会津八一&団塊のつぶやき

会津八一の歌の解説と団塊のつぶやき!

高村光太郎9   素空

2012-03-04 00:09:34 | Weblog
 終戦の時の歌も大事なのでここに掲載する。

   一億の号泣

 論言一たび出でて一億号泣す
 昭和二十年八月十五日正午
 われ岩手花巻町の鎮守
 島谷崎神社々務所の畳に両手をつきて
 天上はるかに流れ来る
 玉音の低きとゞろきに五体をうめる
 五体わななきてとゞめあへず
 玉音ひゞき終りて又音なし
 この時無声の号泣国土に起り
 普天の一億ひとしく宸極に向ってひれ伏せるを知る
 微臣恐惶ほとんど失語す
 ただ眼を凝らしてこの事実に直接し
 荀も寸豪も曖昧模糊をゆるさゞらん
 鋼鉄の武器を失へる時
 精神の武器おのずから強からんとす
 真と美と到らざるなき我等未来の文化こそ
 必ずこの号泣を母胎として其の形相を孕まん