銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

COCOFURO かが浴場(東京・王子)

2023-05-27 06:18:00 | 銭湯
#COCOFURO かが浴場





JR京浜東北線
#王子駅
▲JRの王子駅

▲北口改札口

▲北口改札口を抜けて左にすすみ

▲川沿いに歩く




▲歩道橋がみえてきたら


▲ここをあがる


▲あがったところ


▲そのまま進むと右に王子神社、左に北区の役所がみえてくる


▲一度ひだりの横断歩道を渡り

▲北区の役所方面へと真っ直ぐ進むだけ

▲交番を横切り


▲横断歩道をわたって



▲花辰が見えてきたら近い


▲左のミニストップのところが、かが浴場も入るテナントビルである



▲左折したところ

▲かが浴場は、2023年5月16日にビッグバン誕したココフロ系列の第3弾だ。閉店した銭湯を居抜きによって再生している


▲入浴料はほかの銭湯とおなじ500円だが、サウナが200円と破格の安さである

▲正面


▲ななめから眺めるとヒネりのある凝ったビルである



▲到着


▲かつての独特のフォントは引き継がなかったようだ


▲日本初のコインランドリーをほこっていた場所。いまは違うお店が入っている



▲項目が多い注意事項。あまり多すぎるとかえって頭に入らないような…


下足箱は左右の壁沿いに並び、券売機はこの下足箱のスペースにあった。


▲高齢者ヘルシー入浴なるものもある。販売タオルロゴ入り130円。レンタルバスタオル160円。タオルセット290円


チケットを手にして自動扉を抜けると、すぐ目の前にフロントがある。
対応してくれたのは二十歳前後ぐらいの若い男性。入り口に入った瞬間から大きな声で挨拶をしてくれる。
ほかには20代の男女の姿があり、合計で3人ほどが忙しそうに仕事をしていた。
チケットを渡して購入したロゴ入りのタオル(130円)をもらう。
まわりを見渡すと物販の多さが目を引く。入浴関連のグッズが数多くならび、それだけ華やかな雰囲気を感じる。
フロントの左側には数は少ないもののテーブルが用意され、そこでソフトクリームなどの飲食を楽しむことができる。
右側に目を向ければ、一段あがったスペースになっていて、こちらはカフェのようにお洒落な雰囲気。ソファが壁沿いに並び、若い男女が入浴後のひとときを楽しんでいた。青春時代のいちページを垣間見るような気分。
食べ物などもフロント近くで販売し、カップ麺や缶詰などお手軽に買える食べ物が目立った。


出典:スーパー銭湯全国検索ホームページ引用


出典:スーパー銭湯全国検索ホームページ引用


浴室の入り口は、一段あがったところの端っこにあり、男湯は左側で女湯は右側。
のれんをくぐって扉をあけるとお世辞にも広い空間とはいえない脱衣場になっていて、ロッカーは島形式で点在。その隙間を縫うように移動しなければならない。人も多くいるので、余計にその狭さは強く感じた。ロッカーは正方形や縦長などがあるので荷物に応じて使い分けることができる。
ドレッサーは脱衣場の壁側にあり、ドライヤーに綿棒、それとテッシュなどがある。潤沢なところと比べると乳液や化粧水はなくて(欲しい人は使い切りが券売機で売ってる)最低限という感じもしなくもないが、個人的にはこれだけあれば十分。むしろ多いと場所を取ることになるし、やたらとアメニティがあるところはそんなに必要だろうか?と思ったりもする。給水機が入り口横にあるので、このあたりの設備も嬉しい。


浴室の扉をあけて中に入ると、とにかくすごい人の数だった。ロッカーや休憩所を見ればだいたい想像できたが、実態は想像以上。


カランはすぐ入って左側に島カランが2つ並ぶ。スーパー銭湯とおなじでハンドシャワーにプッシュ式で時間の経過とともに止まるもの。この時は運が悪いことに水シャワーだったのを当ててしまった。知らずに浴びたらいきなり冷たくて飛び上がりそうになった。温度調節は使い終わったらお湯に戻してほしい。
備え付けはシャンプーとボディシャンプー。ココフロ系列店と同じものを使っていることが匂いで分かった。


