銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

準天然光明石温泉(人工)天空の湯(東京・浜松町)

2019-02-23 06:20:21 | ホテル

JR浜松町駅を下車して北口から海へと真っ直ぐ進んだ先に、アジュール竹芝がある。その18階へと上ったところが天空の湯だ。
名前のとおり湯船に浸かりながら絶好のロケーションを一望することができ、その割には客が少ないので超穴場ともいうべき浴場だった。

【準天然光明石温泉(人工)天空の湯】をザックリ言うと
・ホテルの18階にある入浴施設
・1000円にしては設備がショボい
・外の眺めは最高
・客が少なく閑散としてる
・一度来てみる価値はあるかも








▲出典:天空の湯ホームページ引用



▲浜松町駅の改札口。北口は反対側と表示されてるのに、こっちが北口だと勘違いしてしまい



▲南口に出てしまった



▲地図でみると、目標地点は現在地からちょうど真上に位置する



▲とりあえず北口に向かって歩くことに



▲するとビルに囲まれた場所にでる






▲頭上が貿易センタービル






▲下をみれば北口



▲階段を降りたところ



▲あとは真っ直ぐ進むだけだ









▲途中で旧芝離宮恩寵公園がみえてくる





















▲横断歩道を渡り



▲渡ったところ



▲真っ直ぐ行けば









▲左はす向かいに白い建物がみえる。それがアジュール竹芝だ






▲左にまがり









▲竹芝客船ターミナルの入り口



▲すぐ左がアジュール竹芝



▲目の前にモニュメントがある












▲ちょっと歩けば入り口に到着









▲ちゃんと天空の湯の案内もある



▲普段の銭湯とはちがう入り口にビビってしまう



▲中のエレベーター前






▲18階をめざす



▲到着



▲なにやら案内板も



▲ランナー向けのサービスもやっているようである



▲人工温泉がここの売りだ



この案内板の右側に向かうと、緩やかなスロープになっていて、その先に受付のカウンターがある。
一般の銭湯より小さく簡単なもので、その上にタオルセットが高く積まれてあった。
座るのは、20代ぐらいの女性。お化粧がいかにもホテル向けといった感じだ。
こういったホテルなのでサービス精神の高い接客かと思いきや、まったくもって愛想のない対応である。
左側のスペースに金属製の靴箱があるが、鍵がついてないので受付で鍵を渡されるのかな?と思い、スロープに一旦置いて受付でお金(1000円)を支払うと「靴は空いているロッカーに入れてください」と言われた。
鍵のない靴箱なんて!
受付の目の前にあるのでセキュリティー上は問題ないかもしれないけど…。


脱衣場への入り口は、右側の廊下を歩いた手前側が男湯。
中に入ると、角をまがった先にリクライニングルームが見える。 


▲ここの角をまがると



▲リクライニングルームだ


その先に脱衣場がある。奥行きのある空間で、左側には鏡と椅子が並び、アメニティグッズがビッシリ置かれてあった。
ここらへんがいかにもホテルらしい感じである。


ロッカーは縦長のダイヤル式で、自分で設定するもの。ここは鍵がない代わりに、自分で数字を覚えておく必要がある。
番号をウッカリ忘れたら大変なことになるだろう。


浴室は向かって右側に扉があり、ワクワクしながら開けると、意外とそんなに広くないなという印象。
すぐ右手にサウナがあり、左は主浴槽となる人工温泉。10人ぐらいは入れそうな広さか。



※出典:準天然光明石温泉(人工)天空の湯ホームページ引用
▲湯船に鉱石を配置してあるだけで、これを温泉と言い張るのはどうなんだろう…


その主浴槽の右すみ(浴室全体から見るとほぼ真ん中)に大きな柱。これはビルゆえの仕方ない構造かもしれないが入り口に立つと全体を見通せない。
そして奥にあるのがジャグジーである。大げさな階段と手すりがついており、上ると豪華客船にありそうな感じの深めのジャグジーになっている。
一人用にもみえるが、微妙に広いので別のお客さんが入ってくることもある。



※出典:準天然光明石温泉(人工)天空の湯ホームページ引用
▲ホームページの写真だとキレイだが、実際は縁部分が経年劣化で茶色に変色していた


それと、左奥にカラン。
カランは、3つ並んだものが対面にあって合計で6つのみ。これほどカランの数が少ない入浴施設は記憶にない。
おそらく最初は宿泊客のみを想定していたのだろう。
自分が訪ねたときはカランの手前真ん中が一つ壊れていて、立ちシャワーも2つのうちの1つが壊れていた。


