銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

金春湯(東京・銀座)

2022-01-29 07:36:00 | 銭湯
#金春湯






東京メトロ銀座線
#銀座駅

▲東京メトロ銀座線の銀座駅






▲階段をのぼり




▲改札口


▲今回はA2出口から向かう






▲階段をのぼり


▲出てきたところを振り返る


▲出たら真っ直ぐ






▲途中でユニクロを通りすぎるが


▲ユニクロ銀座店はその時にリニューアル工事中のときだった




▲ユニクロを通りすぎて新橋方面にひたすら真っ直ぐ






▲資生堂のところを右折する


▲曲がったところ


▲ここでストップ


▲左に進むと


▲金春湯がみえてくる。ビルテナントに入る銭湯だ。通称ビル銭




▲この時はコロナ禍ということで土曜日と日曜日が休みになっていた。それなので仕方なく半年間待って…


▲年明けにやってきた


▲2022年は寅年ということで虎春ちゃんというキャラクターを作っていた


▲銀座でこの煌びやかさは、ここはホントに銭湯?という感じである





▲中に入ったところ


▲案内の写真が飾り付けでよく見えない


▲「わ」…お湯が沸いてるよという合図




▲ひだりに向けば下足箱


男湯が手前側で、奥が女湯になる。こんなビル銭でも受付は番台だ。
扉を開けて中に入ると、左に番台がある。コロナ渦ということで透明シートで覆われ、座るのは60代ぐらいの女性。話ぶりはとても丁寧で、「貸しタオルはありますか?」と聞くと本当に申し訳なさそうに「ないんですよぉー」と言われて、販売ならあるということでそちらをいただくことに。130円で、入浴料が480円だから合計で610円だった。
脱衣場はやや狭く、島ロッカーと右壁にロッカーが並ぶ。
コインリターン式だから事前に100円玉が必要だ。
脱衣場の真ん中には神棚があって、全体的にとても綺麗である。


中の扉を明けると、とてもシンプルな作りになっている。
真ん中に島カランがあり、左右の壁にもカランが並ぶ。
奥に浴槽があって、2つに分かれた白湯。
右が深浴槽で、ジェットがついている。温度計は壁についていて、かなり本格的な感じのもので43.3~43.6ぐらいを指し示していた。
左の浴槽は、浅浴槽で温度は少し高めになっていたので、45℃ぐらいだろうか。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は赤富士のペンキ絵で、その下段のところは鯉のタイル絵になっている。
間仕切り壁は梅などを描いたものだった。
サウナや水風呂など今時のものは期待できないが、やはり銀座のど真ん中にあるということで贅沢な気分に浸れるし、このように過多な装飾を排したプレーンな作りは銀座らしい気がした。


客層はやはり高齢者が多いが、若い人も多く、高齢者だとほとんど顔見知りらしく、挨拶したり談笑する姿が見られた。


お店がこういう演出に凝ったところのため、外では若い女性が「すごーい」「すごーい」と連呼していた。
銀座のメイン通りから少し離れているので知る人ぞ知るといった感じの銭湯であるが、銀座らしくおもてなしの精神にあふれ、遊び心も感じられる大人の街にふさわしい銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 銀座
経路 新橋方面
周辺の環境 飲食店

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 赤富士
統一感 あり
置物 色々
照明 明るい

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ジェットバス
サウナ なし
温度 43.3~45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル なし(購入130円)
備え付け あり

◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 高齢者がメインながら若い人がけっこう見られた


【案内】

住所
〒104-0061
中央区銀座8−7−5
アクセス
山手線「新橋」駅下車、徒歩4分
東京メトロ銀座線「銀座」駅徒歩5分

休日
日曜、祝日

営業時間
14:00−22:00、土曜のみ14:00−20:00

※東京銭湯ホームページ転載

インターメディアテクー日本郵便と東京大学のコラボによる教育現場ヒストリー

2022-01-27 06:27:00 | 博物館






案内

開館・利用案内

開館時間:11:00-18:00(金・土は20時まで開館)
*上記時間は変更する場合があります。

休館日:月曜日(月曜日が祝日の場合は翌日休館)、年末年始、その他館が定める日

入館料:無料

問い合わせ: 050-5541-8600 国外からは +81-47-316-2772(ハローダイヤル)



インターメディアテクとは?