カランの奥にはサウナがある。こちらは音楽が流れるもので扉が開くたびに爆音が響いていた。閉まるとほとんど聞こえず、防音の高さに驚く。
ただこの音楽は常に流れているわけではなく、流している時と無音のときと30分ごとに繰り返してるようだ。やはりこの大量に音楽を流すのは賛否両論があるようで、実際に自分もあまり良いとは思えなかった。どちらかというと静かに過ごしたい方なのと、選曲によっては雰囲気がブチ壊しになる。客が選曲をできるようになればいいのにとさえ思った。
カランとサウナの間の通路には外気浴ができるスペースの扉がある。
こちらは狭いスペースにみっちりと椅子が並び、人気なので行列や滞留ができるほど。もちろんビルのところなので、周囲はみえないけどお洒落な空間だ。


出典:スーパー銭湯全国検索ホームページ引用
▲写真では広く見えるが、実際はそんなに広くはない。オートローリューもあって、これで200円はコスパが高い


出典:スーパー銭湯全国検索ホームページ引用
▲スタイリッシュで格好いい


サウナの裏側に水風呂がある。一段あがった作りになっていて、その分深さが確保してある。90cmの表記だったので中々深い。奥行きもあって4人ぐらいは入れるのと、水温は温度計を信じると16℃。肌感覚もそれぐらいかなと思う。


出典:スーパー銭湯全国検索ホームページ引用


右側に目を転じると、手前には数多くのタオル掛けがある。
こちらにはタオルだけでなくサウナハットが無数に並び、サウナ文化が深く浸透してることが分かる。
自分が子どもの頃はサウナといえばおじさん達がたしなむ昭和の娯楽というイメージが強かったので、若者であふれる今のサウナは隔世の感だ。サウナハットは70年代に流行ったチューリップハットを彷彿させるなど、令和の時代に昭和ルネッサンスが開花している。


その右奥に浴槽が2つ並ぶ。
手前が漢方薬湯で、ココフロのオリジナルブレンドらしく独特の匂いがした。漢方特有のクセは強くなくてさわやか。少し白濁にもみえたが、浴室全体が間接照明で薄暗いのでいまいち本来の色がわかりにくかった。
温度は42℃ほどで少し熱め。


奥にあるのが華の湯で、奥飛騨湯から採取したものらしい。そんなに湯の花らしい匂いはなくて、これだったら普通の薬湯のほうが入ってる感がある。
この華の湯の奥に電気風呂。弱と強にわかれていて、弱でも十分に強かった。温度は41℃ぐらいと誰もが入れる温度だ。


このようにサウナを中心に外せないものはしっかり用意しているが、スペースの都合もあったと思うが、バリエーションはそんなに多くなく、湯船が特に犠牲になっている。
昨今はリニューアルする銭湯だと炭酸泉が当たり前のように用意されているが、このお店はなかった。
なぜ用意しなかったのか分からないが、推測するとランニングコストの削減かなとは思う。一方で、べつの理由としては高濃度炭酸泉が今は陳腐化しつつあるので、そのあたりで新しい形を模索した結果だったのかもしれない。


今はリニューアルしたとあって目新しさで来客が多いけれども、王子駅から徒歩10分の距離はリピーターを考えると少しネックになるだろう。さらには全体的な狭さから感じる窮屈さと設備の中途半端さ、サウナをめぐる運営の仕方でも好みがわかれる。
見方を変えれば、この狭さが友人同士で来る場合は心地よい良い空間かもしれないし、サウナの音楽も非日常空間の演出としては冴えている。視点により解釈に幅が生まれるお店だ。
今回のかが浴場はココフロの運営会社にとって大きなチャレンジだろうし、客側からしたら、そのトレードオフを見極めるリトマス試験紙のような銭湯である。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 王子
経路 北へ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 特になし
照明 少し暗い