しかし、なんといってもここの浴場で特筆すべきは、18階から眺めだ。



▲写真はリクライニングルームで撮影したもので、右奥にはレンインボーブリッジがみえる



▲真ん中



▲そして左。こちらは月島方面である


ちなみに浴室からの眺めは結露がひどく、最初から曇っててよく見えない。
手で拭けばそれなりに見えるのだが、それでも少しはマシになる程度。
浴室から眺めはあまり期待しない方がいいだろう。


入浴客は、だいたい流動的ではあるが、多くて4~5人ほど。
サウナが人気らしく、自分以外は全員サウナにこもってる時間帯もあった。
来る時間によって違うだろうけど、これほどロケーションがいいのに人が少ないことに驚かされる。


たしかに設備だけをみると、1000円でこれはちょっとありえないなという感じだが、この風景と貸しタオルの対価を考えれば決して高くはない。
なによりも人が少ないので気兼ねなく過ごすことができる。
眺めも格別だが、ゆるい空気感も心地いい、ちょっと変わった場所の入浴施設だった。



【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 浜松町
経路 竹芝(海)に向かって真っ直ぐ
周辺の環境 ホテルや海

●空間演出
建物外観 高層ホテル
壁画・眺望 レンインボーブリッジやお台場、月島を見渡すことができる
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 リクライニングルーム
脱衣所 少し古い印象をもつが清潔さを保たれており、無料のアメニティグッズが充実している
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 準天然光明石温泉(人工)、ジャグジー、水風呂
サウナ あり
温度 41℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 20代ぐらいの女性
客層 年齢に偏りなし


【案内】

バスタオル・フェイスタオル貸し出し無料。
〈利用料金〉
一般1,000円(宿泊者は500円)
子供(小学生)300円
子供(小学生未満)無料

準天然光明石温泉(人工)天空の湯に関するお問い合わせは
TEL 03-3437-2011

□営業時間
15:00~23:00(受付終了 22:30)
□年中無休
□シャンプー・リンス・ボディーソープ備え付け

※アジュール竹芝 準天然光明石温泉(人工)天空の湯ホームページ転載

宝湯(東京・大鳥居)

2019-02-16 06:03:18 | 銭湯


京急大鳥居駅を降りると、北に向かって歩けば5分のところに宝湯がある。
家庭的な雰囲気があって、とても庶民的な銭湯だった。










▲大鳥居駅


▲改札口を出て左側を歩く




▲横断歩道を渡り


▲左に進む


▲分かれ道は


▲右側


▲またすぐ右折


▲しばらく進んで








▲十字路を左折




▲すると


▲宝湯がみえてくる






▲到着


下足箱に靴を預けて左の入り口に入ると、目に飛び込んでくるのが縦長のロビー。ちょうど左側奥にテレビがあって、その横にソファーが並んでいる。テレビの裏側には、観葉植物やいろんなグッズがごちゃごちゃ置いてあり、雑然とした状況だが雰囲気はとても家庭的だ。


受付に座るのは、80代後半ぐらいのおばあちゃん。タンポポのようなふっくらした白髪と優しい笑顔が特徴的である。
「こんばんは」と挨拶すると、笑顔で「こんばんは」と返してくれる。
貸しタオルをかりて、左側にある男湯の方へと入る。
脱衣場は、ほぼ真四角で、入り口付近に座るテーブルが広くもうけられている。左手前にトイレがあって、周囲を取り囲むようにロッカーが並ぶ。
浴室の入り口そばにはぶら下がり棒。右側には洗面台と古そうだが豪華なマッサージチェアが置いてあった。


浴室に入ると、左側手前にサウナ。真ん中と左側に2つの島カランがあるが、左側の島カランは数が少ないので、ほぼ真ん中がメイン。
それと右壁もカランがあるが、すべてハンドシャワー仕様となっている。一番手前は手すりと椅子が置かれ、高齢者や体が不自由な人向けのものだろう。


あと手前右に立ちシャワー。
天井や壁は白で統一されているものの、床やカランは男湯なのに全面ピンク。とはいえ、それほど違和感はない。


浴槽は奥にあって、主に3つにわかれている。
右側が半円状の電気風呂で、半分がバイブラ。手すりで仕切られている。
真ん中が、これまた半分がボディジェットの設備があって(壊れているのか稼働していない)、半分がバイブラ。
そして左側は、座湯で全部バイブラ。
とりあえずバイブラ突っ込めといった感じの作りだ。それと全部白湯。
浴室の入り口には薬湯の案内版があったため、かつては薬湯もやっていたのだろう。しかし今はやっていなかった。


