銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

そしがや温泉21(東京・祖師ヶ谷大蔵)【閉店】

2023-03-25 06:32:00 | 銭湯
#そしがや温泉21
2023年3月31閉店




小田急本線
#祖師ヶ谷大蔵駅
▲祖師ヶ谷大蔵駅




▲階段をおりて


▲改札口


▲改札口を抜けたら右に進む


▲右に出たところ


▲さらに右側をみるとウルトラマンの像がある。この近くでかつてウルトラマンを作った円谷英二が住んでいたからだ


▲商店街の方へと歩き








▲むね歯科のところで止まり左折する


▲左折したところ

▲そのまま歩くと


▲左側に、そしがや温泉21がみえてくる


▲閉店のお知らせ




▲到着


こちらはスーパー銭湯のはじまりを作ったとされる銭湯で、創業当時はかなり革新的だったようだ。
そんな銭湯業界におけるパイオニアは2023年3月31日に歴史の幕を閉じる。祝日と重なったこともあって、すごい人集りだった。
おそらく最大瞬間風速的には日本一番混雑していた銭湯じゃなかったかと思う。
写真だと分かりづらいが人がひっきりなしに出入りしていた。思い出すのは浅草にあった蛇骨湯。閉店の時はニュースになったが、それに比肩するほどだ。


入り口のところでは年配の女性店員がしきりにサウナに入るかどうか訊ねていた。どうやら入場規制をしないと利用できないほどの混雑らしい。折しもサウナブームの渦中とあって、ここも例外ではなかった。しかもタイミングが悪いことに女湯のサウナは水漏れ故障で入場規制を3人に絞り込んでいた。これでは混乱も必至である。
券売機で入浴券と貸しタオルのチケットを買うと、人の波をかいくぐってすぐ横の下足箱に靴を預ける。コインリターン式なので100円を用意する必要がある(脱衣場のロッカーも同じ)。その後はフロントの前で検温をしなければならなった。
検温機は上下に動くもので、小さな子どものときは下げて、大人のときは上げるを繰り返していた。操作していたスタッフは大学生ぐらいの若い男性。
無事に検温を終えるが、今度は受付で揉めていた。なにを話し合ってるのか詳しくは分からなかったが、前に並んでる家族が子どもをどちらに入れるのか議論していたり、ロッカーの使用方法を巡って受付の人と話し込んでいた。入浴客が多いので、ロッカーは子どもと共有してほしいと要請されていたようだ。
受付の女性は60から70代ぐらいで、マスク越しでも化粧をしっかりしてるのが分かる。気の強い感じでけっして愛想の良い対応ではなかったが、ただ悪い人という感じはしなくて、あまりに多勢に無勢なので常に気を張って捌く必要があったからだろう。
チケットを出せば勢いよく貸しタオルが出され、それを手に脱衣場に向かう。
男湯は左側で、女湯は右側。


フロントの横はやや雑然とした休憩所だ。テレビや雑誌が置かれ、真ん中に椅子が密集して並ぶ。
奥には血圧計やここのお店のフロントに立つウルトラマンの写真などが飾ってあった。
脱衣場の入り口に入ると、そこも休憩所になっていた。薄暗い空間で、最初はなぜみんな脱衣場でくつろいでいるのだろう?と不思議だった。
右奥に進むと、こちらが正真正銘の脱衣場。壁沿いをロッカーが並ぶが、人数に対してロッカーの数はギリギリだったので、空きをみつけるのに苦労した。人で溢れているせいか、ここも全体的に雑然とした印象は否めない。
スーパー銭湯の元祖と呼ばれるぐらいなので、脱衣場も様々な工夫が施されている。給水機があったりするのもそうだが、脱衣場の奥に進むと階段をのぼった先にテラスがある。長いすがいくつか並び、イミテーションだと思うのだが薪のストーブなんかもあった。
情緒ある空間と言いたいところだが、なんとなく統一感に欠け、薄暗いせいもあってか微妙な感じ。ここにトイレもあるが、あまり知られてないのか誰も使ってる様子はなかった。


