銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

宮本温泉(横須賀・京急大津)

2024-09-14 08:38:00 | 銭湯
#宮本温泉




京急本線
#京急大津駅
▲京急大津駅。浦賀のすぐ近くだ



▲改札口

▲改札口を抜けたところ

▲坂本龍馬の妻だったおりょうさんのお墓がこの近くにある。竜馬と別れたあとは転々としながら横浜にたどり着き、やがて再婚して横須賀で暮らしていたが貧窮のまま亡くなったそうだ

▲駅の横には鳥居

▲右にみえる信楽寺がおりょうさんのお墓があるところ。真下あたりに今回の目的地である宮本温泉がある

▲右にまわると踏み切りがある

▲踏み切りを渡り、線路沿いを歩く

▲そのまま直進するのみ





▲突き当たりに宮本温泉がみえてくる


▲奥に煙突



▲到着


中に入ると目の前に下足箱があり、左側が入り口の通路となっている。
扉をあけるとこじんまりとしたところで、右手前に受付、奥には休憩室があるがテーブルはなくて椅子が左右に並ぶのみ。奥真ん中に古い体重計があるが、それが飾りになっていた。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


受付に座るのは、40代後半か50代前半ぐらいの女性。愛想こそないがテキパキと仕事ができそうな雰囲気がある。身だしなみもちゃんとしていた。
貸しタオルをお願いすると、パッと出してくれて、「返すときは後ろのカゴにいれてください」と言われた。案内も隙がない。入る前に下足箱の鍵とロッカーの鍵を交換してもらう。
男湯は右側で、女湯は左側。
 

のれんをくぐると開店して間もないせいか、照明はつけられておらず採光だけだったが十分に明るかった。
ロッカーは脱衣場の右側面と真ん中にあり、右側は白く、真ん中は茶色。あてがわれたのは真ん中のロッカーだった。
入り口の手前に洗面台がある。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


服をぬいで浴室の扉をあけると、ここは横須賀にしてはちょっと変わったタイプの作りだった。
広さはそれほどでもないが、入ってすぐ目の前のところに水風呂がある。
青いタイルの小さな浴槽で、詰めて2人ぐらい。手を入れてみると18℃ほどで一般的な水温だった。
右手前をみれば、サウナがある。東京と比べれば追加料金は220円と比較的リーズナブルな値段だ。バスタオルも一緒に貸し出され、タオルを巻いて入ってくれとあった。中を覗くとすこし小さいかなという印象だった。


左手前にはハンドシャワーの立ちシャワーが1つ。カランは左右にあるが、左は7つほどで、右が3つ。ということで全体的にかなり少なく、自分が入店した時は空いてるのが1つか2つのみ。客に挟まれながら小さくなってシャワーを浴びた。
シャワーの出は特に良くもなく悪くもなくといったところ。
水風呂の裏側には六角形のカランがあり、こちらはシャワーはなくて蛇口のみ。混んでる場合はこれを使うのも手かもしれないが、自分がいた時は誰も使っていなかった。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲たぶんこちらは女湯。奥の写真が全然ちがう


こんな感じで、大阪あたりの銭湯と少し似てるかなという印象をもった。お湯が水道水なのに温泉と名乗っている点も大阪の銭湯とおなじである。
創業者がどこ出身なのか分からないけど、横須賀に共通する作りではないことは確かだ。
浴槽は浴室の奥にあって、真四角ではなくやや台形のような形をしている。
左側が座湯で、2つのジェットが並ぶのと、右側は奥がバイブラ。ピンポイントジェットのような表記をしていたけど、バイブラである。
手前が電気風呂で、仕切り壁のところに設置してある。
温度は44℃ぐらいとすこし熱め。
最初はキツく感じるけど、これぐらいならなんとか肩まで浸かることができる。やはり夏の銭湯は熱いほうがいい。鳥肌が立つほど熱いお湯に入ると、夏でもサッパリした気分になる。
面白いのは、壁絵が写真なのだが渓流の雪景色だったことだ。
一般的にこの手の写真は、夏の森林や滝が多いので、冬の景色ははじめて。
寒い時期なら真冬の露天風呂に入っている疑似体験ができるかもしれない。
天井を見上げると、コンクリート作りで縁の部分が薄緑色だった。ふつうは青がほとんどなので、このあたりも独自色を出している。


