宮澤賢治の里より

下根子桜時代の真実の宮澤賢治を知りたくて、賢治の周辺を彷徨う。

『宮澤賢治と高瀬露』のなぜ?

2015年06月02日 | 『賢治と高瀬露』
《創られた賢治から愛すべき賢治に》
 先に私は『宮澤賢治と高瀬露』を自費出版した。この本は、
   Ⅰ 「宮沢賢治伝」の再検証㈡ ―〈悪女〉にされた高瀬露―       上田 哲
   Ⅱ 聖女の如き高瀬露                             鈴木 守
二部構成になっていている。
 かつて私は、上田の論文「「宮沢賢治伝」の再検証㈡ ―〈悪女〉にされた高瀬露―」を是非読みたいものだと思って、同論文が所収されている『七尾論叢 第11号』(七尾短期大学、平成8年)をあちこち探し回ってみた。まずは、賢治に関してはほとんどの図書等が揃っている『宮沢賢治イーハトーブ館』に訊いてみたところ、『同第11号』はなかった。次に、『上田さんは岩手に縁があるので、岩手県立図書館にも同号は寄贈されているはずだ』と人伝に聞いたので調べてもらったが、同館に幾つかの号はあったが、肝心の同号は所蔵されていなかった。そこで今度は、花巻市立図書館にお願いをして国会図書館に問い合わせてもらったところ、他の号はほとんど所蔵されているが『同第11号』はないという。
 そこでいっその事、七尾短期大学に問い合わせようとしたところ、もはや同学は存在していなかった。それならばと、石川県立図書館を直接訪れてみたのだがやはり所蔵されていなかった。『同論叢』は第1号~20号までの全20巻があるのだが、同館に『第11号』はないという。そこで、七尾市立図書館ならばと思って直接訪ねてみたが、残念ながらやはり同号はなかった。
 なお石川県立図書館の館員から、金沢大学には所蔵されているということを教わったので、私の知人を介して直接調べたもらったところ、確かに同大学の付属図書館には『第11号』が所蔵されているという。ちょっと嬉しかったが、一般人が少なくとも気軽に行ける所ではない。したがって、私が知る限りでは、市井の人が行ける公的な図書館等で『七尾論叢 第11号』を閲覧できる所はなく、同論文を読むことは現実的にはほぼ不可能であろう。
 そこで、幸いに私は当時『七尾論叢 第11号』の編集委員であった三浦庸男氏(現在は埼玉学園大学教授)から『同第11号』をお譲りいただけたので、この論文を多くの方々に読んでもらいたいと願って、上田哲のご遺族から同論文の転載許可をいただき、今回の『宮澤賢治と高瀬露』に転載させていただいた次第である。

 ところが、これと似たようなこと(?)が今起こっている。上掲のように私はこの『宮澤賢治と高瀬露』を岩手県立図書館に寄贈したので閲覧可能なはずだが、どういうわけか同館の「蔵書検索・予約」<*1>で検索しても、他の関連図書は検索できるが、この『宮澤賢治と高瀬露』だけは見つからないのである。したがって、もちろん一般市民の場合は、上田の論文「「宮沢賢治伝」の再検証㈡ ―〈悪女〉にされた高瀬露―」は検索にひっかからないし、それが同館で閲覧できることに気付かないし、まして『宮澤賢治と高瀬露』が所蔵されていることにも気づかない。

<*1:註> どういうわけか現在トラブルが発生しておりますので次の行
      同館の「蔵書検索・予約」
をクリックして次の検索画面《1》にジャンプして下さい。

〈追伸〉:→その後、つまり〝『宮澤賢治と高瀬露』検索に奇妙なこと発生〟投稿後、暫し時間をおいて確認したところ取り敢えず原状に復帰していたので報告する。それにしても奇妙で不思議なことが起こるものだ


《1.実際に、「宮澤賢治と高瀬露」で検索してみると》


《2.次に「上田哲」で検索してみると》





《3.そして、「鈴木守」で検索してみると》


という結果となる。

    どこにも『宮澤賢治と高瀬露』は検索にひっかからないのである。

 ちなみに私鈴木守の著書としては、
1   羅須地人協会の真実 賢治昭和二年の上京
2   賢治と一緒に暮らした男 千葉恭を尋ねて
6  見えてくる高校数学
7   ビジュアル線形代数 2次行列と1次変換
8   高校数学番外編 高校生諸君に贈る
は検索にひっかかるというのに、である。

 これはたまたまなのだろうか。なぜだろう?

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