銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

末広湯(東京・大井町)【休業】

2022-05-28 06:45:00 | 銭湯
#末広湯
2022年5月31日休業
・駅から近い
・変わったレイアウト
・2022年晩夏に再開





JR京浜東北線
#大井町駅
▲JR京浜東北の大井町駅。お隣は大田区の大森と港区の品川駅である。大井町は品川区だ


▲階段をのぼり


▲改札口


▲地図をみると、目的地は右下の公園の隣(42の数字)にある


▲改札口を出たら右に進み


▲左の階段をおりる


▲降りたら


▲すぐ右にぐるっと回る


▲左の横断歩道を渡る


▲この右にみえるホテルの裏側に出る必要があるので、建物の中に突っ込む


▲ここから中へと進む


▲モスカフェがあって


▲マックがあって


▲お寿司屋さんを右折




▲ホテルの裏側に出たところ。今度はひだりに進む




▲十字路でストップして


▲右折




▲すぐに左に曲がる


▲すると右側に公園がみえてくる


▲あとは真っ直ぐ進むだけ


▲右手に末広湯がみえてくる


▲手前がコインランドリー


▲奥に入り口




▲閉店のお知らせ




▲廃業ではなく、あくまでも休業。経営者が変わって晩夏に再開するそうだ


▲到着


建物の中に入ると左に下足箱があり、下足箱の横幅がかなり狭い。奥行きが足りないのは何度かあったが、靴がハの字になるほど狭いのはここが初めてかも。
右に進むとモダンな感じのロビーが広がり、左にフロントの受付がある。
座るのは40代後半あたりの女性と、50代ぐらいの男性。
女性は愛想が良かったが、男性は終始無言だった。
目立つ場所にタオルセットが置いてあったので貸しタオルはないだろうと判断し、こちらをいただくことに。
タオルセットが120円で入浴料が480円。合計で600円だった。
左が男湯で右が女湯。



出典:品川浴場組合ホームページ引用


のれんをくぐるとマンション銭湯にしては広めの脱衣場だった。真ん中に島ロッカーがあり、壁際にもロッカーが並ぶ。洗面台は壁が斜めに設置されてある。
これはロビーも曲線を描いた壁になっていたので、建物全体が個性あるレイアウトで作られていた。


出典:品川浴場組合ホームページ引用


浴室の扉は半自動扉ではなく普通の扉。なので開けっ放しにしていると、中にいる年配客から「閉めてくれる!?」と不満の声が響いていた。
浴室に入ると、最初に目に飛び込んでくるのは独特の形状をしたカランだ。六角形と表現すべきなのか、ちょうどカギ括弧の〔〕の形をしている。


出典:品川浴場組合ホームページ引用


出典:品川浴場組合ホームページ引用


ともに台座の表裏にカランが設置されているので数はそれなりにあった。
左壁には手前と奥の角っこに2つずつカランが設置されてある。手前はハンドシャワーで、奥が固定シャワー。
シャワーの出はまちまちで、他の人が使ってると圧力が弱まったりした。
入り口右側には、銀色をしたプラスチック壁が立ちシャワーを半円で覆っている。


浴槽は右の間仕切り側に並び、設備ごとに仕切られているので種類が多く見える。
手前が寝湯で1人用。背中部分にジェットが噴出し、水枕もきちんと機能していた。
奥隣がこれまた1人用で、電機風呂。
ただ、こちらはウンともスンとも言わず壊れたままだった。
さらにその横にあるのは座湯で2人用。
奥に続いて主浴槽があり、半分はなにもなく、残りの半分がミクロバイブラだった。
ミクロンバイブラはかなり細かい泡だったが、なかなか気持ちよかった。
最後の一番奥にあるのが岩風呂の薬湯だ。薬湯は底が見えないのでどんな段差になってるのか分からずいつも怖い。
温度は白湯のところが42℃ほどで、薬湯は40℃ほどとぬるめだった。


これで終わらず、浴室の左奥にサウナがある。といっても、残念ながら閉店間近なのか稼働していなかった。
そのサウナの横に三角形の水風呂。ほぼ1人用のスペースで水温は20℃よりちょっと上あたりか。


