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日本投資が活況取り戻す、日銀の政策正常化観測に沸く市場 2024年3月8日 11:27 JST 更新日時 2024年3月8日 20:15 JSTブルームバーグ

2024-03-08 21:34:38 | 日記

日本投資が活況取り戻す、日銀の政策正常化観測に沸く市場
Anya Andrianova
2024年3月8日 11:27 JST 更新日時 2024年3月8日 20:15 JSTブルームバーグ

「デフレの渦」脱却でアニマルスピリッツ解放へ-アムンディ
円高進行、日本国債利回り上昇、金融関連株が活況

市場は、日本銀行が今月にも世界で最後に残るマイナス金利政策から脱却し、借り入れコストを引き上げるという、極めて現実味を帯びた可能性を織り込みつつある。

  経済再生を期待して日本の資産に資金を投入してきたグローバルファンドや、数十年にわたって国内市場に失望し、より高いリターンを海外に求めてきた日本の投資家は、極めて重要な瞬間を迎えている。

  日銀が物価と賃金の好循環が定着しつつあると受け止めていることを示唆する中、円は週初から対ドルで2%余り押し上げられている。1994年以来の高水準になった2024年春闘の賃上げ要求に加え、日銀が18、19両日に開催する金融政策決定会合で一部の政策委員がマイナス金利解除を主張するとの一部報道もあり、日本国債利回りが上昇。利上げの恩恵が期待される金融機関の株式も活況だ。

  アムンディ・アセット・マネジメントの金利・為替戦略担当ディレクター、パレシュ・ウパダヤ氏は、「国内資産に対する見通しが大幅に改善されれば、消費者や国内投資家の心理は大転換すると考えられる」と指摘。「投資家のアニマルスピリットが解き放たれ、投資の拡大が経済の押し上げにつながる効果をもたらす可能性がある」とみる。

Nikkei's 2024 Rally | Yen gains this week on BOJ bets



  「恐らく、日本経済はようやくデフレの渦から抜け出しつつあり、それは日本の資産にとって大きな影響をもたらす可能性がある」とウパダヤ氏は分析。主に株式などへのレパトリエーション(自国への資金回帰)を通じて円には支援材料になると説明した。

  特に今週に入ってからは日銀の利上げを再び織り込む動きが活発化。日銀では今月のマイナス金利解除に傾く政策委員が増えているとロイター通信が8日報じ、円はアジア時間遅くに急上昇した。ロイターは事情に詳しい関係者4人の話を基に伝えた。

  長期金利の指標となる10年国債利回りは0.74%と、この3営業日で3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。金融政策の動向に左右されやすい2年債利回りは11年以降で初めて0.2%を付けている。

  エコノミストは、日銀が政策転換をするタイミングとして、今月あるいは4月の決定会合に照準を定めている。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)が示す今月19日までの利上げ確率は前週末時点の30%程度から、8日には一時80%を超える水準まで急上昇したが、1月の消費支出(2人以上の世帯)が物価変動を除いた実質ベースで21年2月以来の大幅な落ち込みとなったことを受け、約67%となった。

1月の実質消費支出3年ぶり大幅低下、日銀正常化を前にくすぶる不安

  外国為替市場では、投機的な円売りポジションが2月に過去半年余りの高水準にまで積み上がり、出遅れを取り戻す動きが活発化している。

  「ポジションの巻き戻しリスクがある」と、マニュライフ・インベストメント・マネジメントのマルチアセットソリューションチームでグローバル最高投資責任者(CIO)を務めるシニアポートフォリオマネジャーのネイサン・スフト氏は指摘する。「われわれのエクスポージャーの大部分は日本株のオーバーウエートを通じたもので、以前は為替ヘッジをかけていたが、現在はヘッジを外している」と話した。

  スフト氏は、投資家が円安見通しからの転換を急ぐ中で、円は対ドルで1ドル=140円まで上昇する可能性があるとみる。ただ、円の「大幅」上昇は見込んでいないと付け加えた。8日のドル・円相場は一時146円88銭まで円高が進んだ。
日銀効果の過大評価リスク

  キャリートレードをする際に円は低金利の調達通貨として用いられ、投資家は高金利通貨に対して円のショートポジションを構築する傾向があるが、日銀の政策転換によって、調達コストとしての円の魅力が低下する可能性も高い。

  日銀が今月の決定会合でマイナス金利政策を解除したとしても、主要な中央銀行の政策金利に対して大きな差が残るのも事実だ。ただ、米金融当局は年内に複数回の利下げに動く可能性がある。また、7日に4会合連続で政策金利を据え置いた欧州中央銀行(ECB)も、6月に利下げに踏み切る可能性を示唆している。

  ING銀行の為替ストラテジスト、フランチェスコ・ペソレ氏は、「われわれは円ロングに賭けているが、それは、米金融当局が6月に利下げを開始し、下げ幅を計125bpとする当社エコノミスト予想に基づいている」と説明。「日銀の政策変更による効果が過大評価されているリスクはある」と付け加えた。

  ウェルズ・ファーゴ・セキュリティーズのマクロ戦略責任者、マイク・シューマッハ氏は、日銀が当座預金の政策金利残高に適用しているマイナス0.1%をゼロ%に引き上げたとしても、それは市場が期待してきた小さな動きに過ぎないだろうと指摘。0.25%まで利上げが続く「十分な可能性」が示唆されれば、より大きな影響が見込めるという。

  同氏は、「われわれは円が24年を通じて強含むと見込んでいる」としながらも、「平たんな値動きにはならないだろう」とみる。

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原題:BOJ Leaning Toward Exiting Negative Rates in March: Reuters、Big Japan Trade Enjoys Revival as BOJ Rate-Hike Bets Grow (3)、Big Japan Trade Springs Back to Life as BOJ Rate-Hike Bets Grow(抜粋)
(ロイターの報道を追加し、相場を更新します)

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