さらに露天風呂もある。
右のカランと浴槽を挟んだ通路のところに扉があり、外に出ると岩作りの露天風呂が目に飛び込む。詰めれば3人は入れるかなといった広さだ。
薬湯仕様で、この日は赤茶色をしていた。手前の左側には外気浴のできる台座の椅子がある。
露天風呂に入ってみると、内風呂よりも熱くて驚いた。基本的に露天風呂は内風呂よりも低い傾向にあるので、ここはかなりの熱湯志向である。
といってもそんなに差があるわけではなく45℃ぐらいだろうか。


こんな感じで全部熱いところなので、お風呂あがりに外気浴をしていてもいっこうに汗のひく気配が感じず、むしろ永遠に汗が流れているんじゃないかというぐらい止まらなかった。
夏のときはすかさず水風呂に入って体を冷やすのが正解だろう。


客層はほぼ高齢者だが、一部で全身に刺青を入れた中高年がいたぐらい。みんな静かで会話もなく、譲り合いながらお風呂に入っていた。


かなり古い銭湯という印象があるが、それでも本当に古い銭湯と比べるとサウナがあり水風呂があり露天風呂まで備わっていて、微妙に新しいところである。この中途半端さが面白い。
そういえば脱衣場にもかなりレトロな防犯カメラがついていたりと、昭和後期か平成初期あたりでリニューアルした銭湯なのだろうか。
この中途半端さと迎合しない独自色を打ち出した空間が斬新な気分にさせてくれる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 京急大津
経路 線路沿いを歩く
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 コンクリート作り
壁画・眺望 冬景色
統一感 あり
置物 なし
照明 薄暗い

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつうの広さ
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 水風呂、座湯、バイブラ、電気風呂、露天風呂
サウナ あり
温度 44~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 テキパキ
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 40代後半の女性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所
〒239-0808 
横須賀市大津町3-7-3

電話
046-836-6404

営業時間
15:00〜23:00

定休日
毎週金曜日

京急大津駅より徒歩3分。駐車場は店舗の表側に6台あります。

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載

新越泉(東京・新井薬師前)

2024-09-07 07:03:00 | 銭湯
#新越泉




西武新宿線
#新井薬師前駅
▲新井薬師前駅



西武だけにプロ野球速報がある

▲南口の改札口

▲地図をみると、左の17という数字あたりに新越泉がある。歩いて4分ぐらいの距離だ

▲南口の改札口を出たら右に進む

▲奥に大通りがあり

▲大通りを左折。奥にみえる横断歩道をいったん右に渡る

▲渡ったら再び左折。目の前のパチンコ屋さんの方に向かう

▲パチンコ屋を横切り

▲スギ薬局も過ぎて

▲松崎ハウジングのところでストップ

▲右折して

▲特徴的な建物がみえてくる


▲あらいやくし保育園の文字

▲入り口の横には案内板


▲よくよく見ると新越泉の文字がみえる。控えめな看板なので、ここに銭湯があると気がつく人は少ないだろう


▲到着


扉をあけると、右下には大きな生け花が置かれてあった。ほかの銭湯とは一線を画す優雅な空間だ。
道なりに進むと、目に入ってくるのは、とにかく広いロビー。今まで巡ってきた中で一番広いところかもしれない。それぐらい広かった。そのはす向かいに受付のフロントがある。
座るのは60代ぐらいの女性。終始おだやかで、落ち着いた佇まいの方だった。
貸しタオルをお願いすると、すぐに後ろから出してくれる。近くをみると、貸しタオルが10円と表記。バスタオルは50円と利益度外視の価格だ。
男湯はフロントのすぐ横の右側で、女湯は左側だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲写真の視点だと、奥が入り口で、手前の左右に下駄箱がある


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらはロビー。喫茶店のようなテーブルと椅子が並ぶ。奥にみえるのがフロント。有閑マダムたちが談笑していても違和感のない空間だ


ビルなのでてっきり二階あたりにあるのかと思ったら、進む先は地下だった。階段を降りると、脱衣場に到着する。
扉は半自動扉と書かれてあるが、壊れているらしく開けると自然には戻らない。客のほとんどが開けっ放しにしていたので、せっかくのエアコンの冷気が抜けていた。


