銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

世田谷温泉 四季の湯(東京・千歳船橋)

2018-03-24 19:50:14 | 銭湯
小田急千歳船橋駅から歩いて5分ほどのところに「世田谷温泉 四季の湯」がある。
駅から近く、シンプルな作りながらゆったりとした空間の銭湯だった。





▲千歳船橋駅


▲商店街の中に入っていき






▲稲荷神社を横切る


▲更に進んで行くと


▲右折


▲古いアパートが解体中だった


▲その先に世田谷温泉


▲開店前にたどり着くと、男女6人ほどが並んでいた


着いたのがちょうど開店時刻だったので、玄関に入ると混雑した状況に。
入り口は段差がなくバリアフリーになっているため高齢者に優しい作りである。それと椅子に座った大きな熊のぬいぐるみが出迎えてくれる。


ここでは入り口にチケットの自販機があり、そこで券を購入すると、フロントの人に渡す。
フロントと休憩所を兼ねた空間は一般的な銭湯の規模にしてはかなり広い。
受付の人に貸しタオルの有無を尋ねると、「無いんです」と言われ、代わりにシャンプー、ボディーシャンプー付きのタオル(140円)を勧められた。その日の男湯は左側(ここは日替わりのようだ)。


脱衣場に入ると、脱衣場もそこそこ広い。
右側にロッカーがあり、真ん中には座るためのテーブル。左側は扇風機と体重計があるが、そのほかは何もない。
そのため、非常にスッキリした感じで開放感がある。こういうあえて物を置かない空間の使い方は素晴らしいと感じた。


そして浴室の扉を開けると、左側手前に立ちシャワーがあり、その奥に水風呂。水風呂の温度計は16℃を示していたが、実際はもっと冷たかったような気がする。
そしてさらに奥がサウナ。
サウナの奥にあるのが、露天風呂の出入り口。
カランは、島カランが浴室の真ん中やや左側にあって、後は入り口からみて右側手前側にも短いカランが横に並ぶ。
右側の空間は主に浴槽が占めていて、浴槽は正面から見て右から電気風呂、白湯、寝湯となっている。寝湯はちょうどいい案配の角度だ。
温度は、だいたい42℃ほど。健康にちょうどいい温度だろう。


露天風呂は、扉を開けるとすぐ目の前(足下)から浴槽になっていて、残念ながら外気浴のできるスペースはない。
温度も中と同じであるが、その代わりに造花や雛人形(3月初旬に訪ねた)が飾られていたりと、店の名前通りに季節感が演出されている。


客層はほぼ高齢者。若い人は一人も見なかった。それとほとんど地元の人たちなのか、挨拶を交わしたりお互いに背中を洗いあったりと、微笑ましい光景も見られた。
作りはシンプルで壁絵もなく、すべて白湯だったりとやや物足りない感じもしたが、休憩所が広く確保されていたりと、地元の人たちにとっては心地よい社交場かもしれない。



【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 千歳船橋
経路 商店街を抜けた少し先
周辺の環境 住宅街
●空間演出
建物外観 ビル銭
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 熊のぬいぐるみ
照明 普通
★設備
休憩所 カウンター前
脱衣所 清潔で開放感がある
シャワーの出 普通
浴槽の種類 電気風呂、座湯、露天風呂
サウナ あり
温度 42℃
棚 なし
男女入れ替え あり
■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル なし
備え付け あり
◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒156-0054
世田谷区桜丘2−18−26

電話番号
03-3427-6312

アクセス
小田急線「千歳船橋」駅下車、徒歩3分

休日
月曜

営業時間
15:00−24:00


※東京銭湯ホームページ転載

鷲の湯(横浜・大口)(森林の湯)

2018-03-18 08:37:07 | 銭湯 温泉
仕事帰りに何回も通っているのが、横浜線大口駅近くにある「鷲の湯」。
前回紹介したのは「野天の湯」であるが、今回は「森林の湯」を訪れた。
どちらとも設備に違いは無いものの、個人的には「森林の湯」の方が好みである。



▲大口駅


▲駅前のターミナル。なぜかヤシの木がある


▲駅からみて左側を目指す








▲途中で見えてくるのが旧大口病院。かつて何人もの患者さんが点滴に界面活性剤を混入させられて死亡した事件が起きた病院であるが、今は「横浜はじめ病院」と名前を変えている