浴室の扉をあけると、最初に目に飛び込んでくるのはミッキーマウスも腰を抜かすほどの長い行列だった。通常の銭湯では見たことのない規模。どうやらサウナに入るためのものらしい。
入り口で制限していたにも関わらずこれほど並んでいるのなら、なんのための人数制限なのかと頭を抱えてしまった。


浴室の左側はカランのスペースになっており、手前左側にはプッシュ式の立ちシャワーが2つ。ともに勢いがあり使いやすい。
通常のカランは島カランが横列に4つ並び、左壁沿いにもカランが設置してある。左側のカランは全面鏡張りで見やすくていいのだが、古いために水滴がビッシリついてしまう。水で流さないと全く使い物にならなかった。
備え付けは、シャンプーにボディシャンプーに固形石鹸。固形石鹸まで用意してるところは珍しいだろう。


浴槽は右側にあって、おおざっぱに手前が黒湯で、通路を隔てて奥側が白湯。
黒湯をくわしく見ていくと、手前がなにもない空間で、詰めれば3人ほどか入れる。ただギチギチになるので通常なら2人しか入らないだろう。
その隣が電気風呂。これがかなり刺激がきついようで、入る人のほとんどが歯を食いしばっていた。
そして最後がバイブラ。4人が入れるスペースで、ここは長湯する人が多かった。温度はすべて41℃ぐらいと快適。


通路を隔てて白湯になると、今度も手前が電気風呂。よっぽど電気風呂が好きな銭湯のようだ。その電気風呂の隣が主浴槽となり、なにもないスペースと奥にジェットバスが2つ並ぶ。
白湯のところはサウナに入りたい人たちが長い行列で人間の壁をつくっていたので、間を割って入るしかなかった。
浴室の奥がサウナの空間で、左側に冷凍サウナがある。冷凍サウナを言い換えると「人間が入れる冷蔵庫」。氷点下を体感できるという触れ込みであったが、ぶっちゃけそこまで寒いかな?とは思った。たしかに寒いけど、真冬の外気浴のほうがはるかに寒い。木の外壁に囲まれたかなり狭い空間で、1人しか入れず、一応なにかあったときのために非常用ボタンがある。
隣が普通のミストサウナで、こちらはミストサウナにしては温度が高いほうなので、やはり常に満員御礼だった。
右隣に水風呂があって、2人ぐらいが入れるスペースになっている。水温は18℃前後ぐらいか。その右隣に、くだんのサウナがあった。
自分は入らなかったのでどんな内装だったのか分からないままだったが、浴室内を一周りしたあとに最後尾にいた人がようやく先頭付近にいたので、入らなくて良かったと思った。


出典:東京銭湯ホームページ引用


黒湯と白湯の間には通路があり、鍵が掛かった扉がある。その先を抜けると屋外プールだ。さすがに銭湯の敷地内ということで長さはそれほどでもないが、子どもが泳ぐ分には十分だろう。裸で泳げるプールというのは限られた場所にしかないので、子どもたちにとっては良い思い出になるのではないかと思う。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室内に壁絵はないものの、正面の頭上に巨大なテレビが設置してある。この日は高校野球のセンバツを放送していた。はじめて来たときは夏の甲子園。当日の午前はWBCが準決勝の試合をしていたので、なぜか野球と縁がある。


そしがや温泉21といえば、現在のスーパー銭湯の礎をつくった伝説的な銭湯ゆえに、閉店間近で祝日が重なったことからとにかく人で満ちあふれていた。
自分勝手な感想になるが、どんなに設備が良くても異常に混雑してる銭湯は快適さと無縁になると再確認した。
閉店する前に訪ねることができて本当に良かったが、同時に閉店まで二度と行くことはないだろうと確信した。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 祖師ヶ谷大蔵
経路 商店街を歩く
周辺の環境 商店街

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 テレビ
統一感 あり
置物 漫画本など
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 相対的に広いが、規模の大きさにしては狭い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気風呂、黒湯、バイブラ、ジェット
サウナ あり(乾式、ミスト、冷凍)
温度 40~41℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 多彩な年齢層


【案内】

住所
〒157-0072
世田谷区祖師谷3−36−21

電話番号
03-3483-2611

アクセス小田急線「祖師ヶ谷大蔵」駅下車、徒歩5分

休日
無休(元旦のみ休業)