▲フロントの横にある男湯入り口


▲この階段を降りていく

▲降りたところにも花が飾ってあった


脱衣場もとにかく広くて、中規模のスーパー銭湯と遜色ないほどだ。
ロッカーは真ん中に二列並ぶが、背中合わせなので一つに見える。
右の壁には巨大な一面鏡。その上にテレビが設置されてあった。
ドレッサーと洗面台は奥にある。
地下にあるせいか、やや薄暗い印象ではあるが、それは仕方ないだろう。
テレビの下には椅子が複数あるのと自販機があり、脱衣場でもゆっくりと休憩することができる。


扉をあけると、浴室もまたやはり広くて奥行きがある。もはやスーパー銭湯といっても差し支えないほどだ。
左側には島カランが横列に並び、それが四列ほど奥にむかって連なる。カランの数はかなり多く、場所取りをされてもまったく問題なし。
左手前には立ちシャワーが2つあるが、ヘッドは大きいけれども湯量はさほどでもなかった。
カランのシャワーヘッドは少し高めに取り付けられ、出は普通といったところ。一般的に固定シャワーだとハンドルはヘッド近くにあるが、ここはハンドルが下に設置してあった。
シャンプー類の備え付けもあり、さらに桶や椅子は最初から置かれてある。


右側に目を転じると、一番手前にあるのはサウナで、扉の注意書きには6人までと制限がかかっていた。中を覗くと余裕で8人ぐらいは入れる広さだ。
追加料金は500円で、東京でも少し高いかなという印象。ただバスタオルがついて専用ロッカーも使うことができる。
そのサウナの前に水風呂があった。
詰めれば4、5人は入れるスペースで、水温は18℃あたりだろうか。
「うわー、気持ちいい!」と突然叫んでるおじさんがいた。
その奥隣が主浴槽である。
温度は44℃ぐらいと少し熱め。
この主浴槽もかなり大きくて、手前から見ていくと最初にあるのが電気風呂。複数の刺激があると説明されてあったが、手を突っ込んでみたところ微弱すぎた。
そこから続いてバイブラ。8人ぐらいが入れる広さで、もう一段奥に座湯と寝湯が続いている。


一番奥の浴室は上部分が一部仕切りのようになっており、そのスペースの左側に薬湯がある。温度は42℃ほどで、設備はないが座れる構造になっていた。なのでリラックスしながら長湯することができる。枕のように頭を預けられる石が設置されてあったが、もう一つの隣は取り除かれた痕跡しかなかった。

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯の浴室


▲薬湯の浴槽。男湯はピンク色だった


客層はほぼ中高年が占めていたが、そもそも客数はそんなにおらず。広いのにほとんどの浴槽には1人か2人でしか入ってない状態だった。
深い地下にあるということで外気浴はできず、採光もないので全体的に薄暗さは否めないが、広いスペースのおかげで窮屈感はまったくなし。
全体的にシックな装いで、とにかく優雅で瀟洒な銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 新井薬師前
経路 商店街を抜ける
周辺の環境 住宅、保育園

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 生け花
照明 薄暗い

★設備
休憩所 ロビー、脱衣場
脱衣所 広い
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 電気風呂、バイブラ、座湯、寝湯、薬湯
サウナ あり
温度 44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 おだやか
清潔さ きれい
貸しタオル あり(10円)
備え付け あり

◆人
受付 60代の女性
客層 中高年が多い


【案内】

住所
〒165-0026
中野区新井5−17−2

電話番号
03-3386-4917

アクセス
西武新宿線「新井薬師前」駅下車、徒歩3分

休日
月曜

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

第四富士の湯(東京・お花茶屋)

2024-08-31 06:31:00 | 銭湯
#第四富士の湯




京成電鉄
#お花茶屋駅
▲お花茶屋駅。この駅の周辺には今でも複数の銭湯がある



▲改札口

▲地図をみると、第四富士の湯は上に向かってすこし左側のところにある


▲改札口を出たところ

▲右の東口に向かい

▲階段を降りたら

▲右に進む


▲大通りにでるので右に進む

▲右に向いたところ

▲ひたすら直進


▲ミニストップを通り過ぎて

▲交番も通り過ぎると

▲つぎの横断歩道で止まる

▲左折して横断歩道を渡ると

▲第四富士の湯がみえてくる

▲古風な佇まいの建物。第四とつくからには、かつて複数の銭湯を経営していたところだろう

▲駐輪場もちゃんとある


▲到着


▲中に入った玄関のところ


扉をあけると、濃厚な蚊取り線香の匂いに包まれた。夏にこの匂いをかぐと、母の田舎である新潟を思い出す。
ここは番台であるが、背の低いフロントタイプである。
座るのは、70代前半ぐらいのメガネをかけた白髪の女性。あまり感情を表に出さず淡々とした受付ではあるが、悪い感じはしない。貸しタオルをお願いすると、後ろからすぐに渡してくれた。無料で清潔感あるタオルだった。


