銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

大黒湯(東京・北千住)閉店

2021-06-29 06:34:00 | 銭湯
#大黒湯
2021年6月30日閉店


・キングオブ銭湯
・ガチャポンのモデル
・東京の銭湯を代表する建物





東京メトロ日比谷線
#北千住駅

▲北千住駅。ここはJRや東京メトロ、東武などいくつもの路線が入り交じるハブ駅。そのためいつも賑やかだ


▲こっち方面にある


▲地図をみると日光街道そばの温泉マークのところに大黒湯がある


▲べつの地図でみると


▲病院の近く


▲商店街に進み


▲進んだ途中の右側に宿場町通りというのがあるので、ここを進む


▲するとミニストップがみえたら左折


▲サンロードというところ


▲日光街道にぶちあたる


▲日光街道をわたると


▲大黒湯がみえてくる


▲立派な建物。キングオブ銭湯の異名を持ち、東京を代表する銭湯だ。まさかここが閉店するとは思ってもみなかった


▲改めて見ると、生きた国宝と呼べそうな銭湯である




▲入り口


▲下足箱

靴をあずけて中に入ると、こちらは家庭的な雰囲気のあるロビーになっていて、右手に受付のフロントがあった。
座るのは80代ぐらいの女性。ご高齢で体調不良から銭湯を閉じられるらしいが、実際にそんな様子が伺える。


出典:東京銭湯ホームページ引用


貸しタオルがないか訊ねるとないということだったが、「販売ならありますよ」ということで20円のタオルを頂く。
前は50円だったが、閉店間近ということで20円まで値下げしたのだろうか?
男湯は右側で、女湯は左側。


出典:東京銭湯ホームページ引用


▲ロビーはこんな感じ。外観とは違って、やや今風でもある


▲ゆっポくんの人形


▲お別れの花束もあった


出典:東京銭湯ホームページ引用


のれんをくぐれば、広い脱衣場で古いけれども清潔感がある。木の椅子が背中あわせにあって、左側には座るテーブル。
身長計や古いマッサージチェアなども置いてあり、歴史を感じさせる。
なによりも圧巻なのは、やはり天井。
浴室の湯気抜きと同じ高さにあって開放感があり、その造りと年季を感じさせる色合いがなんとも貫禄と重厚感を訴える。
この日は閉店に近いということで、多数の客が足を運び、古い銭湯にありがちな高齢者ばかりではなく、若い人が沢山詰めかけていた。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉をあけて中に入れば、浴室は脱衣場以上に人であふれかえり、湯船と人の熱気に包まれていた。
島カランは2つあるが、右壁にはなくて、その右側の島カランも左側面にしかカランがないので、実質ひとつの島カランと同じ構造である。
右手前にはサウナがあり、その横には立ちシャワーが2つ。外観の古さとはうってかわり、そんなに古くなかったので、どこかで中普請したのだろう。 


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲男湯


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲女湯


こういう古い銭湯だとたいていは水回りになにかしらの不具合が生じているものだが、ここはカランにしても立ちシャワーにしても湯量が豊富で使いやすかった。これには感心した。


湯船は奥にあって、L字型をしている。
左奥が深浴槽で、座湯。温度は45℃ほどで、けっこう熱めだ。
その右が主浴槽と呼べる広い湯船で浅浴槽。真ん中にバイブラがあり、その左すみっこに1つだけ寝湯があった。水枕もついていて、冷たい。こちらも45℃ほどと最初に入ったときはかなりキツく感じた。
最後は右手前に突き出た浴槽で、水風呂。2人入ればいっぱいで、常に満員だった。水温は16~18℃ぐらいと、けっこう冷たいと感じた。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲左が座湯で、その右隣に寝湯がある