入浴客は、最初に入ったときは十数人ほどで人の多さにビックリしたが、不思議なことにしばらくするとどんどん人が減っていき、最後は自分ともう1人という閑散とした状態に。
ここは来る時間帯によって、全然印象が違うだろうなと思った。
それとほとんどが地元客だと思うのだが、会話は一切聞かれなかった。人の数からしてもっと活気があって良さそうなものだが、みんな静かだったので、かえって不気味だった。


全体的にみると設備等などに特徴的なものはほとんどなくて、ふつうの銭湯だなという印象だった。
ただ立地場所が羽田空港から3駅目で駅からも歩いてすぐそばなので、熱いお湯が好きな旅行者にはお勧めしたい銭湯だ。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大鳥居
経路 駅から北に向かったところ
周辺の環境 商店や住宅

●空間演出
建物外観 古いビル銭
壁画・眺望 モザイクタイルの赤富士
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 ふつう
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 
サウナ あり
温度 44℃、46℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 優しいおばあちゃん
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 80代後半ぐらいのおばあちゃん
客層 高齢者


【案内】

住所
〒144-0033
大田区東糀谷3−4−8

電話番号
03-3743-2027

アクセス
京浜急行線「大鳥居」駅下車、徒歩2分

休日
月曜

営業時間
15:30−23:30
日曜、祝日は15時から営業


※東京銭湯ホームページ転載

港区銭湯フォーラム(東京・田町)

2019-02-09 07:15:18 | フォーラム


港区で銭湯フォーラムがあるということで、好奇心からはじめて参加してみることにした。
司会は、同じ銭湯ブログを運営されているOLやすこさん。パネリストは港区の各銭湯(清水湯、竹の湯)を運営している経営者だ。
ちょっとしたハプニングがあったり予定時間を越えてしまったが、楽しく有意義なシンポジウムだった。








▲田町駅


▲南口に向かうと


▲少し開けた場所にでる




▲地図とラクっちゃ(みなとパーク芝浦)との距離はこんな感じ。歩いて7~8分というところか


▲こっち方面


▲遠くにモノレールもみえる。実はこっちに真っ直ぐ行けば到着したのだが、お昼ご飯を食べてなかったため、少し遠回りすることに








▲田町はひさしぶりなのだが、知ってる当時と比べて半分ぐらい景色が変わったかもしれない。まさに浦島太郎の気分である






▲交番を左折


▲あとは、ほぼ真っ直ぐだ














▲左にモノレールが走ってる


▲到着




▲右側の建物は病院。採光を考慮した構造だろうか。小さなホテルみたいである




▲入り口の案内板をみると、どうやらスポーツ施設も兼ねているようだ


▲裏側(というかこっちが正門)がこんなところである








▲中はこんな感じ。建物がすごく立派





▲エスカレーターであがる

ここでぐるっと回ると、奥にも別棟に分かれており、すぐ左がラクっちゃというところだった。とにかく色々詰め込みすぎたせいか内部構造が複雑なのでゲームのダンジョンみたくなっててわかりにくいッ!
そんなことを思いながら案内板をみてると、中にいた女性がやってきて、「銭湯フォーラムですか?」と聞かれたので「はい」と答えると「どうぞこちらです」とわざわざ丁寧に案内してくれた。

案内された方に向かうと、ズラッと人が並んでいて、ずいぶんスタッフがいるなぁという印象。豪華な運営だ。それを無料で参加できるのだから、とてもありがたいことである。
ところで冊子をもったスタッフが並んでいるのだが、ナゼか自分には渡してくれなかった。
スタッフを通り過ぎて中を一瞥すると、早く着いたせいかまだ数人ほどだった。


▲こんな感じ

空いてる好きな席に座ると、あとから先ほどのスタッフがやってきて「すみませんでした」と案内の紙をくれたのだが、まさか同じ運営スタッフと勘違いしたのだろうか?