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれいだけど狭い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 漢方薬湯、華の湯、水風呂、電気風呂
サウナ あり
温度 41~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 元気
清潔さ きれい
貸しタオル あり(レンタルバスタオル160円)
備え付け あり

◆人
受付 20代の男女
客層 若者が中心


【案内】

施設名
COCOFURO かが浴場施設

タイプ銭湯(公衆浴場)

住所
東京都 北区 王子本町2丁目23−9 加賀ビル

アクセス
JR 京浜東北・根岸線 / 王子駅北口 徒歩 8 分 JR 京浜東北・根岸線 / 東十条駅 徒歩 13 分 東京メトロ南北線 / 王子駅 徒歩 7 分 都電荒川線 / 飛鳥山駅 徒歩 10 分 都電荒川線 / 王子駅前駅 徒歩 10 分 国際興業バス:(赤50)王子駅〜赤羽駅 本町通り1分

駐車場
近くにコインパーキング2カ所あり

TEL
03-5948-5262

HPhttp://rakuya-onsen.com/

定休日
なし

営業時間
月曜日 06:00〜24:00
火曜日 06:00〜24:00
水曜日 06:00〜24:00
木曜日 06:00〜24:00
金曜日 06:00〜24:00
土曜日 06:00〜24:00
日曜日 06:00〜24:00

定休日:3月、5月、9月、11月 第3火曜日

料金
入浴料金 500円
サウナ料金 200円

※サウナイキタイホームページ転載

井草湯(東京・井荻)

2023-05-20 05:54:00 | 銭湯
#井草湯




西武新宿線
#井荻
▲井荻駅


▲南口の改札口。本来は北口から行くので、南口に出て北口をめざす

▲改札口を抜けたら左の地下通路を通り




▲階段を出て左に北口がある

▲北口を通り過ぎて


▲ここで立ち止まり


▲右折


▲あとはひたすら直進するのみ


▲住宅が続く



▲このあたりで井草湯がみえてくる。裏手にはスーパーがあるので、車の往来がはげしい




 
▲到着

▲全景




▲杉並浴場組合の企画で「パンダ銭湯」とコラボをやっていた


やや狭い入り口のスペースで靴を預けると、扉を抜ければ右に券売機が2つ並び、ひだりにフロントがある。
券売機は、入浴券500円とレンタルタオル50円のチケットを購入。
フロントに立つのは20代前半ぐらいの若い男性。コラボ企画の一環でパンダ耳のカチューシャを着けていた。銭湯だと基本的に若い人の対応はおおむね良いが、ここも礼儀正しく丁寧な対応だった。
フロントのまわりにはビールサーバーやソフトクリームの製造機、それとパンダ銭湯の関連グッズが所狭しと並んでいた。
奥には休憩所のロビーと外にはデッキなどもあり、二階に進むと二階にも休憩所がある。一般の銭湯でこの充実ぶりは中々すごい。キッズルームもあるのだがコロナ禍の影響なのか停止中だった。

出典:東京銭湯ホームページ引用


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲二階の奥のキッズルーム


男湯は手前(左側)で、女湯は奥側(右側)。
のれんをくぐると脱衣場はとても綺麗でシックな装いになっている。ロッカーは壁沿いに並び、縦型や通常の四角のタイプなど色々ある。
ドレッサーは脱衣場の左側にあり、有料のドライヤーとハンドソープやジェル、ティッシュかと思ったら厚紙のハンドタオルがあった。


浴室の扉をあけると、ここはかなり複雑な作りをしていて、いつもなら入った瞬間に全体のレイアウトが頭に入るのだが、ここに関してはじっくり回らないと把握できなかった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


入ってすぐ左側にカランがある。
すべてハンドシャワーで温度調節ができるのでスーパー銭湯のカランとまっく同じ作り。
感心したのは、テプラで「場所取り禁止!!」と強調したうえで、「置かれた荷物を物置に移動させてもらいます」と表記してあったことだ。
ほとんどの銭湯は残念ながら常連客に気兼ねして場所取りを見て見ぬ振りをしているが、井草湯はそうした問題に正面から取り組んでいる。これを見ただけでも信用できる銭湯だとわかる。


一番奥には主浴槽となる湯船。
こちらは軟水を使った湯船で、真ん中にバイブラ、左側にはボディジェット関連が3つ並ぶ。自分が訪れた日は子どもの日だったので、お決まりの菖蒲(しょうぶ)が浮いていた。
端午の節句はもともと匂いの強い菖蒲で邪気を払う中国の風習を取り入れたものだったが、菖蒲「しょうぶ」という言葉が勝負や尚武という言葉を連想させて、男の子が逞しく育つことを祈願する行事へと変化したようだ


主浴槽の温度は42℃ほどと通常の温度であるが、そこそこ熱い。
この主浴槽から派生するような位置にあるのが子ども専用の湯船で、壁には鹿威(ししおど)しが取り付けられていた。
竹筒に水が注がれて中が満たされると比重の変化で傾き、水を吐き出して戻る際に地面の石にぶつかってカッコーンと鳴るあれである。もちろん銭湯にあるのはプラスチック製だ。
浴槽は当然ながら浅く、温度も40℃を少し上回るぐらいでぬるい。手をかざしてみると、1℃違うだけでこんなに体感温度が違うものだろうか?と思った。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲目の前にあるのが主浴槽で、左半分に見切れてるのが子ども専用湯船


視点を浴室の入り口に戻すと、今度は右側を見れば、手前に水風呂がある。
温度は18℃ほどで、通常の水温であるがけっこう冷たく感じた。4人ぐらいが入れるスペースなので一般の銭湯にしては広めである。
水風呂の対面右側に立ちシャワーがある。その立ちシャワーの横にサウナ。サウナはやはり人気なのでそれなりに人が入っていた。


今度は入り口の右手前に微細泡による白濁の湯がある。一般的にはシルク風呂と呼ばれるものだ。
こちらもそれなりに広くて詰めれば5~6人は入れそう。温度は低くて40℃前半を維持していた。
さらに手前の扉をあけると露天風呂になっている。狭いスペースながら椅子が3つ並び、外気浴を楽しむことができる。肝心の湯船はというと、浴槽は縁の部分が木材を利用し、中はタイルで、3人が入れる高濃度炭酸泉。
炭酸の濃度は正直言ってかなり低く感じた。ほとんど泡が体につかず、炭酸泉特有の温感も感じられなかった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


壁絵は伝統的な和風の模様を壁一面にあしらっている。浴室全体も木材や落ち着いた色合いのタイルが使われ、最近リニューアルした銭湯の共通点が数多くみられた。


ここは子どもに対する配慮が随所に見られるので、子連れの入浴客がものすごく多く、終始子どもの声が響いていた。
昨今は小さな子どもの騒ぎ声がクレームになるなど不寛容な時代であるが、ここなら親も気兼ねなく子どもを連れてくることができるだろう。もちろん大人も十分に楽しむことができる。
常に賑やかで、清潔感に溢れ、あらゆる立場の人たちを公平に扱ってくれる理想的な銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 井荻
経路 南にまっすぐ
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 自宅のような新しい建物
壁画・眺望 和風の模様
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 バイブラ、ボディジェット、水風呂、シルキー風呂、炭酸泉
サウナ あり
温度 39~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり

◆人
受付 20代の男性と40代の女性
客層 幅広い年齢


【案内】

住所
〒167-0022
杉並区下井草5−3−15

電話番号
03-6913-7226

アクセス
西武新宿線「井荻」駅下車、徒歩6分

休日
月曜

営業時間
14:30−22:30
(最終入店22:00)

※東京銭湯ホームページ転載

両国湯屋江戸遊(東京・両国)