▲事件が起きる前から寂しい雰囲気の病院だったが、事件後はより一層、暗い雰囲気の病院に


▲病院を過ぎて右折したところ


▲大口といえば有名なのが「第二しんみせ」という駄菓子屋さんだ。
今となっては珍しい駄菓子屋さんだが、ここはいつも盛況している。
ちなみにお笑い芸人の堤下敦さんも小さい頃はよく通ったところらしい


▲溢れるように商品が飾られてあって、大人でもワクワクさせてくれる


▲そして、さらに進んで左折すると、大口商店街の中に入る










▲かなり長い商店街。横浜でも屈指の長さを誇る商店街だろう


▲幹線道路にでて右側


▲鷲の湯に到着


▲いつも人気で駐車スペースは大抵満車だ


▲出入り口


自動扉を開けて中に入ると、左側に下足箱がある。途中で改修したのかよく分からないが、鍵はそのまま使えるものとお金を入れるタイプに分かれている。
そして靴を預けたあとは、右側にある階段を上る。あがった先にスロープがあり、スロープの横には食堂兼休憩所のスペース。スロープの奥に調理場とチケットの自販機。それと左側にはフロントと浴室の入り口がある。


受付は大抵、40代後半ぐらいの女性か20代ぐらいの女性。50代ぐらいの女性もいるが、たまにしか見かけない。
今回は森林の湯だったので、左側の方へと入る。
のれんをくぐって脱衣場に入ると、全体的にぐるっとロッカーが並び、真ん中にも島ロッカーがある。左奥に飲料水の自販機と体重計(体脂肪率まで計れる)、右側には洗面台。
大きな扇風機もあるが、真冬は基本的に稼働していない。


服を脱いで浴室に入ると、まず目に飛び込んでくるのが、黒湯のラジウム温泉。丸い浴槽で深さがある。
そして右の側壁際にはカランがあって、その奥まで伸びている。奥壁の前には、島カランもある。
入り口のすぐ左側にはサウナ。そのサウナの隣には、黒湯(ラジウム鉱泉)の水風呂。そして、水風呂の横にもカランが小さいながらある。ここが穴場スポットで、メインのカランが混雑してても、ここだけ空いてることがある。


その水風呂とカランの奥に通路を隔てて、ここの一番の売りである北投石の湯がある。
北投石は、微量の放射線を出している天然記念物であり、本来なら所有を許されないのだが、ここでは法律が整備される前に所持していたらしく、合法的に北投石を用いることができる。


ちなみに北投石の湯は、ちょっと変わった作りをしていて、入り口目の前に階段があり、微妙に深い。そのため、座る感じでもなく立つ感じてもなく中座になって入る。そして手すりが囲んであるので、それに掴まる感じだ。
どうしてこんな作りなったのかよく分からないが、ほかの銭湯ではあまりみたことのない構造であり、正直言って入りにくい(長湯するなということか?)。


それと浴室の入り口に視点を戻すと、ラジウム温泉の奥にあるのが、主浴槽。けっこう広めでざっくり言えば台形のような形をしている。
左側奥には座湯があり、手前側には電気風呂。たしか「揉兵衛」という名前の電気風呂で、マッサージするように電気に強弱のリズムがある。実際にやってみると案外面白い。オススメの電気風呂だ。
それと一番奥の左側に露天風呂。この露天風呂もラジウム温泉で黒湯である。ちゃんと二重扉になってるなど、細部への配慮が行き渡っている。


やはり同じ銭湯を何度も通っていると色んな場面に遭遇するのだが、印象的だったのは全身入れ墨を入れた人になぜかすごく気を使われたことや、脱衣場のロッカーが分からなくなって(文字が消えていてしかも鍵穴が固くなっていた)右往左往したときに別の入浴客に助けられたこと、あとは湯当たりしたことで救急車が呼ばれたことを2回も目撃したことだろうか。


