SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

ジョン・ウィンズロウ

2006年01月05日 | Weblog
 たとえばジョン・ウィンズロウ(1938~)の画中画は、いかにも典型的なメタ・フィクション絵画である。背景に置かれた絵と、その前景で展開される絵が、フォト・リアリズム的なカメラ視点のもとで重ね合わされている。そして前景に描かれた人物のなかには、そのカメラを見ている者さえいる。思わず「何見てんだお前?」と言いたくなる。ウィンズロウの描くメタ・フィクション絵画は、このカメラ光学的なフレーミングに基ずく「絵画の自意識」により成立している。しかしこうした虚構と現実に関する問題設定は、現在ではやはり古いと言わざるを得ない。それは情報工学的な視点を欠いた、80年代型のシミュレーショニズムにすぎない。日本人画家で言えば、福田美蘭の作品と変わりないものだろう。

http://www.johnwinslow.com/