しばらく待つと続々と人が集まってきてだいぶ埋まったが、おそらく当初の目標である100人は届かなかっただろう。たぶん半分ほどではないか。
予定の時間が来ると、パネルディスカッションが始まった。
最初は、港区の役所の女性が総合司会として挨拶をし、パネリストの紹介と司会の紹介。次にPR動画が紹介された。しかしこんな立派な建物なのにインターネット回線が脆弱らしく、途中で止まってしまうというアクシデントも。動画はまるでボン・ジョヴィ(ロック)のミュージックビデオのようなだった。高齢者はこの感性についていけただろうか?

https://youtu.be/XK2E5gq2Q7Q
▲こちらが問題の動画(YouTubeの貼り方が分からなくてスミマセン)

次にパネリストの講演がはじまる。メンバーは、すでに廃業した万才湯の店主だった高橋元彰さん。
南青山清水湯の大倉正敬さん。
麻布黒美水温泉竹の湯の樋口浩司さん。
それと、港区保健福祉支援部長の森信二さんである。森さんは、区立公衆浴場ふれあいの湯を運営する責任者でもある。


※出典:東京都浴場組合港支部ホームページより引用
▲左から高橋さん、大倉さん、樋口さん、森さん。写真だけみると、なんの会合だか分からない顔ぶれだ


※出典:東京銭湯ホームページより引用
▲司会のOLやすこさん


※出典:東京銭湯ホームページより引用


※出典:東京銭湯ホームページより引用
▲ちなみに左の赤いアウターを着てるのが自分

最初は高橋さんが銭湯の歴史と港区の現状を話し始めた。
特に興味を引いたのが、最近の動向だ。港区の銭湯は、かつて興隆した頃だと170近くもあったらしいのだが、いまはなんと4つ!(しかも一つは区営施設なので、民間は3つだけである)
恐ろしい減りっぷりだ。いかに斜陽産業であるかを物語る数字だろう。
一方で、明るい材料もある。港区の銭湯による利用者数で、昭和初期のピーク時は1日400人ほどだったらしいのだが、平成20年頃には120人ほど。100人を切ったら廃業を考えるというボーダーラインらしいのだが、現在は300人以上まで膨れ上がってる(東京全体の平均利用者数はいまだ漸減傾向にあって、港区だけ突出してる)。
理由は色々とあるだろうけど、一つは少数精鋭になったからではないかと思う。
港区の銭湯は、三越湯、清水湯、竹の湯、ふれあい湯と一応全部訪れているが、どれもほかの銭湯にはない特徴をもっていた。
こうした淘汰を生き残るだけの力があったからこそ、遠方からの銭湯客も取り込むことに成功したのだろう。
それと、近年は目に見えて女性客が増えているという。清水湯あたりは、そうした銭湯ブームに乗れた部分もあるのではないか。
あとは関係あるかどうか分からないけど、三越湯は白金、清水湯は南青山、竹の湯は麻布十番。すべて東京を代表する高級住宅地にある銭湯である。このへんも土地のブランドを活かした戦略が功を奏したのかもしれない。

それと次のマイクは、南青山清水湯の大倉さんにバトンタッチ。芸術家っぽい風貌の大倉さんも興味深い話を色々とされていた。
今は人で賑わう最新の設備を誇る清水湯だけれども、かつては老朽化が深刻で一度女湯の屋根が落ちたらしく、その時に廃業を考えたそうだ。その時に人に相談すると、今辞めたら二度と出来ないよと言われたのと、四代目で辞めるのはカッコ悪いと決意し、清水湯を改装。そして今に至るという。
力を入れてるのは清掃で、完全防備をして危険な薬品を使い徹底清掃してるそうである。もちろん入浴客には安全なのだが、やはり流行る銭湯というのは裏側も徹底してるんだなと感心してしまった。それと奥さんが大の銭湯好きらしく、休日はほとんど他の銭湯を巡っているとか。そういう家族にも支えられて今があるのだろう。

次の麻布黒美水温泉竹の湯の樋口さん。この店主は、軽妙な語り口で真面目な顔をしながらトボケるなど、とてもおもしろい人だった。
たとえば日焼けをして顔が黒いのだが、「わたしは顔が黒いですけど、うちの温泉(黒湯)に入ってこんな黒くなったわけじゃありませんよ」と場を笑わせるなど、終始和やかな雰囲気に。常連さんからも色々とプライベートのことで相談されるそうだが、きっとそうなんだろうなと思った。

森さんは小さい頃に通った銭湯の思い出を語られていた。大人たちに怒られた経験を振り返り、銭湯が持つ人情味の素晴らしさを懐かしそうに話していた。
それと清水湯の大倉さんは交流話の中で、常連客の中には行かない日にわざわざは今日は行かないよと電話を寄越すお客さんもいるそうだ。

