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茨城の中小企業診断士による「知恵の経営」

茨城県での知的資産経営(=知恵の経営)支援なら、NO.1の実績です!

「知恵の経営」コラム(NO.11)

2017年12月03日 | ブログ
今回は、今まで抽出した「強み」がどのようにつながっているのか、それを価値創造ストーリー(知恵の連鎖)に描いていく方法についてみていきます。

まず、抽出した強みを、「経営理念(こだわり)」、「しくみ(日常業務・努力・工夫)」、「技術・ノウハウ」、「製品・サービス」のどのグループに属するのかを考えてみましょう。

例えば、「社員を家族のように思っている」であれは、「経営理念(こだわり)」、「社内勉強会」であれば、「しくみ(日常業務・努力・工夫)」、「精密加工技術」であれば、「技術・ノウハウ」、といった形です。

次に、「この技術・ノウハウは、このしくみ(日常業務・努力・工夫)から生まれてるよね…。」といった感じで、それぞれの関係性を線で結んでいきます。

これらの作業を行うと、強みの見落としが発見できる時があります。

どういうことかと言うと、線で結ぶことができない強みがでてきてしまった場合、抜け落ちている強みがあるということです。

例えば、ある「ノウハウ」が急に生まれていることはないので、「これを生みだしているなんらかのしくみがあるのよね?」という問いかけを発しながら考えてみると、「なんだ、日常業務で当たり前に行われているしくみだった…。」ということがよくあります。
この時、見落としていた、「宝」(強み)が発見されたのです!

「知恵の経営」コラム(NO.10)

2017年11月12日 | ブログ
今回は、「売上高が低く、特異性が弱い」部分に属する商品・サービスの「強み」を見つけ出していきましょう。

まず、みなさんへ質問です。
「売上高が低く、特異性が弱い、この部分に属する商品・サービスは、やめてしまった方が良いでしょうか?」

多くの方が、「もちろん、やめるべきだ!」と答えるのではないでしょうか?
でも、本当にそうですかね?

例えば、次のようことはありませんか?
「***があるから、***が売れている」
「***の仕事をしているから、***の仕事もくる」
「***は創業時の商品だから置いてある」
これらは、部分的にみると非合理(経済的に割が合わない)かもしれませんが、それぞれに意味があるのではないでしょうか?

客寄せパンダ的な商品、これについても、消費者の心理状態を良く理解しているからこそ、どの商品が客寄せパンダになり、その結果、本当に売りたい商品が売れるわけですよね。
また、回転寿司では、あまり売れない商品(ネタ)も一定感覚で流すそうです。
逆に、売れるネタばかり流しても、消費者の心を刺激せず、売り上げが伸びないそうです。このあたり、消費者心理を上手くついているようです。

つまり、上記二つの場合、「“消費者の心理を読む”ノウハウ」が強みです。

このように、「売上高が低く、特異性が弱い」グループに属する商品・サービスを丁寧に眺めることで、みなさんの会社独自のノウハウを見つけ出すことができるのです。

ここでのポイントは、合理的理屈で簡単に割り切ってしまっては、みなさんの会社にある「強み」を見落としてしまう可能性がありますから、十分、注意してくださいね、ということです。


「知恵の経営」コラム(NO.9)

2017年10月28日 | ブログ
今回は、「売上高が低く、特異性が強い」に属する商品・サービスについて見ていきましょう。

「特異性(他社との違い)が強いのに、なぜ売上が上がっていないんだ?」とみなさん疑問に思われることでしょう。

そうなんです。「こだわりが成果に結びついていない」ということが、この部分からは推測されますね。

そこで、こだわりを活かす相手、タイミング、見せ方などが、ズレていないかを考えてみましょう。
自分がターゲットだと思っている相手、本当にそうですか?
あなたの会社の技術が、世の中の先を行きすぎていませんか?
専門用語の羅列ではなく、強みを分かりやすく伝えていますか?

「知恵(強み)」は、事業活動に活かすことができて、はじめて価値を生み出します。「知恵(強み)」は、ただ保有しているだけでは、何ら価値を生みません。

もし、活かすことが難しいと感じた「知恵(強み)」であれば、将来の戦略を考えていく過程では、その「知恵(強み)」を外して考えていくことも必要です。

この機会に、活かし方を見直し、せっかく持っている大事な「知恵(強み)」を活かせる形にしましょう。

「知恵の経営」コラム(NO.8)

2017年10月16日 | ブログ
前回は「売上高が高く・特異性が強い」グループを見たので、今回は、「売上高が高く・特異性が弱い」部分に属する商品・サービスの「強み」を見つけ出していきましょう。

まず、みなさんへ質問です。
「この部分は、なぜ、売上が上がっているのでしょうか?」
「商品そのものには、他社と差が無いにも関わらず、当社に注文が来ている!」
不思議だと思いませんか?

そこで、「特異性(他社のと違い)が弱いのに、売上が上がっている?ん~、売り方?価格が安い?立地がよい?…」と推測できますね。
これは、「商品・サービスの提供の仕方」がその商品の「強み」と言い換えることができます。

でも、前回同様、ここで掘り下げることやめないでくださいね。
さらに、「その提供の仕方をどのように生み出したのか?」を探り出さないといけません。
例えば、接客の良さで売上を上げている場合、接客能力を向上させるために研修を受ける、社内でマニュアルを整備し、一定の品質を確保する…、など、自分たちの良さを生み出し、強化する“努力・工夫”がありますよね。
この“努力・工夫”も、みなさんの会社にしかない、大事な「強み」です。

別の見方をすると、「売上高が高く・特異性が弱い」グループから分かることは、商品そのものに差をつけることが難しくても、提供の仕方に手間をかけることで、付加価値をつけることができるということです。

「知恵の経営」コラム(NO.7)

2017年10月01日 | ブログ
こんちは。
今回は、みなさんの会社で提供している商品・サービスの特徴を眺めることによって、「知恵」を見つけ出す手法についてお話しをします。

まず、提供している商品・サービスを、「売上高」と「特異性」の2つの軸で、4つに分類をしてみましょう。
「売上高」とは、「社内において、相対的に売上高が大きいか小さいか」という意味で、「特異性」とは、「商品・サービスが、どれくらい他社と違いがあるか」という意味です。

まず、「①売上高が高く、特異性が強い」部分に属する商品・サービスの「強み」を見つけ出していきましょう。

みなさんへ質問ですが、「①の部分は、なぜ、売上が上がっているのでしょうか?」その原因を推測してみましょう。

これは、比較的簡単ですね。
そうです、「特異性(他社のと違い)が強いからだ。」と推測できます。
ということは、特異性(他社との違い)が、その商品の「強み」と言い換えることができますね。

でも、ここで掘り下げることやめてしまってはダメなんです。
例えば、「強みは、精密加工技術!」で止めないでくださいね。

さらに、「その特異性(他社との違い)をどうやって生み出したのか?どうやって使っているのか?」を探り出さないといけません。

例えば、「精密加工技術」が強みだと言っても、その技術をうまく製品化していくアイデアや販路といったネットワークがなければ、売上が上がりませんね。
また、原材料の安定確保ができるといった仕入先とのネットワークが他社との違いを生み出す原因となっている場合がありますね。
さらに、販売先や仕入先とのネットワークは自然発生的に生まれたものではなく、日々行われている、販売先や仕入先との良好な関係づくりの賜物ですね。
ここで出てきた「アイデア・販路・ネットワーク・日々の良好な関係づくり」、これらも、①の商品やサービスを支えている大事な「強み」です。

このように、「強み」とその背景までしっかりととらえることが大事です。