脱衣場はかなり広めで、照明を極力落としているのか薄暗く、落ち着いた空間。外との明暗が印象的だった。
真ん中にテーブルと椅子が並び、右側の壁沿いにメインロッカーがある。左の奥に補助的な島ロッカーがあった。

出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


音響がするのでテレビかなと思い脱衣場の奥をみてみると、レトロなスピーカーが男湯と女湯をまたいで1つずつ置かれ、そこからラジオなのか分からないが人の声が流れていた。
手前には坪庭があり、自然に任せた風景が広がる。足下には金魚がおよぐ池。屋根が老朽化で落ちそうなのか、鉄パイプで支えていた。縁側の椅子に腰をおろすと、バシャバシャと突然音がして、みると金魚たちが餌をもらえると勘違いしたのか、一斉に口をパクパクさせていた。

出典:東京銭湯ホームページ引用




浴室の扉をあけると、浴室は古典的な作りで、真ん中に島カラン。左右にもカランがならび、手前の左側に立ちシャワーが2つ連なる。
その手前側のところに備え付けのシャンプーとボディシャンプーがまとめて置かれてあった。
カランは立ちシャワーにしても、出は可も不可もなく。不備は一切みつからなかった。古い銭湯だと拡散が悪かったりするが、ちゃんと整備してる証だ。清潔感もあって、ペンキも定期的に塗り直してるのか白く輝いていた。


浴槽は奥にあってほぼ真横に並ぶが、右側の一部が手前にせり出している。
左側からみていくと深浴槽で、「本日のお湯」の看板がみえるが、白湯だった。以前は薬湯をやっていたが、今はやめてしまったのだろうか。
足を突っ込むと、かなり熱く47~48℃ぐらい。足を入れ続けたら肌がうっすらと赤くなった。
右の主浴槽側も温度はおなじで、こちらは座湯が2つ並ぶのと、一番右がバイブラになっていた。
熱いお湯に積極的だった頃はこれぐらいでも大丈夫だったが、最近は体に悪そうなのは避けるようになって、ここまで熱いと体の負担を感じる。
とはいえ、足で慣れると意外といけるかも?と思い、肩まで漬かると想像より悪くない。やはり長年の銭湯通いでそれなりに鍛えられたか。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は富士山のペンキ絵で、麓の構図が大胆で広く伸びているのと、山体を塗った青のグラデーションが美しい。
誰の絵だろうかとサインをみるが、2021年11月の文字はあっても、名前は書かれてなかった。まさか書き忘れたのだろうか?(ありえなくはないが、違う場所に書いていたのかもしれない)


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらの絵は実際にみた絵とはすこし異なる。3年前になると、剥離が目立ちはじめていた


客層は見事なまでに高齢者。若い人は誰一人としておらず。男湯では客同士のコミュニケーションはいっさいなかったが、女湯からはしばらく賑やかな声が聞こえていた。


全体的にひっそりとしていて、心落ち着く空間。昔の雰囲気を意図して出すわけでもなく、自然体の変わらない時間がゆっくりと流れる古き良き銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 お花茶屋
経路 南下
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 昔ながらの建物
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 読売新聞のダイジェスト写真
照明 薄暗い

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 広い
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 座湯、バイブラ
サウナ なし
温度 47℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 淡々としてる
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 70代の女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒124-0005
葛飾区宝町2−11−8

電話番号
03-3697-1925

アクセス
京成線「お花茶屋」駅下車、徒歩7分

休日
金曜

営業時間
15:30−22:00

※東京銭湯ホームページ転載

あづま湯(逗子・東逗子)

