銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

そなエリア東京(東京臨海広域防災公園)ー過去の教訓と体験から学ぶ

2021-08-31 07:56:00 | 博物館


今回は、そなエリア東京にやってきました。こちらは、ゆりかもめに乗って有明駅を下車すると、すぐ目の前にあります。



敷地は国が管理する国営公園です。防災拠点を目的とした国営公園はここが日本初なんだそうです。
ふだんは都市公園として開放されていますが、災害があると一転して災害対策本部に切り替わります。一般市民は退去させられ、近くの公園に避難誘導されます。





入り口です。



中に入ったところ。とても広い空間になってます。様々な機材を運ぶのにこれぐらいのスペースが必要なのでしょう。



奥にはお土産屋さんがあります。人が少ないせいか、活気がまったくありません。



災害時は臨時の現地対策本部になることが説明されています。ここが震災時の最前線になるわけです。



ここは1階と2階、それに屋上まであります。屋上にもでることができます。



訪れたのは8月下旬だったためか、防災の日(関東大震災が起きた9月1日)にまつわる解説が展示されてありました。




ここの目玉はなんといっても、防災体験学習「東京直下72hTOUR」です。
文字通り、直下型地震に襲われてから72時間を生き延びることができるのかタブレットクイズに答えながら疑似体験するというものです。

受付の左側にある窓口に進むと、年配の男性が対応してくれました。上の名前(名字)を聞かれ、始まる時間に近づいたら足のマーク(入り口の目の前にある)のところに集まってくださいと言われます。
時間になると係りの女性がやってきて、中の受付でタブレットを受け取るように案内されます。
受け取ったらエレベーター(シミュレーション用)前に集まり、ここで全体の流れが解説されます。
本来ならエレベーターが開くとエレベーター内でイベントが発生するのですが、いまはコロナ渦ということで密を避けるため中止になっています。
エレベーターが開くと、そのまま前に進みます。



設定は、12月の寒い冬のさなか。デパートのエレベーターに乗ると、とつぜんドドーンという激しい揺れに襲われ、非常口から逃げ出すという想定です。
エレベーターから降りると、このように真っ暗な中を歩きます。

しばらく歩くと、視界が開けてきて地震で大きく破壊された街の景色が目に飛び込んできます。ビルが崩れたり、電柱が倒壊したり、激しく損害を受けてることが分かります。
そこで受付をしてくれた年配の男性が待っていて、タブレットでクイズに答えるように言われます。
タブレットには星印がついていて、その近くに来たら「到着した」ボタンを押すと、クイズがはじまります。





写真では伝わりませんが、やたらとウルサいです。ヘリコプターの音やサイレンの音、テレビ放送の音声だったり、とにかく騒々しい空間でした。



大型テレビではフジテレビのマークをつけたヘルメットをかぶるアナウンサーが震災状況を伝えています。



中がぐちゃぐちゃになったコンビニ。





地下鉄の出入り口。



遠くでは火が燃えていました。





足下が綺麗すぎるのは違和感がありますが、これはシミュレーションの安全性を考えたら仕方のないことでしょう。

クイズが終わると次は短編映画の鑑賞で、ヘリコプターの視点から被害状況を伝える映像が流されます。



その次がこちら。ここは避難所を再現したもので、どうやって過ごしたらいいのか様々なヒントが解説してありました。




 
マンホールトイレ。震災時のトイレ事情は切実なものがあります。入れるものは多少ガマンできても、出すモノは我慢できないからです。









簡易トイレの作り方と方法。ポンチョをかぶってトイレを済ませるとあります。
人に見られる可能性を想定した格好なので、よっぽど切羽詰まった状況でなければここまでする必要はないでしょう。





こちらは避難所の過ごし方を解説したもの。ダンボールでベッドを作ったりしてあります。



これは狭いし、床の冷気などが直接当たって寒いと思われます。プライバシーもほぼありません。


となりは若干広いのですが、それでもまだ改善の余地は十分ありそうです。せめて外から見えないようにしてほしいと思う一方で、体調不良などが見逃されてしまうケースもあるだろうし、なかなか両立は難しそうです。



