銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

閉店した銭湯を巡るー東急東横線沿い

2021-06-17 06:44:00 | 閉店その後

前回は蛇骨湯、世界湯、六龍鉱泉など老舗の有名どころを巡りましたが、今回は東急東横線沿いに限定した閉店巡りをしてみたいと思います。


千代田湯
(白楽)

白楽は菊名と横浜の間にある駅です



写真真ん中の奥が改札口になります


抜けるとすぐに横に商店街





アーケードを入ってすぐ右手の家具屋さんの間に千代田湯の入り口がありました

かつてあったときは…


出典:はまれぽcomホームページ引用

こんな感じでした




もう今は立て替えられて、アパートになった模様です



裏側にある狭い路地の商店街からも入ることができました




千代田湯はとにかく古い銭湯で、おそらく戦後まもなくあたりに開業したところだったのではないかと思います。
白楽は神奈川大学が近くにあるので若者が多いのですが、昔はもっとハイソな場所だったらしく、岸惠子も住んでいた街でした。
そんな場所にあってか、落語の若手を招いて銭湯で落語をするなんてこともしていたようです


出典:はまれぽcomホームページ引用


出典:はまれぽcomホームページ引用


東京園
(綱島)


菊名の隣の隣にある駅です


近年新しい駅が誕生する予定で、陸の孤島と呼ばれる相鉄線が新横浜を経由して東急とも繋がります。
その接続駅として作られるのが新綱島駅。新と新同士が結ばれます。



その駅の工事中現場



マンション建設もはじまっていました。
綱島は渋谷にも横浜にもアクセスがいいので、ムサコ(武蔵小杉)同様に最高の立地だと思います



写真今昔物語






さらに左に目を向けると





東京園がありました





なんと新綱島駅の真横にあります。
じつはこの東京園。正確には廃業したわけではなく、休業中になってます。
まさか囲いに覆われて現存してるとは思ってもみませんでした。
いまや超一等地なので買い取らせてほしいという業者さんが沢山いるのでは?
東京園が休業したのが2015年5月21日で、ちょうど6年の月日が経ちました。
そろそろ復活するか廃業するか決断が迫られた時期ではないかと思います。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲営業してた頃の東京園の姿


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用

東京の奥座敷と呼ばれた綱島。
そこで営業していた大規模銭湯だけに、休業は多くの人たちから惜しまれたそうです。

ちなみに新駅の工事現場





トンネルをエッサホッサ掘ってます






ノザワランド
(駒沢大学)


最寄り駅は駒沢大学駅






地図を見ると、東口からでてオリンピック公園そばにある環七を目指します。
途中経路を割愛すると



到着。ノザワランドがあった場所は、マンション建設が始まっていました





自分が訪れた時はすでに古い銭湯だったのですが、創業時はかなり画期的な新しい銭湯だったようです。
むかしは何度かテレビに紹介されてたみたいで、ビートたけしなど芸能人のサインがところ狭しと並んでいました



▲訪れたときのノザワランド。「ワ」の文字が抜けたまま放置されていました


 
いまはマンション建設の途中です






松島館
(桜木町)

桜木町は今でこそJRの駅しかないのですが、数年前までは東急の終点駅でした。今回は無理やり東急沿線沿いにあった銭湯として紹介します。


桜木町から線路沿いを横浜方面に歩いて、住宅地へと入っていけば松島館がありました。
ここらへんはいかにも下町といった感じで、古い建物がズラリと立ち並びます。
松島館があった場所に到着すると…







なんとすでにマンションがほぼ出来ていました。
まだ内装工事中ですが、足場が取り外され、外観は終了した様子です。
閉店したのが2020年7月末だったので、一年も経たずにマンションができたことになります。
こうやって閉店巡りをしていると、銭湯の跡地はほぼマンションばかりという印象です。


現在


過去


現在


過去

こんな感じになります


松島館の入り口


渋い建物でした


先ほども述べたようにこの周辺はまだ古い建物が沢山残ってて




ここは菅総理の選挙区でもあります




住宅地の中に神社があったりもするのですが



工事中のところがたくさんあり、時代とともにこの街にも大きな変化の波が押し寄せていることが実感させられました



閉店した銭湯のその後

2021-03-11 06:18:00 | 閉店その後

閉店した銭湯はその後どうなるのか?
思い入れがあった銭湯なら尚更気になるところです。
銭湯によってはそのままだったり、新しい建物に生まれ変わったり…。
今回は各地に起きた銭湯の“その後”を追いかけてみたいと思います。


今回紹介するのは、
・蛇骨湯(東京・浅草)

出典:サウナイキタイホームページ引用

・六龍鉱泉(東京・上野)


・世界湯(東京・人形町)

出典:東京銭湯ホームページ引用

・藤の湯(横浜・小机)