2023-05-13 06:20:00 | スーパー銭湯
#両国湯屋
江戸遊





都営地下鉄大江戸線
#両国駅
▲都営地下鉄の両国駅のA3出口。後ろにそびえ立つのは大江戸博物館。この時は大規模改修工事中で休館していた

▲出て正面に横断歩道があり

▲その横断歩道を渡った先に、江戸遊の広告看板がある


▲そのまま直進すれば

▲江戸遊に到着。あっという間の距離だ




▲ビル丸ごとで大きな建物である。白い部分がのれんを表現したものだろう


入り口に入って奥に進むと長方形に囲われたフロントがある。
下駄箱は手前かと思ったら、左の奥に進むとあった。男女に分かれていて、男が青で、女が赤と区別されている。
手前側の下駄箱はほとんど空いてなかったので、この時点で相当混んでることが分かった。フロント前も行列ができており凄く人気があるところのようだ。
待っていて順番が来ると対応してくれたのは20代の男性。ほかに40代ぐらいの女性と20代の女性がフロントに立っていた。大手になると対応は軒並み良いのだが、若い男性の対応はややぶっきらぼうな感じ。たまたまだったのか分からないけど。
初めてかどうか聞かれて、「初めてです」と答えると、それぞれのコースを紹介された。自分は銭湯オンリーで構わないので1時間コースをお願いすることに。値段は1500円とここの最安値である。ほかのコースは余計なサービスが加わり値段が高すぎるので、このコースがなかったらたぶん来なかったと思う。
支払いは下駄箱の突起がICチップになっているのでそれをかざして各種サービスを受けて、最後に精算する仕組み。
タオルとバスタオルは手提げ袋に入れられてフロントで渡される。返却する際は脱衣場の返却用バスケットに入れる。
時間制なので、説明が終わった段階で下駄箱のIC部分を端末にタッチし、そこから時間が開始される。
ちなみに帰りの会計は精算機がフロントのはす向かいにあるので、そこで手続きをする。支払いは現金だけでなく電子マネーなども使えて便利。
ゲートも下駄箱の突起をタッチすると開くようになっている。


男湯は2階と紹介されたので、エレベーターでのぼることに。
エレベーター前では綺麗な若い女性たちが列をつくり、なんだか場違いに来てしまったという感覚に襲われる。
エレベーターを降りると、入り口には重厚なのれんがぶら下がり、その反対側には休憩室が用意されていた。優雅な音楽が流れ、テレビもあった。
のれんをくぐれば脱衣場になるが、予想通りにだいぶ混雑していた。
ロッカーは横列にいくつか並び、一つひとつは細い縦型になっている。旅行者なども訪れていたが、スーツケースなどは一階の入り口受付で預かってくれていた。
ロッカーの横にはドレッサーが壁一面に並ぶが、ティッシュや綿棒、無数の化粧水がところ狭しと並ぶ。このへんの充実ぶりはさすがだ。
ロッカー同士の間隔は狭いので少しストレスを感じた。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲使わなかったけどアメニティの品ぞろえはなかなかすごかった


脱衣場を抜けて浴室の扉を開けると最初は緩衝スペースになっている。ここでタオルを使って体を拭く。こうしたきめ細かい空間の使い方はスーパー銭湯ならではである。
その緩衝スペースを抜ければ浴室。
浴室は一般的なスーパー銭湯と比較するとすこし狭いかもしれない。
浴槽は左側から奥に掛けてL字に並ぶ。
カランは右側の空間にあり、落ち着いた灰色で統一されている。
カランの作りはほかのスーパー銭湯と変わらないが、歯ブラシにナイロンタオルや櫛などアメニティが用意され、備え付けはシャンプーにリンス、ボディーシャンプー、ボディーソープもあった。
ボディーシャンプーとボディーソープの違いはいまいちよく分からないが、とにかく種類が豊富。それと大手メーカーのものを使っており、巷の銭湯みたく備え付けが安っぽくない。
カランの作りは奥行きがあるので、銭湯の固定シャワーに慣れてしまうとちょっと使いにくいと感じた。