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲主浴槽


そこから右側には扉があり、露天風呂と書いてある。扉には、相変わらず「お子さんの用便はトイレで!」の張り紙。
よっぽど腹に据えかねたのだろう。


露天風呂は、ちゃんと露天風呂をしていて、小さいながらも日本庭園が整備されている。
露天風呂自体はけっこう広めで、4~5人は入る広さ。温度は43℃と中と較べると若干低くなる。
外気浴できるスペースもあるが、人で溢れてて座ることは不可能だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は典型的な富士山の絵で、比較的新しく塗り直した印象を受ける。それだけにこれで閉店してしまうのは勿体ない気がした。間仕切り壁は、遠近法を誇張した絵で珍しいものだ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


ただ全体的に老朽化が目立ち、どのみち大掛かりな改修工事をしないといけないとなると後継者がいないならば閉店してしまうのは仕方ないのだろう。
それにしても二度とこれほど立派な建物は再建できないだろうから、潰すにはあまりに惜しい建物だ。
来たときも帰りのときも別れを惜しんで多くの人たちが建物にカメラを向けていた。寂しいけれども、こうして惜しまれながら去っていくのはある意味で有終の美なのかもしれない。
建物はなくなっても、しばらくは人々の記憶の中で生き続けるだろう。


出典:東京銭湯ホームページ引用


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 北千住
経路 日光街道のそば
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 立派な宮造りの銭湯
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 ゆっポくん
照明 ふつう

★設備
休憩所 家庭的なロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、寝湯、バイブラ、水風呂、露天風呂
サウナ あり
温度 43~45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 親切
清潔さ きれい
貸しタオル なし(円)
備え付け あり

◆人
受付 80代の女性
客層 高齢者や若者


【案内】

住所
〒120-0033
足立区千住寿町32−6

電話番号
03-3881-3001

アクセス
東京メトロ日比谷線「北千住」駅よりバス。「千住4丁目」下車、徒歩2分

休日
月に1回連休

営業時間
15:00−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

天神湯(東京・中野)

2021-06-26 06:25:00 | 銭湯
#天神湯

・美しい銭湯
・完成度が高い
・意外と客は少ない





東京メトロ東西線
#中野駅

▲今回は東京メトロを使ってやってきたのだが、ホームをJRと共有しているようだ


▲なので左に止まってるのがJRで、右が東京メトロ。最初は知らなくて頭が混乱した




▲一度下に降りると


▲北口をめざす


▲駅構内はかなり混雑していて、ひといきれが凄かった




▲改札口をでると広場になっており


▲北口を出たら右に進む


▲壁には絵が描かれていて、それがずっと先まで続いていた


▲しばらくは線路沿いを歩く
















▲突き当たりを右に曲がる




▲道に沿って左に曲がる


▲しばらくまっすぐ歩くと






▲ここでストップ


▲パイナップルの缶が目印


▲左に進む




▲この十字路を右に進む




▲あとはそのまま真っ直ぐ行けば、天神湯がみえてくる






▲図太い煙突がみえてくる。すぐ目の前にあるので迫力がある






▲入り口は奥左








▲立派な宮造りだ






▲到着




ここは昔ながらの銭湯らしく下足箱は左右に分かれてて、受付は番台形式である。
左が男湯で、右が女湯。
自動扉を開けると、右側に受付に番台があった。
座るのは60代前半ぐらいの女性。
こちら側からは何を見てるのか分からなかったが、集中してなにかを見てる様子だった。たぶんテレビだろう。
「こんにちは」と言うと、ようやくこちらに目を向けてくれて「貸しタオルありますか?」と訊ねたらすぐに出してくれた。
「こちらで大丈夫ですか?」
「使ったらこちらに戻してください」と言われる。
文字に起こすと伝わりにくいが、とても感じの良い話し方で、好印象だった。
番台はどちらかというとフロントタイプなので、脱衣場は見えないようになっている。プライバシーが心配な人も安心して使えるだろう。


入り口から感じたことだったが、とても綺麗で、脱衣場にしても浴室にしても同じだった。明らかに一度中普請(リニューアル)してると思うのだが、それに加えしっかりと清掃されていることが伺われる。


