すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

不思議なもんだね、と呟く

2011年04月07日 | 読書
 我が家の必需品に家庭用精米機がある。
 ただ、関連飲料に頼ることが多く、その割に米が消費されていない。あっ、これは別の話か。

 あの『通販生活』が薦めるピカイチの機械を買っている。最初に購入したのは十年近く前かもしれない。ちょうど震災当日に、その二代目が動かなくなってしまった。
 電気が復旧してからすぐに、現在のピカイチをネット注文したが、物流が滞ってずいぶんと手間取り、届いたのが先週である。

 それはともかく、ネット注文をすると一定金額以上だとおまけがついてくる。今回ついてきた(といっても選んだのだが)のは、書籍である。

 『イトイの通販生活』

 我がココロの師匠、糸井重里の執筆である。
 『通販生活』誌上で、ずっと連載していた記事をまとめたもの。だから、実際全部目を通していると思うのだが、それでもずいぶんと楽しく読めた。その書き回しの上手さにはやはり憧れるなあ。

 糸井の本はかなり読んでいて、いくつか印象に残っているフレーズがある。その中の一つを「ああ、ここにあったか」と、探し当てたような気になった。
 それがこれ。

 つまんないことを言うときには、「不思議なもんだね」と、とにかく最初に言えばおさまりがいい。

 これは、絶妙な糸井ワールドだと思う。

 「不思議なもんだね」と、ややぼかした言葉で当たりをソフトにしているように見せかけて、実は事の本質をつくように出来ている。

 つまり、人は日常のどんな些細なことについても、わかっているようでわかっていない。
 疑問を持ち、考えて、一応の解釈や納得をしてみても、まだそこに深いものがあるのではないか…などと考える人も多い。
 一見、強固な答を自分が持っていたとしても、「何故か」と問われるより、「不思議なもんだね」と誘いかけられると、ぐらっとしてしまうのではないか。

 つまんないことかどうかは知らないが、

 不思議なもんだね、人間は。