銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

末盛湯(大阪・動物園前)

2023-08-19 06:26:00 | 銭湯
#末盛湯




大阪メトロ御堂筋線
#動物園前駅

▲動物園前駅

▲去年は工事中だったが、ようやく終わりが見えてきた(でもいまだ工事中。いつまでやってるのか)

▲エスカレーターをのぼり


▲2番出口にでたところ

▲出たら右(新今宮駅方面)に進む

▲ひたすら真っ直ぐ


▲阪堺電車の路線をまたいで


▲奥のローソンまで行き

▲ローソンのところで左折する

▲入船温泉をすぎると




▲お弁当屋さんを横切り


▲ここでストップ

▲右折したところ。ここからがいわゆる西成のあいりん地区(ドヤ街)になる。すえた匂いが漂い、道路の両脇には無数の自転車が並び、道端に座って暇を持て余す高齢者たちが目に付く

▲公園がみえてきたら、左折する


▲左に曲がったところ


▲ちょっと歩けば右側に末盛湯がみえてくる。外壁の赤レンガが特徴的だ


▲中に入ったところ


▲天井は創意ある作りでお洒落だ


ごらんのように真ん中に券売機があり、下駄箱のところから男女にわかれている。右が女湯で、左が男湯だ。
左の扉をあければ、右手に受付の番台があり、座るのはメガネを掛けた少し恰幅のよい白髪の男性。
とても柔らかな対応をしてくれて好印象だった。一般的に大阪の人というと当たりの強いイメージがあるが、実際は穏やかな人が多く、ここの店主もそうした人だった。
それとお客さんが来てない間は浴室やトイレをたえず清掃しており、その生真面目さも伝わってきた。
番台なので当然ながら入ってすぐに脱衣場になっているが、その脱衣場の広さに圧倒される。
真ん中にネットを張れば、そのままバレーボールかバトミントンの試合がやれるのではないかという広さだ。しかも広いだけでなく、置いてある物がほぼないので、その広さが余計に際だっていた。
せいぜい真ん中に椅子とテーブルがあるぐらいで、片隅に体重計や古いマッサージチェアが置かれてあった。
ロッカーの扉はオレンジ色に統一され、広い脱衣場の壁に沿ってずっと並ぶので、数の多さも半端ない。これはかつて多く客人たちが訪れた証だろう。


扉をあけると浴室もまた広い。しかもシンメトリー(左右対称)でシンプルな設計である。個人好みの空間だ。
左右の壁にはカランが並び、手前にはかけ湯のお湯がある。その裏側にも少しだけカランがあった。
一般の銭湯では珍しく、カラン前に椅子が横に倒して並べてある。
シャワーはこの手の古い銭湯にしては勢いが申し分なく、使い勝手は良好。
立ちシャワーが一つだけ入り口の横にあるのだが、ボタボタシャワーで出てくるのは水のみだった。真夏は体を冷やすのにちょうど良くて気持ちよかった。
気になるのは、立ちシャワーの横壁にあった複数のノズル。おそらくジュビナバスだろう。
近くにステンレスのプッシュボタンがあったので押してみると、こちらはぬるいお湯だった(もしかすると夏の外気温でそうなってただけかも)。ほとんど水圧がなくてすべてが中途半端なので、あまり使う意味がないと思った。


そして肝心の湯船だが、ちょっと変わった形をしており、ここはT字型。一つの湯船になっていて、けっこう広い。
縦のラインは手前が浅浴槽で、その奥が深くなっている。
奥にある横のラインは、左はなにもなくて、真ん中は座湯、右にバイブラと電気風呂が並んでいる。
温度は41℃ほどと適温だ。


天井を仰ぎ見るとアーチ状をしており、そこに三角のガラス窓が取り付けられている。男湯は入り口の手前にあり、女湯は奥側にあった。
全体のベースカラーは白とクリーム色の内壁でその色合いと差し込む自然の光がみごとに調和し、やさしい雰囲気に包み込まれていた。


自分が浴室に入ったときは入浴客がたまたま誰もいなくて、しばらくは独占状態だったのだが、それからしばらくして途中で入浴客が入ってきた。高齢者とジャージのような服を着た中年男性だった。
なぜ服を着た人が入ってくるのだろう?と思ったら、服を着た人は座る場所を高齢者に指示すると、シャワーを出して背中を洗ってあげたりしていた。
おそらくデイサービスのような立場の人なのだろう。
一方で、高齢者はほとんど自分でできるのか、服を着た人はすぐに撤退して脱衣場のテーブルでノートになにやら書き込んでいた。献身的に世話をしてる感じではなかったが、そこは高齢者ができることを尊重してなのかもしれない。
東京でもたまにこうして銭湯でお世話する人を見かけるが、お客さんの立場で服を着て入ってくる人は初めてみた。
それからしばらくして暴力団関係者とおぼしき肩に刺青を入れた高齢者が2人入ってきた。このあたりは地域柄なのかやはり街中を歩いていてもタトゥーを入れた人は多いなという印象がある。


建物はどうしても古さは否めないが、清潔感がしっかり保たれていて好感がもてる銭湯だった。
この末盛湯で日本の三大ドヤ街にある銭湯はすべて回ったことになるが、それらの銭湯はすべて一般の銭湯よりも清潔感があった。やはりドヤ街にあるから汚い銭湯とは言われたくないと経営者たちは努力しているのかもしれない。
それとここは下手に新しいものを取り入れず、当時の情景がそのまま残っているのも感心した。
作り物ではなく、本物の歴史の足跡が継承された銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 動物園前
経路 ドヤ街にむかう
周辺の環境 ドヤ街

●空間演出
建物外観 ビル
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 自然採光

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 かなり広い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 座湯、バイブラ、電気風呂
サウナ なし
温度 41℃
棚 なし
男女入れ替え なし

■サービス
接客 柔らかい
清潔さ きれい
貸しタオル あり(30円)
備え付け なし

◆人
受付 60代ぐらいの男性
客層 高齢者


【案内】

営業時間・営業期間
6:00-23:30

休業日
水曜日

電話
06-6641-7753

住所
大阪府大阪市西成区萩之茶屋2-8-2

交通アクセス

南海高野線 萩ノ茶屋駅より徒歩約4分

※ニフティ温泉ホームページ転載


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
大阪まで (荒川三歩)
2023-08-19 07:41:41
行ったんですか!
活動範囲がだだっ広いですね。
大坂も銭湯は少なくなったでしょうねえ。
返信する
Unknown (southandnorthface)
2023-08-19 08:48:43
荒川三歩さんへ

ここ最近は大阪に毎年旅行にいってるんですよ!
でも、三年連続で行くと少し飽きてきたので、来年は新しい刺激を求めて違うところにしようかなと考えてる最中です。
大阪も少しずつ減ってはいるそうですが、それでも全体の数をみるとまだまだ健在という印象です。
東京と比べても質の高さは目を見張りますね。独自の文化と競争原理が働いているので、銭湯巡りをしていてとても面白いところです。
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