銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

藤の湯(東京・用賀)

2018-08-25 07:28:24 | 銭湯


東急田園都市線の用賀駅を降りると、歩いて10分ぐらいのところに藤の湯がある。
マンションが軒を連ねる大通に、半分隠れるように建っていたのが藤の湯だった。
その立派な宮造りと現代的なマンションとのコントラストが鮮やかだ。
古い銭湯が好きな人は入り口からヨダレが垂れること間違いなしの銭湯だろう。



▲用賀駅。本来なら南口に降りるべきだったが東口にでてしまった


▲南口方面へと歩く


▲ひたすらまっすぐ


▲この奥に南口の出口がある






▲途中、消防署がある












▲地図だとこのあたりのはずだが…


▲右側をみると、コンビニの横になにやらそれっぽい建物が




▲到着


マンションの裏に宮造りの建物が突如として現れるのは、ある意味日本的というか、奇抜な組み合わせだ。
外見からして古い銭湯であるが、内部は意外にも今風な要素も散見される。ただ古さを打ち消すのではなく、むしろセンスある形に整えるような演出だった。


左奥はコインランドリーになっていて、どんな感じか覗くと若い男女が利用していた。銭湯の入り口は右側。
入ると、最初はテラスのような休憩所になっていて、人でごった返してる。
ここがユニークなのは番台であるが、配置がフロントであることだ。

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

ふつうは番台だと入り口に下足箱があって男女に分かれるのだが、ここでは最初に番台があり、その番台の左右に下足箱がある。
こうした方法だとプライバシーが確保されて合理的だと思ったが、他の銭湯でもなぜこうした方式が広まらなかったのか謎である。


番台に座るのは80代ぐらいのおばあちゃん。いかにもドラマに出てきそうな感じの人で声が高く、話し方もそれっぽい。とても好感がもてる。貸しタオルをかりるときは「ハイよ」といった感じだ。人気者なのかお客さんとずっと話していた。


脱衣場の中に入ると、また期待を裏切らない景色が広がる。木造建築の雰囲気をしっかり残した造りで、渋い柱などがその古い建物の色気を醸し出していた。
ロッカーも木を基調としており、建物と非常にマッチしている。
体重計や柱時計、非常ベル(特にこれが実際に使えるのか?と驚くほど古いものだった)も年代物で、やや薄暗い感じもその古さに拍車を掛けていた。

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

出典:東京銭湯ホームページ引用

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

浴室に入ると、脱衣場と同じように木をふんだんに見せた構造をしていて、本来ならある壁絵の部分は木の板がはめ込まれていた。
下の部分にタイル絵。花の絵であるが、藤ではなかった。

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

設備は、入り口からみて島カランが真ん中にあって、左右の壁にもある。
浴槽は、奥に一つ。左側がバイブラで、右側がステンレスの棒で仕切られた座湯が2つ。
あと特筆すべきは、右奥にある桧風呂。大人が2人入ればいっぱいになるが、豪華な屋根付きだ。
そんな感じで、ここは木が主人公の銭湯である。昭和というよりも大正、明治といった感じか。
ちなみにお湯は主浴槽が42℃ほどで、桧風呂が39℃ほど。熱いのが苦手な人も桧風呂なら入れるだろう。だだし、蛇口からお湯と水が出ていて、お湯がめちゃくちゃ熱かったので蛇口に要注意。

出典:せたがや銭湯ガイドホームページ引用

出典:東京銭湯ホームページ引用

出典:東京銭湯ホームページ引用

こうした銭湯であるためか、非常に混雑していた。それと入浴客が多種多様である。
最初に入ったときは下足箱ですれ違ったのが、外国人。それと途中で小さな女の子たちも入ってきたし、親子連れが何組かいた。あとは全身刺青を入れた人や高齢者はほかと変わらないけど、若者も多かった気がする。


とにかく古い銭湯が好きな人やセンスある空間に興味がある人には是非ともお勧めしたい銭湯である。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 用賀
経路 通りをまっすぐ
周辺の環境 マンション

●空間演出
建物外観 宮造り
壁画・眺望 木の板
統一感 あり
置物 世界の鯨、版画
照明 ふつう(ちょっと暗め)