日本郵便と東京大学が共同で運営している博物館のことです。明治時代から東京大学が蒐集してきた学術品を社会に還元するという名目で一般公開しています。

ここは元々郵便局の建物で、kitte(「切手」と「来て」というタブルミーニングが言葉の由来。正式名称はJPタワー)と呼ばれ、その2、3階にインターメディアテクが入っています。



東京駅です





南口方面の改札口を抜けると





キッテが目の前にみえます



デカいです



入り口です



中に入るとこんな感じ。超一等地なのにひろく空間を使っており、日本郵便の資金力をまざまざと見せつけられる思いがします





入り口横にインターメディアテクの案内板をみることができます。
こちらは小室圭さんと結婚された眞子様(現在は小室眞子さん)がつとめられていた仕事場になります。訪れたときはまだ在籍していました



エスカレーターで2階にのぼると、すぐ目の前がインターメディアテクの入り口になります


中に入ると制服を着た女性が数人いて、笑顔で対応してくれます。アルコール消毒をお願いされて、自由に見学してくださいと言われます。
写真撮影に関して厳しく限定されており、入り口付近と教室の場所しか撮影は許されておりません。
スタッフも多くていて、常に目を光らせているという印象でした



とくに順路は決まっておらず、気ままに室内を散策することができます。最初に訪ねたのは、明治時代の気風を感じられる東京大学教室の風景です。
新しい時代のエリート層を育成するという気概に満ちていました


東京大学の功労者たちをたたえた油絵も各所に飾ってあります。
 




こちらはなんと映写機。
大がかりな造りで相当古いことが分かりますが、年代未詳のようです





蓄音機。1925~1928年の物だそうです。ということはちょうど100年前。こうして考えると、人類の進歩は凄まじいものがあります。今から100年後はどうなってるか想像もつきません





こちらは入り口に入ってすぐの空間



蒸気機関の模型です





ワニの骨格標本。めちゃくちゃデカいです



静電気の実験機。つい最近まで東大にあったそうです。いまとなっては歴史を伝える遺物でしかないでしょう




2階は、骨格標本がメインとなっており、蟹や魚、それになんとキリンまで!
ミンククジラの骨格もあり、さらには絶滅したダチョウの仲間であるエピオルニス(と思いました)まで。高さは2メートル以上あって、こんな大きな鳥がいたんだとビックリです。
奥に行くと、フランスの収集家が集めたコレクションが紹介されてありましたが、なぜかそこにも蓄音機。とにかく蓄音機が所々置かれてあります


二階の階段をのぼると最初は多くの剥製が出迎えてくれます。
さらに部屋の奥から見ていくと、明治時代の写真。一般女性や若い男性。明治天皇の写真もあります。じつは明治天皇は身長や寸法を計られるのが大っ嫌いなお方だったらしく、写真が残ってるのはすごく珍しいそうです。みるかぎりだと足が長くて長身にみえます。
ほかにも徳川慶喜の若い頃の写真があってかなりのイケメンです


真ん中付近にかけては仏像が並び、森羅万象を記録にとどめようとする知的好奇心に満ちています。
手前側には掛図。黒板のところで人体の絵図を指し示しながら説明する絵柄です。美術大学の学生もアルバイトで描いていたらしく、芸術性に富んだ絵もありました


全体的にみると蒐集された学術品というよりは、教育現場で使われたアイテムが紹介された感じの場所です。
楽しく知の現場を散策できる、そんな博物館でした



効明泉(東京・祐天寺)(閉店)

