレン→パラキシレン
どれでもキシレンだ
油性マジックインキの臭いがキシレンだった
3種類が混じった状態で使用されている
ナフタレン
ベンゼンが重なったような分子
ベンゼンからキシレンまでシンナー系の液体だったが
ナフタレンは固体。白い結晶だ
防虫剤で有名なナフタリンがこれだ
アントラセン
ベンゼン3つがくっついたような形状
これも白い結晶で防虫剤になる
コールタールから得られる
フェナントレン
こんなふうにずれて くっつく場合もある
これもアントラセンに似た物質
炭化水素なのでやっぱり
水に溶けず
燃えやすい
ベンゾピレン
ここまでくると
もうどこまでも繋げてしまいたくなるのだが・・・
どんどんグラファイトに近づいていくので
この辺から色付いてくる
黄色い結晶
焦げた食べ物、煙草の煙などに含まれる
ビフェニル
ベンゼンがこんなふうにつながることもある
分子模型では2つのベンゼン環を
同一平面上に置くことが難しいが
本物の分子でもひねってくっついている方が安定だ
昔社会問題になった
ポリ塩化ビフェニル(PCB)は
このビフェニルのまわりの水素がいくつか
塩素に代わったものだ
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます