銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

漫画の聖地―トキワ荘ミュージアムを訪ねる

2021-09-28 06:48:00 | 博物館







今回は、東京都の豊島区にあるトキワ荘ミュージアムに立ち寄ってきました。
トキワ荘といえば漫画の黎明期を築いた巨匠たちの集った場所であり、「マンガの梁山泊」と呼ばれたところでもあります。
学童社の関係者が自社雑誌に掲載する作家を次々とトキワ荘に住まわせたことからこのような状況になったらしいのですが(一カ所に集めたほうが漫画を回収するのに効率がよかった?)、それだけ才能を見極める慧眼があったということでしょう。
元のオリジナルは建ててから30年経過して老朽化により解体され、それを偲んで当時と同じような形で新トキワ荘が2020年に再現されました。
常設展だと無料なのですが、このときは「手塚治虫のジャングル大帝」をテーマにした企画展があったので入場料500円を徴収されました。



最寄り駅は都営地下鉄の落合南長崎駅で、歩いて5分ほどで到着します。
都営地下鉄は2000年代に出来た新しい路線なので、当然ながらトキワ荘に住んでいた当時の漫画家たちは西武池袋線の椎名町駅を利用していました



公園の囲いはマンガらしいフォントで彩られています



こちらは丹頂型電話ボックス。昔はこうした公衆電話を使って編集者と連絡を取り合っていたようです



ミュージアムのある場所は公園になっています



トイレもマンガ仕様





こちらがトキワ荘を再現した建物です。各所にエイジング(古く見せる演出)が施されており、昔の古いアパートを訪ねた気分にさせてくれます


入り口に入るとスタッフがおり、予約の有無を尋ねられます。予約したメールを見せると番号と名前を確認してもらい、靴を脱いで中に入ります。
こちらは土足禁止で素足もダメです。かならず靴下を履いて来場しましょう。
チケット売場でお金を支払うと、企画展の場合はチケットと記念バッチがもらえます。
最初の順路は階段を上った先にあるのですが、作りがしなやかで鳴り響くようになっています。
かつて手塚治虫が住んでいた頃に階段の音で誰が来たのか分かったというエピソードがあって、それを忠実に再現したものと思われます



最初に上った先がトイレ。ちなみにここは撮影が許可されたところとダメなところがはっきり分かれているので、今回は許可された部分しか撮影していません





トキワ荘の特徴は、トイレが二階にあったことです。排水路が一階まで一気に下るので、大の方をするとガシャーン!という音がしたとか。手塚治虫の漫画だと、ベランダから立ちションベンするなんてこともしていたようです



こちらは共同炊事場。レジェンドたちが顔を合わせて料理をしていたことを想像するとなかなか凄い光景です。
ちなみに原稿料はそんなにもらっていなかったらしく、銭湯代を浮かすために赤塚不二夫などは流し台で体を洗っていたとか







こちらは手塚治虫や藤子不二雄Aや藤子・F・不二雄が暮らした部屋です。
ここのトキワ荘に最初に住み始めたのが手塚治虫です。
もともとは四谷にある八百屋さん(いまは甘栗太郎があるところ)の二階を下宿にしていたのですが、昼夜問わず編集者が来るため文句を言われ、このトキワ荘を紹介してもらいました



こちらは鈴木伸一や森安なおや、よこたたくおの部屋







この小綺麗な部屋は、水野英子。日本で初めて恋愛マンガを書いた人として知られています。トキワ荘では紅一点でした







山内ジョージの部屋。もともとここは石ノ森章太郎が仕事用に借りていた部屋なのですが、それをアシスタントの山内ジョージに住まわせました。手前の映画フィルムは石ノ森章太郎の物だそうです。とにかく漫画家はみんな映画が好きだったみたいです







ほかにも写真では撮影できませんでしたが、トキワ荘にまつわるエピソードなどが多く掲載されていて、椎名町(いまは南長崎に改名)に関係する話、それと以前は近くに鶴の湯(平成3年に閉店)というのがあってトキワ荘の住人たちはよく通っていたそうです。
今では信じられませんが、昔は300メートルごとに銭湯があったとか。特にこのあたりは銭湯の数で群を抜いていたそうです。それだけ風呂なしのアパートが多かったからなのでしょう


今回訪れたときは手塚治虫のジャングル大帝に関する特別展がありましたが、手塚治虫にまつわるエピソードも面白い話が沢山あって、とくにワガママに関する逸話はネタの定番になるほどです。
このあたりは秋田書店ででている「ブラックジャック創作秘話」に詳しいのですが、真夜中に突然スイカが食べたいと言い始めたり、六本木のコンソメスープが飲みたい、スリッパがないと漫画が描けない、差し歯がなくなった(どうやったら無くすのか?)等々。もはや難癖に近いワガママですが、極めつけは当時アシスタントをしていた寺沢武一の話です。
夜中にひとりだけ残されて仕事をしていると、手塚治虫から声を掛けられて「赤いきつね」を買ってきてくれと言われます。寺沢は近くのお店で買ってこようとすると、「下北沢の赤いきつねじゃないとダメなんだ!」と駄々をこねられたとか。もはや理解を越えた要求ですが、こうしたエピソードに関して同じくアシスタントをしていた池原しげといわく、人払いのためだったのではないかと推察しています。
たしかに赤いきつねが下北沢の売ってる物じゃないとダメだというのは一般常識のある人間の発言とは思えないし、それだと納得する部分が大きいなと思いました。
とにかく抱えた仕事量が膨大で常に睡眠不足でたえず人にまとわりつかれる状況だったので、完全に一人の時間がほしかったのかもしれません。

 
漫画の神様と呼ばれ多くの人から敬愛された手塚治虫ですが、若い才能ある漫画家には臆面もなく張り合ったり、意味不明な駄々をこねたり、チョコレートが大好きだったり、つねに子どもっぽいところがあり、そうしたところが手塚治虫の魅力でもありました。
漫画への執念と才能ある人間への対抗心、人への異常なまでの気遣い、アイデアが常に尽きないなど掘り下げれば下げるほどおもしろい人物です。









飛鳥山温泉(東京・飛鳥山)

2021-09-25 07:28:00 | 銭湯 温泉
#飛鳥山温泉







都電荒川線
#飛鳥山駅


都電荒川線の飛鳥山駅。文字通り、飛鳥山が目の前にある駅だ




▲地図をみると今ここ。左に王子駅がみえる。王子駅は北区の中心地だ。区全体で渋沢栄一を題材とした大河ドラマを推している。緑の部分が飛鳥山だが、ここに晩年まで渋沢栄一が住んでいた


▲首都高中央環状線の右側にあるバンバ(馬場)商店街の入り口そばに飛鳥山温泉がある


▲だいたいここらへん


▲さっそく飛鳥山方面に戻る


▲左の踏切を渡り


▲渡ったところ。写真では見切れているが、右側に飛鳥山がある


▲横断歩道を渡り


▲左折したところ


▲しばらく真っ直ぐすすむ




首都高中央環状線がみえてくる




▲セブンイレブンと商店街の入り口が視界に入ってくる




▲銀河鉄道999で有名な松本零士の手がけるオリジナルキャラクターまでいる商店街なのだが


▲閑散としてる。あまり活気がない場所のようだ


ちなみに東京銭湯に掲載されてる写真と比べてみると


出典:東京銭湯ホームページ引用
いまのセブンイレブンが酒屋さんだったことがわかる


▲分かれ道を左に行けば、すぐ目の前に飛鳥山温泉がみえてくる


▲入り口


▲マンション銭湯のようだ


▲コインランドリーも併設している


▲裏側をみると煙突がないのでガスで沸かしているのだろう


▲入り口の案内




▲100%地下水を誇る


▲到着


▲入って左に進む


▲足元にあるのは、北区の銭湯協会が作成したゆるキャラのゆきたん


中に入ると、目の前には想像していたよりも広いロビーが横長に続き、その右端にフロントがあった。
受付に座るのは50代半ばぐらいの男性。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると「はい、ありますよ」とすぐに出してくれて「下駄箱の鍵をお願いします」と言われる。タオルにはタグが乗っかっていて、「返すときにこれと一緒に返してください」と説明された。
ここは端末があって電子マネーも使える先進的なところだ。
「電子マネーでお願いします」と試しに頼んでみると「なんですか?」と聞かれたので、「Suicaでお願いします」と答えたら店主はめがねを外して端末を操作してくれた。電子マネーに限ってレシートをくれる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


男湯が左側で女湯が右側。
のれんをくぐると、さっそくマンション銭湯特有の小さな階段がある(天井の高さを確保するためだろう)。


脱衣場はやや古い趣を感じるものの清潔感があって、きちんと手入れがされてることが分かる。
真ん中に座るテーブルがあって、左側の壁にロッカーが並ぶ。奥側には縦長のロッカーがみえた。こちらはサウナ専用のロッカーだった。


扉をあけて浴室に入ると、第一印象は清潔感ある浴室という印象だ
レイアウトは右側が浴槽で、左がカラン。カランは横列に並ぶ。
右手前には立ちシャワーがある。
入り口すぐ左には備え付けがあるので、それを使うことができる。
カランの設備はみんなしっかりしてて、不備を感じることはなかった。基本的に清潔感があるところは設備もしっかりしてると言えるだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽はくわしく見ると、手前(右)側にひとつだけ座湯。水枕があり、優しいジェットバスが噴出している。
その奥(左)にはなにもない広い空間で、奥には電気風呂。この電気風呂はなかなか刺激が強く、感電するような感覚を味わえる。
いちばん端っこがジェット関連で、ジェットバス、ハイパージェット、座湯と右から並んでいた。
温度は42℃ほどとちょうどいい案配。この日は夏だけど涼しかったので、とても気持ちよく入れた。


主浴槽の奥にサウナがあり、こちらは別料金で6人ぐらいが入れそうだったが、4人までと書いてあった。
浴室の左奥(つまりカランの裏側)に水風呂。こちらは18℃前後ぐらいの水温になっていて、詰めれば4人は入れそうなスペースだ。


そしてここの目玉は露天風呂だろう。
いちばん奥の扉を開けると、中々こだわりを感じさせる露天風呂が出迎えてくれる。
重厚な作りの屋根があり、湯気抜きの天井が手前と露天風呂にふたつ空いている。
手前の湯気抜きは椅子が2つ用意されていて、ちょうと雨が降っていたので天然のシャワーを浴びながら体を冷やすことができた。


露天風呂はやや変わった作りで袈裟がけように段差がつけられ、左が少しばかり深くなっている。深いところに石が三つ並べられ座れるようになっていた。
壁に貼られたポスターをみると、バドガシュタインの鉱石を使ってるらしく、その効能はアルファ線が抗酸化作用を防いでくれるそうだ(どこまで効果があるかは不明だが)
温度は40℃と誰でも入る温度だった。


こんな感じで際だった設備はないものの一通り揃っており、温度も適温なので万人向け。なによりも地下水なのがいい。地下水独特の匂いがあり、柔らかい肌感覚を味わうことができた。地下水を温泉と呼べるかどうかは人によって解釈が分かれるだろうが、全体的に質の高い銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 飛鳥山
経路 西へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 ゆきたん
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、電気風呂、ボディジェット、ハイパージェット、水風呂、露天風呂
サウナ あり
温度 40~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け あり

◆人
受付 50代の男性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒114-0023
北区滝野川2−43−2

電話番号
03-3910-1380

アクセス
都電荒川線「飛鳥山」駅下車、徒歩5分

休日
火曜

営業時間
14:30−24:30
日曜は13:30より営業

※東京銭湯ホームページ転載

東芝未来科学館ー世界をリードした物作り企業

2021-09-23 06:19:00 | 博物館





基本データ
2021年4月~

開館時間火~土 9:30~17:00

休館日
日曜日・月曜日・祝日・特定休館日

入館料
無料(事前予約制)

〒212-8585
神奈川県川崎市幸区堀川町72番地34
スマートコミュニティセンター(ラゾーナ川崎東芝ビル)2F


以前から行きたいと思っていた川崎にある東芝未来科学館に行ってきました(訪れたのは6月下旬頃です)。
なぜ東芝の企業博物館が川崎にあるのかといいますと、もともと東芝は東京電気株式会社と芝浦製作所が合併した会社で、その前身である東京電気株式会社が川崎を拠点にしていたからです。
東芝の中央研究所もこの川崎に作られ、多くの時代を切り開く家電製品がここから生まれました。



JR川崎駅です。中央改札口をでると



左にラゾーナがあります。



そのラゾーナに向かった途中の左手に東芝未来科学館への道があります。



テスラを横切り



もう東芝の建物です。



エレベーターで下ると入り口があります。



横には東芝ラグビー部の映像。ラグビーファンから言わせると、東芝といえばラグビーです。日本代表のジャージにもTOSHIBAのロゴが入ってます。
入り口では女性スタッフが立っていて案内してくれます。
とにかくここのスタッフはプロ意識が高く、接客の素晴らしさに震えました。
受付では予約した際の番号(メールに登録されている)を確認してもらってゲートを通ります。



最初に目に飛び込んでくるのが、体験ゲーム。ここはゲーム要素を強くして子どもでも楽しめる工夫がなされています



最初の順路が東芝の歴史。もともと一番興味あったところです。



東芝は創業者が2人いて、そのうちの1人が田中久重。元々からくり人形を作成していた人物です。







のちに実用性のある商品を開発していきます。それが芝浦製作所へと発展していくのでした。





もう1人の創業者が、藤岡市助。白熱電球を国内ではじめて作成することに成功させた電気の父と呼ばれた秀才です。学業も非常に優れた人だったようです。







白熱社を作り、やがて東京電気株式会社に至ります。のちにマツダランプというブランドを作ります。



そしてここからが凄い。東芝が作ってきた数々の品。日本初はもとより世界初の製品もあって、東芝がいかに偉大な企業であるか知ることができます。



日本初の発熱電球。



日本初の扇風機。



日本初のエックス線。



日本初の洗濯機。



初期の頃なので仕方ないと思いますが、この形状だと洗濯物を相当痛めたのではないかと思います。



日本初の冷蔵庫と掃除機。





やがて会社が合併して東芝が誕生します。



日本最初の蛍光灯。



白黒テレビとブラウン管メモリ。



最初は画面がこんなにちっちゃかったんですね。7インチほどで、いまのスマホとそんな大差ない画面の大きさです。



やがて進化していきます。



こちらはなにか分かるでしょうか?



なんと日本初の電子レンジ。でかっ!
これはちょっと大きすぎて一般家庭の台所には置けない代物です。



日本初のマイクロプログラミングコンピューター。いよいよ情報製品が発明されていきます。



ようやく今の大きさと同じぐらいの電子レンジが作られるようになります。


驚いたのがこちら。左にあるのが世界初のインクジェット式ファクシミリ。従来は感熱紙だったらしく、今のプリンターの原型と呼べるものではないでしょうか。



そして日本語ワードプロセッサー。今では当たり前となった日本語入力の嚆矢となった商品です。



世界初のラップトップパソコン。





世界初のノート型パソコン。東芝はいまのモバイル機器の基礎をほぼ作った会社といえそうです。



世界初のNAND型フラッシュメモリー。世界に先駆けてこれを作ることができたのは日本の誇りだと思います。



世界初のDVDプレイヤー。この手はてっきりソニーあたりが最初に作ってると思ってました。


ここまでが東芝が一番最初に作った商品の数々です。こうして見ると、いかに東芝が日本をリードしてきたのかよく分かります。



そして、次は現在の作っているものになります。未来科学館とうたっているように、製品紹介だけでなく科学的な原理も分かるように解説してあり、純粋な科学館としても楽しめる場所です。







発電の仕組み。





蒸気タービン用ブレード。なかなか見ることができない品物。







こちらはオゾン発生装置です。





昔の水道水は、カルキ臭いとか評判がさんざんだったのですが、オゾン発生装置を使用するようになると、美味しいと言われるようになります。
有機物や臭いを分解するため、従来と較べて水質がだいぶ良くなりました。いまやミネラルウォーターと較べても遜色ないぐらいです。