救急車が来たのはおそらく入浴客の多さから確率的に起きやすいのだろうが、それにしてもという感じではある。
そのうちの一つは、湯当たりした年配の入浴客が複数の入浴客に支えられながら浴槽から出てくるという場面に遭遇した。
浴室入り口付近で横になると話すこともままならない様子で、従業員の女性2人が懸命に介抱しており、その姿は感銘を受けるほどだったが、テキパキした動きには手慣れた様子も感じられた。
そのうちに救急車の音がしたと思うと、しばらくして救急隊が3人ほど到着。すぐに運び出すことはせずに本人に話しかけて状況を確認し、そうこうするうちに上半身を起こせる状態になると脱衣場に運びこまれ、そこでもまた話を聞くという流れだった。
どういう状況で立てないまでになったかは分からないが、自分も時々意味なく頑張りすぎることがあるので、常に体と相談しながら入らなければと心がけるようになった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 横浜線大口駅
経路 商店街を抜ける
周辺の環境 お寺、八百屋さんや床屋
●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 あり
照明 明るい(ただし真冬は湯気がすごく、照明が乱反射して時計がみえなくなるのが不満)
★設備
休憩所 食堂を兼ねている
脱衣所 普通だが、規模にしては狭いかもしれない
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 北投石の湯、ラジウム温泉、座湯、電気風呂、露天風呂、水風呂(鉱泉水)
サウナ 
温度 43℃、45℃
棚 あり
男女入れ替え あり(日替わり)
■サービス
接客 年代が高いほど愛想が良い
清潔さ きれい
貸しタオル あり(40円)
備え付け あり
◆人
受付 50代から20代までの女性
客層 やはり高齢者が中心ではあるが、入浴客の年齢層は幅広い


【案内】

住所
〒221-0061 
横浜市神奈川区七島町151

電話
045-421-2323

営業時間
11:00〜25:00

定休日
不定休

※神奈川公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

錦湯(東京・旗の台)

2018-03-10 20:49:36 | 銭湯
東急大井町線と池上線のハブ駅である旗の台駅を降りると、中原街道を歩いた先に「錦湯」がある。
錦湯自体も古いが、その隣接する建物も物凄く古いために、そこだけ切り取るとまるで昭和にタイムスリップしたような気分にさせられる。
ただ、銭湯の設備はしっかりしているので、懐かしさを味わいつつもちゃんと楽しみたい人にはうってつけの銭湯だろう。



▲旗の台駅の改札口。間違って反対方向にでてしまった


▲間違った方向の写真


▲仕方なく、ぐるっと回る




▲本来でる方のところ。池上線のホーム


▲商店街を抜けて


▲またしても道を微妙に間違って、中原街道を歩けばいいのに、その裏側を歩いてしまう














▲ここまで中原街道沿いの裏道を歩き、結果、中原街道にでる


▲横断歩道を渡り




▲「にしきゆ」の看板


▲隣接する建物がまた凄く古い


▲錦湯に到着。昭和の風景そのものだ


自動扉を開けて中に入ると、「いらっしゃいませ」とテープ音声が流れる。入ってすぐ右側が下足箱。左側にフロントがある。フロント前にソファーが並び、そのソファーの手前側にテレビがある。
フロントに座るのは、80代ぐらいのおばあさん。
「貸しタオルありますか?」
と聞くと、「はい」と返事があるのだが、リアクションなし。通常だとすぐに貸しタオルを出してくれるのだが、目線もテレビからまったく動かさず、内心理解しているのかな?と不安になる。
お金を支払い、お釣りを受け取るがそれでも動かないので、改めて「貸しタオルありますか?」と聞くとムッとした様子で「お釣りを受け取ってから…」どうのこうのと言われたが、なんとか貸しタオルを出してもらうことができた。


男湯は右側で、のれんをくぐると、目の前にそこそこ大きい座るテーブル。それを左にまわると、脱衣場のロッカーが見える。だいたい左右の壁際にあって、脱衣場は小ぶり。
右奥にはせり出した屋根。その下にサウナがある。ただ、その入り口は浴室から入る必要がある。
こうしたサウナをアピールする演出(屋根)は、当時としては珍しく、集客の訴求力をもっていたからだろう。


浴室に入ると、脱衣場から見えたように、右手前側にサウナ。そのサウナの横に水風呂。かなり冷たい。その水風呂に続くのが立ちシャワーで、ここはハンドシャワーに加えてボディーシャワーも備えている。
今としては古い銭湯であるが、当時としてはかなり先駆的な銭湯だったのではないか。


それと真ん中に島カランと、左壁際にもカランが並ぶ。屋根は高くて水色に塗られており、よくあるパターン。
奥にある湯船は3つあって、均等に分かれている。
右側がラジウム泉の素石からお湯を流してあるもの。石和田先生の名前を久しぶりに発見。


真ん中が座湯で、一応水まくらもあったが、まったく機能していなかった。
そして左側がマイクロバイブラ。深浴槽になっている。温度はマイクロバイブラが一番高く、おそらく45℃前後ではないか。かなり熱いと感じた。
それ以外の2つは43℃ぐらいだろう。