今の時代だと大きな問題点は、スマートフォンなどの充電をいかに確保するかではないでしょうか。
ここでクイズは一旦終了して、タブレットは返却口でスタッフに手渡します。なんだかんだで節目節目にスタッフがおり、最後まで自分のペースというわけにはいきませんでした。



出口を抜けると津波を解説したものが目の前にあります。



階段を上ると


防災学習ゾーンです。こちらは東京直下72hTOURに参加しなくても見られるスペースになります。







関東は周期的に大きな地震に見舞われていますが、今のところ周期の半ばといった印象です。ただ、大地震はいつ起きてもおかしくありません。









次に続くスペースは、どんな工夫で対処できるのか様々な道具の活用方法が紹介されています。





いつの時代も困難を乗り越えるのはソフトパワーです。知恵と勇気(決断)が事態を好転させます。



備えあれば憂いなし。最後に自分を助けるのは自分です。そして誰かを助けるにしてもまずは自分を助けることが大前提になります。





アルミブランケット。過去に試してみたことがあるのですが、とにかく湿気が逃げないから結露がすごかったです。これを被るなら新聞紙を被ったほうがまだマシと思いました。本当になにもない時に使うものですね。


 
ガスメーターの復帰方法。地震のあとに止まったままだと使えないので、知っておくべきマスト情報です。



あとはアニメが上映されていました。



出口を抜けたところ。



そこには実際に震災を経験した人たちの役に立った話が掲載されていました。



ちょっと長くなりますがピックアップしてみると、

・津波で流されたときタイヤにつかまって泳いだ 疲れたら仰向けになるといいと教えられていて助かった
・日常飲んでいる薬の説明書は必ず身につけておくといい 薬をもらうときに必要になる
・簡易トイレを用意しておく 女性特に妊婦さんには仮設トイレは厳しい
・懐中電灯や携帯ラジオはベッドや枕元に固定しておく 大きな地震では5メートルくらい飛んでいく
・意外と役に立ったのはちり取り 漏水した水を汲むには一番! トイレを流すのに十分使えた
・給水車から水をもらうときバケツの中にビニール袋を!!! 口を縛ればほこりも入らず運ぶときにこぼれなかった
・助けを求めるときは声を出すより物をたたいた方が音が響いて伝わる

などが紹介されてありました。



今度は屋上にむかいます



屋上への案内



階段かエレベーターでのぼると



こんな風に庭園がみえます





外にでたところ



この電波塔を介して情報をやりとりするようです







周辺の地図になります



公園の敷地名称や機能を紹介してありました。



ヘリポートが奥にみえます。






楽しく学べる防災教育施設でした。
だ、注意したいのは実際の災害時においてマニュアル通りに正しい答えというものは存在しないということです。このコロナ渦においてもしかりです。
重要なのは、現状をしっかり把握して、その時そのときに自分で考えて行動できることではないでしょうか。
その心がけを学びたいところです。






東京お台場大江戸温泉物語(東京・テレコムセンター駅)(閉店)

2021-08-28 07:31:00 | スーパー銭湯
#東京お台場
東京大江戸温泉物語
2021年9月5日閉店

・非日常の極地
・銭湯のテーマパーク
・設備のバリエーションは多くない






ゆりかもめ
#テレコムセンター駅

▲ゆりかもめのテレコムセンター駅




▲おしゃれな噴水があったり、


▲駅名通りテレコムセンターがある






▲出口を降りよう




▲改札口


▲地図を見ると


▲すぐそばに大江戸物語がみえる。ピンク色の建物がそれだ


▲左にすすみ


▲ここから大江戸物語がみえる




▲左にテレコムセンター。この建物は展望台があるのだが、コロナ渦ということで残念ながら閉鎖されている


▲エレベーターを降りて


▲降りて振り返ったところ。この右の道に進む


▲あとは真っ直行くだけ






▲大江戸物語の看板がみえてくる




▲お堀まで再現するこだわりよう


▲入り口がみえてきて


▲奥に入り口


▲到着




▲閉店のお知らせ


▲駐車場をみると、車がぎっしり




▲人ももの凄く並んでおり、受付に到達するまで15分ぐらいは掛かった


▲ようやく入ると、アルコールで手を消毒して検温を受け、マスク入れの袋を手渡される。そこから左にある下足箱に靴を入れるのだが、ほとんど空いていなかった


靴を入れると左側にあるフロントに進む(ここでも順番待ち)。ロッカーの鍵を渡されて、奥のフロントで浴衣を手渡されるように言われる。
ちなみにロッカーの鍵は財布代わりにもなり、バーコードをかざして商品やサービスなどと交換し、最後にまとめて精算する