2022-01-25 05:31:00 | 銭湯
#効明泉
2021年12月31日閉店







東急東横線
#祐天寺駅

▲祐天寺。近くにちゃんと祐天寺なるお寺がある





▲エレベーターを降りて


▲南改札口


▲出たら左


▲右に進む


▲線路沿いに歩いて


▲ここでストップ


▲左に向く


▲真っ直ぐ歩き




▲またもやストップ

▲左斜めにむかう


▲あとはここを真っ直ぐ行くだけ










▲効明泉がみえてくる。歩いて5分ぐらいの距離だった


▲ちょっと変わった建物だが、こちらは山好きのご主人が趣味を高じてログハウス風に作ったようだ


▲山男にゃ惚れるなよ


▲到着


▲中はこんな感じ


▲2021年最後の銭湯はこちらでお世話になりました


ここに入る前に若い男性が入り口の中を覗いていて、閉店だからお別れを惜しんでいるんだなと思ったら、




▲見てたのは、地域猫が新しい家族に引き取られて元気に暮らしているというお知らせだった


▲ノビをするくろちゃん


▲お知らせの写真を撮ってたら、「うわにゃぁわわ!」と外で大きな鳴き声が聞こえてきて、べつの地域猫がなにか訴えていた


効明泉の中はさりげないアイテムやカレンダーが猫関係だったりと、経営者の趣味(山と猫)全開の銭湯だった。


受付に座るのは、60代ぐらいの女性。
ちょうど常連客が最後の挨拶をして、丁寧にお辞儀しているところだった。
「こんにちは。貸しタオルありますか?」とたずねると「ないんですよ~」ということで200円のタオルを購入。
「タオルを購入したらこちらも付きますので」と固形せっけんに使い切りコンディショナー。それとでっかいポンプのシャンプーまで渡してくれた。シャンプーは使い切りが品切れだったので、わざわざレンタルで貸してくれたものだ。
なんてサービスが厚いんだと思ったけど、さすがにこれは最終日だったからかもしれない。


出典:東京銭湯ホームページ引用


男湯ののれんをくぐると、予想通り人でいっぱいで、ほぼロッカーの空きがなかった。後で来た高齢男性は、空いてるロッカーがなくて困惑していた。
脱衣場は縦長で、椅子は木で作られた長いす。キャンプ場にありそうなもので、奥には小さな坪庭があった。
 

出典:東京銭湯ホームページ引用


扉を開けて浴室に入ると、最初に目に飛び込んでくるのがマッターホルンのチップタイル絵だ。 


出典:東京銭湯ホームページ引用


こちらはよくできていて、チップタイル絵だけどかなり写実的かつ芸術性も兼ね備えた見惚れるものだった。
たぶん写真に基づいて作ったものだと思うけど、湖畔に映える形が絶妙な色を変えてよく表現されていたし、背後の強風に舞い散る雪の描写も秀逸だった。
これを壊してしまうのはとても勿体ない気がした。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


手前の立ちシャワーは2つ並びカーテン付きのもの。
真ん中に島カランがあり、間仕切りにも並ぶ。左にはサウナの設備があったが、真っ暗でもうずいぶん前から稼働していなかったのかもしれない。


奥に浴槽があり、表現はむずかしいがZをひっくり返したような形をしている。
一つの湯船で、真ん中から左が浅浴槽で、底には網状の設備があった。かつてはそこからバイブラがでていたと思われる。その右となりに寝湯。寝湯も背中部分にノズルがあったが、なにも噴出していなかった。これも壊れたまま。
最後の右端が座湯になってて、2つついていた。こちらは稼働しており、水枕もちゃんと冷たかった。
こんな感じで半分は生存し半分は死んだままであった。お湯の温度は45℃ほどとかなり高温だった。


客層は高齢者がほとんどだったが、家族連れなどもおり、「さみしいねぇ」などの声が漏れ聞こえた。やはり地域に密着した銭湯が無くなるのは、地元の人たちにとって寂しくないわけがない。


ここは何年かぶりに来たのだが、記憶していたイメージと実際は全然違っていて、驚いた。記憶とは改めて勝手に改竄されてしまうものだと感じた。
閉店の雰囲気が大晦日の空気感とよく溶け込んでおり、帰りはなんとも寂しい気持ちになった。



