会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 306

2014-04-13 21:22:36 | Weblog
鹿鳴集・比叡山(十二首)  昭和13年10月の作である。

十八日延暦寺の大講堂にて(第1首)   解説

 のぼり きて しづかに むかふ たびびと に
           まなこ ひらかぬ てんだい の そし

         (登り来て静かに向かふ旅人に眼開かぬ天台の祖師)



会津八一 304

2014-04-11 22:26:15 | Weblog
春日野にて(第3首) 解説 

 うつくしき ひと こもれり と むさしの の   
          おくか も しらず あらし ふく らし       

         (美しき人こもれりと武蔵野の奥かも知らず嵐吹くらし)

会津八一 303

2014-04-10 19:32:33 | Weblog
春日野にて(第2首)  解説

 をとめら が ものがたり ゆく の の はて に   
           みる に よろしき てら の しらかべ       

        (乙女らが物語りゆく野の果てに見るによろしき寺の白壁)

会津八一 302

2014-04-10 00:00:42 | Weblog
春日野にて(第1首)  解説

 をとめら は かかる さびしき あき の の を   
            ゑみ かたまけて ものがたり ゆく       

       (乙女らはかかる寂しき秋の野を笑みかたまけて物語りゆく)

会津八一 301

2014-04-08 20:06:51 | Weblog
奈良博物館にて(第4首)  解説

 いかで われ これら の めん に たぐひ ゐて  
           ちとせ の のち の よ を あざけらむ        

      (いかで我これらの面にたぐひゐて千年の後の世をあざけらむ)

会津八一 300

2014-04-07 20:07:14 | Weblog
奈良博物館にて(第3首)  解説

 かべ に ゐて ゆか ゆく ひと に たかぶれる
            ぎがく の めん の はな ふり に けり

          (壁にゐて床ゆく人にたかぶれる伎楽の面の鼻古りにけり)


会津八一 299

2014-04-06 20:51:15 | Weblog
奈良博物館にて(第2首)  解説

 あき の ひ は ぎえん が ふかき まなぶた に   
           さし かたむけり ひと の たえま を       

        (秋の日は義淵が深きまなぶたにさし傾けり人の絶え間を)

会津八一 298

2014-04-05 20:36:44 | Weblog
奈良博物館にて(第1首)  解説

 ゆゐまこじ むね も あらはに くむ あし の   
         やや に ゆるびし すがた こそ よけれ       

      (維摩居士胸もあらわに組む足のややにゆるびし姿こそよけれ)

会津八一 297

2014-04-04 00:45:07 | Weblog
東大寺の戒壇院にて(第2首)  解説

 かいだん の まひる の やみ に たち つれて   
          ふるき みかど の ゆめ を こそ まもれ       

         (戒壇の真昼の闇に立ち連れて古き天皇の夢をこそ守れ)

会津八一 295

2014-04-01 20:31:34 | Weblog
菩薩戒会(ぼさつかいえ)の唐招提寺にて(第2首) 解説

 のき ひくき さか の みだう に ひと むれて  
           には の まさご に もるる ともしび    

         (軒低き釈迦のみ堂に人群れて庭の真砂に洩るる灯火)


会津八一 294

2014-04-01 00:31:24 | Weblog
菩薩戒会(ぼさつかいえ)の唐招提寺にて  解説

 よもすがら かいゑ の かね の ひびき よる 
           ふるき みやこ の はた の くさむら      

         (よもすがら戒会の鉦の響きよる古き都の畑の草むら)