永瀬恭一氏による「内海聖史論」は了解できない。私の考えでは、内海聖史氏の作品はいわば「スケール・エラー」の絵画である。クオリア原理主義モギケンによれば「スケールエラー」とは、ある条件の下で子供たちが対象のスケールを無視して、例えば自分の足元にある小さな車のおもちゃのドアを開けて乗り込もうとすることがある、という奇妙な認知現象のことである。もちろん子供はその小さな車に乗り込むことはできない。だがもし、その車のスケールを大きくするか、あるいは逆に自分のスケールを小さくするかできれば、乗り込むことができる。つまりそうして「色彩に入る」ことができる。ここだけの話、この「スケール・エラー」は絵画のひとつの真実である。分かる人にだけ分かればよい(←何?)。