営業時間
14:00−25:00
入浴券購入は24:30終了

※東京銭湯ホームページ転載

吉野湯(東京・平井)

2023-03-18 06:33:00 | 銭湯
#吉野湯




JR総武線
#平井駅

▲JR平井駅


▲階段を降りて

▲改札口


▲改札口を抜けて右に進み


▲出たところ。右側に交番があり、左奥にはファミマがみえると思うが

▲その左側のファミマ方面へと歩く


▲ファミマを正面に向いたところ。その隣にマクドナルドがある

▲横断歩道を渡ったら、マクドナルドとファミマの間の道に進む




▲突き当たりにきたら左折する

▲左にまがったところ


▲真っ直ぐ歩くと大きな通りにぶつかり


▲横断歩道をわたってさらに真っ直ぐ


▲右にみえる自転車屋さんのところで立ち止まり、右折する


▲右折したところ


▲あとは直進するのみ



▲すると左に吉野湯がみえてくる





▲到着


ごらんの通り外壁はすべて白で覆われ、銭湯としてはかなり異彩を放っている。
のれんをくぐろうとすると、入浴客と店主の女性が仲睦まじくのれんの奥で立ち話をしていた。


▲入り口からかなり綺麗である。それもそのはずで、こちらはコロナ渦真っ只中の2020年9月にリニューアルオープンしている。設計は銭湯業界でお馴染みの今井健太郎事務所


扉をあけて中に入ると、右側のスペースには販売する雑貨などが所狭しと置かれてあった。
受付は目の前にあり、座るのは先ほどのお客さんと立ち話をしていた60代半ばぐらいの女性。身なりがしっかりしていて小柄ながら声が通り、明朗快活。すごく感じのよい話し方をしてくれる。
「貸しタオルありますか?」とたずねると「入浴タオルですね」とフェイスタオルを出してくれた。「下駄箱の札をお預かりします」と言われ、代わりに引き替えの札を渡される。
フェイスタオルを手に取ると、「寒いのでしっかり温まってくださいね」と声を掛けてくれた。脱衣場からも店主の明るい声が良く響き、お客さんとの会話も活発でコミュニケーション能力の高さを伺い知ることができる。絵に描いたような理想的な接客だった。
男湯は右側で女湯は左側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


のれんをくぐると、脱衣場も白を基調とした空間で、ロッカーは薄いグレーが混じったような青色だった。
右側に目を向けると、これまた丁寧に作り込まれた美しい坪庭を鑑賞することができる。縁側もあるので、湯上がりの外気浴はとても気持ちよかった。
左奥には鏡台が置かれ、ドライヤー(有料)とティッシュに綿棒が用意されてある。古い体重計がスタイリッシュな空間の中ではアンティークのような佇まいをみせていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲控えめながら遊び心が随所にちりばめられている


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲庭はとても美しかった


扉をあけると、浴室の空間もまた全体的に白を基本としながら床は水色模様などが取り込まれ、清潔感と爽やかさにあふれている。
真ん中に島カランがあり、左の間仕切り壁にもカランが並ぶ。左の手前に立ちシャワーがあり、右側は手前から奥に掛けて浴槽が続いていている。
カランのシャワーはプッシュ式で、勢いが強くて快適。しいていえば止まるのが若干早いかなとは思うけれども、それを差し引いても使いやすい。


▲こちらは女湯


浴槽は右の手前から見ていくと、最初が水風呂でこの時は薄い茶色にそまっていた。薬湯なのか天然水なのかはちょっと不明だった。
手を突っ込んだところかなり冷たくて、たぶん14℃前後だと思う。


出典:東京銭湯ホームページ引用


その奥が炭酸泉になっている。だいたい4人が入るといっぱいになる。この炭酸泉はかなり人気のようで、ほとんどの人は出る様子をみせず、入るのにだいぶ待たされた。待っててもすかさず入る人がいたり、中には無理矢理詰めて入る人もいたほどだった。
炭酸の濃度はというと、そんなに高くはなくて一般的な銭湯の標準ぐらい。温度は38℃かそれぐらいなので長湯する人が多いのも納得である。