2024-08-24 08:01:00 | 銭湯
#あづま湯




JR横須賀線
#東逗子駅
▲東逗子駅

▲遠い田舎に来たキブン

▲逗子は山に囲まれ、海にも近い。鎌倉と横須賀に挟まれた場所だ


▲駅前の空き地では夏祭りの準備中

▲改札口

▲案内板には、ウォーキングガイドがある。遭難多発の文字も。そんなに山深い場所とは思えないが…

▲改札口を抜けると

▲スリーエフのある左側に進む



▲おしゃれなパン屋さんなんかもある

▲わかりにくいがこの道路の下は川が横切り、目の前の通りは橋になってる

▲その橋を渡ってすぐ右の道に進む

▲右に向かったところ。目の前の横断歩道を渡ると

▲左の電柱に、あづま湯の案内がある

▲そのまま直進すれば

▲左手にあづま湯がみえてくる


▲狭いけど駐車場もある


▲到着

▲海からのお客様へと、山からのお客様への案内。土や砂を持ち込むので、それに対する注意書きだ


入り口は引き戸で、入ってすぐのところに下駄箱がある。左右に設置してあるが、手前右のところは棚になっており、こちらは長靴とかブーツを置く人向けである。
ここは下駄箱の札とロッカーの鍵を交換するので、棚に靴を置く人もどこかの下駄箱の札を取らないといけない。
奥の入り口は自動扉で、タッチしてあけると、すぐ目の前が受付のフロントになっている。座るのは、50代半ばぐらいの女性。落ち着いた佇まいで、信頼できる印象の人だ。
入浴チケットは、左に設置された自販機で購入する必要がある。わざわざ目の前に人がいるのに自販機で買う意味が分からないが、お金を管理をするうえでこっちのほうが楽なのだろう。
入浴料は530円でフェイスタオルのレンタルは50円。合計で580円だった。


休憩所は受付の左側にあり、思ったよりも狭いところだが、お洒落な喫茶店のような雰囲気。
脱衣場は右側で、右に向いて左が男湯で、右が女湯。


のれんをくぐると、脱衣場もやはり小さかったが、かなり洗練された空間で、テーマもしっかりしている。
ロッカーは左右の壁側に並び、右がAと表記され、左がBと表記されている。受付で渡されたのはBだったので左側のロッカーを使うことに。
ロッカー自体は金属であるが白く塗られ、金属にありがちな無機質な印象は与えない。
一つひとつがやや大きめで、上下に分かれていているので使いやすい。
手前にはトイレがあるが、使ってみると通常のトイレと立ちトイレがある。
ほかに目に付いたのは、「海からの人」への注意書き。
ここは立地上、山からの人と海からの人も訪れるので、海の人は立ちシャワーのところで水着の砂を落としてほしいと書かれてあった。浴室内では洗濯禁止とあり、その代わりなのか洗濯機が鏡台の横に置いてあった。


浴室の扉をあけると、浴室もまたそんなに広くはなく、幅が狭い縦長の空間になっている。
カランは、左手前が前後で4つ並び、あとは右手前に立ちシャワーが1つ。右壁沿いをずっとカランが奥まで並んでいる。
カランの作りはプッシュ式でハンドシャワー。温度調節もできて一般的なスーパー銭湯とほぼ変わらないが、このプッシュボタンがちょっと曲者で、軽く押すと一応ボタンは下がるのだがそれでは反応せず、どうやら強く押さないとダメなようだ。設備はかなり新しいので、故障ではなく仕様である。


浴槽は左側に並び、最初の浴槽が熱湯。2人が入れる程度で、足を突っ込むと44~45℃程度かなといった感じだった。それなりに熱いが、極端に高いわけではない。
お隣が主浴槽で、熱湯よりさすがに低いだろうと油断して入ったら、熱湯とまったく変わらず。これだと熱湯の存在意義はどこにあるのか。


主浴槽は向かって左(手前)側が気泡風呂(バイブラ)で、真ん中はボディジェットのような設備。ボタンを押すと噴出する。一番奥に電気風呂がある。
ここで感心したのは、タイルによって図柄が表現されてることだ。このセンスは冴えてると感じた。
たとえばテトリスのような形で雲が表現されている。タイルの半分は黄色に塗ることで三角に見えるが、その三角形を組み合わせることによってヨットを表現していた。緑の塊は、山だろうか? まさに逗子の風景だ。こうしたタイルを使った表現は今までなかったので斬新だった。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用
▲写真は女湯。男湯と微妙に違う