脱衣場を見渡すと、島ロッカーが右側にあり、左の壁にもある。左側のロッカーは上に常連用の私物が置かれ、そこだけは雑然としていた。
右の間仕切りには大きな鏡と洗面台。洗面台にはアメニティとしてティッシュ、それに瓶に入った綿棒があった。
浴室入り口側には、古い体重計と洗濯機が2つ。


脱衣場の手前には小さな坪庭があり、真ん中には池がある。鯉が二匹泳いでいて、注意書きには池でタオルを絞らないでくださいと書かれてあった。


出典:まるっと中野ホームページ引用


浴室に入ると、先ほども述べたようにとても綺麗な浴室という印象である。
島カランが2つあって、右は表裏ともにカランがあるが、スペースを確保する為か、左にある島カランは右側のみ。
左右の壁にもカランが並ぶ。
島カランの上には備え付けが各所置いてあった。
面白いのは備え付けの表記で、シャンプーが「頭」と書かれてあったことだ。ストレートで分かりやすい。
左側手前には立ちシャワーが2つ。
ふつうのカランにしても立ちシャワーにしても湯量が多くて使いやすかった。


浴槽は奥にあって、2つに分かれているが、実質ひとつの湯船である。
右側が座湯で、ジェットバスの勢いがかなりあって刺激的。
真ん中が赤外線で、古い銭湯でよく見かける設備だ。
そして最後は、寝湯。
狙いは寝湯なのだろうけれども、正直言うと角度が微妙で、体育座りのほうがしっくりくる。こちらは背中と足元からジェットが噴出していた。
その左側の壁には湧出口がある。
温度は、すべて45℃ほど。やはり昔ながらの銭湯らしく熱かった。


出典:まるっと中野ホームページ引用


壁絵は古典的な富士山(河口湖)の絵で、古い銭湯のイメージを裏切らないチョイスである。
その下はチップタイル絵で、海を描いているのだが、なぜか熱帯魚に混じって金魚が泳いでいた。


壁絵にしても湯気抜きの天井部分にしても、みんなすごく綺麗で、立ちシャワーの壁や間仕切り部分も最新の綺麗さを保っていた。
そんなに遠くない過去にリニューアルをしたのだろうが、それにしてもすべて綺麗だからビックリ。
毎日しっかりと清掃しないとここまで清潔さが保たれないだろう。


近年のリニューアルした銭湯だと、すっかり現代風に生まれ変わって使い勝手も素晴らしく文句はないのだが、その銭湯の歴史がみごとなまでに漂白されて少し寂しい気持ちにもなったりする。
一方で、天神湯だと過去の歴史を踏まえつつ現代風にアレンジしているので好感がもてた。


客層は、自分が入浴したときは、高齢者が1人だけで、その高齢者もすぐに出てしまったので、実質自分1人で占有していた。
設備まわりはすごく快適で、入り口から浴室までとても綺麗で、なぜこんなに客が少ないのだろう?と不思議だった。
周辺に強力なライバルがいるのか分からないが、また来たいと思えるとても素晴らしい銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 中野
経路 線路に沿って落合方面へ歩く
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、赤外線、寝湯
サウナ なし
温度 45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 60代ぐらいの男女
客層 高齢者


【案内】

住所
〒164-0001
中野区中野5−10−10

電話番号
03-3387-2657

アクセス
中央線「中野」駅下車、徒歩7分

休日
月曜、木曜
祝日は営業

営業時間
15:45−23:00

※東京銭湯ホームページ転載

オリンピックミュージアムー意見の対立を乗り越えて

2021-06-24 07:54:00 | オリンピック






いよいよ7月23日にオリンピックが始まります。それにちなんで、新国立競技場そばにあるオリンピックミュージアムに行ってきました!