▲ここで浴衣を受け取る。絵柄がいくつかあって、好きなものを選ぶことができる。サイズも各種あるが、勝手に判断されて手渡される


右側の脱衣場に進むと、かなり広めの脱衣場で縦長のロッカーが並ぶ。
ここで服を脱いで早速お風呂に入るのかと思ったら大間違いだ。
なんと服を脱いだら浴衣に着替えなければならない。


気分はさっさと浴室に向かいたかったので、この時点でかなりのストレスを感じることに。しかも脱衣場の通路が狭くロッカーが向かい合わせなので人とぶつかり合いながら着替えなければならなかった。
色々と不満を感じつつお店のルールに従って浴衣に着替えると、脱衣場を抜ける。


▲抜けるとこんな感じ。縁日のように非日常空間が広がっていた


▲入り口そばにはお土産屋さんとか


▲食事するスペース


▲こんな風にやぐらまである


▲屋台とか居酒屋さん


▲スイーツ関係。とにかく目まぐるしいほど食べ物屋さんが軒を連ねる。
ねらいが女性やファミリー層向けであることは明らかだ


▲こんな風にフォトジェニックな場所も用意している。若者の心を捕らえるために随所に工夫されている


▲若い女性が多くてみんな浴衣を着ていているものだから華やか。
入浴客全員が浴衣を着ることで、その非日常空間の一員として参加する(させられている)仕組みだ。
こうして体感してみると浴衣を着る時はストレスだったが、ちょっと考えを改めた


▲先ほどの食べ物屋さんのあるところに進むと、休憩所とはべつの場所があって


▲ここは宿泊もできる


▲階段をのぼって見下ろす


▲ここから先が宿泊施設


▲一番安くて2万円ほどから。露天風呂付きだと4、5万円。入館料や朝食なども込みの料金だそうだ。観光で来る際にはいいかもしれない


▲浴室とは別の場所に足湯がある。こちらもスーパー銭湯でおなじみのオマケ的な設備ではなく、かなり本格的




▲通路を通って小さな陸橋を渡ると


▲こんな風に広い足湯が広がっている


▲ここは庭の造園にも力が入っていて、なかなか素晴らしい景色だった








ようやく室内を巡ったあとは浴室へと入っていく。浴室の入り口は男湯が右側で、女湯は左側。
のれんをくぐると、やはり大規模なスーパー銭湯ということで脱衣場はとても広く、スタッフが何人も待機している。
タオルが積み重なってあり、それを自由に手にすることができる(微妙な生乾きの臭いがしたのはガッカリした)。
ここのロッカーは好きに選んでよく、適当に空いているところをみつけて浴衣を詰め込む。脱衣場はとにかく人人人で、若い人ばかりが目に付く。
みんな友人たちとのおしゃべりに夢中で、スタッフは「黙浴」と書かれた看板を手にまわっているが、守ってる人間はほぼ皆無。


浴室の扉をあけると、浴室もとても広く、また天井が思ったよりも高い。
右手前には立ちシャワーが2つある。珍しいことにボタン式で、一度押すとずっと出続けるもの。デザインからして最新式のようだ。
入り口目の前に掛け湯。
左側一帯をカランが占める。
島カランは2つ程度であるが長さがあるので総数は多いのと、仕切りで区切られていてパーソナルスペースが広く確保されているので使いやすかった。
備え付けのシャンプー類はほかのスーパー銭湯と変わらないが、一つだけフェイスタオル&ハンドソープ&シェービングと万能液体石鹸が置いてあった。見た目も高級そうだった。
桶はプラスチックながら木製を模しており、椅子も木材ぽい作り。このあたりもコンセプトにしっかり忠実だ。
真ん中から奥に掛けて浴槽が続き、浴槽は二重構造になっており、手前側が温泉で、奥側が白湯の湯船になっている。