重粒子線ガン治療機器。



かなり大がかりな製品です。





そしてこちらは面白い。



みなさんが日々お世話になってる半導体の素材です。加工前のインゴット(シリコン)になります。



インゴットを作るための材料



原料です。



このインゴットを作り輪切りにします。



こうなります。



それに回路を焼き付けてエッチングしてアルミニウムで配線してチップの形に切り離してフレームを装着して半導体のできあがりです。



こんなレースゲームもあります。



光の原理を解説したもの。








東芝というと今は粉飾決算やラグビー部の低迷など残念イメージでしたが、現在でもインフラに関して重要なものを沢山作っており、なによりもその足跡は世界に先駆けて発明してきた偉大な会社でした。



羽衣湯(東京・西新宿5丁目)

2021-09-21 07:19:00 | 銭湯
#羽衣湯






都営地下鉄大江戸線
#西新宿5丁目駅

▲西新宿5丁目駅。隣は都庁前である


▲こんな場所にある






▲エスカレーターをのぼり




▲改札口


▲地図をみると


▲上方向に進む


▲出口A1から出よう






▲エスカレーターであがり


▲地上に到着


▲左に進む




▲ここでストップ


▲左に曲がる


▲まっすぐ進んで








▲分かれ道があるが


▲奥左に曲がる(お茶屋さん前を過ぎる)


▲そして再びまっすぐ進み




▲柳を通り過ぎて


▲八百屋さんを横切ったら




▲突き当たりを左に向けば


▲羽衣湯がみえてくる。ここはとにかく左に曲がって到着する






▲到着


入り口の扉は開いたままだった。どうやらコロナ対策で換気をよくするための措置らしい。検温器も置いてあり、手をかざして自分で体温を計る。



下足箱にサンダルを預けて左側の中に進むと、すぐ右手に受付のフロントだ。




出典:東京銭湯ホームページ引用


座るのは60代ぐらいの女性。感じのよい対応をしてくれた。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると、「バスタオルとフェイスタオルがありますが?」ということで、「フェイスタオルだけお願いします」と返答。「20円になります」と言われ、合計で500円。
東京の銭湯は、2021年8月1日から入浴料が480円になった。
最近は値上がりの間隔が短くなってきたので、そのうち500円になるのも時間の問題かも。お金を払う時は下駄箱の鍵を渡すように言われ、ロッカーの鍵と交換する。ロッカーは指定できない。


フロント前には物販の棚がおいてあり、お菓子が沢山並ぶ。
とにかくここは漫画本が充実してて、壁一面に漫画が覆われている。風呂あがりにお菓子を食べながら漫画を読むのは至福の時間だろう。
漫画のラインナップは古いタイトルが中心だが、有名どころをしっかり押さえている印象だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


ここは男女入れ替えがあるらしく、前回は左側だったので今回は右側に行きたかったのだが、残念ながらこの時も前回同様に左側だった。
のれんをくぐると、この手のビル銭にしてはかなり広めで、スペースに余裕がある。
左壁にはロッカーが並び、真ん中には島のロッカーがある。右側には鏡台。ドライヤーは有料タイプなので使う場合は10円玉を用意する必要がある。
真ん中にはテレビと椅子がおいてあり、ここでもテレビを鑑賞することができる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


服を脱いで奥に進むと、扉は大きな引き戸になっていて、そこを抜ければ目の前に洗濯機があり、左に階段が続く。
階段はかなり広めで、マンションにありそうな作りだ。
前に来たときはカビ臭かったが、この日はまったくそうした不快臭を感じなかった。


のぼりきると、最初に目に飛び込んでくるのが立ちシャワーで、3つある。その右手がサウナ利用者の休憩スペースで、覗いただけだがかなりの広め。
左に向くと、浴室が続いている。


右壁のところは浴室の奥までずっとカランが並ぶ。ここは外観から見ての通り曲線を描いた室内なので、ずいぶんと変わった構造の銭湯だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用