その後は質疑応答。
一人の年配者は、高齢者ばかりでもっと子どもに興味をもってもらえるイベントを試みるべきじゃないかということと後継者問題で、かつて借地にあった銭湯を店じまいしようとしたときに地主の息子が、「だったら自分がやるよ」と引き受けたといい、後継者は子どもに限らず意欲ある人に渡すことも考えるべきではないかという趣旨の話をしていた。
パネリストの高橋さんは子ども向けのイベントは上手くいかなかった、大倉さんは中学生の職業体験はだいぶ盛り上がったなどと話していたが、後継者問題に関しては双方とも発言がなかった。
今の銭湯で廃業の主な原因は、後継者問題と老朽化問題だそうだ。
後継者は、確かに第三者に任せてもいい気がする。しかし銭湯は個人商店という意識が強いためか、経営者の中には代々家族で受け継ぐべきものという思いもあるのかもしれない。
あとは、改装の資金面に関して、クラウドファンディングの提案もあった。
銭湯組合などのプールしているお金は潤沢らしいので借りることに関しては困ってないのだが、ただ借りたお金をどうやって返していくかが問題だという。たしかに高齢化した経営者が巨額の借金をしてこれから返すことを考えると難しい決断だろう。清水湯でも改装に1億5000万ほど掛かったらしい。もっと大がかりなところは3億ぐらいという。なかなかリアルな数字の話だった。

その後は、浴室のストレッチの指導に入り、湯船に浸かりながら出来るストレッチ運動を教えてもらった。その後はなんと、バイオリンの演奏会。
正直バイオリンの演奏会と聞いて、えっ?と思った。ストレッチ運動は健康促進の面から分かるとして、なぜ銭湯のフォーラムでバイオリン??
その答えは、今回演奏した前田みねりさんという女性が、単に銭湯好きだからである。

銭湯好きが高じて、港区に銭湯での演奏を自ら売り込んだのだとか。それが今回で125回目。情熱と行動力、クラシックを一般に広めようとする使命感には驚かされた。
実は、クラシックもたまに聞くのだが、こうした生演奏を聞くのは初めてだったかもしれない。


▲素晴らしい音色の演奏だった


※出典:東京銭湯ホームページより引用

しかしフォーラムはこれで終わりではない!
今度はお楽しみの抽選会。具体的な数字は忘れてしまったが、たしか15人ほどに500円の図書券を抽選でくれるというもの。何度も書くが、今回の参加は無料だッ!
なので、ここまでしてもらえることに、非常に申し訳ない気持ちになってきた。なにせ、自分はヨソ者の神奈川県民なので…。港区に少しばかりお金を落としてるかもしれないけど、税金は納めてません。港区民のみなさま、今回は貴重な経験をありがとうございました。
ちなみに、抽選はあたらず(内心、ホッとした)。


▲抽選会の様子。左が清水湯の大倉さん。右が樋口さん

そしてプラグラムはほぼ終了となったが、一番最後に残されたのが、ゆっポくんとの握手会。この発表の時が一番盛り上がったかもしれない。


▲東京銭湯のゆるキャラゆっポくんにみんな群がり、記念撮影


▲ゆっポくん、ありがとう!

最後の出口では、ゆっポくんのタオルを頂き、竹の湯の樋口さんがみんなに港支部のステッカーを配られていた。

おわり

【案内】

港区浴場組合の皆さんから銭湯の歴史や文化等を聞くとともに、これからの公衆浴場について考えます。


対象

どなたでも

開催日

2019年2月3日(日曜日)

開催日詳細

午後0時30分から2時

ところ

港区立介護予防総合センター ラクっちゃ(みなとパーク芝浦2階)

定員

100人(会場先着順)

申し込み

当日直接会場へ。

※港区ホームページ転載

麻布黒美水温泉 竹の湯(東京・麻布十番)

2019-02-09 06:29:27 | 銭湯 温泉


本来なら麻布十番駅が最寄り駅であるが、今回は広尾駅から15分ほど掛けて歩いて訪ねた。
立地場所は瀟洒な建物が軒を連ねるハイセンスな街であるが、銭湯自体は下町と昭和の雰囲気をあわせもつ銭湯だった。