【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 祐天寺
経路 東へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 古い
壁画・眺望 マッターホルン
統一感 あり
置物 山関係
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつう
シャワーの出 いまいち
浴槽の種類 座湯
サウナ なし
温度 45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 とても良い
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(購入200円)
備え付け なし

◆人
受付 60代の女性
客層 高齢者がほとんどだが、一部若い人や親子連れ


【案内】

住所
〒153-0052
目黒区祐天寺2−20−3

電話番号
03-3712-8238

アクセス
東急東横線「祐天寺」駅下車、徒歩3分

休日
9、19、29日
日曜、祝日は前日又は翌日休

営業時間
15:00−23:00

※東京銭湯ホームページ転載

乙女湯(東京・船堀)

2022-01-22 07:26:00 | 銭湯
#乙女湯





都営地下鉄新宿線
#船堀駅

▲船堀駅。東京のほぼ縁にあたる






▲階段を降りて




▲右にぐるっとまわれば改札口


▲地図をみると右上が現在地で、左下に目的地がみえる




▲この公園の付近。川を渡った先にある


▲南口にでる


▲出たところ。そのまま道沿いに沿って左に進む


▲横断歩道をわたり


▲ピタッとハウス沿いにピタッと歩き


▲そのまま真っ直ぐ








▲ここで立ち止まると


▲右に進む



▲再び立ち止まって左折する


▲左に向いたところ


▲直進して








▲川の橋を渡る


▲川というか用水路というか


▲まだ真っ直ぐすすみ


▲ここでストップ

▲右に進む




▲すると乙女湯がみえてくる






▲訪れたのは年始だった


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲カラフルな看板がいい


▲到着


中に入ると狭い下足箱のスペースで、その右端のところに券売機がある。
入浴料480円にレンタルタオル(バスタオル+フェイスタオル)が200円。
合計で680円になった。
奥に進むと、右側がロビーでテーブルが並び、テレビがつり下げられている。受付に座るのは、80代ぐらいの乙女。
けっして愛想は良くないが、落ち着いた対応だった。
この日は正月2日ということで、お正月恒例のタオルがもらえた。開店時間も普段はやっていない午前中(朝風呂)だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


男湯は右側で、女湯は左側。
紺色ののれんをくぐると脱衣場は狭く、思った以上に沢山の人がいる。左右の壁にロッカーが並び、真ん中に長いすがある。一番奥にはマッサージチェアがあった。
ロッカーはコインリターン式なので、事前に100円玉を用意する必要がある。ついでに言うとドライヤーは3分20円。ドライヤーを使う人はさらに10円玉が必要だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


左奥の通路を進むと、ここは入り口が二箇所ある。
通路途中の右側と、いちばん奥。
右側はサウナ専用のスペースになるので、サウナ料金を払った人だけ入れるスペースと案内されてある。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲手前右がサウナ専用。奥は一般用。サウナ専用のスペースには室内に水風呂があって、サウナと立ちシャワーがそれぞれある。


奥の扉のほうは浴槽スペースで、扉を開けると、手前左側にあるのが立ちシャワー。こちらはハンドルがお湯と水どっちなのか表記してなかったので戸惑った(ためしたら左がお湯で右が水だった)。
中に進むと真ん中に短い島カランがあり、あとは左右の壁にも並ぶ。


出典:東京銭湯ホームページ引用

ところでここの浴室はすごく寒い。裸だからなおさら寒い。ここは容赦なく外気を取り込んでいるので、外の気温とさほど変わず。
ただ、寒さにふるえながらシャワーを浴びると気持ちいい。備え付けもそこら辺の物ではなく、ちょっと高級そうにみえる。


浴槽は室内の奥左右にある。
どちらもジェット関連がメインであるが、左は手前から腰ジェット(湯船の中ではなく水面の上に出ている)、座湯、ボディジェット、ハイパージェットと並ぶ。
温度は41℃ぐらいとマイルドだ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


右側の湯船はこちらもジェット関連で横長。手前が電気風呂で、その奥が寝湯。ミクロンバイブラが出るタイプのものだった。
水枕は冷たくなかったけれども、ステンレスの手すりが冷たい。外気にさらされているからだろう。