今回の目的地は、東京メトロの外苑前駅から歩いて7~8分ほどのところにあるジャパンスポーツオリンピックスクエアという長ったらしい名前の建物の中にあります。新国立競技場はすぐ横にあります



こちらは関係者用の出入り口(誰の銅像かは分かりません!)



右奥にオリンピックミュージアムの入り口があります





予約制で事前に予約しないと入れないのですが、あまり知られてないのか人気がないのか、予約は簡単にできました。遅くなければ当日予約もできるようです



入り口の前では警備員のメガネを掛けた小柄な女性が立っていて、「予約はされましたか?」と声を掛けられます。
「はい」とこたえて中に案内されると、「検温をさせて頂きます」と2メートルぐらい離れて、光線銃のような検温器を額に向けられます。
終了を告げられ奥に進めば、今度はガッチリした感じの男性スタッフが待機しており、太い声で「予約したQRコードはございますか」といった感じで聞かれるので、メールで送信されたQRコードを見せると、端末で読み取ってもらい、予約した情報が提示されます。
「間違いございませんか?」と聞かれるので間違いございませんと言うと、ようやくチケット売り場に足を運ぶことができます。




外からみたチケット売り場


チケットは、一般500円。
この手のミュージアムにしては安いなと思いました。中に入ってみると500円にしてはかなりよくできたミュージアムでGoogleの口コミも大変評判が良く、納得のすばらしさでした。


チケットを購入すると、順路は2階から観覧するように案内されます。
エレベーターもありますが、自分は階段を使ってのぼりました。



階段をあがると、最初に目に飛び込んでくるのが、日本の歴代金メダリストたちの顔写真が並べられたパネルです。
経路は左に続き、写真を撮ってると女性スタッフの方が来られ、観覧前の注意事項として写真の撮影はOKだけど、フラッシュ、動画撮影は禁止となりますと忠告されます。


入ったすぐ足下にあるのが、オリンピックの歴史を簡単に紹介されたアニメと実写を組み合わせた短編イントロダクションで、かなりのクォリティーでした。



さらに奥に進むと、古代オリンピックと近代オリンピックの違いや、近年のオリンピックはどのように歩んだのかといったことが貴重な品々を見ながら知ることができます



以下案内板を書き写します(太字が書き写しになります)

紀元前8世紀ごろ、古代ギリシャの国々は戦争やえき病に苦しんでいました。古代オリンピックがはじまった背景には、そんな苦しみから逃れ、 平和を願った人びとの想いがあると言われています。 競技会は、ゼウス神にささげる聖なる祭典として、戦争を3か月間休止して、ギリシャのオリンピアで行われました。そして4年に1度、約1200年もの間つづけられたのです。休戦の考えは近代に受けつがれ、オリンピックは「スポーツの祭典」であり「平和の祭典」として開催されています。





ピエール・ド・クーベルタン。 フランス貴族の家に生まれた彼は、 軍人になることを期待されますが、教育の道にすすみました。 そしてイギリスを訪れた時、スポーツが青少年を成長させる様子をみて心をうたれます。教育に スポーツを取りいれれば、 心身の調和のとれた人間が育ち、やがて世界の平和につながる。そう確信したのです。単なる競争遊びだと考えられていたスポーツを、教育と結びつける発想は、 当時、画期的でした。その考えを実現させるため、クーベルタンは古代オリンピックを国際的な規模でよみがえらせ、世界に広げていきます。 それが、近代オリンピックです。




もともと近代オリンピックは教育的な観点で考えられていたんですね。そしてかつて行われていたオリンピアを通して世界的な平和の祭典にしようと試みます



いまは世界各地にあるピクドグラムは、1964年の東京オリンピックで初めて使われました。オリンピックのアートディレクターが家紋から着想を得て考えられたと言われています