▲広尾駅


▲改札口の目の前の横断歩道


▲渡ったところ


▲まっすぐ進む






▲ここで道が分かれるが


▲ほぼ道なりの左に進む


▲そうすると公園がみえてくる


▲有栖川記念公園


▲公園に沿って歩くため、右に渡る








▲ドイツ大使館




▲壁には、ドイツのことわざを紹介する絵が施設の端っこまでビッシリ張られてあった










▲なかなか傾斜のきつい坂道だ




▲南部坂というらしい


▲まだ、まっすぐ


















▲ようやく、公園の端っこ


▲そこの突き当たりを右




▲そして再びまっすぐ


▲写真には写ってないけど、とにかく外国人ばかり。日本人と半々ぐらいの印象だ






▲今度は、下り坂がはじまる






▲東京タワーがみえる




▲この右にある建物が韓国大使館である。めちゃくちゃ豪華な建物だ


▲写真に撮りたかったが、物々しい雰囲気なのでやめた


▲というのもこの写真にも写っているのだが、警察官が物凄く沢山いる。今は政治的にゴタゴタしてるから警備に力を入れているのだろう


▲そこから右に曲がったところ


▲そこを進んでいくと






▲電柱に竹の湯の広告を発見


▲左に曲がれば、もう竹の湯がみえる








▲到着


下足箱は一見するとふつうの下足箱であるが、鍵に金属プレート(カード)がついており、番号が印されている。この番号は、あくまでも下足箱の番号に過ぎないが、カード自体は脱衣場のロッカーで使用する。


下足箱の左側に自動扉。あけると、奥に小さな休憩所のロビーがみえる。無理に作った感のある狭さだ。その途中右側にフロントがある。
受付に立つのは、中学生ぐらいの男の子とお母さんとおぼしき40代後半ぐらいの女性。
「貸しタオルはありますか?」と訊ねると、バスタオルとフェイスタオルどちらにしますか?と聞かれ、いつも通りフェイスタオルを選択。値段は50円で、ちょっと高めか。
ちなみに、サウナはなんと500円(しかも2時間制限付き)である。
ここらへんはかなり思い切った値段設定をしたものだと思うが、麻布十番ではフツーなのだろうか?


それと、石鹸などの洗剤を持ってますか?と聞かれて「ないです」と正直に答えると、スッと小さな洗剤(ボディーシャンプー)を渡され、「これを使ってから入浴してください」と言われた。
こうしたさり気ない配慮は、さすが一等地にある銭湯である。
それとロッカーの使い方もレクチャーされた。下足箱のカードをロッカー内側に差し込むのだという(この時点でよく分かっていなかった)。


男湯は、フロントに向かって左側(つまり下足箱からだと奥側になる)。
入ると、銭湯の規模からすればそこそこの広さだが、それに比べていかんせん人が多すぎる。
入って右側が縦長のロッカー。左側は通常のロッカー。奥に洗面台。浴室入り口の横には物置とゴミ箱が並ぶ。


先ほどのロッカーの使い方であるが、ロッカーの上部に記された「カードを内側に差し込んでください」という文字がすぐに理解できなかった。
というのも、てっきり先にカードを差し込むのかと思いこんでいたからだ。
そうではなくて、先にロッカーの扉を開け、その扉の内(裏)側にカードを差し込む場所があるので、そこにカードを入れれば鍵を掛けることができる仕組みだった。
面倒くさい!


正直手間ではあるが、紛失防止のための措置なのだろう。ただ色んな銭湯をみてきたけれども、こんな面倒なロッカーは初めてである。やはり色々と問題があって普及しなかったのかもしれない。
そんな感じでロッカーの使い方に戸惑ったが、なんとか浴室の中へ。


浴室に入ると、脱衣場同様にかなり狭い。ただ、それなりの工夫が色々となされている。
入ってすぐ左にサウナ。そして右に水風呂がある。ここの水風呂は、冷鉱泉。ただ通路がかなり狭いので、水風呂から人が出るとどうしても冷たい水を受けてしまう。
立ちシャワーは、水風呂の横とサウナの前に一つずつある。ともにハンドシャワータイプだ。


そして入り口から見て目の前が島カラン。4つほどしかなく、ビッシリ人が座っている。左右の壁にもカランがあるが、それも数が少ない。
さらに私物の置きっぱなしが目立つ。仕方ないなと思いながら私物の置かれてない場所を探すと一カ所しかなかった。
こういう状況だと他の銭湯なら間違いなく立ちシャワーを使うのだが、なにせ渡されたボディーシャンプーで洗えと言われたので、カランで洗わざるをえない。


その空いた席に座ると、隣には角刈りでいかにも気が強そうな年配者。お湯を浴びるたびに、こちらにバシャバシャしぶきを飛ばしてくる。
混んでる状況だからしょうがないと思いつつシャワーのハンドルをひねると、
突然、「おいッ」と言われ、「シャワーを使うとお湯がこっちに掛かるだろ。これ使え」と桶を渡された。
(えっ?!)と内心思いながら「…すみません」と謝り、桶を受け取った。
しかし、当の本人は相変わらずこちらにお湯を飛ばしてくる。
なかなか一見さんには厳しい銭湯のようだ。