★設備
休憩所 番台前
脱衣所 きれい
シャワーの出 
浴槽の種類 
サウナ なし
温度 39℃、42℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 ほんわかする
清潔さ きれい
貸しタオル あり(0円)
備え付け あり

◆人
受付 80代のおばあちゃん
客層 高齢者、中年、若者、少年少女


【案内】


住所
〒158-0096
世田谷区玉川台2−1−16

電話番号
03-3700-3920

アクセス
東急田園都市線「用賀」駅下車、徒歩8分

休日
金曜、第4木曜

営業時間
15:30−23:00

※東京銭湯ホームページ転載

朝日湯(東京・日暮里)

2018-08-18 08:22:42 | 銭湯



日暮里駅から住宅街の狭い路地を抜けて10分ぐらい歩いたところに朝日湯がある。
素朴で古い建物ながら手入れが行き届いており、受付の対応も良いなど好感度の高い銭湯だった。



▲日暮里駅


▲谷中方面(西方向)へと歩く


▲奥の突き当たりを右


▲しばらく真っ直ぐ






▲日暮里駅を振り返る。右奥に見えるのがスカイツリー






▲ここを左折


▲坂をまっすぐ登っていき










▲分かれ道。近道なら左だが、今回は右を選択


▲なぜかというと…






▲谷中銀座(夕焼けだんだん)を初めて訪れたからだった




▲この先が谷中銀座と呼ばれる商店街であるが、朝日湯はその左側になるので左折


▲左折したところ


▲なにやら行列ができているが


▲どうやらあんみつ屋さんの行列らしい。谷中方面に歩くとやたらと女性の姿が目に付くが、食べ物屋の多さが理由だろう


▲飲食店を抜ければ、一気に閑散とした住宅街の空間になる








▲ここを右折






▲すぐに左折


▲細い路地の中に


▲いかにも下町らしい雰囲気だ


▲右折


▲すぐ左折






▲大通りに出ると






▲朝日湯に到着


歩いて10分ほどだったが、とにかく起伏の激しい道で、文字通り谷の中という感じである。
観光地に近い場所にある朝日湯だが、中に入ると素朴で地域向けの銭湯という感じだった。


下足箱にサンダルを預けて右側の自動扉をあけると、左手にフロント。受付に座るのは60代ぐらいの男性。
対応は物凄く丁寧で、感じがとても良い。自然とこちらも丁寧な受け答えを心がける。
右側には休憩所があって、家庭的な雰囲気だ。


男湯ののれんをくぐると、平均的な広さの脱衣場。狭くもなく広くもなく、特徴は一切ない。左側にロッカー。真ん中にベンチ。浴室入り口の右側に体重計。全体的に余計なものがなく清潔感あふれている。


浴室に入ると、右側にカーテン付きの立ちシャワー。左にはサウナがあったものの、その日は稼働してなかった(中は真っ暗だった)。
それと島カランは2つあるが、浴室が狭いためか壁カランは右側しかなかった。


浴槽は、奥にあって右側から深浴槽の薬湯。真ん中が座湯。左端がゲルマニウム温泉。ともに温度は45℃ほど。
なかなか熱めだが、これぐらいでないと下町の江戸っ子が納得しないのだろう。


壁絵は、タイル絵。西洋のお城が湖畔に浮かぶ。天井は高く水色で塗られており、最近塗り直したのか新鮮な感じだ。壁には所々小さなタイル絵が貼られてある。


客層は高齢者と若者の半々ほどで、だいぶ混雑していた。この日は日曜日で朝から開店してたため10時半頃に訪ねたのだが、11時になると一気に引けてほとんど入浴客がいなくなった。
ほかの銭湯でもこの時間は人が少ないので、朝風呂に共通する穴場の時間かもしれない。


それとこの銭湯で特徴的なのはすごく静かなこと。客のマナーも良かった。
やはり店主がしっかりしてると入浴客もお店のマナーを遵守するものなのかもしれない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 日暮里
経路 商店街をかすめて住宅街を抜けた先
周辺の環境 住宅街

●空間演出
建物外観 素朴な建物
壁画・眺望 西洋のお城
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 入り口奥
脱衣所 特徴はないが清潔
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 薬湯、座湯、ゲルマニウム温泉
サウナ 
温度 45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 とても丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(20円)
備え付け なし