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用


一番奥には、別の空間のように入り口がすこし囲い込むようになっていて、そこだけ外壁が黒く塗られている。左の壁沿いに炭酸泉がある。
3人ぐらいが入れるスペースで、温度は38℃ほど。炭酸の濃度は正直高いといえず、ほぼ炭酸の効能は感じなかった。
しかし面白い試みだと思ったのは、コピーされた絵本がラミネートで外壁に張られてあったことだ。
全部ではなく、数頁だけ週ごとに入れ替えてるようである。なので次回は次の日曜日と予告されてあった。
この時に張られてあったのは「かわいそうなぞう」(文つちや ゆきお 絵たけべ もといちろう)である。
内容は、戦時下において餌をもらえず苦しむ象と、その姿があまりに不憫で耐えきれず餌を運んでしまう飼育員を描写した場面である。読んでてうかつにも泣きそうになってしまった。
こども向けの言葉であるが、大人が読んでも感銘する文章だった。


この絵本が飾られてあったことで、先ほどの主浴槽のタイルの謎が解けた。ここは絵本の世界観をもちこんだ空間だったのだ。こういうテーマを取り込んだ感性の良さに脱帽した。
そういえば入り口の棚下には、子ども用の椅子や桶が用意されていたり、子どもを意識してることが随所に感じられた。


客層は脱衣場に入ると、若い人が「あちぃ」と言いつつドライヤーをかけながら鍛えられた体を披露しており、若い人にも支持された銭湯であることが分かる。浴室では高齢者が数人おり、中高年もチラホラと年齢層は幅広い。


東逗子は鎌倉の近くありながらほとんど地元民しかいないような田舎であるが、海の近くには日本有数の高級住宅街があったりと、知る人ぞ知る景勝地である。そうした周囲の環境と調和されたデザインは本当に見事だった。
絵本の世界が銭湯と親和性があるのも大きな発見だったし、なによりもその選択眼は最後まで感心しきりだった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 東逗子
経路 川をわたる
周辺の環境 山、住宅

●空間演出
建物外観 最新の建物
壁画・眺望 ドット絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 熱湯、バイブラ、ボディジェット、電気風呂、炭酸泉
サウナ なし
温度 44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 落ち着いている
清潔さ きれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり

◆人
受付 50代の女性
客層 幅広い年齢層


【案内】

住所
〒249-0004 
逗子市沼間1-19-11

電話
046-871-3929

営業時間
土日祝13:00~22:30
平日15:00~22:30
定休日木曜日

神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ転載

金星湯(東京・東十条)

2024-08-10 05:57:00 | 銭湯
#金星湯




JR京浜東北線
#東十条駅
▲東十条駅



▲南口の改札口

▲改札口を抜けて、このまま目の前の横断歩道を渡る

▲左に階段があり

▲降りて



▲右上に見える新幹線の高架線沿いをひたすら歩く





▲公園を通り過ぎて

▲この日はお祭りの日だったようだ

▲ここを左折する

▲すこし歩くと

▲4つもある分岐点にさしかかる

▲右から二番目のピザーラがある通りを進む。厄介なことにピザーラが2つ並ぶが、左のピザーラのところ

▲まいばすけっとを通り過ぎて

▲写真で左奥に工事中のブルーメッシュが張られてある建物があるが、その横に金星湯がある


▲なので一度左折して

▲右にすすみブルーメッシュを目指す

▲そのブルーメッシュの左横に進むと

▲金星湯がある




▲なんとも昭和チックな置物


▲ユニークなのれんだ


扉をあけると、ここはふつうの銭湯と比べちょっと変わったところである。
入ってすぐ右のところが受付で、対応してくれたのは50代ぐらいの男性。
のれんにはスキンヘッドの高齢男性が描かれているが、おそらくお父さんのほうか。息子さんはまだだいぶ髪があるほうだった。愛想こそそんなにないものの気さくで感じの良い人だった。
「貸しタオルありますか?」と訊ねるとすかさず手を伸ばして出してくれて、千円札を出すとお釣りは450円。
東京の銭湯が550円に値上げして初めての銭湯だった。それまで神奈川県が日本一高かったが、すかさず値上げして銭湯料金日本一に返り咲いた。


ここが面白いのは、フロントまわりがカウンター席に囲まれ、飲食することができることだ。
日曜日の午前中に限りモーニングをやっている。どんな味なのか気になる部分もあるが、そこまで期待する気持ちにもなれず(専門店じゃないので)今回は午後にたずねた。
幸いなことに(?)、この日は日曜日だったが急遽モーニングは出せないと張り紙があって、朝からこなくて正解だった。モーニング目当てに来てたらガッカリしただろう。