出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯の浴室で説明すると右の真ん中にあるのが炭酸泉


そして一番奥にあるのが主浴槽である。主浴槽は5人ほどが入れるスペースで、中には電気風呂とボディジェット、座湯が併設されている。温度は43℃ぐらいと少し熱いぐらいだ。
最後は主浴槽の左隅にある熱湯で、こちらは45℃ほど。最初、熱湯のそばにあるカランを使っていたら溢れたお湯が足元まで到達したときにあまりの熱さに、ここの銭湯はヤバいと思ったのだが、実際に入ってみると意外と熱く感じないというか、むしろ快適だった。


壁絵は全面的に青が使われているので浴室の白とよく調和しており、全体を通した色の組み合わせが計画的に考えられている。また最近のリニューアルする銭湯でペンキ絵があるのはかなり珍しい。このあたりに昔ながらの銭湯の伝統を重んじる経営者の趣向が感じられる。
客層は高齢者がメインながら若い人も目立った。これだけセンスが研ぎ澄まされて清潔感に溢れてるならば若年層が来るのも当然だろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらが男湯


全体を通してみると、とにかく新しくて綺麗でありながら古き良き銭湯の伝統をしっかり受け継ぎ、自分が描く理想の銭湯のように感じた。なによりも受付の女性の対応は本当に素晴らしかった。
もしも自分が風呂無し物件に住んでいたならば、是非ともここに通いたいと思うほどすべてが気持ちいい銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 平井
経路 西方面
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 白い建物
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 謎の置物
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 水風呂、炭酸泉、電気風呂、ボディジェット、座湯、熱湯
サウナ なし
温度 38~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 最高
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け あり

◆人
受付 60代の女性
客層 高齢者や中高年、若者


【案内】

住所
〒132-0035
江戸川区平井4−23−2

電話番号
03-3681-6833

アクセス
総武線「平井」駅下車、徒歩5分

休日
月曜

営業時間
15:00−24:00
24時までに退出してください

※東京銭湯ホームページ転載

晩春を彩る鬱金桜

2023-03-13 06:12:00 | 日記






桜といえば染井吉野が定番ですが、染井吉野がでてくる以前の江戸中期までは桜といえばヤマザクラでした。
日暮里界隈では、鬱金桜(うこんざくら)が沢山植えられていたそうです。
上野公園(当時は東叡山寛永寺の敷地)のすぐ裏手にあたり、当時は上野周辺でも盛大に咲き誇っていたことでしょう。

鬱金桜は白い縁側から薄緑色へと階調的に染まり、中心部は赤く色づきます。別名は浅黄(あさぎ)桜と呼ばれ、多彩な色合いが特徴です。
染井吉野と鬱金桜は開花時期が2週間ほどずれていているため、染井吉野が葉桜となる頃に鬱金桜は満開を迎えます。
そんな染井吉野と鬱金桜の違いを追ってみたいと思います。

2022年4月2日
最高12.9℃最低3.6℃

鬱金桜


この頃の鬱金桜はまだ、芽を出したばかりでした



解説によると、平成9年頃に植えたられたものだそうです


染井吉野


満開を迎え、この時はややピークをすぎたあたりでした






2022年4月10日
最高26.8℃最低13℃

鬱金桜


気温の上昇とともに開花しはじめます。このころはまだ3分咲きといったところでしょうか



遠くから見ると葉桜のようにみえます



可愛らしい形をしています






染井吉野


桜はだいぶ散り、先週と比べると人もまばらです




ちょうど花と葉っぱが入れ替わるタイミングの時でした


2022年4月17日
最高17.8℃最低9.9℃

鬱金桜




ようやく満開を迎えていました。染井吉野と違い、花と同時に葉も出ており、中心部は淡いピンク色に染まってます





別名は浅黄桜ですが、遠くから見ると確かに黄色に染まってるようにみえます



白とピンクの組み合わせが光に当たると黄色と錯覚させます


染井吉野


こちらはすっかり緑色へと様変わりしていました



初夏の匂いを漂わせる風景です



2022年4月24日
最高20.3℃最低17.4℃

鬱金桜

鮮やかな散り際です





こうしてみると地面がピンク色に染まり、やはり桜なんだと実感します






染井吉野


完璧な葉桜となり、桜だった頃の面影は一切ありません





秋には紅葉に染まり、ふたたび人々の目を楽しませてくれることでしょう


染井吉野が咲く頃はまだ冬の余韻を残す肌寒い時期でしたが、鬱金桜は本当に暖かい季節になって満開を迎えます。
染井吉野が春の訪れを伝える桜ならば、鬱金桜は春の終わりを告げる桜といったところでしょうか。
華やかさはどうしても染井吉野に譲りますが、優雅さと気品さを兼ね備えた鬱金桜も大変すばらしい桜でした。