出典:新横浜新聞ホームページ引用

です。

蛇骨湯
江戸時代-2019


▲最寄り駅は東京メトロ銀座線の田原町駅で、有名な八ッ目ウナギのところまで歩きます

▲国際通りを北に向かってズイズイ進むと


▲国際的?な集団の絵があり


▲さらに進めば浅草Roxの建物が見えるのですが、その手前のステーキ屋さんを右折します


▲ふれあい通りというところです


▲この路上を少し歩いて


▲右にスナック屋さんがみえるのですが


▲その細い路地に入ると


▲かつて蛇骨湯があった場所に到着します

▲「男はつらいよ」で有名な渥美清も通った銭湯です

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲同じ方向から撮影したかつての蛇骨湯


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こんな銭湯でした


▲マンションが建つようです


▲地上14階と中々の高さ


▲実は先ほどの絵が書かれた場所が、その蛇骨湯跡でもありました



▲まだ基礎固めの段階のようですね


▲近隣のマンションの紹介写真

▲だいたいこんなのができるのではないかと思われます


▲完成は2023年12月予定でした


六龍鉱泉
1931-2020


▲上野公園から上野動物園を歩いた先にあるのが六龍鉱泉です

▲3月上旬に訪れたので当然ながらソメイヨシノは開花してませんでした


▲ただ上野公園の入り口だと


▲桜が咲いてました。なんの桜だろう?




▲上野動物園を途中ですっ飛ばして水月ホテルまできました


▲ここは森鴎外さんが住んでた場所でもあります(ここも去年閉店)


▲ちょっと先に進めば動物園の医療センターがあります

▲道路を隔てた前には、古い建築様式を残した建物


▲ちゃんと案内板もありました


▲建てた当時の洋館は珍しかったらしく見学者があとをたたなかったとか


▲その奥の脇にある路地に進むと




▲六龍鉱泉があります。建物はそのまま現存されていました


▲2020年8月に閉店しましたが、まだ張り紙がそのまま




▲別れを惜しむ人たちの書き込みがありました。やはりその後が気になって訪ねる人がいるようですね


▲当時を偲ぶ写真もそのままです

2022/1/16追記



コメントで更地になったと教えていただいたので上野に立ち寄ってついでに見てきました








すべて無くなり、更地となっていました。こうしてみると広い敷地に立っていたんだなと改めて思いました


世界湯
1887-2020


▲人形町にある世界湯


▲甘酒横丁という通りの近くにあるのですが


▲こういう食べ物屋さんが軒を連ねる場所です


▲ここは東京三大たい焼きの一つである柳屋があるところなので来たついでに食べてみようと思ったら


日曜日なのに閉店でした。なんでやねん!(コロナのせい?)


▲近くにすき焼きで有名な今半もあります




▲さて、甘酒横丁の右手側に入ると、閑静な住宅地になるのですが


▲こんな張り紙が




▲至る所にありました


▲これが世界湯の跡地


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲当時の世界湯。なかなか渋い建物でしたので、無くなったのは残念です


出典:東京銭湯ホームページ引用


▲こちらもマンションが建つようです




▲景観を保つためなのか、周辺の住民からあまり歓迎されてないようでした

藤の湯
1927-2016


▲日産スタジアムの最寄り駅である小机駅

▲左が改札口で、写真奥に進むと日産スタジアムがあります。手前が今回の藤の湯があった方面です


▲小机駅を振り返ります


▲大通りにでると


▲右(鴨居方面)にむかいます




▲ここらへんで立ち止まると


▲左を向けば


▲かつて藤の湯があった場所。駐車場に様変わりしていました


出典:新横浜新聞ホームページ引用
▲往年の藤の湯


▲同じ角度から撮影したもの


ここは銭湯巡りを始める前に、大人になってはじめて訪れた銭湯でした。とはいえこの時に銭湯巡りを始めようと思ったわけでなく、むしろ銭湯から遠ざかったぐらいです。
かなり設備が老朽化してて、シャワーの使い勝手がめちゃくちゃ悪く、お湯が半端なく熱いという(50℃近くだったらしい)、銭湯デビューするにはあまりにハードルの高いところでした。


出典:LIVING田園都市ホームページ引用


出典:LIVING田園都市ホームページ引用


かなり後になってから銭湯巡りを始め、そういえば小机にも銭湯があったなと思い出して足を運んだときには廃業していました。
誰かしら記録は残しているもので、藤の湯を訪ねた女性記者によると、女湯の脱衣場では高齢犬が横たわっており、寝たきりの犬を介護しながら銭湯を運営していたようです。
おそらくワンちゃんが死んだあたりで銭湯の廃業を決めたのかもしれません。


出典:LIVING田園都市ホームページ引用



銭湯によっては閉店理由もそれぞれあり、その後の形にも色々ありました。
一つひとつの銭湯にはそれぞれの物語があります。
また機会があれば、閉店後の銭湯跡地を訪ねてみたいと思います。

ーおわりー