浴槽は手前がいきなり「あつ湯」で、足を入れたらたしかに熱かった。ここだと本格的に熱いお湯に入りたい人もそれなりに納得できる湯船だろう。とはいえめちゃくちゃ熱いわけでもなく44℃ぐらいか。これは薬湯仕様にもなっており、この日は菖蒲の香りを楽しめるものだった。入れる人数は、たぶん4人ぐらいが限度だと思う。
その奥が主浴槽となるジェットバスを備えた白湯で、奥がハイパージェット、手前が座湯になっている。
温度は41℃ぐらいとスーパー銭湯らしく適温。真ん中には手すりが設置され、足下には足つぼがあった。限られたスペースを有効活用するために色々とコンパクトに収容されている。


出典:江戸遊ホームページ引用
▲こちらは女湯なので壁絵が違っている


さらに奥が浅浴槽の高濃度炭酸泉。白湯とおなじぐらいの広さを誇り、それなりに人数を収容できる。
入ってみると炭酸の濃度はスーパー銭湯にしてはかなり低いなと感じた。このあたりは率直に残念だった。
そこから右に目を向けると水風呂がある。
水風呂は真ん中に段差をもうけていて、温度は20℃前後ぐらいか。スーパー銭湯らしく無難にまとめている。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲濃度の低い炭酸泉


出典:江戸遊ホームページ引用
▲やや狭い水風呂


サウナももちろんあって、浴槽の対面にふたつある。右側がフィンランドサウナと命名されたもので、左が中温サウナ。
フィンランドサウナはやはり本格的な熱さで入った瞬間から強い熱波が体全体を覆う。広さもそれなりあり、定番のテレビが入り口近くに置かれてあった。この日は夫婦漫才で有名な大助花子のドキュメンタリーを流していた。
お隣の中温サウナは中温とあるが、さほど温度の差はなくて十分に普通のサウナとして通用しそうに思えた。
先ほどのフィンランドサウナよりは狭く、8人ぐらいが限度か。
ここもテレビが用意されてあるが、空撮された景色がひたすら流れるだけだった。

出典:江戸遊ホームページ引用
▲フィンランドサウナ


出典:江戸遊ホームページ引用
▲こちらが中温サウナ



そのサウナの裏側に立ちシャワーがある。湯船に浸かって、サウナを利用して、立ちシャワーで汗を流す動線を想定したものだろう。
ここが面白いのは、2つあるうちの一つは滝シャワーと呼ばれるもので頭上には桶が取り付けられている。ハンドルを下げると水がぶちまかれる仕組み。
滝シャワーというか、見た目とおりバケツシャワーである。


▲江戸遊独自のユニークな仕掛け


ここまでが室内で、奥の二重扉をあけると露天風呂になっている。といってもご存知のとおりビルに囲まれた立地なので、完全なオープンではなく天井部分と横板の簀の子から外気が入ってくる構造となっていた。そのために半露天風呂といったところだろうか。
入ってすぐ目の前は薬湯で、ここは森下仁丹が作った漢方薬だった。
見た目は青汁そのもので、なんとなく入るのに抵抗を覚えたが入ってみると匂いは通常の漢方薬湯と変わらない。むしろややマイルドで、温度は41℃ぐらいと快適。
その横に小さな窪みがあり、壁には湧出口があるのだが中は空っぽ。以前は使っていたけど、今はやめてその空っぽを誤魔化すように観葉植物が並んでいた。


露天風呂の左側奥には寝湯があるが、こちらは通常の寝湯と違っていて少し深みがある。なので入ってみると首をあずける角度がややキツい。ただそのかわりに半身部分はお湯にすっぽりと浸かるので冬場はちょうどいいだろう。通常の寝湯は体の表面が出てしまうので、冬の時期になるとちょっと厳しい時がある。
露天風呂のスペースは壁沿いに椅子が並び、みんな各々外気浴に浸っている。
ベッドチェアも二つあるが、こちらはかなり人気だったので、自分は使うことができなかった。


出典:江戸遊ホームページ引用
▲寝湯。写真は白濁だが、自分が訪れたときは透明の白湯だった


客層は多彩で、年齢層か幅広く、日本人だけでなく外国人(とくに白人)も目立った。フランス語とか聞こえたりとか、いかにも東京らしい風景。


壁絵は葛飾北斎の富嶽三十六景の神奈川沖浪裏を豆タイルで描いたもの。絵であるが、その絵を写実的に表現しているので、絵なのにまるで写真のようでもある不思議なタイル絵だった。


