NYダウ続伸、一時380ドル高 年初来高値圏で推移 北米 2023年12月1日 5:17 (2023年12月1日 5:31更新)

NYダウ続伸、一時380ドル高　年初来高値圏で推移
北米
2023年12月1日 5:17 (2023年12月1日 5:31更新)

米ニューヨークのウォール街=ロイター

【NQNニューヨーク=横内理恵】11月30日の米株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸している。午後3時（日本時間12月1日午前5時）現在は前日比382ドル81セント高の3万5813ドル23セントと、8月に付けた年初来高値（3万5630ドル68セント）を上回って推移している。

米連邦準備理事会（FRB）の利上げ局面が終了したとの見方が相場の支え。29日夕に四半期決算を発表した顧客情報管理のセールスフォースが大幅高となり、ダウ平均を押し上げている。

足元で米景気やインフレの鈍化を示す経済・物価指標が目立ち、FRB高官からも現在の政策金利が適切とする発言が増えている。30日発表の10月の米個人消費支出（PCE）物価指数ではエネルギー・食品を除くコア指数が前年同月比3・5%上昇と9月（3・7%上昇）から減速し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想と一致した。

ダウ平均の構成銘柄ではセールスフォースが8%強上げ、指数を100ドル以上押し上げている。29日夕に発表した2023年8〜10月期決算が市場予想を上回り、通期の業績見通しを上方修正した。人工知能（AI）関連のIT（情報技術）投資が強まり、業績の追い風となるとの期待が広がった。

一方、ソフトウエアのマイクロソフトなど大型ハイテク株は全般に下げ、ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数などの重荷となっている。11月のシカゴ購買部協会景気指数（PMI）が55・8と10月（44・0）から大幅に上昇し、市場予想（46・0）を上回った。「利下げ期待が後退した」（シーミス・トレーディングのジョゼフ・サルッジ氏）との声があった。

米長期金利が4・3%台と前日終値（4・25%）を上回って推移しているのも、PER（株価収益率）が高く金利敏感とされるハイテク株の売りを誘っている。今月に入って大きく上げていた銘柄が多く、利益確定目的の売りも出やすい。

ダウ平均では医療保険のユナイテッドヘルス・グループや航空機のボーイングの上げも目立つ。一方、石油のシェブロンやスポーツ用品のナイキが安い。

ナスダック指数は続落している。画像処理半導体（GPU）のエヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス（AMD）など半導体関連が安い。ネット検索のアルファベットや交流サイトのメタプラットフォームズも下げている。