なんとか体を洗い終えると、今度は浴槽の方へ(先ほどの年配者が目で追ってるのを感じながら…)。
浴槽は他の銭湯と変わらず奥にあって、すべて黒湯。水風呂も含めて全部温泉(冷鉱泉)である。そうしたところが人気の理由だろうか。


浴槽は左右2つに分かれていて、右側が44℃の熱湯。左が若干広めで、ぬるめの40.7℃の主浴槽である。なぜそこまで細かく分かるのかというと、湯船の上に電子温度計が設置してあったからだ。
それと両方とも浅めで、ジェットバスのない座湯とジェットバスのついた座湯が並ぶ。
浴槽も芋洗い状態で人がゴロゴロしており、入るだけで一苦労である。
お湯はかなり濃厚な黒。そのため足下がまったく見えない。
最初に入ったときはお客さんの足を引っかけてしまったし、座湯の手すりに掴まろうとしたら、べつのお客さんの手を握ってしまった。幸いにも怒られはしなかったものの、配慮が必要だろう。


客層は、メインが高齢者であるが、若い人もそこそこいた。やはり、温泉であると若い人も引きつけるのかもしれない。
それとみんな地元の人たちなのか賑やかな会話が聞こえてくる。
マンション銭湯ということでスペースがないうえ天井も低く、それでいて人がめちゃくちゃ多いので窮屈感がハンパない。
そのためゆっくり過ごしたい人にはお勧めできないが、下町の雰囲気や温泉にこだわる人にとってはなかなか刺激的で楽しい銭湯なのではないかという気がした。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 麻布十番(広尾)
経路 有栖川記念公園を横切る
周辺の環境 大使館

●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 チップタイルで日本丸が描かれている
統一感 あり
置物 あり
照明 若干暗いかも

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 狭い
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 黒湯、座湯、ジェットバス、水風呂(冷鉱泉)
サウナ なし
温度 40.7℃、44℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ ふつう
貸しタオル あり(50円)
備え付け なし(ただし、持ってないと小さなボディーシャンプーをくれる)

◆人
受付 40代の女性と10代の男性
客層 高齢者、若者、親子


【案内】

住所
〒106-0047
港区南麻布1−15−12

電話番号
03-3453-1446

アクセス
東京メトロ南北線「麻布十番」駅下車、1番出口より徒歩5分
都営大江戸線「麻布十番」駅下車、7番出口より徒歩5分

休日
月、金曜日

営業時間15:30−23:30

※東京銭湯ホームページ転載

日の出おふろセンター(川崎・産業道路)

2019-02-02 06:51:02 | 銭湯 温泉


川崎大師線の産業道路駅から高速道路沿いを歩いて12、3分のところに日の出おふろセンターがある。
「おふろセンター」と名乗るだけあって、一味ちがった個性あふれる銭湯だった。








▲川崎大師駅。本来は最寄り駅が産業道路駅(2020年3月より「大師橋駅」に改名予定)であるが、今回は川崎大師駅から向かうことに


▲そこから川崎大師がある商店街へと向かう


▲とりあえずひたすらまっすぐ








▲露店がズラーッと並び、お祭りの雰囲気


▲これらの写真だと分かりづらいのだが、すごく多国籍なお店が多く、店員さんも外国人などが目立つ













▲右にいくと川崎大師への入り口。人の流れはそっちに向かうが、日の出おふろセンターはまだまっすぐ先だ




▲ここを右折


▲しばらくまっすぐ








▲写真には写ってないが、右側が川崎大師である。ギリギリ川崎大師の敷地内に立っている


▲分かれ道は

▲左側














▲奥に高速道路がみえるが、その手前を左折


▲すると日の出おふろセンターがみえてくる










▲到着



入り口右側には、コインランドリーが並ぶ。普通だとコインランドリーと銭湯は壁などで隔てられているが、ここはそうした境界がない。境界のない作りはロビーに入っても同じだった。


左側に扉があり、中に入ると手前左に下足箱。下足箱もまたロビーと地続きである。
入り口から見て奥にソファとテーブル、テレビがある。こじんまりしてて、家庭的な雰囲気。
右側にはフロント。受付に立つのは60代ぐらいの白髪の男性だ。愛想はないものの、真摯な対応である。
貸しタオルを受け取り、男湯は左側ののれんをくぐる。