壁画はなく、シンプルな造りの銭湯。ただ、あえて特徴を言えば、カランがピンク色だったことだろう。男湯でピンクとかいかにも不釣り合いな感じもするが、おそらく女性店主(受付のおばあちゃん)の意向と思われる。男がこういうチョイスをするとはちょっと考えにくい。
入浴客はほとんど高齢者だが、若い人もそこそこおり、小さい銭湯のわりにはお客さんが多いなという印象だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 旗の台
経路 中原街道をまっすぐ進む
周辺の環境 散髪屋さんや飲食店
●空間演出
建物外観 古いコンクリート造り
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 特になし
照明 普通
★設備
休憩所 フロント前のソファーや脱衣場の中
脱衣所 やや小さい
シャワーの出 弱い
浴槽の種類 ラジウム泉、座湯、マイクロバイブラ、水風呂
サウナ あり
温度 43℃、45℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 反応を気長に待つ必要がある
清潔さ 普通
貸しタオル あり
備え付け あり(一つずつのみ)
◆人
受付 80代ぐらいの女性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所
〒142-0064
品川区旗の台1−2−17

電話番号
03-3781-8618

アクセス
東急池上線「旗の台」駅下車、徒歩7分

休日
土曜

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

明神湯(東京・雪が谷大塚)(「雪印コーヒー」発売 55 年記念キャンペーン)

2018-03-03 09:12:07 | 銭湯

▲みんなと祝う55年!

テレビドラマやCMなどの撮影で使用されてきた明神湯。この明神湯で新たに企画されたのがコーヒー牛乳の湯だ。
実際にコーヒー牛乳が入れられているわけではなく、コーヒー牛乳に見立てた薬湯を入れたものなのだが、雪印のコーヒー牛乳販売55周年の記念ということで雪印とコラボしたイベントである。
壁画もコーヒー牛乳にちなんだものに変わり、先着でコーヒー牛乳が振る舞われるなど、遊び心満載の楽しい企画だった。



▲雪が谷大塚駅。前回、明神湯に来たときは御嶽山を利用したのだが、今回は雪が谷大塚から徒歩で向かう。基本的にどちらも時間は変わらない


▲おおざっぱに言うと、東南方向に向かう。ひとまず目の前の商店街を抜ける


▲ひたすら真っ直ぐ歩く






▲この建物を目印に右折


▲再び真っ直ぐ


▲学校を横切り








▲再び学校を横切る。たしか中学校




▲すると右手に公園がみえてくる。もう近くだ


▲少し進んで


▲左折


▲すると、なにやら人がみえる


▲到着


▲写真を撮っている人がいっぱい居る(自分もそのうちの1人)


▲開店から10分前後に到着した


まず到着して驚いたのは、入り口にいっぱい人がいたこと。若い人が多かったこと。女性も目立ったこと。SNSの発信力を改めて思い知らされた。
そして暖簾。写真の通り、コーヒー牛乳と55周年を前面に出したのれんになっている。
中に入ると、下足箱のところに3人ほどの親子が佇んでいた。ただでさえ狭いのに、立たれると靴を下足箱に入れることができない。それと下足箱はほとんど埋まっており、奇跡的に1つだけ空いていた。この時点で中はすごいことになってるだろうなあと予想する。


そして扉を開けると、想像以上の混雑ぶり。
番台に座るのは前回と異なり、少し若い女性。といっても40代ぐらいだろうか。ここは貸しタオルがないので、手ぶらセットの安い方を購入する(たしか120円。高いのは200円と記憶)。それと番台の女性側には、小学校低学年ぐらいの女の子が立っていた。たぶん受付の女性の子どもだろう。それとおばあちゃんもいたので、親子三代の総出である。
受付を済ませると、「コーヒー牛乳取ってくださいね」と言われる。入り口横にある冷蔵庫に紙パックのコーヒー牛乳が並べられており、遠慮なく一個いただく。


改めて見渡すと、とにかく人人人で、りっすいの余地がない。これほど混雑する銭湯は記憶にない。しいていえば、武蔵小山の清水湯ぐらいだろうか。あそこも異常なほど人でごった返しているが、この日の明神湯はそれを凌駕する混雑ぶりだ。
そして心配した通り、空いているロッカーが一つもない。


とりあえず空くのを待つしかないのだが、来客のほとんどが普段銭湯に来ない層であるためか、周囲の状況を気にしない子どもたちであるためか、着替えるのがめちゃくちゃ遅い。
内心イライラしながら、辛抱して待つこと10分。ようやく空いたところに自分の荷物を入れることができた。
気がつけば自分が入ったときよりも更に人が入っており、この時になってようやく入場制限を始めたような印象を受けた。
入店時は、雪印側のスタッフは見受けられず(もしかすると気がついていなかっただけかもしれない。帰りは見かけたので)、店主も困惑した様子だった。
こうした人員整理は、やはり雪印が責任ももってやるべきだったのではないかと感じた。