野崎浴場(東京・町屋)【閉店】

2023-03-11 05:48:00 | 銭湯
#野崎浴場
2023年3月31日閉店






東京メトロ千代田線
#町屋駅


▲千代田線の町屋駅


▲階段にむかい


▲ここはいつ来ても強風がすごい


▲改札口


▲改札口をぬけたら2番出口に出たいのでまっすぐ進み


▲道なりに進んで


▲スシローが目印。左のエスカレーターに乗る


▲外にでると京成電鉄の町屋駅が目の前にあらわれる


▲京成電鉄の町屋駅


▲京成町屋駅を通り抜けて奥のセブンイレブンまで進み


▲突き当たりにある右の道に進む。左には「はいから館」なる建物がある


▲そのままずっと真っ直ぐ






▲この近くまで来たら


▲ここで左折する


▲細い路地を進んでいくと


▲ひだりに野崎浴場がみえてくる



▲あらゆる政党のポスターが張ってある。これぞ銭湯という感じ(見た目は良くないけど)


▲閉店のお知らせ


▲跡地にはマンションを建てるようだ


▲バックヤードのところ



出典:東京銭湯ホームページ引用


▲到着


▲開店は公式だと15:00となっているが、15分前に到着してすでに開いていた


下駄箱に靴を預けて右側にある扉をあけると、左手前側に受付のフロントがある。座るのは70代半ばか後半ぐらいの男性。感じのよい挨拶をしてくれる。
「こんにちは」と挨拶したあとに「貸しタオルありますか?」と訊ねると「はい、あります」とすぐに出してくれた。
「中に備え付けとかありますでしょうか?」と再び聞くと「え?」と聞き返されたので、「シャンプーとかは…」と言い直すと、「そこにあるよ」と言われて指差す背後を見ると、使い切りの小袋シャンプーやボディシャンプーが沢山置いてあった。それをいただくことに。
女湯は左側で、男湯は右側。


のれんをくぐると、思ったよりも広めの脱衣場だった。
ロッカーは右側で、その隙間には常連客用の棚も用意されてある。
左側は簡易的ながらソファーとテーブルが置かれ、壁には野崎浴場を紹介した写真とカメラを真っ直ぐに見据える店主の姿があった。
雑誌かなにかで紹介されたのか、野崎浴場にまつわる歴史を紹介した文章が掲載されていた。
今の店主は三代目らしく、祖父である創業者は石川県能登島野崎村(現在は町)出身。その故郷の名を店名にしたようだ。郷土愛を感じるエピソードである。
もうひとつ注目なのが、脱衣場の入り口から見て右側にある縁側。扉を開けば庭があるのかと思いきや、なんと目の前に巨大な溶岩が鎮座している。岩の先端が縁側にはみ出ているので、椅子に座ると溶岩とにらめっこすることに。


立て付けの悪い浴室の扉を開けると、浴室は一般的なよくある作り。
真ん中に島カランがあり、左右にもカランが並ぶ。立ちシャワーは右手前に一つだけでハンドシャワー仕様だ。
水回りに関しては勢いがあるのでとても使いやすかった。
天井をあおぎ見ると所々ハゲた箇所が目立ち、老朽化が浴室全体に及んでいる。木材部分は湯気の影響か色彩がおちて漂白され、窓ガラスはひび割れが散見された。水垢で部分的に白く濁っている。


