#竹の湯
2025年3月31日閉店



京成押上線
#四ツ木駅

▲四ツ木駅

▲スカイツリーのある押上から三つ目。ちなみに住所はひらがなの「四つ木」であるが、駅名はカタカナの「四ツ木」。江戸時代は四ツ木で、昭和39年から四つ木表記のようだ

▲そして降りてビックリ!


▲キャプテン翼のラッピングがところ狭しと張られてある

▲階段を降りてもこんな感じ。狂気に近いフルラッピングである

▲キャプテン翼の像。ここ四つ木は原作者である高橋陽一の出身地。それに乗じてなのか駅にとどまらず街のいたるところにキャプテン翼関連がある

▲改札口

▲外にでると

▲目の前にファミマがあるが

▲こんなところにボールがめりこんでいる。もちろんキャプテン翼の世界観をあらわしている

▲改札口をでたら右に進む(左からでもいける)

▲通りにでたら左

▲線路に沿って立石方面に歩き


▲ここで左の高架下を進むのであるが

▲ちょっと奥をみると

▲キャプテン翼の古参にして主人公の相方として有名な石崎了の銅像がある

▲石崎了の実家は銭湯で、石乃湯という名前なのだが、そのモデルとなったのがこれから向かう竹の湯である

▲先ほどの高架下を抜けると

▲そのまま真っ直ぐ進む

▲ここで右折

▲奥に四つ木公園があるが(キャプテン翼と日向小次郎の像がある)

▲その手前の左の道にすすむ

▲古典的な下町の風景である



▲奥の突き当たりにくると

▲右に曲がれば

▲竹の湯の入り口に到着



開店前に到着すると、年配の女性が一人でベンチに座っていた。開店前にしてはかなり早い時間帯。
「写真撮ってるの?」と言われて「そうなんです」と返事をしたら、「各地の銭湯を写真撮ってるの?」とふたたび聞かれて「そうです」と答える。
それをきっかけに世間話をしたのだが、閉店の理由を知ってますか?と尋ねると「引き継ぐ人がいなくて借りてるらしいのよ」とのこと。借りてるというのがよく分からず、「借地なんですか?」と聞くが詳しくは知らない様子で、「人から聞いた話だからどこまで本当か分からないじゃない」という。おっしゃる通り。
下町の女性らしくざっくばらんとした話しぶりで、色々と楽しかった。
ちなみに「ここは温まるのよ」と太鼓判を押していた。わざわざ自宅から20分かけて歩いて来ているらしく、よほど竹の湯が好きだったのだろう。
再び訪問したときは16時頃だったが、おなじベンチで帰り支度をしている最中だった。「早いですね」と言うと「毎日入ってるわよ」と返事。次はどこに通っているのだろうか。
靴をあずけて中に入ると、すぐ目の前が奥行きのある小さな休憩所で、右にフロントがある。
座るのは恰幅が良い、白髪の80代ぐらいの男性。
「こんにちは」と挨拶して「貸しタオルありますか?」と聞くと「え?」と聞き返される。こういう時にあった試しがない。
「買い取ってもらうタオルならあります」ということで、購入することに。この手のタオルには基本的に使い切りのシャンプーなどもついているが、フェイスタオルだけだった。ただ、浴室に備え付けがあるので問題なし。
女湯は左側で、男湯は右側。

出典:東京銭湯ホームページ引用
脱衣場は、昔ながらの作りであるが、やや横長で島のロッカーが2つ横に並び、手前の壁沿いにもある。
左には坪庭と縁側があるが、かなり殺風景な様子。縁側に立つと奥のマンションから丸見えである。


浴室に入ると閉店を前日に控えてなのか、かなり人で溢れていた。
浴室の全体をみると、島カランがふたつ。ただし左が一面鏡に対して、右は鏡が個別に一つひとつ付いてる。
右の島カランは後ろがなにもついていないので、そのためか。

出典:東京銭湯ホームページ引用
左右の壁にもカランが並ぶが、右壁がメインで左壁は手前にサウナがあるので数が少ない。カランの出は勢いがあり使いやすかった。
立ちシャワーは左手前に2つ。簡易的な仕切りで、こちらも良好。

出典:東京銭湯ホームページ引用
左の手前側に、今時にしては珍しく追加料金なしのサウナがある。
入り口横には座るときに使う尻敷きパッドが置いてあるが、浴室の入り横にも尻敷きパッドがあった。それらは私物なので使わないで下さいと書いてある。私物の尻敷きパッドが置いてあるところは、後にも先にもここしか見たことがない。
サウナの中はかなり小さく、6人が入ればみっちり。そのみっちり状態がずっと続いていた。そのために常に中を覗く人が続出。誰か一人抜けるとすかさず誰かがすぐに埋めていた。
温度かなり低めで、90℃あるかないかぐらい。長期戦になるので、それだけみんなしぶとく入っていたのだろう。
湯船は浴室の奥にあって、3つに分かれている。
左にあるのは水風呂で深浴槽仕様。バイブラらしきものもあり、水温は20℃ぐらいとぬるめ。
真ん中は浅浴槽で、水まくらがあったが冷たくなかった。
最後の右が深浴槽の座湯。
真ん中が43℃ぐらいで、深浴槽が44℃ぐらい。右は気持ち高め程度だ。