温泉は関東だとおなじみの塩化物鉱泉で1400メートルから掘り起こしたものだそうだ。黄金の湯と命名された通り透き通った茶褐色。匂いもほかと同様に塩化物特有の微かな匂いがする。個人的には好きな匂いだ。
上段に構えた真ん中の湯船が熱めのお湯で42℃ほど。これがここ一番の目玉だろう。
屋根もつけられ風情を醸し出しつつ、十数人は入れそうな広いスペースである。
温度と泉質の案配も絶妙で、入っていてとても気持ち良かった。
その下段左右にも湯船があるが、こちらも同じ塩化物鉱泉で、温度はともに39℃ぐらい。子どもや長湯向けといったところだろうか。


出典:大江戸温泉ホームページ引用


浴室の奥にあるのが白湯で、こちらは百人湯と表記されるように大勢が入れる湯船になっている。とはいえ実際に入れるのは頑張っても30人ほどぐらい。それでもとても広くて快適だった。温度は40℃ほど。その主浴槽の左に微細泡による白濁の湯がある。通常のシルク風呂だと仕切られた湯船になるが、こちらは主浴槽と地続きだった。



出典:大江戸温泉ホームページ引用


右側に目を転じると、寝湯が並ぶ。水枕はちゃんと機能しており、足元と肩や背中部分から心地よい刺激のジェットが噴出していた。


室内の左壁際にはアカスリとオートローリュウのサウナが併設してあり、サウナはソーシャルディスタンスの一環で席が間引かれているせいか、扉の前には短い行列ができていた。
出て行く人数分だけ中に入っていく繰り返しで、しばらく順番がまわってくると中に入れば人でビッシリ埋まっている。ただ、ここだけはみんな沈黙を貫いており、やはり狭い空間だからそういう意識にさせるのかもしれない。
そのサウナの外にでて奥に隣接してあるのが水風呂。4、5人は入れる広さで、水温は16℃ほどかかなり攻めた温度だ。
白人の若い男性が試しに入っていたが、やはり厳しかったらしくすぐにきびすを返していた。


浴室の左奥には扉があり、そこを抜けると露天風呂が広がっている。
露天風呂も贅沢にスペースを使っていて、背景にある中庭もずいぶんと力を入れているのが分かる。
露天風呂自体は2つあって、手前が少し広めで、奥は小さめ。
ともに大きな石を使った岩風呂で、隙間なく人がいるものだから芋洗い状態だった。みんな十代後半から二十代半ばを中心とした若い世代ばかり。ふだんは高齢者ばかりをみているので別天地である。


出典:大江戸温泉ホームページ引用


こうして全体の設備を見渡してみると、意外とバリエーションが少ないことに気づく。これなら1000円程度のスーパー銭湯と変わらないか、むしろ少ないぐらいだろう。
一般の銭湯ですらリニューアルしたところならほぼある炭酸泉がここではなかったし、スーパー銭湯だと大抵は二種類用意されているサウナが、ここだと一つだけである。サウナの広さもそんなにあるとは思えず、テレビもなし(個人的にテレビはなくていいけど)。
なので、入館料(今回は土日料金で3098円)の割には、こんなものかと思った。入浴だけが目的なら、色々と不満を覚えるスパ銭だった。
それでも非日常空間の演出に関しては他を圧倒して突き抜けている。
こうしたことに納得するなら、入館料を払うだけの価値はあるだろう。


主な客層はデジタルネイティブ世代と呼ばれる若年層であるが、こうした世代が足を運んでアナログ体験を求めてくる。
いくらデジタル化が進もうと、アナログ体験に勝るものはなしというのが自分の考えだ。東京の強みは、こうした多彩なアナログ体験ができるところだろう。
デジタル体験なら地方も東京も変わらないはずだからだ。


お台場東京大江戸物語は、事業用定期借地権設定契約が今年12月に切れるため、18年間の営業を9月初旬に終えることが決定した。
返還するスケジュールを逆算すればこの日付が限界だったようだ。
年間には100万人が訪れるということで、公衆浴場業界におけるガリバーである。非日常空間を演出するフロンティアがこのお台場東京大江戸物語だった。