有名なスーパー銭湯ということでここはかなり期待を寄せたせいもあったが、一つひとつの質を考えてみると意外と普通かな?という印象を抱いた。
既存にないような新しい設備はなく、浴室に限ってみれば安パイにまとめられたという印象だ。
ただ、入り口から浴室までその空間演出は秀逸で、非常に洗練されていてお洒落。この特別な空間演出が広く支持されている要因かもしれないと感じた。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 両国
経路 すぐそば
周辺の環境 テナントビル

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 北斎の絵
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ハイパージェット、座湯、炭酸泉、水風呂、薬湯、寝湯
サウナ あり
温度 41~44℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(料金込み)
備え付け あり

◆人
受付 20代の男女と40代の女性
客層 多彩


【案内】

営業時間

10:00 - 翌8:30

住所

〒130-0014
東京都墨田区亀沢1−5−8

tel

03-3621-2611



通常コース
時間無制限
大人2,970円
中人2,270円
江戸遊カード会員2,570円
カード会員デー(毎週火曜)2,370円
休日割増料金
330円

3時間コース
大人・中人2,400円
休日割増料金
330円

短時間コース(60分)
大人・中人1,500円

深夜割増料金
深夜1:00~翌6:00まで
1時間ごと360円

入館回数券
10枚1セット26,700円

※江戸遊ホームページ転載

大森湯(東京・大森町)

2023-05-06 08:46:00 | 銭湯
#大森湯




京急本線
#大森町駅

▲京急の大森町駅



▲階段を降りて改札口


▲大森町駅を振り返る


▲改札口を出たら右に進む。TSUTAYAやマクドナルドがある方面だ


▲ラーメン屋さんとまいばすけっとが見えたら止まり


▲右折する


▲ちょっと歩いて


▲ここでストップ


▲左折すると


▲大森湯がみえてくる



▲銭湯特区ってなんだろう?


▲到着


入り口はやや狭くて人とすれ違うときに譲り合う必要がある。
下足箱に靴をあずけて自動扉を開けると、すぐ目の前にフロントがある。
座るのは50代ぐらいの恰幅の良い男性。ちょうど入浴客と会話を楽しんでいるところだった。
見た目は少しいかつい感じだったが、話をすると柔らかい対応をしてくれた。
「貸しタオルありますか?」と訊ねると「30円なんですよ」と申し訳なさそうに言われた。備え付けも中にないということで30円の石鹸を購入。
右奥には休憩室があり、重厚なソファーやマッサージチェアが並ぶ。いかにも昭和らしいレイアウトであるが、古い銭湯特有のくすんだ感じがなくてきちんと手入れがなされている様子。
男湯は右側で女湯は左側。


出典:東京銭湯ホームページ引用



出典:東京銭湯ホームページ引用
▲入って右奥に休憩室がある


のれんをくぐると、ここの脱衣場は少々変わっている。
というのもロッカーがある空間の右側に間仕切りがあり、座るためだけの空間になってる。手前には自販機が設置してあり、水分補給をしながらまったり過ごすのにいいだろう。
ちなみに自販機は大塚製薬で、「ととのう」というサウナ専用の飲料が売ってあった。サウナブームは広く知られているが関連商品まで出てくるとは驚き。
ロッカーは入り口近くでL字型に設置され、大きさは通常サイズ。
真ん中にはテーブルや椅子、古いマッサージチェアなどもある。足踏み機(ステッパー)や足つぼも見かけた。
トイレはかつて和式だったであろうところに様式の便器。和洋折衷の作りだ。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室のとびらを開けると、浴室自体はそんなに広くないが、みっちりと様々な設備が用意されていて密度が高い。
真ん中に島カランがあり、シャワーは勢いがあって使いやすい。蛇口部分には温度調節機能が取り付けられてあった(実際に使えるかどうかは試さなかった)。