最初の湯船が手前左側にあり、これが主浴槽と呼べるもの。
詰めたら5~6人は入れそうな湯船で、前から真ん中に掛けて深くなり、また奥が浅くなる複雑な作りをしてる。
これだけでも経営者の強いこだわりを感じる。この湯船の奥は電気風呂だった。温度は42℃と温度計で表示されてあったが、肌感覚としてもそれぐらいか。


そこから奥に進むと、今度は左側に塩サウナがある。見た感じだと決して広くはないが、3~4人は入れる空間か。


出典:東京銭湯ホームページ引用


その隣に通路を隔てて水風呂。水風呂のところは19℃と表記してあったが、手を入れてみたところもっと冷たいように感じた。こちらはギリギリ3人が入れるぐらいの広さである。
さらに浴槽は続き、その水風呂の奥にあるのがジェット関連の湯船。
手前側には座湯があり、その真ん中は深浴槽になってステンレスからジェットバスが噴出していた。通常だと壁の中に組み込まれているが、これは後付けされたものだったのか。最後は奥にあるのがウキウキ風呂(浮き風呂)。寝湯に下からジェットバスが噴出して体が浮く(らしい)のだが、いろいろ姿勢を変えても浮く気配がない。
ジェット関連の湯船は42、3℃ぐらいと、こちらも誰もが入れる温度設定だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


そしてここで特筆すべき点は、ビル銭なのに露天風呂があることだろう。
先ほどのサウナと水風呂の間にある小さな通路を通ると、ちょうど真ん中に位置する場所に露天風呂のスペースがある。さすがに狭いけれども、譲り合えば3人ぐらいは入れる広さだ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


露天風呂の壁には他の銭湯では絶対に見かけない注意書きがあり


お客様へ
LGBTを支援応援してくれている
企業集団行政学校個人を裏切る
行為行動言動
は行わないようにお願い致します


と良心に訴えかける文面が英訳とセットで告知されてあった。
ここは同性愛者のハッテン場(出会いと愛を確認しあう場)として有名なところで、つい最近だと同性愛者同士が露天風呂で一線を越える行為に及んでしまったことから警察に通報されるという事件があった。
問題がテレビのニュースで報道されたせいか、久しぶり来てみるとあからさまな感じの人はいなかった気がする。
ただ本能的な欲求を倫理的な言葉で防止できるかというと難しいだろう。
今後とも経営者と客との攻防は続くと思われる。

もう一つここの特徴としては挙げたいのは、若者が多いことだ。
通常の銭湯だと高齢者がほとんどでたまに若い人を見かけるぐらいだが、ここは反対に若い人がほとんどで、高齢者が少しいるぐらい。ほかの銭湯と比べてまったくの正反対である。


羽衣湯は昨年度ほどリニューアル工事で休業しているが、それから来てみた印象としては外見はなにも変わっておらず、おそらく水回りだけを修繕したのかもしれない。
全体的にみるとやや古さは認められるが、使いやすさや設備の充実ぶりなど新宿周辺では随一の銭湯である。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 西新宿5丁目
経路 住宅街へ
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 漫画
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気風呂、水風呂、露天風呂、座湯、ハイパージェット、浮き風呂
サウナ あり
温度 41~42℃
棚 あり
男女入れ替え あり

■サービス
接客 しっかりしてる
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け あり

◆人
受付 60代の女性
客層 若者中心に高齢者など


【案内】

住所
〒151-0071
渋谷区本町3−24−20

電話番号
03-3372-4118

アクセス
都営大江戸線「西新宿5丁目」駅下車、徒歩4分

休日
金曜

営業時間
14:00−25:30
日曜は13時から営業

※東京銭湯ホームページ転載

宿河原浴場(川崎・宿河原)