浴室奥の扉を開けると、露天風呂になっているが、ここは凄い。まずスペースが広く、しかも浴槽が3つもある。
右側にあるのが黒湯の岩風呂だ。
しっかりと濃度があって、詰めれば4~5人が入れるスペース。温度は43℃ほどと熱めであるが、寒い時期はちょうどいい。
露天スペースの真ん中にあるのが水風呂で、こちらも黒湯というか、冷鉱泉。
さらには左側は立派な階段になっていて、のぼると檜風呂だった。
残念ながら縁部分だけが檜で、あとは石で作られてある。
ただし、檜風呂のまわりにある外壁は木で作られているので雰囲気はとてもいい。
こちらは黒湯ではなくて白湯。温度は42℃ほどと適切な温度だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


こんな感じで、充実度は一般の銭湯としてみると非常に高く、当然ながらコストパフォーマンスも最高。
設備の配置から動線もよく練られており、高いプロ意識で作られた銭湯と感じた。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 船堀
経路 南下
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 観葉植物
統一感 あり
置物 特になし
照明 明るい

★設備
休憩所 きれい
脱衣所 狭い
シャワーの出 使いやすい
浴槽の種類 腰湯、座湯、ボディジェット、ハイパージェット、電気風呂、寝湯、水風呂(2種類)、露天風呂、檜風呂
サウナ あり
温度 41~43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(タオルセット200円)
備え付け あり

◆人
受付 80代の女性
客層 高齢者や中年


【案内】

住所
〒134-0091
江戸川区船堀7−3−13

電話番号
03-3689-1854

アクセス
都営新宿線「船堀」駅下車、徒歩7分

休日
月曜
祝日は翌日休

営業時間
15:00−24:00
日・祝日は14:30~23:30

※東京銭湯ホームページ転載

お札と切手の博物館ーお札の秘密を探る

2022-01-20 09:53:00 | 博物館






開館時間
9:30~17:00

入館料
無料

休館日
月曜日
(祝日の場合は開館、翌日休館)
年末年始 臨時休館日

住 所
〒114-0002
東京都北区王子1-6-1

アクセス
▼JR京浜東北線王子駅下車
徒歩3分(中央口)
▼地下鉄東京メトロ南北線王子駅下車
徒歩3分(1番出口)
▼都電都電荒川線王子駅前下車 徒歩3分

出典:お札と切手の博物館ホームページ引用


みなさんが大好きなお金にまつわる博物館に行ってまいりました。
この博物館で知ることができるのは、なんといってもお金の魅力!
ではありません。人類が築き上げてきた印刷技術の英知です。
国家が威信を掛けて作り上げるお札には、誰もまねできない最高水準の印刷技術が惜しみなく注ぎ込まれています。
お札に隠された秘密を知った時きっと取り出して眺めたくなること間違いなしです。
 

▲お札と切手の博物館は、最寄り駅が王子駅になります。王子製紙の由来はこの地になります


▲振り返ると大通りがみえますが、この奥右手の建物が博物館になります


▲歩いてすぐに到着


▲博物館の入り口です。ここは国立印刷局の一つで、みなさんのお手元にあるお札はここで作られているかもしれません(印刷局はほかにも各地にあります)


▲入場料は無料です


中に入ると、案内してくれる男性が立っており、検温、アルコール消毒をしたあとに代表者のみが用紙に人数やどこから来たのか(都道府県のみ)などを書いて、決まり事を守りますという欄にチェックして手渡します。
その後に男性が丁寧に博物館の概要を説明してくれます。写真撮影も可能で、一部撮影できない箇所もあるのですが、本当に一部だけでした。


▲最初は原板制作の解説になります


こういう道具を使って肖像画を作成しています。模様は機械で作ってるそうですが、歯車の組み合わせが分からないと作れないものらしく、お札にはあらゆる偽造防止策が張り巡らされています。
ちなみに世界中でなぜお札に人間の肖像画が使われるかはご存知でしょうか?
人間は人の表情に対してすごく敏感に反応できるようになっていて、些細な違いでも見分けることができるからです。
こうしたことも偽造防止の観点から採用されています


