「ご家庭にある洗濯機など古くなったものは~~~」とスピーカーの音を流してトラックがやってきた。庭いじりをしていると珍しく運転手が声をかけてきた。低調に断ったが、肉声の勧誘にあったのは久しぶりである。
最近では「竹屋ー、青竹ー」などの物売りの声はほとんどなくなり、僅かに豆腐屋、焼いも屋ぐらいである。
寺田寅彦が大正時代にこう書いている『「昔は「トーフイ」と呼び歩いた、あの呼び声がいったいいつごろから聞かれなくなったかどうも思い出せない。すべての「ほろび行くもの」と同じように、いつなくなったともわからないようにいつのまにかなくなり忘れられ、そうして、なくなり忘れられたことを思い出す人さえも少なくなりなくなって行くのであろう。』
そして以下のような物売りの声をあげている。「ナットナットー、ナット、七色唐辛子(なないろとうがらし)」 「豆やふきまめー」 「ナスービノーナエヤーア、キュウリノーナエヤ、トオーガン、トオーナス、トオーモローコシノーナエ」(苗売り) 「花のたより、恋のつじーうら」 「あんま上下(かみしも)二百文」 「ええ朝顔やあさがお」 「ええ鯉(こい)や鯉」等など。そして提案する。「今のうちにこれらの滅び行く物売りの声を音譜にとるなり蓄音機のレコードにとるなりなんらかの方法で記録し保存して・・・・・」
この大正時代の売り声をほとんど聞いたことがないが、落語の枕で江戸時代のリアルな物売りの声の再現を聞くことはできる。それとて本当のものではない。人の声がじかに伝わってくる商いは良いものだ。今では商いの仕方が変わってきたから仕方がないが寂しい。今年の冬、実際に聞いた「いしや~~きいも!」の美声は素晴らしかった。
最近では「竹屋ー、青竹ー」などの物売りの声はほとんどなくなり、僅かに豆腐屋、焼いも屋ぐらいである。
寺田寅彦が大正時代にこう書いている『「昔は「トーフイ」と呼び歩いた、あの呼び声がいったいいつごろから聞かれなくなったかどうも思い出せない。すべての「ほろび行くもの」と同じように、いつなくなったともわからないようにいつのまにかなくなり忘れられ、そうして、なくなり忘れられたことを思い出す人さえも少なくなりなくなって行くのであろう。』
そして以下のような物売りの声をあげている。「ナットナットー、ナット、七色唐辛子(なないろとうがらし)」 「豆やふきまめー」 「ナスービノーナエヤーア、キュウリノーナエヤ、トオーガン、トオーナス、トオーモローコシノーナエ」(苗売り) 「花のたより、恋のつじーうら」 「あんま上下(かみしも)二百文」 「ええ朝顔やあさがお」 「ええ鯉(こい)や鯉」等など。そして提案する。「今のうちにこれらの滅び行く物売りの声を音譜にとるなり蓄音機のレコードにとるなりなんらかの方法で記録し保存して・・・・・」
この大正時代の売り声をほとんど聞いたことがないが、落語の枕で江戸時代のリアルな物売りの声の再現を聞くことはできる。それとて本当のものではない。人の声がじかに伝わってくる商いは良いものだ。今では商いの仕方が変わってきたから仕方がないが寂しい。今年の冬、実際に聞いた「いしや~~きいも!」の美声は素晴らしかった。