会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 706

2015-04-22 20:33:09 | Weblog
会津八一 寒燈集・山精(五首) 昭和十九年七月

山   精 「斎藤茂吉の歌集・暁紅(ぎょうこう)に心打たれ、作歌した6首を
      茂吉に送る。その内の5首を山精(すだま)として寒燈集に入れた」
                                
1 山精(第1首)
   七月二十九日さきに童馬山房主人より贈られし歌集「暁紅」をとり出して
   ふたたび読みもてゆくに感歎ますますふかしこえて五日この五首を記して
   箱根強羅なる山荘にこもれる主人のもとに寄す

     あめつち の いかなる ちから あともひて 
                 この ひとまき の われ に せまれる      
2 山精(第2首)
     あしびき の やま の すだま と こもり ゐて 
                 よみ けむ うた か さよ の くだち を      
3 山精(第3首)
     ふりさけて おもへば とほき いにしへ ゆ 
                 かかる きはみ に たれ か うたひし        
4 山精(第4首)
     いにしへ を わが する ごとく のち の よ は 
                 きみ を こほしみ たへ がて に せむ
5 山精(第5首)
     いかで われ ひとたび ゆきて うつしみ の  
                 きみ と あひ みむ あき の ひかげ に


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