茨城の中小企業診断士による「知恵の経営」

茨城県での知的資産経営(=知恵の経営)支援なら、NO.1の実績です!

知的資産経営⑤

2012年01月31日 | インポート

 知的資産の種類は非常に多く、かつ、個々の企業ごとに知的資産の活用方法も異なるため、各社が独自の形で開示することになってしまい、企業間の知的資産の比較が難しくなります。

 そこで、一定のフレームワークを用いることで、他社との比較をしやすくすることができます。

 その一つに、龍谷大学教授:中森先生が推奨する「セグメント分析」があります。

 これは、企業活動を「経営理念」「マネジメント」「技術・ノウハウ」「製品・サービス」の4つ切り口に分け、事業活動をさかのぼるように眺めることで、知的資産の動的な関係性を明らかにしようとするものです。

 企業は、経営理念から生まれたマネジメントにより、他社と差別化される技術・ノウハウを生み出し、これを使った製品・サービスを顧客に提供することで収益を得ています。

 そのため、この4つの切り口で知的資産を整理すると、知的資産がどのように連鎖をし、価値を生み出していっているかが分かります。

 これを価値創造ストーリーと言います。


知的資産経営④

2012年01月14日 | インポート

 「知的資産」はなぜ見える化をする必要があるのでしょうか?

 それは、経営者ですら見過ごしがちな「知的資産」や「知的資産」の関係性を一度見直し、自らの「知的資産」の価値を再評価して活用していくためです。

 すなわち、見える化は、「知的資産」を活かした経営戦略を立案していくための第一段階にあたります。

 その際、強みの源泉までさかのぼって見える化を行うことが大事です。

 具体的には、企業の強みを理解する際、単に、製品やサービスの特徴を見るだけでなく、それを生み出している技術やノウハウ、さらにはそれを支える仕組みや人材までを見ることが大事であるということです。


知的資産経営③

2012年01月09日 | インポート

 「会社の強みは?」という質問に対し、「技術力」、「接客力」、「ネットワーク力」、「自由な社風」、「社長そのもの」などと答える企業が多いと思います。

 では、「これらの強みを活かしていくためには?」ということを考える際、企業が自社の強みと考えている項目の多くは、非財務諸表であるため、それをどのように表していけばよいのかという大きな問題にぶつかってしまいます。

 まず、無形の強みをどのようにとらえていけばよいかを考える前に、無形の強み、すなわち、「知的資産」について整理を行っておこうと思います。

 経済産業省によると、知的資産は、「知的財産(特許権、実用新案、著作権等」「知的財産(ブランド、営業秘密、ノウハウ等)」「知的資産(人的資産、組織力、経営理念、ネットワーク力等)」の3つの概念を含んだものであると説明されています。

 混同されることが多いのですが、「知的財産」は「知的資産」の要素の一つであり、「知的資産」の概念の方がはるかに広いものなのです。

 さらに、「知的資産」は、「人的資産」「構造資産」「関係資産」という3つの概念に区分することができます。

 「人的資産」とは、従業員が退職時に持ち出す資産のことであり、個人の知識、ノウハウ、経験、スキル、対応力などのことです。

 「構造資産」とは、従業員の退職時に企業内に残る資産のことであり、特許権、商標、経営理念、企業文化、データベース、ネットワークシステムなどのことです。

 「関係資産」とは、企業の対外的に関係に付随したすべての要素であり、顧客関係、顧客満足度、供給事業者との関係、金融機関への交渉力などのことです。

 さらに、「知的資産」は、それぞれが単独で強みを発揮するものではなく、事業に用いられて初めて価値を発揮するとともに、複数の「知的資産」が複雑に関連し合って強みとなっていることが大事な点です。


知的資産経営②

2012年01月06日 | インポート

 中小企業の実力は正しく評価されているのでしょうか?

 おそらく、多くの経営者は、「もっと我が社の実力を評価して欲しい」と願っているのではないでしょうか。

 では、なぜ、思った以上に正しく評価されないのでしょうか?

 それは、製品やサービスの供給者とその需要者の視点に違いがあるからです。

 供給者は、製品やサービスを作り出す過程をもっと評価してもらいたいと思っているのに対し、需要者は、製品やサービスの活用法や満足感を評価の対象にしています。

 そのため、まずは、供給者側と需要者側では、評価指標に差が生じているという現状を正しく認識することが出発点です。

 その上で、評価してもらいたいと願っている部分(=製品やサービスを作り出す過程)を丁寧で分かりやすく伝える工夫をすることが求められます。

 特に、財務情報だけで判断されていると感じている多くの中小企業にとっては、製品やサービスを作り出す過程は非財務情報にあたり、これを評価してもらうように工夫を凝らしていくことが、金融機関との上手な付き合い方になっていきます。


知的資産経営①

2012年01月04日 | インポート

 今年も「知的資産経営」に力を入れていきたいと考えています。

 そこで、今日から、「知的資産経営」について、毎日、少しずつまとめていきたいと思います。

 その際、中森先生著「無形の強みの活かし方」を参考文献に使っていきます。

 初日である今日は、なぜ、「知的資産経営」の考え方が必要かを述べたいと思います。

 中小企業は、有形資産に制約があり、持続的発展をしていくためには、無形の資産を活かしていく必要があります。

 無形の資産とは、経営理念、技術力、人材力、ネットワーク力など、財務諸表には表れてこないが、その企業の強みの源泉となっているものです。

 これは、無形であるがゆえに、経営者ですら見逃しがちですが、この無形の資産こそが、企業経営にとって最も大事な資産なのです。

 よって、有形資産に限りがある中小企業だからこそ、その企業が本来保有している、無形の資産を見つけ出し、有効活用していく必要があります。