それと、脱衣場の隅っこには雪印が55周年を記念して作成したTシャツが並べられてあり、商品の見本棚には、雪印コーヒーが置かれてあったりと、随所に細かな演出があった。
ここで明神湯の建物を簡単に概観すると、脱衣場は島ロッカーが真ん中にあり、あとは入り口手前側にロッカー。トイレはガラス扉の引き戸を開けると、ベランダの端っこにある。
浴室は、真ん中に島カラン。それと左右の壁にもカランがあるが、壁際の方は固定シャワーだ。どちらにしてもシャワーの出は悪い。
そして奥に湯船。右がマイクロバイブラで真ん中が白湯。左が薬湯。今回は、コーヒー牛乳の湯だ。 


浴室に入ると、まず目に飛び込んでくるのがコーヒー牛乳のあしらわれた壁画。これは、雪印コーヒー牛乳を顔にした擬人画で(みんなそれぞれパッケージが違う)、通常の人間のサイズと比べてかなり大きいので異様である。そのコーヒー牛乳星人(?)が、西伊豆の海に肩近くまで浸かっている。バックに見えるのは富士山。しかし顔は富士山とは反対方向(こちら側)に向いているので、あまり富士山に興味がないらしい。脱衣場からも女湯の壁画が少しみえたが、同じような構図だった。
 

それとビックリしたのはコーヒー牛乳の湯に行列ができていたことである。まさか入浴に人が並ぶとは前代未聞だ。
とりあえず体を洗わなくちゃと、たまたま一つ空いたカランのところに座る
と、桶までコーヒー牛乳仕様だった


体を洗い終わってコーヒー牛乳の湯をみると、ちょうど行列はなくなっており、ラッキーと思ってコーヒー牛乳の湯に入る。
しかし、足を入れた瞬間からめちゃくちゃ熱い。どうりで行列がとぎれたわけである。熱いからみんな諦めたのだろう。
温度計では46℃を示している。普段から熱いお湯に慣れている自分でも、いきなりこれはキツい。

解説文には、

健康薬湯
5つの効能
・肌になめらかな「雪印コーヒー牛乳」
・目に優しい「雪印コーヒー牛乳」色
・よだれが出ちゃう「雪印コーヒー牛乳」の甘い香り
・いつまでも入っていたい温度
・上を見上げれば富士山に並ぶ「雪印コーヒー牛乳」

と書かれてある(記憶に基づいた再現なので、一字一句正確ではない)

たしかに肌触りはしっとりしてて、甘い香りもする(よだれがでるほどじゃないけど)。
しかし、いただけないのは温度だ。今回の企画で子ども達が多く来店しており、何人もが入ろうとしたのだが、熱すぎて断念する子がほとんどだった。
これでは、この子たちはなんのために来たのだろうか?
しかも銭湯=熱くて入れないという嫌な思いをしてしまうと、ますます銭湯から遠ざかってしまう。
絵的には、たしかに今回の明神湯をチョイスしたのは良かったと思うし、壁画も面白かった。
ただ、温度は特別に調整して欲しかったなと思う。その辺も含めると、今回の企画は昔ながらの銭湯よりも、スーパー銭湯でやるべきだったのかもしれない。
多くの人を集める秀逸な企画だっただけに、運営面で残念な要素が多かった気がする。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 雪が谷大塚
経路 駅から東南方向へ歩いて公園を経由する
周辺の環境 住宅や公園
●空間演出
建物外観 宮型造り(唐破風)
壁画・眺望 富士山とコーヒー牛乳人
統一感 あり
置物 特になし
照明 普通
★設備
休憩所 脱衣場と兼ねる
脱衣所 昔ながらの造り
シャワーの出 普通
浴槽の種類 
サウナ なし
温度 45℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 良い
清潔さ 普通
貸しタオル なし
備え付け なし
◆人
受付 40代ぐらいの女性と70代ぐらいの女性と小学校低学年ぐらいの女の子
客層 コーヒー牛乳企画のため、若い人がほとんどだった


【案内】

住所
〒145-0066
大田区南雪谷5−14−7

電話番号
03-3729-2526

アクセス
東急池上線「雪が谷大塚」駅よりバス。「雪谷中学前」下車、徒歩1分

休日
5、15、25日
日曜、祝日は翌日休

営業時間
16:00−23:00


※東京銭湯ホームページ転載