浴槽は奥にあって、2つに分かれている。右側が主浴槽で、ものすごい泡まみれだった。これはおそらく薬剤ではなく、単にジェット噴射で泡立ってると思うのだが、ほぼ浴槽の全体が泡で覆われていた。
その主浴槽の右端っこはステンレスの手すりで仕切られた電気風呂になっている。揉兵衛と名付けられた電気マッサージ機付きのものだ。弾力的な刺激で、電気風呂好きは気に入ると思う。
温度は44℃ぐらいと少し熱め。ただ、最初がキツいだけで慣れてしまえばちょうどいい具合だ。
左側は深浴槽でバイブラがちょこっと出てるだけ。温度もおなじ44℃ほど。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は富士山の絵で、左端っこのサインは、2020年河口湖とあった。ただ、それにしてもずいぶんと年季の入ったひび割れがみてとれた。
間仕切り側には、豆タイルのモザイク絵があり、西洋風の水車と田舎の風景が描かれている。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲いまの絵はすこし違っている


客層はほとんど高齢者だったが、一人だけ中年がいた。男湯はまったく会話がなく、入店した当初は女湯からも一切聞こえてこなかったが、時間の経過とともにしだいに賑やかになり、帰りの時はお祭りのような騒々しさだった。


訪れたのは3月上旬頃だったので、まだ閉店直後のようなお別れの挨拶はなくて今後もずっと続くのではないかという雰囲気。一方で「3月までに使い切ってね」なんて言葉も聞こえており、やはり閉店が迫ってるやり取りはあった。
老朽化はいたるところで進み閉店もやむなしだったが、水回りに関しては今でもしっかり機能しており、そこには古さを言い訳にしない風呂屋の矜持が感じられる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 町屋
経路 東方面
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 寺社仕様
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 電気風呂、ジェット、馬バイブラ
サウナ なし
温度 44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり(使い切りタイプ)

◆人
受付 70代の男性
客層 高齢者がメイン


【案内】

住所〒116-0002
荒川区荒川2−59−2

電話番号
03-3801-5854

アクセス
京成線「町屋」駅下車、徒歩3分

休日
金曜

営業時間
15:00−23:30

※東京銭湯ホームページ転載

草津湯(東京・南千住)

2023-03-04 06:50:00 | 銭湯
#草津湯




東京メトロ日比谷線
#南千住駅
▲日比谷線の南千住駅


▲地下鉄だけどホームは地上


▲階段を降りて

▲改札口


▲改札口を抜けると左を見ればJRとつくばエクスプレスの南千住駅がみえる


▲そこを通り抜ければJRの西口だ


▲西口を出て右をみるとバーガーキングがあるので


▲バーガーキングのところまで行って

▲デニーズとバーガーキングに挟まれた右の道に進む

▲そのまま真っ直ぐ歩いて

▲左に第三瑞光小学校がみえてくる


▲右側には草津湯の看板


▲右の細い路地の奥まったところに草津湯がある


▲春先には花を咲かせるであろうプランターの数々。政治ポスターも張ってあるが、一部の政党のみは珍しい


▲到着


さっそく中に入ると、下足箱のところでガチャガチャと音が鳴っていた。なんだろ?と不思議に思っていたら若い男性が下足箱の扉を拭いていた。Tシャツの後ろには「湯守」の文字が見える。
下足箱のところから入り口が男女に分かれているので、受付は番台である。
右が男湯で左が女湯。


とびらを開けて中に入ると、左に番台があり、座るのは50代後半か60代ぐらいの女性。柔らかい口調で世話好きそうな感じの人だった。
ところで中に入る前に、扉の張り紙にはシャンプーやバスタオルの貸し出しはありませんと書かれてあった。
ただフェイスタオルなら貸し出してるかもと思い、「フェイスタオルの貸しタオルありますか?」と訊ねたが、「ないです」とキッパリ言われた。
「手ぶらセットならありますが」と言われたのでそちらをいただくことに。
サンプルには130円と書かれてあったが、1000円札を出したらお釣りは400円だった。


脱衣場は一般の銭湯と比べると少し広めの印象を受ける。天井は古い銭湯でお決まりの折り上げ格(ごう)天井。茶褐色に染まり、歴史を積み重ねた風格が宿っていた。
真ん中には島ロッカーがあり、右壁にもロッカーが並ぶ。ロッカーは平坦で横長。島ロッカーの上にはシベリアンハスキーのフィギュアといった小物が並ぶ。この整合性のない混沌とした感じがいかにも昭和の銭湯である。
脱衣場の片隅には壊れた明治乳業の冷蔵庫があるのだが、常連客の私物置き場になっていた。