▲こちらは2024年からお披露目されるお札になります。
1000円札は北里柴三郎さん。ノーベル賞1号になってた可能性があるほど凄い業績をあげた人物です


▲津田塾大学を創設した津田梅子さん。
女性の社会進出を大きく飛躍させた役割を果たしました

ちなみにこちらの写真は実際の写真を反転させたもののようです




▲そして10000円札は、今注目されている渋沢栄一さん。作った会社は数知れず、しかも今の日本になくてはならないものばかりです。英雄色を好むで晩年まで相当な女好きだったようですが、実績を天秤にかけたらご愛嬌といったところでしょうか


▲新しいお札には当然新しい技術が導入されており、3Dホログラムとすかしの微細化が目玉だそうです



この方たちが選ばれた背景には、偽造防止を優先するために精密な写真が残っていたこと、政治家や軍人をのぞく明治以降の社会に貢献した人たちのようです。
ちなみに新しいお札は、ここの印刷局から最初に作られています。印刷所が肖像画の渋沢栄一さん(晩年は王子駅すぐ近くの飛鳥山に住んでいた)とご近所というのもなにかの縁でしょう


▲注目するのがこちら。偽造防止を学べるコーナーです


▲肉眼でみるとアラビア数字の中に模様があるのはわかりますが、こういう独特の模様になってるとは知りませんでした


▲これはペダルを踏むと、お札が傾いて潜像模様が浮き上がる仕掛けです


▲こちらは二千円札。関東では存在すら見かけないものです

▲この赤い枠の部分が傾けると潜像模様「NIPPON」がみえてきます。お手元にあれば試してみてください。
潜像パールは、「千円」と「1000」の文字が浮かび上がります





ほかにも数多くの技術が投入されており、驚く技術ばかりです。
たとえば「すかし」。
真ん中にあるのはみなさん知ってると思いますが、右端にバーのすかしがあるのはご存知だったでしょうか?
1万円は3本。5千円は2本。千円は1本です。実はここで知るまで気が付きませんでした。


▲右に3本の柱が透けているのが見えるでしょうか?



お札の右下には手触りでわかるように模様が深凹版印刷がされています。これらも金額に応じて変えられています。
光学的変化インキでは、お札を傾けると金額の数字が緑から紫に変化します。これらも特殊なインキを使わないと表現できない偽造防止策です。



▲二階は本格的な解説になります。全て紹介すると途方もなく長くなるので、簡単にかいつまみます


▲お札の歴史


▲お札は中国から始まってます。マルコポーロはお札のお金があることに衝撃を受けたそうです


▲初期のお札です。今みると精度は低いのですが、その当時の最先端の技術が投入されています。お札を知ることは、印刷技術の歴史を知ることに通じます


▲印刷局の創設。明治時代の頃は印刷技術を持ち合わせていなくて外国に製造を委託していました


▲ドイツやアメリカなどです




▲そこからどんどん技術を高めていきます。お金が偽造されると経済にダメージを受けるため、いかに偽造されないかが国家的命題でした




▲戦争や大震災のときは裏面印刷を端折るなんてこともしてたそうです






▲そして戦後のお札




▲現代のお札です




▲今回の特別企画展になります。印刷局が作られて150年。その足跡をたどります


▲本当に初期の頃のお札。こんな冊子みたいな形をしていました




▲印刷局で使われていた機械


▲ホログラムとかはありませんが、技術の確かさを感じ取れます




▲彫刻で作られている肖像。いまはヨーロッパ式とアメリカ式を混ぜて作っています




▲この道具だけで作られています。まさに職人技です




▲これが彫刻だなんて信じられません


▲そしてすかしの技術




▲巨大なすかしです




こんな風に偽造防止策は国をあげて取り組んでいるために、時代とともに着実に進化してきました。
日常的に何気なく使っているお札ですが、人類の英知いかんなく注がれていると思うと、その金銭的な価値だけではなく、一つの芸術品としても見ることができるのではないでしょうか。