【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 テレコムセンター駅
経路 駅の目の前
周辺の環境 テレコムセンター

●空間演出
建物外観 江戸屋敷
壁画・眺望 葛飾北斎の赤富士
統一感 あり
置物 色々
照明 明るい

★設備
休憩所 縁日
脱衣所 広くてきれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 天然温泉、シルク風呂、寝湯、露天風呂
サウナ あり
温度 39~42℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(料金込み)
備え付け あり

◆人
受付 20代の女性
客層 20代の若者が中心。小さな子どもの家族連れや一部中年


【案内】

住所
〒135-0064
東京都江東区青海2丁目6番3号

最寄り駅:
ゆりかもめ線テレコムセンター駅、
りんかい線東京テレポート駅

日帰りのご利用
11:00~20:00
朝風呂のご利用
5:00~9:00

最終入館時間
日帰り 19:00
朝風呂 朝7:00

大浴場入浴時間
日帰り 11:00~19:45
朝風呂 5:00~8:00

大人(中学生以上)
昼間料金
平日2,768円
土日・祝日2,988円
特定日3,098円

大人(中学生以上)
ナイター料金 (18:00以降に入館の場合)
平日2,218円
土日・祝日2,438円
特定日2,548円

朝風呂料金 (朝5:00~7:00受付)
大人(中学生以上)1,580円
小人(4歳~小学生)1,078円

※大江戸温泉ホームページ転載

NHK放送博物館―テレビは記憶の玉手箱(後編)

2021-08-26 06:06:00 | 博物館





基本データ
ご利用案内
始休館12月26日(木)~1月3日(金)開館午前10時~午後4時入館料無料

アクセスガイド

地下鉄地下鉄日比谷線 神谷町駅下車(3番出口) 徒歩8分銀座線 虎ノ門駅下車(1番出口) 徒歩13分都営三田線 御成門駅下車(A5出口) 徒歩10分JRJR新橋駅下車(烏森口) 徒歩20分バスバス慈恵会医大前下車(東急バス・東京駅丸の内南口~等々力間)虎ノ門三丁目下車(都バス・新橋駅北口~渋谷駅間)神谷町下車(都バス・新橋駅~目黒駅前)愛宕一丁目下車(港区コミュニティバスちぃばす・田町駅東口~新橋駅)愛宕一丁目下車(港区コミュニティバスちぃばす・みなとパーク芝浦~新橋駅)車・タクシー車・タクシー愛宕下通り「東急REIホテル」横の参道を上がる

所在地

〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1
TEL 03-5400-6900

※出典・引用:NHK放送博物館ホームページ



今回訪ねたのは、愛宕山にあるNHK放送博物館です。なぜ放送博物館が愛宕山にあるのかといいますと、元々ラジオ放送の始まりがこの愛宕山だったからです。
23区内で一番高い山であることから電波を飛ばすのに相応しかったのでしょう。電波放送の原点がここであるわけです。
そして放送の博物館としてはここが世界初なのだそうです。


中に入ると、オレンジの服を来た若い女性(女子大生あたりのアルバイト? 巡回して清掃などもしていました)とメガネを掛けた30代ぐらいの女性(ちょっと気が強そうな感じの社員的な立場の人か)が挨拶をしてくれて、検温とアルコール消毒をお願いされます。
案内係りの女性がエレベーターまで誘導してくれて3階からが順路になる説明を受けます。4階までありますが4階は関係者以外立ち入り禁止です。
放送関連の博物館ということで、写真撮影は一部のみに限られます。


最初の3階がヒストリーゾーンと題した空間で、ここはラジオ放送の黎明期からテレビ、そしてハイビジョンに至るまでの進化の過程が紹介されています。
中に入ると、写真やモニターが展示してあり、時代の節目を彩った出来事が紹介されています。

 