各大会の金メダル



オリンピック最初のメダルです



奥右側には1964年オリンピックにちなんだ展示室になります



聖火を運ぶための容器です



アジア初のIOC委員になった嘉納治五郎さん。柔道の創始者でも知られています



東京オリンピックはおおくのアジア初をもたらし、アジアを世界の表舞台に押し上げる機会にもなりました



本来なら1940年に行われるはずだった幻の東京オリンピックのポスターです。渋くて今でも通用しそうです



ブルーインパルスの飛行機雲で作られた五輪の写真。空をキャンバスにするという当時としてはかなり大胆な演出で世界から喝采されました



1964年の東京オリンピックで着用されたユニフォームです



駒沢に計画されたオリンピックのための国立競技場の模型。結局、計画は頓挫します



実際に作られた旧国立競技場の模型









ここまでが二階になります



そして一階のロビーです






ほぼ一階は現在に関する一部のみで、そんなに見るべきものはなく、実質二階で完結している感じでした。
今回は動画撮影ができないので紹介できませんでしたが、各動画はほんとうによく出来ていて楽しかったです。
とくにオリンピックシアターの「アートオブボディ」(たしかそんな名前)は湾曲したモニターの映像でみたのですが、すごくよく出来ていて興奮しました。
これをみたあとはオリンピックを絶対見たい!と思いました。


様々な意見や賛成、反対があるオリンピックですが、まずは多くの事実を知ることから始めるのが議論の出発点だと思います。
賛成の人も反対の人も、是非とも足を運んでオリンピックの歴史を見てもらいたいと思います。
そして最後は、オリンピックの理念通りに分断から結束へー双方に寛容と和解が訪れることを祈っています。




山の湯(東京・要町)

2021-06-19 07:21:00 | 銭湯
#山の湯

・センスの優れた銭湯
・店主は寡黙
・真ん中に湯船がある





東京メトロ有楽町線
#要町駅

▲有楽町線の要町駅


▲位置としては池袋の隣にある


▲皇居からみて左上






▲階段をのぼり


▲改札口


▲改札口を抜けると


▲1番出口にでる


▲エスカレーターであがり


▲地上にでたところ


▲このまま進んで




▲右に商店街の入り口がみえてくる


▲その商店街の中へと入る




▲山の湯の看板を発見


▲このままくねった道を進む








▲ここでストップ


▲左折する


▲先にいくと


▲分かれ道


▲右に進む


▲そのまま進み








▲ここで左折する


▲すると山の湯がみえてくる






▲路地裏のところに入り口がある。古い銭湯によくある作りだ




▲建物が渋い




▲時代を感じさせる古い設備。すっかり錆び付いていて時の流れを感じさせる


▲反対側に行くと、こんな感じ








▲到着


中に入ると、下足箱は男女左右に分かれている。どうやら番台のところのようだ。左が女湯で、右が男湯。




入った感じはたしかに古いけれどもかなり綺麗なところという印象だ。
靴を預けて中に入れば、左に番台があり、座るのは60代前半ぐらいの男性。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると、無言のままで、やや困惑した感じにみえた。目の前にはタオル100円とあり、「それではこちらをいただきます」とタオルをいただくことに。
店主の膝のところにはスマートフォンがあり、もう今は年輩の人もテレビよりスマホになるのだろう。
帰りのときは「ありがとうございました」と言っても頷いてもらったが無言のままで、別のお客さんが「こんちは!」と元気よく挨拶してても無言だった。寡黙なのには、なにか理由があるのだろうか…。


出典:豊島区浴場組合ホームページ引用


脱衣場は横幅があって、とても雰囲気が素晴らしい。むかしながらの脱衣場といえばそれまでだが、その整え方にセンスの良さを感じた。
左側は休憩用にテーブルと椅子が囲い、右側にロッカーがある。低い位置に送風機が置いてあった。
手前側には小さな坪庭がある。溶岩らしきものが壁伝いに並んでいた
外気浴もできるので、春先から冬にかけだとちょうど良いだろう。
浴室側は洗濯機が3つ。真ん中は故障中の張り紙が張ってあった。
間仕切り壁のところにはテレビがあり、テレビの上には古い柱時計。
その下側にアルミのホースが2つ飛び出しており、なんだろうこれは?と思ってたら、そこから冷風が流されていた。
驚いたのは、脱衣場にWi-Fiが流れてることだ。建物は古いけれども、サービスは現代にマッチしている。
とはいえ、脱衣場でスマホを使って大丈夫なのか?