立て付けの悪い浴室の扉をあけると、浴室は思ったよりも小さくて、典型的な昔ながらの作り。
真ん中に島カランがあり、左右にもカランが続くが、右側には重厚な分厚い壁の立ちシャワーが3つ並ぶ。なので奥にある右壁のカランは3つだけ。
その右壁の外側には溶岩を模した壁が作られていた。ただ残念なことに窓の結露でせっかくのオブジェがよく見えない。
シャワーはカランのシャワーにしても立ちシャワーにしてもかなり勢いがあったので使いやすかった。


カランで使う椅子は入り口付近ではなく、浴槽の横に置いてある。当初は椅子がどこあるのか探してしまった。
その浴槽は浴室の奥にあって、実質ひとつの湯船であるが、内部は左右に分かれている。
左が浅浴槽で、横幅はさほどでもないものの奥行きがあるので結構広い。詰めれば10人ぐらいは入れるだろうか。
足元の一部は加工された金属製のメッシュになっていたので、かつてはそこからバイブラが出ていたのかもしれない。
温度は44℃か45℃前後で腰を落とすとかなり熱いと感じた。
右側が深浴槽で、こちらはハイパージェットとボディジェットが前後に並ぶ。ともにボタン式だった。
軽い気持ちでハイパージェットのボタンを押すと、半端ない勢いで浴槽の端っこまで吹き飛ばされそうになった。
短い足でなんとか踏みとどまったのだが、古い銭湯でここまで勢いがあるのはちょっと記憶にない。
横にあるボディジェットは通常の圧力で快適だった。


ところで湯船からあがってシャワーを浴びていたら、入浴客たちが一斉に浴槽に目を向ける場面があった。なんだろう?と自分も気になってそちらを見ると、若いお父さんが赤ちゃんを抱っこしながら湯船に入れているところだった。見た目はかなり小さくて色白で、とても可愛らしい。
しかし驚いたのは、熱い湯船に入っているのに赤ちゃんがまったく動じず泣かなかったことだ。大人の自分でも熱くてもだえていたのに、その平然ぶりには驚いた。すでに大物の予感である。


常連客にとっても赤ちゃんが湯船に入ってるのはかなり珍しいことだったらしく、いくつなの?と年齢を聞いていたりしていた。お父さんからは7ヶ月ですと答えていた。
それからお父さんは赤ちゃんを脱衣場に連れていって手ぶらで戻ってきた。赤ちゃんはどうしたんだろうと思ったら、あとで脱衣場に行くと女湯の脱衣場から「おとなしいわね。ほんとおとなしいわ」とおばあちゃんたちの声が聞こえてきた。ということはお母さんにバトンタッチしたのだろう。男湯から女湯へ裸でどうやって渡したのか分からないけど。


壁絵は富士山の絵で、富士山の手前には灰色の雪をかぶった山脈と、緑の山々が連なっている。実際にこんな風景は存在しないのだが、富士山の偉容さを強調するためにこうした構図にしたのだろう。


客層は先ほどの親子と自分以外は全員高齢者。客同士は仲良しのようで、終始なごやかな会話が聞こえていた。


全体的に夕方までは電灯をつけていなかったので薄暗くて物悲しい雰囲気であったが、逆に落ち着いた佇まいでなんともいえない心地よさがあった。
建物は全体的に古いけれども水回りはしっかりしてるので使いやすく、見た目とは裏腹にかなり快適な銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 南千住
経路 小学校へ向かう
周辺の環境 小学校や住宅

●空間演出
建物外観 古い銭湯
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 シベリアンハスキーのフィギュア
照明 薄暗い

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 やや広め
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ハイパージェット、ボディジェット
サウナ なし
温度 45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 感じが良い
清潔さ ふつう
貸しタオル なし
備え付け なし

◆人
受付 50代後半の女性
客層 高齢者や親子

【案内】

住所
〒116-0003
荒川区南千住7−26−2

電話番号
03-3801-5574 

アクセス
常磐線「南千住」駅下車、徒歩2分

休日
火曜

営業時間
15:00−23:30

※東京銭湯ホームページ転載