▲芝浦製作所(東芝の前身)が作製したラジオです

▲撮影が許可されたものは、このように案内されています


▲こちらは二・二六事件の反乱兵たちに呼びかけたラジオ放送の原稿です






▲こちらも歴史的なもの。太平洋戦争の終結を知らせる玉音放送の原稿(複製)になります





ラジオを通して様々な事件や出来事が市民に伝えられました。



実はラジオ放送が始まる前から研究されていたのがテレビ放送。かなり前から構想が練られていたんですね。


▲有名なイを表示したテレビ実験


▲右のイが映し出されてます


▲こちらはブラウン管が長いことから、苦肉の策で縦型にして鏡に写したテレビ。いつの時代も技術の制約を乗り越えるべく創意工夫がみられます




▲昔のお茶の間を再現したもの




▲こういう暗さがなんとなく昔らしい雰囲気を醸し出しています


▲ジェスチャーという番組を放送していました


▲昔のテレビカメラ。こんなに大きかったんですね。いまのスマホのカメラと比べると進化の偉大さを感じます




▲家具調テレビ。1970年当時に流行ったテレビです。そのまえには昭和天皇が使用していたテレビも飾ってあったのですが、そちらは観音開きでタンスみたいなデザインでした。21型で当時としては破格の大きさでも、今の時代からするとかなり小さい画面になります




▲カメラもどんどん進化していきます。ついにはハイビジョンカメラが登場。日本が世界に先駆けて生み出したハイビジョンカメラによって新しいスタンダードが構築されます。現在のテレビがアスペクト比2:1(16:9)なのも1980年頃に日本の主導で確立されました






▲正直、いまの感覚でハイビジョン映像をみると、荒削りです


▲こちらは送出卓とよばれる編集機器で、2001年のアメリカ同時多発テロや東日本大震災もこの送出卓から発信されました







ここまでがヒストリーゾーンの展示です。
途中では、力道山(いま考えると相撲のしこ名のままというのが凄い)と木村雅彦対シャープ兄弟(じつはカナダ出身の親日家)の街頭テレビが再現されていたり、東日本大震災のときに最初の90分間でテレビはどのように報道されたのか再現したのは見物でした。


そして次の二階はテーマ展示ゾーン。主に子ども向けの番組や歌番組、ドラマなどの展示物があります


▲こちらは大河ドラマ篤姫で使われた衣装です


▲音を再現する小道具




▲波の音がこれから作られます


▲こちらは風の音


▲子ども向け番組コーナー


▲おぉ、本物のピタゴラスイッチ


▲にこにこ、ぷんで登場したじゃじゃまるとぴっころ


▲右端がぽろり


▲本名が「ぽろり・カジリアッチ3世」という名前だったとはこの時知りました。ぴっころは「ふぉるてしも・ぴっころ」、じゃじゃまるは「袋小路じゃじゃ丸」がフルネームなんだそうです


▲歴代の番組


▲初代ブーフーウー


▲「できるかな」のゴン太くん


▲ゴン太くんの設計図


▲なんと中の人ののぞき窓までちゃんと書いてある


▲なるほど、こんなところから覗いていたのかぁ…





そして大河ドラマの告知で終了。
結構見所が沢山で勉強になったし楽しかったです。
また展示室に響く音声がベテランアナウンサーの声なので、ほかと一線を画すレベルの高いところでした。これが無料なのはすごい。

そしてここは中規模の8kシアターもあって、コロナ渦で人数制限は決められていますが、最新式の映像美を堪能することもできます(正直、量販店のテレビの方が綺麗と思いました




NHK放送博物館―テレビは記憶の玉手箱(前編)

2021-08-24 07:49:00 | 博物館






今回はNHK放送博物館を、前半と後半に分けてお伝えしたいと思います。前半は東京タワーを寄り道してNHK放送博物館がある愛宕山までです。



▲最寄り駅は神谷町。虎ノ門ヒルズともほぼ等距離ですが、ほんの少しだけ神谷町が近いので、神谷町に降ります


▲虎ノ門ヒルズと六本木に挟まれた場所にあります




▲地上にあがったところ。目の前がさっそく再開発の工事中でした。隣の虎ノ門ヒルズも周囲は工事中で、とにかく再開発が目白押しです


▲しかしずいぶんと高層ビルばかり建ててますが、オフィス需要がそこまであるのでしょうか?