2021-09-18 07:51:00 | 銭湯
#宿河原浴場

・駅近
・駐車場完備
・昔ながらの銭湯





JR南武線
#宿河原駅

▲南武線の宿河原駅。立川方面へ向かうと武蔵小杉を少し過ぎた先にある駅だ








▲出口に向かい


▲改札口を抜けたところ

▲目の前にはローソンがあるが
 

▲コロ助とか


▲パーマンの絵が描かれている


▲それもそのはずで、こちらは藤子・F・不二雄ミュージアムの最寄り駅の一つだからだ
 





▲地図をみると藤子・F・不二雄ミュージアムは上にある


▲今回の目的地である宿河原浴場はすぐ左に行ったところ


▲こっちに進む


▲ファミマを横切り




▲右を見れば、もう煙突がみえてくる。どんな方向音痴でもここで迷う人はいないだろう






▲立派な煙突










▲駐車場も完備




▲到着


中に入って下足箱にサンダルを入れると、右に進めば最初に目に入ってくるのがロビー。昔ながらの自宅の延長線で作ったような雰囲気がある。
左にフロントがあり、座るのは70代半ばぐらいの男性だ。新聞を広げて、時折テレビに目をやっていた。
「こんにちは」と挨拶して「貸しタオルあり…」と言ったところで、テーブルのところに[貸しタオルありません]の文字が見えた。
念のため「タオルセットみたいなのはありますか?」と聞くと、それもないとのことだった。困ったなと思ってたら、販売のタオルはあるということなので、そちらを頂くことに。物販は、入り口入って右側のショーケースにある。
販売のタオルは色々あって値段もそれぞれ違ったが、安いので200円。それなりに厚みがあったので、品質と照らし合わせれば良心価格だと思う。入浴料が490円で、あわせて690円である。


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


女湯は左側で、男湯は右側。
のれんをくぐると、ちょっとした横長の脱衣場で、古さは感じるが無駄なものはなくサッパリした感じのところだ。
手前と右側にロッカーが並び、真ん中に座るテーブル。左すみっこに洗面台。
ここはサウナもあり、入り口は浴室から入るのだが、サウナそのものは脱衣場に設置してある。なので脱衣場から窓ガラス越しで中を覗くことができる。
ロッカーは他と比べると横幅があるので使いやすかった。


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


浴室の扉を開けると、浴室も当然ながら横幅があって、島カランが2つある。
右手前に先ほどのサウナの入り口。その横には水風呂。水風呂はかなり小さくて、実質一人用か。
左手前には、カーテン付きの立ちシャワーが2つある。
ところで、ふつうのカランにしても立ちシャワーにしてもそうなのだが、浴びるとめちゃくちゃ熱い。
最初は熱すぎてまとめに浴びられなかった。体を洗ってたらいつの間にかすっかり火照ってしまい、もう湯船に入らなくてもいい気分だった。


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


浴槽は奥にあって、昔ながらの銭湯ということで実にシンプル。
右側は真ん中にバイブラがあり、壁には赤外線の痕跡があるが、赤外線は点灯していなかった。
右に湧出口。こちらは鉱石が置いてあって、古い銭湯でよく見かける帝大教授の石和田章三先生(おそらく実在しなかった架空の人物)お墨付きのラヂウム鉱石である。


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


出典:川崎浴場組合連合会ホームページ引用


左は深浴槽の座湯が3つ並び、水枕もあるが、やはり機能していなかった。
全体的に古さは見られるが、いちど中普請したのか部分的に綺麗だった。


客層はほぼ高齢者。だいたい静かだったが、時折挨拶しあったり、会話も聞こえてきた。新型コロナのワクチンの話では、「一度の注射じゃだめみたいだなぁ」みたいな話も聞こえてきた。


駅からすごく近くて広い駐車場も完備しており、アクセスに関しては最高の立地場所だ。下町情緒とあいまって独特な雰囲気をもつ銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 宿河原
経路 改札口でて左に一分
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 タイル
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 シンプル
シャワーの出 ふつうだが、熱い
浴槽の種類 バイブラ、鉱石、座湯
サウナ あり
温度 43℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 昔の人らしい感じ
清潔さ きれい
貸しタオル なし(円)
備え付け なし

◆人
受付 70代の男性と60代の女性
客層 高齢者

【案内】

住所
〒214-0021 
川崎市多摩区宿河原3-5-13

営業時間
15:00〜23:00 日曜日14:00〜23:00

定休日
毎週月曜日

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載