そのカウンター席を通り過ぎた奥に銭湯の入り口がある。
左が女湯で右が男湯。




のれんをくぐると、左側と手前に靴箱がある。
やや雑然とした印象を与える脱衣場で、縦長の空間になっていた。
真ん中には小さなテーブルが二つ重なって置かれ、白いベンチがある。


ロッカーは左右の壁際に並び、ロッカー自体はすこし小さいかなという印象。
奥の右にトイレ。その横に非常口と書かれた扉があるが、その目の前にマッサージチェアが置かれてあった。
ところで銭湯とは直接関係ないのだが、夏は来る途中で汗が止まらず、銭湯で汗を流しても着る時にTシャツが汗くさくていつも嫌な思いをしていたが、最近になってクエン酸のすずき洗い専用を使ったら汗を流しても汗くささが消え、これなら銭湯であがっても嫌な思いをしないで済むと意気揚々とやって来た。
そして金星湯でタオルを借りたら、かなり生臭く、汗を流したのに臭いがついてしまった。
無料だったので文句を言えた義理ではないが、夏はやはり臭いまま帰る宿命だったようだ。


服を脱いだあとに浴室の扉をあけると、思いの外そんなに広くはない印象の浴室になっている。
真ん中に島カランがあり、ほかには左の壁沿いにも並ぶが、右側は手前側に立ちシャワーが2つ、左の手前に立ちシャワーが1つ。ただし右側はお湯のシャワーのみで、水を出せるのは左手前の立ちシャワーのみだ。別々に2つのヘッドがついていた。

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲受付周りの派手なカウンター席と比べると、対照的に白を基調としたシックな装い


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらはおそらく女湯


浴槽はいちばん奥にあって、ほぼ真ん中だけど左寄りに設置してある。
浴槽の中は左右に分かれ、左側がジェットバスで浅浴槽。ただし、ひとつのジェットバスがほぼ壊れていた。
右側が深浴槽で、座湯が2つ並ぶ。奥行きがあるので座るタイプだけど寝湯みたく体を預けて寝てる人がいた。
温度は45℃ぐらいで、けっこう熱い。最初は躊躇しだが、死ぬ温度じゃないと覚悟して肩まで漬かるものの、やはり刺激の強さで一度出てしまった。


通路を隔てて右側に水風呂がある。こちらの水風呂は蛇口から水が出っぱなしで、チラーとかで冷やしてるタイプじゃないだろう。なので手をつっこんでもそんなに冷たくないと感じた。
通路の奥には扉があるが、おそらくサウナだったものが壊れてそのまま放置されてるのだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲いまは亡きサウナ


壁絵は、絵というよりも飾りみたいな感じでささやかにヨットとカモメの絵がタイルに描かれている。
意識しないと見逃してしまう程度のものだ。


客層は最初こそ高齢者ばかりかと思ったが、ちらほら若手の人を見かけたのと、先ほどの途中で祭りをしていた人たちがドッと押し寄せてきて、若い人が一気に増えた。
見るからにヤンチャそうな人たちで、外に出たときは倉庫で使うフォークリフトに本来一人用のところを何人も乗って走っていた。


東十条というと土地勘はまったくないのだが、けっこう下町の雰囲気を残しており、ここは元々おおくの銭湯が密集していた地帯だった。今はいくつもの銭湯が廃業してしまったけれども、その生き乗りのひとつが金星湯である。

▲東十条の南口近くに地蔵湯というのがあったが、いまはマンションになってしまった


▲お地蔵さんは残ってた


客層は地域に根ざした人たちが多いのか、受付の近くではみんなで和気あいあいと話し合っててにぎやか。女湯からもたえず声が響き、銭湯の理想的な風景という感じである。
こうした老舗ながらも、半分は喫茶店のような作りで日曜日はモーニングをやってるなど、レトロとユニークさを掛け合わせた面白い銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 東十条
経路 線路沿い
周辺の環境 住宅や公園

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 ヨットやカモメのタイル絵
統一感 あり
置物 カウンター
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 ちょっと雑然としてる
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 薬湯、ジェットバス、座湯、水風呂
サウナ なし
温度 45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 親しげ
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 50代ぐらいの男性
客層 幅広い年齢層


【案内】

住所
〒114-0002
北区王子4−1−3

電話番号
03-3919-1637

アクセス
東京メトロ南北線「王子神谷」駅下車、徒歩5分

休日
金曜

営業時間
15:00−25:00、土曜15:00−22:00、日曜・祝日8:00−12:00、15:00−22:00

※東京銭湯ホームページ転載