▲奥にみえるのは、六本木の建物


▲六本木方面を左にみると東京タワーがみえます


▲飯倉交差点。目の前にみえるのがノアビルです。斬新なデザインですが、1974年竣工の建物だそうです。まったく古さを感じさせません。
昼食がまだだったので、東京タワーに食べ物屋さんがあるだろうと思い、この交差点を左に曲がって東京タワーを目指します(神谷町から徒歩7分ぐらい)


▲すぐに東京タワーがみえてきます






▲このエッジが女性のくびれを彷彿させてとても魅力的です


▲外ではお祭りのようなイベント会場がありましたが、閑散としていました。
中に入ると一階はチケット売場です


▲二階がお土産屋さんと飲食店


▲いかにも外国人向けのお土産さん。今の時期は耐え時なのでしょう


▲奥にフードコートがあります


▲モスバーガーでは、なんと東京タワー限定の東京タワーバーガーなるものがありました。これどうやって食べるのだろう?


▲とりあえずおなかに食べ物を詰め込んだら、東京タワーと反対方向(虎ノ門ヒルズ方面)に歩いて右折すると、愛宕山がみえてきます。奥のトンネルが目印です


▲案内があって、こちらをのぼります。有名な階段は出世階段と呼ばれるもので、トンネルを抜けた反対側にあります。エレベーターもその近くにあります


▲今回は手前の階段をのぼります




▲あがるとNHK放送博物館が見えます。白い建物がそれです


▲左には愛宕神社


▲NHK放送博物館の正面向いた左側に、エレベーターの入り口があります(先ほどのトンネルを抜けた先です)


▲振り返ると高層ビルが顔をのぞかせます。ちなみに愛宕山は、標高25.69mと東京23区の中で最高峰を誇る天然の山です


▲建物の右にはアンテナがありました


▲東京タワーに取り付けられていたもののようです。アナログ放送が終わる平成23年7月まで使用されていました。
関東に住む人たちは、このアンテナから発した電波を受信してテレビを鑑賞していたことになります


▲さらに奥をみると


▲なにやらとてつもなく古いアンテナ


▲こちらは初代のアンテナ。正確には実験用のアンテナだったようです


前半はここまでです。
後半は、NHK放送博物館の中に入ったときの状況を紹介したいと思います。




梅の湯(東京・小台)

2021-08-21 06:10:00 | 銭湯
#梅の湯







都電荒川線
#小台駅

▲都電荒川線の小台駅


▲都電荒川線は、実際に乗るは今回が初めてだった。江ノ電のような要素もあり、エンターテイメント性のある乗り物だ。町屋駅前から乗車したのだが、乗った直後になぜか年配のお婆ちゃんに席を譲られた。おばちゃんありがとう


▲駅にある地図を見ると、まっすぐ上(南)方向に行くだけだ


▲駅を降りて


▲横断歩道をみつけたら


▲右に進む


▲分かれ道がある。
左が大通りで、右が裏通りになるが、どっちを選んでも同じ時間に到着する。
ただ間違いないのは右なので、右の裏道を進もう


▲後はままっすぐ行くだけだ














▲小台銀座のアーチがみえてきたら、もう近い




▲右に梅の湯が見えてくる


▲ここの燃料はガスだろうか


▲右が居酒屋さんで、真ん中がコインランドリー


▲そして左が入り口。到着








▲中に入ると、右に下足箱があり


▲真ん中のエレベーターか階段でのぼる


▲サウナイキタイのポスター




上りきると、最初に見えてくるのはかなり広めのロビーだ。
右側にテレビがあって、そのテレビ方向に椅子が並ぶ。
漫画本や雑誌などもあり、ご当地サイダーも目に飛び込んでくる。様々なアイテムに彩られ、見れば見るほど発見の多い空間。
そしてロビーの見所は、なによりも壁に飾られたカルタだろう。こちらは創業当時から飾られていたものらしく、梅の湯の記憶を今に伝えている。


出典:東京銭湯ホームページ引用


右手前には券売機があり、入浴料は470円にタオルセット(フェイスタオルとバスタオル)が100円だった。
フロントは入り口の左にあって、座るのは60代ぐらいの女性。終始笑顔で対応してくれて、プロ意識を感じた。
チケットを差し出すと、タオルは浴室入り口前にあると教えてくれる。
男湯は左側で、女湯は右側だった。
積み重なったタオルケットを手にして左ののれんをくぐる。


