日々の戯れ

鈴柩の頼りない脳細胞に代わる記憶

水素化合物(分子模型)

2007-03-09 | 分子模型図鑑

●炭素
炭素の宇宙での存在度は
第4位 と上位にランクしている
今までの事をまとめると
        元素の存在度
1位 水素   93.4%
2位 ヘリウム  6.4%

        水素ヘリウムを除いた割合
3位 酸素   53%
4位 炭素   29%
5位 窒素    9%

ここまでで宇宙にある原子の99.98%
生物の体もほとんどがこれらの元素でできている

 

さて炭素の話

炭素の場合、酸素分子・窒素分子のような
2個つながった炭素分子というものは存在しない
その理由は炭素の手が4本もあるということだ
便宜上「手」というが人間の手とは勿論違う
他の原子と結合できる数という意味である
水素の手は1本
酸素の手は2本
窒素の手は3本
である
炭素は手が4本
もあるので
炭素同士で手をつないでも
まだまだ他の原子と手を繋げるのだ
その性質のおかげで
炭素を含む化合物は多彩なものとなった
それらを有機物と呼ぶ
私達の体も殆ど全て有機物である
その多彩な分子の姿はこのコーナーで
おいおい紹介していくとして
下の写真は炭素だけでできた物質である

Photo_9

これがダイヤモンドの結晶

4本の手をテトラポッド上に組み合わせて
非常に堅固であることが模型からもわかる

Photo_10

こちらは黒鉛(グラファイト)
炭素が蜂の巣状に組み合っているが
上下のつながりが弱いので柔らかい
その性質を鉛筆に利用されている

 

どちらも炭素なのだが

扱いの違いには大きな差がある

 

●水素化合物
水素は前述のようにどこにでもある元素なので
ほとんどの原子と手を繋ぎ
お馴染みの化合物を作っている
その中で単純なものを紹介しよう

 
(1)水
酸素は手が2本で水素は1本だから
酸素の両手に水素が一つずつ
くっついた姿をしている

Photo_11

母親が二人の子供を連れ歩いているようだ
手のつなぎ方が直角に近いことに注目(実は109°)
このように曲がって付いていることによって
水は極性(電気的な磁石のような性質)を持つ
水の分子同士は引きあうのである
だから水は酸素や窒素などよりずっと軽いのに
液体でいられるのだ
二酸化炭素のように真っ直ぐ手を繋いでいたら
生き物は存在し得なかった

 

(2)アンモニア
窒素は手が3本だから
その3本の手に1つずつ水素をつないでいる

Photo_12

アンモニアもわずかながら極性があるので
水と相性が良い
極性を持つ物質は水に溶ける
ということを覚えておいてほしい
小学校の時アンモニア水を嗅がされた経験はないだろうか
土星や木星にはアンモニアの氷があるらしい

(3)メタン
炭素は手が4つだから
水素を4個くっつけている

Photo_13
メタンについては次回に述べるが
これも普遍的な物質である
ウシのげっぷに含まれている
土星や木星の氷にも含まれている

これら3つの基本的な化合物を紹介したが
地球の誕生したときにも
勿論水、アンモニア、メタンは
ふんだんにあった筈だ
さいわいなことに地球の重力は
メタンやアンモニアを繋ぎ止めておくほど
大きくはなかったようだ
地球の程よい大きさに感謝しよう
水分子の曲がり具合にも感謝しよう
私たちは偶然によって存在するんだ・・・
次回は炭化水素(メタン一族)

コメント (3)
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