すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

もう、飲み干すしかあるまい

2011年04月08日 | 雑記帳
 明日は二年間背負った仕事上の重荷から解放される日だなあ、それが終わったら久々に親しい人たちと一献だあ…と楽しみに寝床に入ったら、例のびっくりするようなエリアメールの音とすぐに始まった長い揺れで、その目論見は、ガタガタと崩れてしまった。

 まだそんな時期じゃないんだよ、と窘められている気がするし、この「自粛」を「ブーム」にしているのは自分たちではないかと責められている気もする。

 普通の電話はまた不通となり、とにかく今日一日は携帯電話をかけまくることになった。
 昨日新たに言いつけられた仕事上の役割、今日で任務終了予定だった役割と、どちらもが見事に重なりあった象徴的な金曜日だ。
 しかし、連絡まみれになっている、いわば緊急というこうした事態のときも、些細なことで人の性格が表れるものだと、いい勉強にもなった。

 今回も3月11日と同様の長時間停電となった。幸いなことに夕方までは復旧がかない、その面では不便というほどでもない。それにしても、人は忘れてしまう動物だというが、そうさせないために誰かが仕組んだように思えるほどだ。

 何を忘れてはいけないのか…昼間に通りへ出てみると、またガソリンスタンドには列が作らているのを見たし、近くのスーパーにも人が群がったと聞いた。
 自己防衛の術だけを学んだのではあまりに寂しい。

 自宅も学校もおそらく震度は4強程度だったろうが、この前より少し大きかったようだ。校長室のこけしがこの前は一本倒れていたが、今回は二本だったもの…と、集まった職員に声をかけたら、呑気なことを言っているものだと笑われた。

 被害もこの前ほどではないが出ているようだ。追い打ちをかけられたような地域の人たちの心は、いかばかりか。

 夕刻、家へ帰るとその被災地である隣県から注文しておいたお気に入りの麦酒が届いた。
 頑張れよという支援の意味も込めて注文したものだったが、その瓶詰めの日がなんと3月11日だったのを見ると、また複雑な思いが浮かんでくる。

 もう、飲み干すしかあるまい。