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こういう囲いもあったけれども


浴室の扉をあけると、ここは関東では珍しく、真ん中に湯船があり、そのまわりをカランが取り囲む。
こうした作りは、東北や関西などに見られる構造だ。
左手前にはミストサウナの設備があるが、この時はコロナの自粛中ということで稼働していなかった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


右手前には立ちシャワーが2つある。パーテーションはオレンジ色で、いかにも昭和チックな配色。
ハンドルは左が水で、右がお湯だ。
湯量は多くて使いやすい。備え付けも1つひとつあるので、ここですべて完結することもできる。
まわりの壁にはカランが並び、こちらも使い勝手がよく、丁寧に清掃されていることが伺われた。とにかく全体的に綺麗なところだ。
カランのシャワーはすべて固定シャワーでけっこう熱め。


真ん中には先ほども書いたように湯船があり、ひょうたん型をしている。
手前と奥に分かれてて、手前はバイブラ。奥は先端にジェットバスがついていた。
手前側を最初に入ると、意外と熱くなく、41℃ぐらいか。こんなものかと思い、次に奥の方に入ると、かなり熱くて驚いた。45℃ほど。
手前の湯船は、詰めれば4~5人ほど。実際は入っても3人ぐらい。
奥は詰めれば7人ほどが入れると思うが、おそらく4~5人入れば、いっぱいな感じになると思う。
両方とも薬湯で、この日はワイン湯という紫色の湯船だった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室は古典的な天井の高い作りで、白地に縁は青い線が入っているが、下に目を向けると、淡いピンク色がベース。
この日はお湯が紫だから、妖艶な色合いに包まれていた。


壁絵はとても綺麗で、最近書き直されたものではないかと思う。
題材は七尾岬(?)と記載されてた記憶があって、検索すると石川県がでてくる。東京や横浜の銭湯は石川、富山出身者が多いので、そうしたルーツを描いたものかもしれない。
その下には、タイル絵で緩やかな滝の絵が描かれてた。
間仕切り壁のところは、のどかな田舎の風景。こんな感じで、多くの絵が浴室内を取り囲む。


出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は高齢者ばかりかと思ったが、若い人もけっこういる。古いけどお洒落な雰囲気を漂わせて清潔感もあるので、若い人がいるのも納得である。
路地裏が入り口だったり、真ん中に湯船があるというユニークさも相まって、ほかの銭湯にはない特別感がある銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 要町
経路 東へ
周辺の環境 住宅、路地裏

●空間演出
建物外観 古い宮造り
壁画・眺望 岬、滝、田舎
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 センスある作り
シャワーの出 使いやすい
浴槽の種類 バイブラ、ジェットバス
サウナ あり(この日は使用中止)
温度 41~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 無言
清潔さ 綺麗
貸しタオル なし(購入100円)
備え付け あり

◆人
受付 60代の男性
客層 高齢者や若者


【案内】

住所
〒171-0043
豊島区要町1−47−12

電話番号
03-3957-2679

アクセス
東京メトロ有楽町線「要町」駅下車、徒歩5分

休日
月曜
祝日は翌日休

営業時間
15:30−24:00

※東京銭湯ホームページ転載

閉店した銭湯を巡るー東急東横線沿い

2021-06-17 06:44:00 | 閉店その後

前回は蛇骨湯、世界湯、六龍鉱泉など老舗の有名どころを巡りましたが、今回は東急東横線沿いに限定した閉店巡りをしてみたいと思います。


千代田湯
(白楽)