◆人
受付 60代の男性
客層 高齢者、中年、若者


【案内】

住所
〒110-0001
台東区谷中2−18−7

電話番号
03-3821-5849

アクセス
東京メトロ千代田線「千駄木」駅下車、徒歩2分

休日
年中無休

営業時間
14:00−25:30
土、日、祝は10:00から営業

※東京銭湯ホームページ転載

塩湯(東京・四ッ谷)

2018-08-13 11:37:31 | 銭湯


JRもしくは東京メトロ四ッ谷駅を下車して新宿方面に4~5分ほど歩いた路地裏に塩湯がある。ここは1916年(大正5年)開業という歴史ある銭湯だ。



▲四ッ谷駅


▲新宿方面に向かう歩道


▲そのまま真っ直ぐ進む








▲病院を見つけたら道を左に曲がる


▲すると塩湯がみえてくる


▲到着


入り口ののれんをくぐると、男女左右に分かれており、作りは比較的新しい。ただ下足箱は微妙に古く、新旧入り交じった感じだ。


自動扉をあけると、左手に番台。座るのは70代半ばぐらいの男性。この年代の男性にしては珍しく丁寧な対応である。
脱衣場は広くもないが、むかしの銭湯としては通常の広さか。
天井はなんら意匠もなく平凡な感じ。右側と真ん中に古いロッカーが並び、手前に椅子、真ん中のロッカーの裏側もベンチのようになっていて、さらに浴室入り口横にも古い体重計と並んでベンチがある。
左手には洗面台。番台横には小さな冷蔵庫もあり、昭和の銭湯そのものだ。


浴室に入ると、浴室も脱衣場同様にやや狭い。
入って最初に目につくのが壁絵。ペンキ絵ではなくタイル絵になっている。雪を被った山脈の麓には湖畔が広がっている。
個々の配置は、入って左側に立ちシャワーがあり、手前右側にはサウナ。しかし驚きなのは強気の値段設定だ。掲示には「サウナ1000円」の文字がある。
昨今はスーパー銭湯でも1000円以下のところがゴロゴロある中で一般銭湯でサウナ1000円(もちろん入浴料込みであるが)はブルジョア向けである。


洗い場はサウナの裏側まで続いているのでL字型になっていて、真ん中の島カランはカランのみでシャワーがないが、左右の壁側にはすべてハンドシャワーが付いている。勢いもあり使い勝手が良い。
床や壁の色はアイボリーであるが、あとは天井、浴槽のタイルと青系で占められている。


奥に浴槽があって、右から水風呂、バイブラ、座湯が2つと、その左端が深浴槽。
特にバイブラ、水風呂は小さい。
珍しいことに、水風呂以外は全部薬湯だった。
本格的な暑さ以降、久しぶりの銭湯だったのでいきなり45℃の入浴はきつかったが、足を入れたあとは意外とすんなり肩まで浸かることができた。


客層は自分が入ったときは若者と年配者が半々ほど。たまたまかもしれないが、帰り際も小さな子どもを連れたお母さんが入ってきており、若い層にも支持された銭湯なのだと思った。
客同士の会話では、年配者と若者が話し合っていて、こういう世代を越えたコミュニケーションがある銭湯というのはいいなと感じる。地域に密着した銭湯なのだろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 四ッ谷駅
経路 新宿方面へ真っ直ぐ
周辺の環境 オフィス、飲食店、マンションがごちゃ混ぜの地域

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 山脈と湖畔
統一感 あり
置物 特になし
照明 ふつう

★設備
休憩所 脱衣場兼
脱衣所 昭和の色合いが濃い
シャワーの出 勢いもあり使いやすい
浴槽の種類 水風呂、バイブラ、座湯、深浴槽
サウナ あり
温度 45℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(40円)
備え付け あり(石鹸、シャンプー)

◆人
受付 70代半ばぐらいの男性
客層 幅が広め


【案内】

住所
〒160-0008
新宿区三栄町1

電話番号
03-3351-9179

アクセス
中央線「四ツ谷」駅下車、徒歩3分

休日
月曜

営業時間
15:00−23:00


※東京銭湯ホームページ転載