会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

会津八一 1675

2018-01-27 20:11:05 | Weblog
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枕草子(三十五段)・池は 2015・9・23(水)

 をかし(趣がある、興味深い、心が引かれる)と思った池を書く。その基準は詩歌によるところが大きい。(原文へ

 推奨する磐余(いわれ)の池は、大津皇子の辞世の歌で有名。

  百伝(もも)伝ふ磐余の池に鳴く鴨を今日のみ見てや雲隠りなむ
  (磐余の池に鳴く鴨を見ることも今日まで、もう死ななくてはならないのだ)

 猿沢の池は采女が身投げしたと聞いて、帝がわざわざ行幸したことが素晴らしいと言い、その時の事を柿本人麿の歌から想像する。

  わぎもこのねくたれ髪を猿沢の池の玉藻とみるぞかなしき
  (愛する人の寝乱れた髪を猿沢の池の美しい藻かと思って見るのが悲しい)

 筆者はもちろん会津八一の歌を思い出す。

  わぎもこ が きぬかけ やなぎ みまく ほり 
       いけ を めぐり ぬ かさ さし ながら  
解説

 枕草子は気楽に現代語訳だけを読んで楽しめばいい。訳を以下に書く。

 池は勝間田の池。盤余の池が心ひかれる。贄野(にえの)の池は、初瀬(長谷寺)にお参りした時、水鳥がたくさん隙間なく並んでいて、騒がしく一斉に飛び立っていったのが、とても素晴らしい面白かった。
 水無しの池というのは、池なのにどうしてこのような名前を付けたのだろうかと聞いてみると返事は「雨の多い五月など、とにかくいつもより雨が激しく降ろうとする年には、この池には水が全く無くなってしまう。反対に、日照りが続く年には、春の初めに大量の水が湧き出てくる」、「いつも水が全く無かったら、水無しの池という名前をつけても良いが、水が出る季節もあるというのに、一方的に名前を付けてしまったものですね」と言いたくなった。
 猿沢の池は、采女が身投げしたことをお聞きになって、帝が行幸なされたことがある池、その帝のお心がけは非常に素晴らしいものである。「寝くたれ髪を」と、人丸(人麿)が詠んだというその時の光景を思うと、何とも言いようがない。
 御前の池は、どういった由来があってこの名前を付けたのだろうかと、知りたくなる。鏡の池、狭山の池は、あの三稜草(みくり)を詠んだ歌が風情があるので、心ひかれる。
 こいぬまの池。原の池は、「玉藻を刈るな」という歌があるので面白く思う。


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