こんにちは。駿台ヒューストンです。
みなさんは日本語の中に「鼻に抜けるガギグゲゴ」の音が存在することをご存じでしょうか。知っている人にとっては「そんなの当たり前」という感じかもしれませんが、昨今では急速に廃れてきているので、「聞いたことないなあ」という方もあるかもしれません。
これは「んガ、んギ、んグ、んゲ、んゴ」のような感じで鼻にかけるように発音する音で、東日本を中心に使われていますね。音楽の先生から「歌うときは、ガギグゲゴは鼻から抜いて」と教えられた人もあるかもしれません。化学(カガク)、釘(クギ)、探る(サグル)、影(カゲ)、国語(コクゴ)のように、語中のガ行音に適用されます。
もともと「標準語」のベースとなった東京のことばにこの音があったため、少し前まではテレビのアナウンサーなどもこの音の訓練を受けていたようで、誰もがこの鼻濁音を使っていましたが、最近ではテレビ局もあまりこだわらなくなったようですし、もともとこの音を使っていた地域でも、どんどん使われなくなってきているようです。東京の若者では、鼻濁音を使う人がほとんどいませんね。あと何十年かすると消えてしまうかもしれません。
ことばは変わるもので、当たり前のことではあるのですが、この音の使用者としては少し寂しい気がします。
駿台ヒューストン(HO)