京急雑色駅を降りて、左手にある商店街をしばらく歩けば、途中にヌーランドさがみ湯がある。
銭湯にしては大きなビルの建物で、二階はリクライニングシートのある別室や宴会のできる食事処があるなど、充実した設備の銭湯だった。

▲雑色駅下車

▲改札口を背にして左手方面に歩く


▲商店街の大通りに出て



▲途中で左折すると


▲ヌーランドに到着。開店10分前だったが、すでに開いていた
建物の中に入ると、外見通り一般の銭湯というよりもスーパー銭湯に近い感じだ。
入り口には暴力団や入れ墨を入れた人は入れませんと断ってある。
入って右側には下足箱があるのだが、なぜか奥にスロットマシンがある。
入り口左側には、フロント。そのフロント横にチケットの自販機。
ちなみに、ここの銭湯は入浴だけのチケットと、全館利用できるチケットの二種類が用意されてある。
全館利用といっても、実質リクライニングシートの別室が利用できるだけなので、入浴のみのチケットでも十分堪能できるのだが、なにを血迷ったのかその日は全館利用のチケットを買ってしまった。
休日料金で1550円。後で思い返すとかなり高額であるが(銭湯3回分!)、そのときはスーパー銭湯感覚で訪れたので、まあこんなものだろうという感じだった。
フロントには30代ぐらいの女性が立っていて、すごく丁寧で愛想も素晴らしい。さすがこういうところは接客も違うなと感心した。
それとヌーランドの利用が初めてだったので、「ここ初めてなんですけど…」と店員さんに伝えると、わかりやすく説明してくれた。
説明中にビニールのバックを手渡されて、その中には、部屋着とバスタオル、フェイスタオル、さらにサウナ用のカギが入っている。
くわえて歯ブラシと(男のみだろうけど)ひげ剃りもつけてくれる。
腕に巻くカギにはバーコードがついていて、食事を頼むなどの際は、これを読みとって注文する仕組みだ。会計は最後に支払う。
フロントで手続きを済ませると、そのまま脱衣場へ。脱衣場は無駄がなくシンプル。このへんも家族経営の銭湯にありがちな個人の趣味は一切入っていない。
ちなみに左壁のロッカーは初めからカギがついていて、「銭湯のみ」を利用する人のためのロッカー。
全館利用者は、フロントで指定された鍵を渡されるので、そのロッカーを探す必要がある(だいたい真ん中あたり)。
浴室に入るとパッと見、スーパー銭湯と通常の銭湯をほどよく混ぜたような感じだろうか。
左手前に立ちシャワーが2つあって(しかし、片方はシャワーのヘッドがなく、使えなかった)、その奥にヌーランドの売りである黒湯の天然温泉が鎮座している。さらに奥には、横方向の島カランが、縦に並ぶ。
右側は、手前がサウナ。サウナの目の前には、小さいながら水風呂。水風呂はかなり冷たい。温度計を見ると14℃である。
自分の限界値16℃以下なので逡巡しつつも、一応チャレンジしてみたが、やはりキツい。
品の無い表現になるが、睾丸がヒリヒリして痛かった。
水風呂の奥には、バイブラの白湯。バイブラは泡というよりも噴水のような感じである。温度は40℃と低め。
その奥が寝湯と電気風呂。それと、一番奥がハイパワージェット。温度は41℃だ。
さらに浴室奥に扉があって、その先に露天風呂がある。
扉を開けると左右に階段があり、左側はスタッフ用なので右側に降りると、小さなL字型をした黒湯の天然温泉。こちらも温度は浴室内と同じ42℃である。
周囲は、きれいに整えられた小さな庭があり、雰囲気がとても素晴らしかった。くわえて開店直後だったためか、自分一人で独占状態。
秋風が心地よく、都心にある銭湯とは思えない静謐な空間になっていた。
ただ残念なのは、後で作ったもなのかスペースが小さいために外気浴のできる場所が一切なかったことだ。
全体的にみると非常に合理的で無駄がなく、不満は特になかったのだが、ただ反面、面白味に欠けるというか、個性の感じられない銭湯でもあった。
それと全館利用ということで、リクライニングシートのある部屋を使ってみたのだが、たしかに時間を気にせず過ごす場所としては、快適な空間だった。
二階にあがると、部屋着を着た人だけが入れる部屋があって、中は壁際にテレビ、それとテレビを中心に放射状にリクライニングシートが並んでいる。
そのリクライニングシートの隣にはテーブルがあり、そこで食事をすることができる。
利用客は意外というかほとんどおらず、しかも大半は仮眠目的だったので、小さな子どもが突撃してこない限りは静かだった。
ただテレビはつけっぱなしなので、テレビの音だけは終始響いている。
ためしに食事も頼んでみたが、横のテーブルに置いてある電子チャイムを押すと、すぐさま奥の扉から店員さんがやって来る。
食事も運んでくれるので、そのテーブルで食べるのだが、テーブルが横のためちょっと食べにくい。食事を頼んでから一時間ほど経つと、食べ終わったか様子を見に来る。空なら回収してくれる仕組みだ。
サービスも親切だし、客も少ないために安穏とした空気が漂っており、支払った金額の利用価値はあったなと感じた。
ところで京急の雑色駅周辺には銭湯がいろいろあるのだが、線路の反対側に第五相模湯というのがある。
その前の第一から第四まではどこに行ったんだろう?と思っていたら、実はこのヌーランドがかつて第三相模湯と名乗っていたという。
ということは、第五と系列店か?
それと、ほかに第一や二、四はどうしたのか気になるところだが、名前を変えても系列店が存続するというのは今の時代だと珍しいかもしれない。
ちなみにヌーランドはどういう意味かというと、ヌード(裸)+ランドのことらしい。
銭湯をそう表現する仕方もあるのかと、知ってナルホドと思った。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 雑色駅
経路 商店街
周辺の環境 商店街
●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう
★設備
休憩所 ほかにない充実ぶり
脱衣所 シンプルで機能的
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 水風呂、黒湯、バイブラ、寝湯、電気風呂、ハイパワージェット、露天風呂
サウナ あり
温度 40℃、41℃、42℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 丁寧で愛想がよい
清潔さ きれい
貸しタオル あり
備え付け あり
◆人
受付 30代ぐらいの女性。ほかに従業員多数だが、ほとんど女性ばかり
客層 中高年や子ども
【案内】
住所
〒144-0055
大田区仲六郷2−7−5
電話番号
03-3739-1126
アクセス
京浜急行線「雑色」駅下車、徒歩3分
休日
無休
営業時間
10:00−23:00
火曜日は入浴のみ営業(休憩施設はclose)
※東京銭湯ホームページ転載
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