脱衣場に入ると、広さはふつうであるが、やはりリニューアルしたということでとても綺麗だった。浴室からあがる際は受付にいた女性が雑巾掛けをしていていたので、こまめに清掃してるようだ。
ロッカーは手前と右側にあり、洗面台のドライヤーはコンセントが直差しだったので無料と思われる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉を開けると、目の前に島カランがあり、右壁にもカランが並ぶ。ただ、島カランの左側はなにもないので、カランの数はそんなに多くない。
面白いのは、カランのシャワーヘッドは3つに1つぐらいの割合でジェットを出すことができることだ。
ヘッドの先端を1/4ほど回すとジェットに変わる仕組みになっている。ただ使い勝手は微妙で、正直必要な機能だろうかと疑問に思った。


出典:東京銭湯ホームページ引用


手前右側にはオープンスペースの立ちシャワーが1つだけある。
左にはサウナ。サウナイキタイの広告が貼ってあったので、タイアップしてるのだろう。
浴槽は、浴室左側に並ぶ。
サウナに隣接した手前側が水風呂。詰めれば3人は入れるぐらいの広さで、水温は16℃前後だった。その奥隣がここの主浴槽で、かなり広めだ。
10人は入れるぐらいで、一応白濁の湯なっているが、それにしても濃度が薄い。
温度は41℃とマイルドだった。
その奥が寝湯とハイパージェットの湯船で、こちらは少し熱くなっていて、43℃ぐらい。水枕はあったが、やはり冷たくなかった。
そこから右側にあるのが薬湯で、この日はハッカ(薄荷)が入っていた。温度は43~44℃といったところだろうか。
ラミネートされた予定のカレンダーには薬湯の予定が写真付きで表示されてある。こうした細部へのこだわりは素晴らしい。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の奥には扉があり、開けると露天風呂になっている。
露天風呂だと大抵は湯船が1つなのだが、ここは露天スペース全体に広がっていて2つに分かれている。
左は、深浴槽と寝湯に分かれており、ジェットバスなどはなかった。
水面がまったく揺れておらず、もしかして熱いのだろうかと思ったが(誰も入っていない湯船はめちゃくちゃ熱いことがある)、実際は通常の温度で42℃ぐらい。
入り口手前の右側は、ジャグジーでこちらも42℃ほど。露天風呂にしては若干熱いかなと思うが、個人的にはちょうどいい案配だった。
外気浴のできる椅子も用意されており、来たのは夏だったのであまり涼しくはないものの、休憩するにはもってこいである。


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は高齢者がやはり多いが、若い人もかなり目立った。親子連れも数組見かけた。
驚いたのは、刺青を入れた高齢男性を甲斐甲斐しくお世話する人がいたことだ。
ただ親分と子分という感じではなく、親しい男性が手伝ってる雰囲気だった。


ここは昨今リニューアルした銭湯らしく壁絵はなかったものの細部へのこだわりはしっかりしたところだった。
梅の湯はかなり有名で随分前から知っていたのだが、実際に訪れてみると設備そのものは驚くほどではなかった。
ただ企画力、タイアップ、ホスピタリティといった点では非常に洗練されており、そうしたソフト面の可能性を存分に感じさせてくれる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 小台
経路 南にまっすぐ下る
周辺の環境 住宅地

●空間演出
建物外観 きれいな建物
壁画・眺望 特になし
統一感 あり
置物 特になし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 使いやすい
浴槽の種類 白濁湯、寝湯、ハイパージェット、露天風呂
サウナ あり
温度 41~44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 とても良い
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 60代と30代ぐらいの女性
客層 高齢者や若者


【案内】

住所
〒116-0011
荒川区西尾久4−13−2

電話番号
03-3893-1695

アクセス
山手線「田端」駅より徒歩15分
都電荒川線「小台」駅より徒歩6分

休日
月曜

営業時間
15:00−25:00
日曜は8:00~12:00も営業

※東京銭湯ホームページ転載