出典:東京銭湯ホームページ引用


右手前にサウナ。その奥にかけてはボディジェットバス(ジュビナバス)がある。この手の設備は強い水圧が掛かるためどうしても故障しやすく、やはり例外なくこちらも一部壊れていたが8割以上は稼働していた。冷たさはそれほどでもなくてちょうどいい心地よさだった。
さらに隣奥に立ちシャワーがひとつ。
じつは立ちシャワーは左側にも2つ並んでおり、最初はなぜ左右に用意してあるのだろう?と疑問に思っていたが、サウナからあがってシャワーを浴びさせるための動線として作ったのだろう。だとするとよく考えられている。
こうした作り込みは浴室全体にも感じられて、壁にはカラフルなガラスブロックが使われていたりと、細部にこだわりがある。
右側の立ちシャワー奥に水風呂。
一段あがった場所で、ステージにあがったように周りを見渡すことができる。浴室から一番目立つ場所だ。
水温はかなり冷たくて、16℃ぐらいかと思われる。サウナマニアも唸らせる玄人向けの水風呂だ。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲右奥がサウナ。真ん中がジュビナバス。左が立ちシャワー


湯船は水風呂の奥から浴室の左端までゆるやかな曲線を描いたL字になっている。
奥の右側が赤外線のバイブラで、その左隣が座湯。ここの目玉は天然トルマリン風呂で、マイナスイオン効果のある鉱石が湯船に沈み込んでる。
大田区の銭湯はかねがね黒湯が期待されるので、黒湯がない代償として用意したものかもしれない。
温度はかなり熱くて、44℃ぐらい。足を入れた段階からキツいと感じる。ただ、しばらく慣れてくると気持ち良くなってくる。これは熱湯によるドーパミン効果かもしれない。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲手前が水風呂で、奥が主浴槽




最後の左端にあるのが薬湯。主浴槽が熱かったので薬湯はぬるめに設定してるだろうと希望観測で足を入れたら、あまりの熱さに音速で足を引っ込めた。
呆然と立ち尽くしていると、主浴槽に入っていた高齢男性が「熱いでしょ?」と声を掛けてきて、「めちゃくちゃ熱いです」と答えたら「誰も入れないんだよ。49℃ぐらいかな」と温度計を見ながら教えてくれた。
それからその男性が水道のハンドルをひねると水で埋め始めて、自分のために気を使ってくれたのかと思い「大丈夫ですよ」とことわると、「みんなのために低くするんだ」と言って一生懸命かき混ぜていた。
たしかに素で入れる人はおそらくほとんどいない。どう考えても火傷するレベルだ。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲右が主浴槽で、左が熱すぎる薬湯


客層は高齢者が中心だが、子どもや若い男性もちらほら。設備が充実してる割にはそんなに混雑してなかったので、ゆったりといられて居心地よかった。


以前来たときは下町にある昔ながらの銭湯という印象を持ったが、再訪してみると創業当時は最新の設備をそなえた銭湯だったことに気付いた。昭和の頃に試みた未来を体感することができる。
全体を通してみると古い銭湯であることは明らかだったが、古さを残しながらも無理のない範囲で今風への脱皮を計ろうとする痕跡も感じられた。とくにサウナへのアプローチは顕著だ。
熱湯を堅持する昭和文化は残しつつ、サウナブームの潮流にもしっかりと乗っかるなど、古い時代と新しい時代が交錯する銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 大森町
経路 北方面
周辺の環境 住宅

●空間演出
建物外観 昔ながらの建物
壁画・眺望 竹林の写真
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 余裕がある
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 水風呂、バイブラ、赤外線、座湯、薬湯
サウナ あり
温度 45~49℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 誠実
清潔さ きれい
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし

◆人
受付 50代の男性
客層 年齢層は幅広い


【案内】

住所
〒143-0015
大田区大森西3−8−17

電話番号
03-3764-7844

アクセス
京浜急行線「大森町」駅下車、徒歩3分

休日
原則第2、4、5火曜日

営業時間
15:00−23:00

※東京銭湯ホームページ転載