壁絵はなく、天井は低い。間仕切り壁のところだけ蒲鉾状にくり抜かれていたので、少しだけ天井が高くなっていた。おそらく湯気抜きのためだろう。


客層は高齢者がメインながら若い人もチラホラ見かけた。客同士の会話は一切なかったのでとても静かだった。
駅から近いということで利便性は高いが、利用してるのはほとんど地元の人たちだろう。
いったん閉店するということでぶっちゃけた話として書くのだが、実ははじめてここの来たときに洗い場で体を洗っていたら、長い間こちらをじっと見続けている男性がいて、ちょっと不気味だなと思ったことがあった。
それからかなり経ったあとで、大井町駅前にあるおふろの王様で同性愛者同士が一線を越えた行為をしてることが発覚し、大手チェーン店では珍しくホームページで激しい怒りを示したことがあった。
おふろの王様と末広湯は目と鼻の先にあるので、まさか末広湯も…と思ったのだが、今回は久しぶりに訪ねてみると、さすがにそのようなことはなかった(前回はたまたま変な客がいたのだろう)。


経営者が変わって、2022年の晩夏には再び開店するという。
経営権を引き継ぐのが個人なのか企業なのかは分からないけれども、ここは駅から近くてオフィスと集合住宅がミックスされた地域のため、改装次第では多くのお客さんが見込めるのではないだろうか。
短い休業後にどんな銭湯に変わっているか楽しみである。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大井町
経路 南下する
周辺の環境 住宅、公園

●空間演出
建物外観 マンション
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 作りがちょっと変わってる
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 寝湯、電気風呂、座湯、ミクロンバイブラ、薬湯、水風呂
サウナ あり(故障中)
温度 40~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル なし(購入120円)
備え付け なし

◆人
受付 40代の女性と50代の男性
客層 高齢者や若者


【案内】

住所
〒140-0014
品川区大井1−42−4

電話番号
03-3777-7084

アクセス
京浜東北線「大井町」駅下車、徒歩4分

休日
水曜

営業時間
15:00−21:00

※東京銭湯ホームページ転載

西郷隆盛の像はなぜ上野にあるのか?

2022-05-26 06:19:00 | 日記








上野公園といえば西郷隆盛さんの銅像があることで有名ですが、なぜ西郷さんの銅像が上野公園にあるのかは知らない人が多いのではないかと思います。
かく言う自分もつい最近まで知りませんでした。


上野公園は、もともと徳川家のお寺である寛永寺が所有していた敷地で、その寛永寺には明治維新に不満を持つ武士たちが集い、彰義隊と名乗って新政府軍と対峙していました。
ここは政治体制が切り替わる幕末において、文字通り戦場だったのです。
新政府軍の指揮をとったひとりが西郷隆盛でした。後々に新政府と決別して、日本史上最後の内乱と呼ばれる西南戦争後では朝敵と認定されるのですが、生前の彰義隊を討伐した働きぶりが評価されて上野に銅像が建てられました。


▲上野公園の地図


▲寛永寺の正門(黒門)あとに、こうした歴史を伝えるモニュメントが建てられてあります。西郷隆盛の率いる兵士は、ここから突撃しました




▲横の階段をのぼり


▲すぐ右手に西郷隆盛の銅像があります


江戸無血開城と呼ばれていた大政奉還のときでも、局地的ながら流血事態が起きていました。
どんな時代も権力が移行する時はかならず激しい衝突が起こり、権力の坐を奪われた側は敗北者として歴史の片隅に追いやられます


▲西郷隆盛の銅像のそばにあるのが


▲上野戦争で散った彰義隊のお墓です


▲彰義隊のお墓も一緒になって紹介されないと、なぜ西郷隆盛の銅像が上野にあるのか説明できないでしょう






ちなみに銅像の除幕式に招かれた未亡人の奥さん(西郷糸子。通称いと)が、「あらまあ、うちの人はこんなんではなかったわ!」(アラヨウ、宿んしはこげんなお人じゃなかったこてえ!)と言ったエピソードはあまりに有名ですが、西郷さんはどんな立場の相手であれ常に正装で会っていたらしく、銅像が浴衣姿だったことからそれが原因ではないかと言われています。
最初は軍人ゆえに軍服を着せる予定だったのですが、いくら許されたとはいえ西南戦争では新政府に反旗を翻した逆賊だったので、ウサギ狩りに行くラフな格好にしたようです。
また西郷さんは極端な写真嫌いだったので誰も正確にその顔立ちを表現できる人はおらず、やはりある程度違っていた可能性は十分あります

そして決定的に違うのは西郷さんはバンクロフト糸状虫に感染していたので陰嚢が象皮病(陰嚢水腫)になっており、とてつもなく大きな睾丸を抱えていたことです。


▲こうなります


事実、彼の死を認められたのは象皮病の陰嚢を持った巨体な男が自害していたからでした。
ただ銅像を作製するにあたって様々な忖度や政治的配慮があったのは想像難くありません。そうしたこともあって、奥さんが「こんなの、うちの人とちがう!」と言ったのでしょう。



松の湯(東京・駒込)

2022-05-21 06:13:00 | 銭湯
#松の湯

・秩序ある空間
・すべて常識範囲のお湯
・一見さんは芸能人





JR山手線
#駒込駅
▲JR山手線の駒込駅


▲駒込駅といえば、駅前のつつじが有名だ。訪れたときはちょうど開花の時期だった


▲目指すは東口


▲階段を下りて






▲東口の改札口


▲出たら右に進む


▲右を向いたところ


▲駅をふりかえる


▲アザレア通りというところを真っ直ぐすすみ


▲ここで立ち止まる


▲左に向いたところ。中里という和菓子屋さんが目印


▲そのまま進んで


▲横断歩道をわたり


▲質屋さんのところで右折


▲曲がったところ。あとは直進するだけ


▲公園がある


▲公園を通り過ぎて




▲田端銀座というところの入り口がみえてくる。名前の通り、田端駅からも来ることができる


▲その右手に松の湯がある。繁栄ビル。縁起のいい名前だ


▲受付は二階にある。ビル銭は通常だと地下にあることが多いので、二階にあるというのはかなり珍しい


▲ちゃんと後ろには煙突がみえる


▲到着


▲この日は子どもの日ということで、菖蒲湯だった


▲階段をあがって


▲入り口


▲到着


下足箱は鍵付きもあるが、学校の上履き入れみたいな扉なしのスペースもあり、サンダルの常連客はそちらを使っていた。
中に入ると目の前がこじんまりしたロビーで、右手に受付がある。
座るのは40代後半ぐらいの女性。
「貸しタオルありますか?」とたずねると、「コロナで今やってないんですよぉ」とのことで、130円のタオルセット(使い切りジャンプ&ボディソープ)をいただくことに。
この日は5月5日で子どもの日だったので、ヤクルトも配っていた(たしか先着200名ほどだった記憶。1日にそれほど見込めるとはすごい)
「いただきます」ともらって、「はーい、いってらっしゃい」と声掛けをいただく。
女湯は左側で、男湯は右側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


のれんをくぐると横長の脱衣場で、きちんと整頓されており、秩序ある空間だった。
右側にロッカーが並び、コロナ対策の一環で部分的に鍵が間引きされていた。
目を引いたのは浴室側の洗濯機で、結構な数がある。おおよそ4~5台ぐらいだろうか。脱衣場で洗濯機がそんなに使われるのかちょっと不思議だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室は扉が2つあって、中に入るとなかなか広い。レイアウトは通常の銭湯同様に真ん中に島カランがあり、左側と間仕切り側にもカランが並ぶ。手前の右側には立ちシャワー兼ジュビナバス(ボディシャワー)があった。
ジュビナバスは通常だと水だけの所が多いが、ここはお湯も選択できるので水が苦手な人も使えるだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用


カランは全体を見渡すとシャワーのヘッドがそれぞれ違っていて面白い。壊れた際に少しずつ変えてきたのかも。
シャワーの出は勢いが強く、とても使いやすかった。備え付けは入り口横に置いてある。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽はL字型で、奥から右にかけて続いている。
右側の手前にあるのが薬湯で、この日は菖蒲湯だったが半端ない量の菖蒲が投入されていた。およそ湯船の2/3ぐらいは覆われているほどだ。
薬湯の内側には段差があって、それが岩盤泉(各種岩盤を砕いたタイルが埋め込まれたもの)だったのだが、菖蒲が多すぎて岩盤泉にしか座れなかった。
温度はだいたい43℃ぐらいか。


奥にあるのが主浴槽で、右側がバイブラで真ん中はなにもなく、左側が座湯だった。こちらは41℃ほどと低め。
最後は左側にあるのが熱湯で、2人ぐらいしか入れない深浴槽だった
熱湯と書かれてあるので覚悟を決めて足を突っ込んでみたところ、まったくと言っていいほど熱くない。というか、むしろ薬湯よりもぬるいほどだ。温度は42℃ぐらい。
なぜこんなに低い設定なのに熱湯と命名したのか理解に苦しむ。ただし、シャワーのお湯は熱めだったので、それでのぼせそうになってしまった。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲男湯


壁にあるタイル絵は西洋のお城を描いたもの。その左側に富士山の絵のポスターが貼ってあった。
間仕切りの壁は眼鏡橋を描いたタイル絵で、このへんのテーマの選別はチグハグという印象だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯


客層は全員高齢者だったが、この日は久しぶりに入った瞬間から入浴客(といってもその時は4人ほどしかいなかったが)から一斉に注目を浴びた。
たまに一見さんが珍しいところは遠慮なくジロジロみてくるが、ここはまさにそんな感じ。まわりをみる度に視線が自分に向いているのに気がつく。芸能人だと町中を歩いているといつもこんな感じなのだろうかと同情してしまった。


ここは建物こそ古いけどロビーから脱衣場、浴室までしっかり整理されており、清潔感は完璧。シャワー等の設備管理も申し分なく、スペースも広いので快適だった。お湯の温度もすべて常識範囲だし、近所にあったらしょっちゅう通いたいと思わせる銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 駒込
経路 南東に進む
周辺の環境 商店街

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 西洋のお城のタイル絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 横長できれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 薬湯、岩盤泉、バイブラ、座湯
サウナ なし
温度 41~43℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル なし(購入130円)
備え付け あり

◆人
受付 40代後半の女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒114-0014
北区田端4−3−9 繁栄ビル2階

電話番号
03-3823-2203

アクセス山手線「駒込」駅下車、徒歩5分

休日
月曜
祝日は翌日休

営業時間
15:00−24:30

※東京銭湯ホームページ転載

地面にある遊び心ー見逃されているアートの世界

2022-05-17 08:07:00 | 日記



渋谷といえば誰もが思い浮かべるハチ公の銅像。駅前の待ち合わせ場所として有名ですが、じつはその足元にもハチ公があるのをご存知でしょうか?



じゃん、こちらです。
すぐそばの足下にもハチ公の姿をみつけることができます。
しかし、今回はこれを紹介したいわけではなく、もっと遊び心のあるハチ公をモチーフにしたアート作品があります。しかも誰もが見過ごしてしまうアレです


道玄坂にむかうと(トーホーシネマズの近くに来るとポップコーンのにおいがいつも漂ってきます)



このマンホールです。一見するとなんの変哲もないマンホールに見えますが…



よくよく見ると、道玄坂をローマ字表記したDOGENSAKAが、
DOG(犬)・EN(縁)・SAKA(坂)
に分かれています。
面白いダブルミーニングです。
しかしこれは序の口で、彫られた部分は人が歩いているように見えますが、それを横に見ると




なんと犬の姿に変わりました。しかも一匹だけ胴輪をつけた犬(ハチ公)がいるのです。分かるでしょうか





右下にありました。
普段は誰も気にしないマンホールですが、こんなところに遊び心がちりばめられていました。
マンホールは地域によって絵柄が異なり、最近だとデザインマンホールなるものも出始めています。中には内務省(明治時代から戦後間もなくまで存在した中央官庁です)の刻印された歴史遺産とも呼べるものまで残っています。

地面にあるためつい見過ごしがちな存在ですが、注目してみると思わぬ場所でアートの世界が広がっていることに気づかされるのではないでしょうか。





銀泉浴場(横須賀・浦賀)

2022-05-14 05:53:00 | 銭湯
#銀泉浴場
・昭和の入浴を追体験できる
・お湯が死ぬほど熱い
・突っ込みどころ満載





京急本線
#浦賀駅

▲浦賀駅。京急の終着駅のひとつだ






▲路線図をみると、はるばる来た気持ちになる


▲出口にむかい


▲改札口


▲そのまま真っ直ぐ進み




▲右の階段を降りる


▲降りたところ


▲浦賀港に直進して横断歩道を渡り


▲かつて黒船が浦賀にやってきたことを伝える絵が飾られてある(ただし黒船は浦賀に停泊しただけで、上陸したのは久里浜)


▲浦賀港の左側の道に進む


▲ただ、ひたすら真っ直ぐ
















▲分かれ道もあるが、ここも直進


▲坂道をのぼり








▲今度は下る






▲ドラッグストアのクリエイトがみえてきたら


▲さらに進むと左にローソンがある


▲そのローソンを過ぎてすぐ右手の道を右折する


▲曲がったところ


▲すると右側に銭湯がみえてくる






▲休憩用の椅子


▲奥には薪が乱雑に積み重なっていた


▲入り口


▲到着


手前が男湯で、奥が女湯。
中に入ると、普通の家のようなちいさな土間になっていて、すぐ左のところにこれまた小さな下足箱がある。そこが番台とつながっており、番台はというと手作りの布が全体を覆い、女湯と男湯の出入りする通路は扉がなくて布がカーテンみたくぶら下がっていた。
最初は番台に誰もいないのかな?と思ったが、足音で気が付いたのか女湯側から50代ぐらいの女性が現れた。
「こんにちは。貸しタオルありますか」と尋ねると「はい、あります」と番台のところから出してくれた。こういうところは清潔に管理してるか少し不安もあるが、使ってみるときれいに洗ってあり匂いもとても良かった。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用