白楽は菊名と横浜の間にある駅です



写真真ん中の奥が改札口になります


抜けるとすぐに横に商店街





アーケードを入ってすぐ右手の家具屋さんの間に千代田湯の入り口がありました

かつてあったときは…


出典:はまれぽcomホームページ引用

こんな感じでした




もう今は立て替えられて、アパートになった模様です



裏側にある狭い路地の商店街からも入ることができました




千代田湯はとにかく古い銭湯で、おそらく戦後まもなくあたりに開業したところだったのではないかと思います。
白楽は神奈川大学が近くにあるので若者が多いのですが、昔はもっとハイソな場所だったらしく、岸惠子も住んでいた街でした。
そんな場所にあってか、落語の若手を招いて銭湯で落語をするなんてこともしていたようです


出典:はまれぽcomホームページ引用


出典:はまれぽcomホームページ引用


東京園
(綱島)


菊名の隣の隣にある駅です


近年新しい駅が誕生する予定で、陸の孤島と呼ばれる相鉄線が新横浜を経由して東急とも繋がります。
その接続駅として作られるのが新綱島駅。新と新同士が結ばれます。



その駅の工事中現場



マンション建設もはじまっていました。
綱島は渋谷にも横浜にもアクセスがいいので、ムサコ(武蔵小杉)同様に最高の立地だと思います



写真今昔物語






さらに左に目を向けると





東京園がありました





なんと新綱島駅の真横にあります。
じつはこの東京園。正確には廃業したわけではなく、休業中になってます。
まさか囲いに覆われて現存してるとは思ってもみませんでした。
いまや超一等地なので買い取らせてほしいという業者さんが沢山いるのでは?
東京園が休業したのが2015年5月21日で、ちょうど6年の月日が経ちました。
そろそろ復活するか廃業するか決断が迫られた時期ではないかと思います。


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲営業してた頃の東京園の姿


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用


出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用

東京の奥座敷と呼ばれた綱島。
そこで営業していた大規模銭湯だけに、休業は多くの人たちから惜しまれたそうです。

ちなみに新駅の工事現場





トンネルをエッサホッサ掘ってます






ノザワランド
(駒沢大学)


最寄り駅は駒沢大学駅






地図を見ると、東口からでてオリンピック公園そばにある環七を目指します。
途中経路を割愛すると



到着。ノザワランドがあった場所は、マンション建設が始まっていました





自分が訪れた時はすでに古い銭湯だったのですが、創業時はかなり画期的な新しい銭湯だったようです。
むかしは何度かテレビに紹介されてたみたいで、ビートたけしなど芸能人のサインがところ狭しと並んでいました



▲訪れたときのノザワランド。「ワ」の文字が抜けたまま放置されていました


 
いまはマンション建設の途中です






松島館
(桜木町)

桜木町は今でこそJRの駅しかないのですが、数年前までは東急の終点駅でした。今回は無理やり東急沿線沿いにあった銭湯として紹介します。


桜木町から線路沿いを横浜方面に歩いて、住宅地へと入っていけば松島館がありました。
ここらへんはいかにも下町といった感じで、古い建物がズラリと立ち並びます。
松島館があった場所に到着すると…







なんとすでにマンションがほぼ出来ていました。
まだ内装工事中ですが、足場が取り外され、外観は終了した様子です。
閉店したのが2020年7月末だったので、一年も経たずにマンションができたことになります。
こうやって閉店巡りをしていると、銭湯の跡地はほぼマンションばかりという印象です。


現在


過去


現在


過去

こんな感じになります


松島館の入り口


渋い建物でした


先ほども述べたようにこの周辺はまだ古い建物が沢山残ってて




ここは菅総理の選挙区でもあります




住宅地の中に神社があったりもするのですが



工事中のところがたくさんあり、時代とともにこの街にも大きな変化の波が押し寄せていることが実感させられました