銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

大勝湯(東京・三ノ輪)

2019-09-21 06:57:27 | 銭湯 人工温泉





東京メトロ日比谷線の三ノ輪駅を下車すると、ジョイフル三ノ輪を通れば、その中ほどに大勝湯がある。
建物はかなり古いビルであるが、湯船のバリエーションが豊富でコストパフォーマンスの高い銭湯だった。

【大勝湯】をザックリいうと
◎水風呂、人工温泉あり
・昭和の銭湯
・奥に秘密の湯船
・老朽化は否めず




▲三ノ輪駅


▲その右側








▲東京上野ライン


▲そのガードレールをくぐって




▲出て、すぐ左手の横断歩道を渡る




▲渡ったところ


▲この中へと入る




▲出たところ。まっすぐ進んだ先が都電荒川線


▲右がジョイフル三ノ輪の入り口


▲どっちから行ってもほぼ同じなのだが、今回は都電経由で進む


▲ここは三ノ輪橋駅






▲まっすぐ向くと


▲大勝湯の建物がみえる


▲そちら方面へと進む






▲ここを右




▲ジョイフル三ノ輪


▲左にまがる。商店街に入ると独特な匂いが鼻につく


▲ここは昭和の景観を今も残していて、見事なまでに下町の情緒が溶け込んでいる




▲味わい深い路地も


▲その商店街をちょっと歩くと




▲左側に大勝湯




▲ビル銭だ


ここはかつて上階でサウナ、温水プールもやっていたらしく、いまのスーパー銭湯のハシリというべき銭湯だったのだろう。







入り口に入ると、一般的な銭湯と比べて広めの玄関口。とくに驚いたのが下足箱の大きさ。横幅が広くて、余裕がある。





左の自動扉をあけると、その左手にフロント。座るのは、40代後半から50代前半あたりの女性だろうか。
「いらっしゃいませ」と笑顔で挨拶してくれる。素晴らしい対応だ。
フロント前には小さな椅子が置いてあり、ここで休憩することもできる。
受付では貸しタオルをかりると、下足箱の鍵を渡して、ロッカーの鍵を受け取る。帰りは鍵を忘れないように注意が必要だ。


男湯ののれんをくぐると、ビル銭とあなどっていたが、脱衣場はかなり広め。
真ん中にテーブルが縦に2つ並び、左にロッカー。奥に洗面台が2つあって、ドライヤーは無料。左には給水機とコップが置いてある。
内装がほんとうに昭和のデザインという感じで、特に照明がその時代の特徴をよく表現していた。
昔のドラマに出てきそうな形状なので当時のままなのだろう。
それと脱衣場には腰の曲がったおばあちゃんが入ってくると、一つひとつのロッカーを開けながら忘れ物がない確認してたりと、非常に働き者の店主と感じた(受付はその女性の娘さんかお嫁さんだろうか)。


指定されたロッカーで服を脱ぐと、浴室の扉をあければ、浴室もそこそこ広いなという印象だ。
ただ、かなり古びた感じで、足下の金属製の足踏みがギシギシ鳴っており、老朽化は否めない。


全体を見回すと、真ん中に島カランがあり、左右にもカランがあるのだが、右側は真ん中より手前の間仕切りに円形の浴槽がなぜかポツンとあって、その奥側の壁にカランが並ぶ。なので右(間仕切り)側のカランは短い。


浴槽は奥で、壁面は岩で演出された作り。昭和の銭湯にしてはなかなか凝っている。
おおよそ3つに分かれた白湯で、左が奥に打たせ湯を備えたバイブラ。ただ、打たせ湯はかなり古い感じで、おそらくもう使えないものだろう。その右隣の真ん中が電気風呂で一人用。そして一番右端が座湯。その壁面にモニュメントの岩が積み重なっている。
温度はすべて41℃ほどと、個人的には快適温度だった。
上を仰げば、モザイクタイル絵で、男湯側はペガサスが宙を飛び立っている。下は海のモチーフで不思議な組み合わせだ。


しかし大勝湯はこれで終わりではなく、むしろここからが本番。いわば白湯は前菜のようなもので、メインディッシュは裏側に隠されていた。
タイル絵の下、すなわち右側奥の入り口に入ると、その入り口すぐ目の前に浴槽が見える。
近づいてみると、水風呂。そこそこ広めで、3~4人は入れるぐらいの大きさだ。水温は25℃前後とぬるめ。


さらに左側に目を転じると、薄暗い洞窟みたいな空間には白濁の湯船があって、それが2つに分かれていた。
左側が普通の浅浴槽でミニバイブラ。お隣がかなり低い浅浴槽で寝湯である。手すりがあり、ちゃんと冷たい水枕もある。
解説をみると、草津湯とあって、草津にある湯の花を使用しているらしい。
こうした本場のものを使った白濁の湯ははじめての入浴体験だった。
ちなみに「湯の花」とはなんぞや?と後で調べてみたところ、温泉の不溶性成分だという(それを溶かしていれるというのは矛盾した表現だけど…)。
入ってみると、手ですくっても濃厚なミルク感があり、たしかに効果がありそう。ちなみに湯の花は、かなり匂いの残るものだった。


さらにその草津湯の真ん前にも湯船があって、次はなんだ?!と思って近づいてみると、見た目はフツウの白湯だが、解説板をみれば和倉温泉を再現した湯船だった。

Wikipediaによると、和倉温泉の泉質は、「ナトリウム・カルシウム塩化物泉。弱アルカリ性(泉源によっては中性)高張性高温泉。」だそうだ。

塩を高い濃度で混ぜたもので、その浴槽の古さと薄暗い照明の効果もあり、商店街にある銭湯なのに秘湯感満載。
入ってみると、こちらも温度は41℃ほどとマイルドであるが、塩の効果なのかジワリと温まる感覚がする。


これらはすべて人工温泉ではあるが、それにしても一般の銭湯でここまで揃えるのはすごいサービスだ。
情報が少ない銭湯だから予備知識ゼロで来たのだが、湯船の充実ぶり、快適な温度、さほど混雑してない等々ですっかり長湯してしまった。 


客層はおおむね中高年で、やや年配者が多い。広めの浴室で湯船も多彩なので最初から最後までゆったりできた。
経年劣化で古さは否めないが、意欲的な設備を取り揃えており、個性ある商店街の中にあって大勝湯もまたユニークな銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 三ノ輪(東京メトロ)、三ノ輪橋(都電荒川線)
経路 商店街の中
周辺の環境 商店街

●空間演出
建物外観 古いビル
壁画・眺望 ペガサスのタイル絵
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 フロント前、脱衣場
脱衣所 広い
シャワーの出 良い
浴槽の種類 ジャクジー、バイブラ、電気風呂、座湯、草津湯、和倉湯、水風呂
サウナ なし
温度 41℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 素晴らしい
清潔さ 微妙
貸しタオル あり(0円)
備え付け なし

◆人
受付 50代前半ぐらいの女性
客層 中高年


【案内】

住所
〒116-0003
荒川区南千住1−19−4

電話番号
03-3806-0141

アクセス
都電荒川線「三ノ輪橋」駅下車、徒歩2分

休日
水曜

営業時間
10:00−21:30

※東京銭湯ホームページ転載