入り口は路地側に面しているので特に気にもしなかったけど、玄関の扉が開けっ放し。脱衣場と直結してるので、そのまま外から丸見えである。
それに関連して時系列は飛ぶが、入浴後に脱衣場へ戻ると、ちょうど女性客が玄関前を通り掛かったタイミングで遭遇してしまい、真っ裸のところを見られてしまった。女性客はハッとした感じで一瞬硬直して、店主が察するとすぐに男湯側の扉を閉めたのだがすでに遅しで、女性客は女湯側に歩いてから「しめてー」と店主に話しかけ、店主も「もちろーん」とこたえていた。


脱衣場はかなり狭くて右側にロッカーがあるが、やはり数は多くない。奥側に籐籠(とうかご)が積み重なっていたので、地元客はこちらを主に利用しているのではないだろうか。
鍵のないロッカーには、「鍵を返して」と張り紙がふたつほど貼ってあった。
足下はきれいな板張りになっていたので、たぶんここだけ中普請したのではないかと思う。
トイレに入ると、なんとボットン便所だった。ただ通常のボットン便所だと入った瞬間にせき込むような不快臭に包まれるのだが、ここはどういうわけか全然臭わない。便器に底蓋のようなものが設置してあったので、そのためかも。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用


浴室のガタついた扉をあけると、入浴客は誰もいなかった。どうやらこの日の一番客だったようだ。
浴室を見渡すと、シャワーがひとつもなし。みんな蛇口のカランだけだ。どんなに古い銭湯も基本的にシャワーは設置してあるので、シャワーなしの銭湯はちょっと記憶にない。
浴槽は関東では珍しく真ん中に鎮座し(このレイアウトはちょくちょくある)、手前と奥に分かれている。下で通じているので、実質一つの湯船である。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ引用


最初にカランでお湯を浴びるとめちゃくちゃ熱い。ということは、浴槽も?
と思いつつ覚悟を決めて手前のところから最初に足を突っ込むと、半端ない熱さで足が悲鳴をあげる。そして底に足が付く前に耐えられず引っ込めてしまう。約一秒たらずの出来事であったがすでに足が赤くなっているから恐ろしい熱さだ。
奥の湯船はどうなのかと手を突っ込んだところ、手前よりもっと熱かった。
銭湯の場合は客が追い炊きできないので店側があらかじめ熱くしておき、あとは好き勝手に温度調整してくださいというスタイルなのだろう。
実際に、女湯側からはしばらくすると勢いよく水の流れる音が聞こえてきた。その音は自分があがるまでずっと聞こえていたので、ほぼ出しっぱなしで入るのがここの流儀なのかもしれない。
しかし自分みたいな一見さんからすると、いきなり水で埋めるのはためらわれる。とりあえずそのまま入れないだろうかと色々試してみたが、やはり無理なものは無理だった。そのままだと火傷は避けられないので、あきらめてカランでお湯を浴びただけで終わってしまった。


女湯は二人目のお客さんが来るとすぐににぎやかになって、たえず話し声が聞こえていた。
男湯は自分が上がるときに、ちょうどすれ違ったが、あまり男湯はお客さんが来てる様子は感じなかった。


むかしからほとんど手付かずで変わらないスタイルを通した銭湯ということで、ここまで古い銭湯は久しぶりだったからとても新鮮だった。
ただ、やはりシャワーがないのは不便だったし、お湯は熱すぎるし、扉が開けっ放しで裸を見られてしまうし、色々と突っ込みどころ満載の銭湯だった。



【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 浦賀
経路 観音崎通りを歩く
周辺の環境 集合住宅

●空間演出
建物外観 古い
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 狭い
シャワーの出 そもそもない
浴槽の種類 白湯
サウナ なし
温度 50℃前後
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ 雑然としてるが綺麗にしてる
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 50代の女性
客層 高齢者


【案内】

住所
〒239-0813 
横須賀市鴨居2-8-8

電話
046-842-0469

営業時間
16:00〜22:00

定休日
不定休

※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合銭湯ホームページ転載