出典:葛飾銭湯ホームページ引用
これで終わらず露天風呂もあった。
浴室の左に扉があるのだが、外にでると目の前は外気浴のスペースになっていて、小さなイスが3つ並ぶ。
右にやや大きめの露天風呂。といっても詰めれば5人は入れるだろうが、通常なら3人ぐらいか。
温度は41℃前後とゆるめで誰もが入れる温度だった。ここも人気らしくひっきりなしに人が出入りしていた。

出典:東京銭湯ホームページ引用

出典:葛飾銭湯ホームページ引用
このようにコンパクトながら設備が充実していたので回遊性が高く、気が付けばけっこう長居していた。人が溢れていたのはそのせいもあったかもしれない。
壁絵はペンキ絵で富士山を描いていたが、ここが面白いのは下側部分にかかれてあったことだ。通常だと、上の部分ににかかれてあるので、基本的に仰ぎ見る形になるが、竹の湯に限れば湯船に入ると目の前にペンキ絵がある。
ペンキ捌きなどがじっくりと近くに見ることが出来たので、かなり珍しい。
天井は水色に塗られて、湯気抜きは高く、古典的な宮作りの風景。
客層は高齢者ばかりではなく、外国人がいたり、サウナハットを被ってる若い人がいたり、幅広い人たちから支持された銭湯のようだった。
ところで興味深いのは、これだけ街ぐるみでキャプテン翼の人気にあやかっているのに、キャプテン翼のモデルとなった竹の湯には、そのような関連したものがまったく見られなかった。
ふつうは興味がなくても集客に利用しようとするものであるが、そこには頼りたくない矜持があったのか。
勝手な推測だけど、本来の仕事をきちんとしていれば客はちゃんと来るという信念があったのかも。
事実、かなりの客が集まり、多くの人たちから支持された銭湯だった。
これだけ人気がありながら閉店となってしまうのは残念であるが、経営者の高齢化と後継者不足の問題はどの銭湯も抱える問題である。これからは今まで以上に多くの銭湯の閉店を見届けることになるだろう。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 四ツ木
経路 四つ木公園の裏手まで行く
周辺の環境 四つ木公園、住宅
●空間演出
建物外観 昔ながらの作り
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう
★設備
休憩所 きれい
脱衣所 広め
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 水風呂、バイブラ、座湯、露天風呂
サウナ あり
温度 41~43℃
棚 なし
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル なし(購入120円)
備え付け あり(入り口手前にまとめて置かれてあった)
◆人
受付 80代男性
客層 高齢者がメインながら若い人も
【案内】
住所
〒124-0011
葛飾区四つ木1−16−10
電話番号
03-3697-5317
アクセス京成押上線「四ツ木」駅下車、徒歩3分
休日
水曜
営業時間
15:15~23:30
※東京銭湯ホームページ転載
最近、キャプテン翼の銅像巡りの時に訪ねたばかりなのに、残念です。
以前有った大きな煙突が無くなっていて、熱源変換して営業を継続するのだとばかり思っていました。
遠くから車で来てる客が多い雰囲気だったけど、益々遠くの銭湯へ行くしかないですね。
銭湯難民が増えますねえ、、
先月末で閉店してしまいました。
煙突があったんですね。たしかに訪れたときはみかけませんでした。もしかしてまだ営業を続けるつもりだったかもしれませんが、経営者の方がかなりご高齢だったので、限界を感じたのかもしれません。
開店前のときに待っていた年配の女性も、このあたりの銭湯はほとんど閉店しちゃったのよと嘆いてました。
近くにはまだ寿湯というのがありますが、そこも経営者がそれなりの年配の方だったので、いつまで続くかという感じです。
おはようモンモン‼️うわあ モンモンね
よくとうきょうスカイツリー駅とか 曳舟には行くんですがね
この四ツ木駅には 降りたことなかったですわあ!
以下引用
❤️石崎了の実家は銭湯で、石乃湯という名前なのだが、そのモデルとなったのがこれから向かう竹の湯である❤️
ええーそうでしたか?知らなかったわあ!
駅前のコンビ二の食い込んだボールもめっちゃ面白いですねえ!
皆様から愛されている銭湯の閉店 心苦しいですね!クラウドファンディングとか 何か
上野の寿湯♨️の方に相談したら 後継者見つかった鴨ですが きっとプライドとか方針とかあったんでしょうねえ!
座っても見える低い位置の富士山🗻首が楽ですね!素晴らしい記事有難うございます♪
四ツ木は、自分も初めて降りました。周囲の駅と比べてなにかある場所ではないですからね。
しかし何も知らなかった分だけで、こんなところがあったんだ!と驚きました。
駅前のコンビニも面白いですよね。
銭湯にもそれぞれ事情があるので、どうして閉店するのか分からないですけれども本当に勿体ないと思いました。ただ、古い建物は維持するとなると結構お金が掛かるらしいので、そのあたりで断念した部分もあったかもしれません。
今朝のネット記事で、大阪の銭湯だと閉店して解体作業の相談をしているところ、たまたま通りかかった病院経営者がちょっと待った!と声をかけて1000万円を投資して営業を再開したそうです。竹の湯にもそんな漫画のような話があれば良かったのですが…。