中に入ると、目の前に見えるのが島ロッカーならぬ島カゴ。川崎といえば治安の悪そうなイメージであるが(勝手なイメージです)、そんな川崎でもカゴが使われているのは意外だった。
そのカゴの裏側は通常のロッカー。右の壁にもロッカーが並ぶ。
ここは平成29年にリニューアルしたらしく、まだ新しくて綺麗である。そうしたリニューアル後もなおカゴが残されてるというのは、伝統的にカゴの愛される銭湯なのだろう。


そして右手前に常連用のロッカーと体重計、足下にはサーキュレーターがある。左側には洗面台のない大きな鏡とドライヤー。その奥隣にトイレ。
浴室入り口横に洗面台があり、物置のラックは、その洗面台の下に置かれてあった。とにかく空間を有効活用するのがここの特徴かもしれない。


浴室に入ると、かなり変わった作りの銭湯である。ただベースとなる部分は他の銭湯と変わらない。
右側の壁にカランが並び、真ん中には浴槽。左手前に立ちシャワー。そして左の壁にもカランが並ぶ。
このへんは標準的ではあるが、そこから本領発揮を見せるのが日の出おふろセンターだ。


さらに左側奥に目を転じるとサウナ専用の扉がある。サウナ専用ではあるが、見えるのはサウナではない。もう一つの浴室だ。
実はここ、通常入浴とは別にもう一つの同じ規模をもつ浴室を備えている。サウナ料金を支払えば、その浴室も入ることができる。今回はサウナ料金を払わなかったので入れなかったのだが、ガラス扉から中を覗くと、浴槽が真ん中に2つ。ちゃんとカランもある。
おそらく左が水風呂、右が桧風呂ではないかと思うのだが、なにせ料金を払わなかったので中に入って確認できない…。
しかしサウナの追加料金だけでもう一つの銭湯を堪能できるのは凄い。
しかし一方でその追加料金は570円と、入浴料よりも高い値段設定である。合計で1040円。追加料金を払えば別の銭湯もハシゴできることから悩ましいところである。


そして、先ほどの間仕切りのカランであるが、そのカランの奥にも別室のような繋がりで通路があり、奥にもカランが続いている。
その通路の左側にミストサウナ。これは通常の入浴料で入れる施設だ。そのため無機質で飾り気のない空間である。
ちなみにミストサウナは、風呂の原点と言えるものだろう。「風呂」という言葉通り、初期は「湯」ではなく水蒸気で体を温めていたからだ。


その奥の扉を開けると、目の前に水風呂。これは通常サイズである。そしてその水風呂と小さな通路を隔てて右側に温泉がある。
温泉の成分は食塩泉。匂いは独特のもので、なんとも形容しがたい。
温度は、温度計が38℃だったが、さすがに40℃は越えてたと思う。少し土色に濁った色をしている。暗がりの中で見たため、明るい時だと印象が異なるかもしれない。


そして再度入り口に視点を戻すと、先ほど紹介した真ん中の浴槽が、主浴槽である。この主浴槽は奥に向かって末広がりをしている。
手前側はふつうの白湯で、そこそこ広い。5~6人は入れるだろうか。
奥は、右から小さな電気風呂が1つ、その左隣が座湯2つ、一番左が歩行湯である。
歩行湯は、かなり小さなもので横2メートル、縦1メートルほどの狭い通路。立つと胸あたりまでお湯に浸かり、ジェットが定間隔で噴出している。その泡が主浴槽全体まで流れ込む。
グルグル回ってるとすぐ飽きるので、結局立っているだけだ。


客層は高齢者を中心ながら中年、若者も多くいた。川崎大師に近いが、大師から住宅街へと向かう方向にあるため、ほとんど地元の人たちだろう。
見た目はやんちゃな感じの人たちが多く、やっぱり川崎である。そして常に人であふれていて、終始にぎやかな会話の聞こえる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 産業道路
経路 高速道路沿い
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 ビル銭
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 あり
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 綺麗で落ち着いた雰囲気。カゴが真ん中にある
シャワーの出 ふつう。みんなヘッドが大きい
浴槽の種類 白湯、電気風呂、座湯、歩行湯、露天風呂(温泉、水風呂)
サウナ あり(乾式、ミストサウナ)
温度 42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 感じが良い
清潔さ あり
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし

◆人
受付 60代ぐらいの男性
客層 年齢に偏りなし


【案内】

住所
〒210-0813 
川崎市川崎区昭和2-5-12

電話
044-288-7713

営業時間
11:00〜23:00

定休日
不定休

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載